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内容はどうか。背表紙にあるように「世界の『超』ビジュアル漫画」が15本掲載されていて、とても豪華である。顔ぶれと作品は、以下の通り(表紙から)。
「蒼天航路」完結から1年余、待望の最新作ついに登場!
●王欣太「三界のスサ」日本
伊・仏 長編読み切り!
●IGORT「baobab」イタリア 42ページ
●SERA「Bar」フランス 30ページ
日・伊 実力派の力作!
●ひろき真冬「Out Of The Blue」日本
●TENUTA「CARPE DIEM」イタリア
世界の若き才能、競演!
●DE LUCA「PSICOMACHIA」イタリア
●NEMIRI「KRA!」フランス
●和泉雄己「TRIBAL GEAR」日本
●鈴木小波「燐寸少女」日本
デビュー40周年!ついに描かれる「デビルマン」の起源!
●永井豪とダイナミックプロ「悪魔騎士」日本
日・伊 個性派対決!
●福山康治「ペットハウス」日本
●PALUMBO「CUT vs.RamaRRo」イタリア
アジアン・ニューパワー!
●Boichi「Stephanos」韓国
●FSc「FLUSH」シンガポール
●陸明「記憶」中国
非常にうまい構成だと思う。海外からの作品を含めた15本を、ただ並べるのではなくきちんと理由をつけた構成にしている(うまい理由付けをひねり出したものだと思わぬでもないが)。普通の漫画雑誌と同じく右開きで始まるが、後ろのほう、本の約1/3くらいが左開きである。最初はとまどったが、やはり海外作品は左開きのほうが自然に思える。自然ではあるが、右開きと違ってスイスイ読めるというものではない。
たまたま今日の読売新聞文化欄に、岡崎京子の「Pink」仏語訳がフランスで出版されたという記事があった。その際、日本式の右開きと、欧米流の左開きを同時刊行というユニークな試みがなされた。そして、右開きを左開きに変えると、出版部数が2〜5倍に増えるという。もちろん、開きを変えるということは、絵を反転させたり移動させたりの加工が必要だ。
「MANDALA」では、右開きの海外作品がいくつもある。最初から右開きのオーダーをしたのか、開きを変える加工をしたのかは知らないが、違和感がないところをみると前者なのだろう。いずれにしろ、海外とくに欧米作品を収録するときに開きの問題は悩ましいだろうな。と思っていたが、編集サイドでは気にしていないようすだ。モーニングは「INTERNATIONAL MANGA COMPETITION(国際新人漫画賞)」を開催する。大賞5,000USドル、副賞2本2,000USドルが授与される大型イベントだ。その応募規定には、開きの指定はない。
< http://www.e-morning.jp/imc/
>
「MANDALA」は非常に斬新な、意義ある企画であるが、肝心の作品の質はどうなんだろう。編集者は「『絵の力』を信じた、何でもアリのカッコいい漫画雑誌を作ろうと思いました」とデジクリ2169で書いている。背表紙には「世界の『超』ビジュアル漫画」と大きく印刷されている。たしかに1コマを取り出しても力の感じられるビジュアルがある。これはすごいな、一枚のイラストレーションとしても完成されていると思う作品がある。一方、丹念に描きこまれている、彩色がうまい、という程度の作品もある(わたしの感想ですよ)。
ストーリーはどうか。これについては、正直なんともいえない。日本の長編漫画を長いこと読み続けてきた身には(そちらならあれこれ言えるが)、中短編の世界をどう評価していいかわからない。わたしにとって、よくわかる面白い作品もあるが、いまひとつわからない作品もあるというところか。
個人的な感想はともかく、こういう企画が実現したということはすばらしいと絶賛させてもらおう。国際新人漫画賞の開催もある。日本の漫画めざして世界中から才能が集まるとは、なんという刺激的なことだろう。「MANDALA」の表紙のてっぺんにこうある。
MANGA WORLD CUP
おもしろくなってきた。それにつけても、やはり日本の漫画は最高!(柴田)
MORNING特別編集 講談社MOOK「MANDALA」2007 Vol.1
2007年3月27日発行 A4縦長 フルカラー290ページ
定価(税込):2,000円
ISBN:978-4-06-378839-6
< http://www.e-1day.jp/morning/mandala/
>
< http://www.e-1day.jp/morning/comics/mandala/mandala.html
>
●本誌を講談社よりデジクリ読者3名様にプレゼント。
応募フォームをつかってください。締切は4月10日(火)14時。当選者(都道府県、姓)はサイト上に4月中旬掲載予定です。
< http://www.dgcr.com/present/list.html
>
●王欣太「三界のスサ」日本
伊・仏 長編読み切り!
●IGORT「baobab」イタリア 42ページ
●SERA「Bar」フランス 30ページ
日・伊 実力派の力作!
●ひろき真冬「Out Of The Blue」日本
●TENUTA「CARPE DIEM」イタリア
世界の若き才能、競演!
●DE LUCA「PSICOMACHIA」イタリア
●NEMIRI「KRA!」フランス
●和泉雄己「TRIBAL GEAR」日本
●鈴木小波「燐寸少女」日本
デビュー40周年!ついに描かれる「デビルマン」の起源!
●永井豪とダイナミックプロ「悪魔騎士」日本
日・伊 個性派対決!
●福山康治「ペットハウス」日本
●PALUMBO「CUT vs.RamaRRo」イタリア
アジアン・ニューパワー!
●Boichi「Stephanos」韓国
●FSc「FLUSH」シンガポール
●陸明「記憶」中国
非常にうまい構成だと思う。海外からの作品を含めた15本を、ただ並べるのではなくきちんと理由をつけた構成にしている(うまい理由付けをひねり出したものだと思わぬでもないが)。普通の漫画雑誌と同じく右開きで始まるが、後ろのほう、本の約1/3くらいが左開きである。最初はとまどったが、やはり海外作品は左開きのほうが自然に思える。自然ではあるが、右開きと違ってスイスイ読めるというものではない。
たまたま今日の読売新聞文化欄に、岡崎京子の「Pink」仏語訳がフランスで出版されたという記事があった。その際、日本式の右開きと、欧米流の左開きを同時刊行というユニークな試みがなされた。そして、右開きを左開きに変えると、出版部数が2〜5倍に増えるという。もちろん、開きを変えるということは、絵を反転させたり移動させたりの加工が必要だ。
「MANDALA」では、右開きの海外作品がいくつもある。最初から右開きのオーダーをしたのか、開きを変える加工をしたのかは知らないが、違和感がないところをみると前者なのだろう。いずれにしろ、海外とくに欧米作品を収録するときに開きの問題は悩ましいだろうな。と思っていたが、編集サイドでは気にしていないようすだ。モーニングは「INTERNATIONAL MANGA COMPETITION(国際新人漫画賞)」を開催する。大賞5,000USドル、副賞2本2,000USドルが授与される大型イベントだ。その応募規定には、開きの指定はない。
< http://www.e-morning.jp/imc/
>
「MANDALA」は非常に斬新な、意義ある企画であるが、肝心の作品の質はどうなんだろう。編集者は「『絵の力』を信じた、何でもアリのカッコいい漫画雑誌を作ろうと思いました」とデジクリ2169で書いている。背表紙には「世界の『超』ビジュアル漫画」と大きく印刷されている。たしかに1コマを取り出しても力の感じられるビジュアルがある。これはすごいな、一枚のイラストレーションとしても完成されていると思う作品がある。一方、丹念に描きこまれている、彩色がうまい、という程度の作品もある(わたしの感想ですよ)。
ストーリーはどうか。これについては、正直なんともいえない。日本の長編漫画を長いこと読み続けてきた身には(そちらならあれこれ言えるが)、中短編の世界をどう評価していいかわからない。わたしにとって、よくわかる面白い作品もあるが、いまひとつわからない作品もあるというところか。
個人的な感想はともかく、こういう企画が実現したということはすばらしいと絶賛させてもらおう。国際新人漫画賞の開催もある。日本の漫画めざして世界中から才能が集まるとは、なんという刺激的なことだろう。「MANDALA」の表紙のてっぺんにこうある。
MANGA WORLD CUP
おもしろくなってきた。それにつけても、やはり日本の漫画は最高!(柴田)
MORNING特別編集 講談社MOOK「MANDALA」2007 Vol.1
2007年3月27日発行 A4縦長 フルカラー290ページ
定価(税込):2,000円
ISBN:978-4-06-378839-6
< http://www.e-1day.jp/morning/mandala/
>
< http://www.e-1day.jp/morning/comics/mandala/mandala.html
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●本誌を講談社よりデジクリ読者3名様にプレゼント。
応募フォームをつかってください。締切は4月10日(火)14時。当選者(都道府県、姓)はサイト上に4月中旬掲載予定です。
< http://www.dgcr.com/present/list.html
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