デジクリ読者のみなさま、こんにちは。編集者の津田淳子と申します。私はグラフィック社という小さな専門出版社でデザイン系書籍の編集をする毎日ですが、そんな日々の中で気になった話を、気の赴くままに書かせていただきます。
今月1日から2008年の年賀状が売り出されましたが、郵政民営化のせいなのかなんなのか、すごいことになってますね。まず驚いたのが、佐藤可士和さんデザインの「デザイン年賀」。
< http://www.yubin-nenga.jp/main/html/products/design/index.html#dn
>
表面(宛名面)が5種類、裏面は7カテゴリ各5種類ずつのデザインがあり、計35種類。デザインについては、みな思うことそれぞれだと思いますが、民営化されたとはいえ、郵便はがきという超オフィシャルなものにまで佐藤可士和さんが登場したことに、改めてその人気(?)がすごいものなんだなと驚いた次第です。
今月1日から2008年の年賀状が売り出されましたが、郵政民営化のせいなのかなんなのか、すごいことになってますね。まず驚いたのが、佐藤可士和さんデザインの「デザイン年賀」。
< http://www.yubin-nenga.jp/main/html/products/design/index.html#dn
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表面(宛名面)が5種類、裏面は7カテゴリ各5種類ずつのデザインがあり、計35種類。デザインについては、みな思うことそれぞれだと思いますが、民営化されたとはいえ、郵便はがきという超オフィシャルなものにまで佐藤可士和さんが登場したことに、改めてその人気(?)がすごいものなんだなと驚いた次第です。
今まで「人気デザイナー」といっても、その業界の中でのスターという位置づけがほとんどだったと思うのですが、日本経済新聞社から単行本を出したり(かつそれが売れているそうですね)、『AERA』の表紙になったりと、デザイナーというと「洋服を作ってるの?」なんていう認識しかなかったであろう一般の方々にも、広くその名が知れ渡っているんですね。すごい。
このデザイン年賀状、発行枚数は1050万枚だそうですが(ちなみに年賀はがき全部の発行枚数は39億1650万枚)、どのくらい売れるんでしょうかね。私は年に一度の挨拶状くらいは自分でつくりたいと思うので買いませんが、他のみなさんはどう思うものなんでしょうか。気になります。
で、まあ、デザイン年賀状はそれはそれなんですが、それより気になるのが、同じく今年から新登場した「カーボンオフセット年賀状」!
< http://www.carbonoffset-nenga.jp/index.html
>
※カーボンオフセット
二酸化炭素を相殺する「カーボンオフセット」が注目されている。みずから排出した二酸化炭素の量を何らかの方法で計算。その結果に応じて、二酸化炭素の吸収に寄与する環境保護事業に対して、相応分の寄付などを行う仕組み。寄付の対象になる事業には、植林、森林保護、代替エネルギーの開発や利用などがある。「オフセット」(offset)には、埋め合わせや相殺の意味がある。このカーボンオフセット年賀状は定価が55円で、そのうち5円が寄付金。その寄付金は「「グリーン開発メカニズム」を活用して、CO2の削減プロジェクト(国連承認済)を支援し、京都議定書で定められたマイナス6%達成のために役立てられます(日本郵便Webサイトより)」というものらしいのです。
環境問題を考えた商品自体はいいと思うのですが、その年賀状の宛名面の印刷、どうにかならないもんですか? サイトで実物を見てもらえるとわかると思いますが、通常の年賀状は朱色1色(+くじ番号のバリアブル印刷1色)ですんでいるのに、カーボンオフセット年賀状は、そのマークを入れるために4色印刷になっちゃってるんですよ! なんて無駄なことを……。
< http://www.carbonoffset-nenga.jp/design.html
>
ある大手企業の名刺も、今までは墨1色で刷っていたのに、温暖化防止のためのCO2削減プロジェクト「チームマイナス6%」のシンボルマークを入れたためにプラス2色印刷になっちゃってて、なんだかなぁ……と思っていましたが、まったくもうちょっと根本的に考えた方がいいのではないでしょうか。
インキの使用量や印刷コストがかさむことが、温室効果ガスの排出とどう関係しているのかということは正直わかりませんが、でも「無駄な」インキやコストがかかっていることは確かなわけで、この無駄を省いても、同じ効果をあげるデザインってできるんではないでしょうか。とかなんとか思う訳です。
……と、そ〜んなこと言っている私が、「お前の作っている本の方が無駄ばっかりじゃないか!」などと言われそうな、紙やインキをめちゃめちゃ使っている本ばかり作っているので、反応が怖いのですが(苦笑)、今後ともお見知りおきのほどよろしくお願い致します。
【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp
今、一番ほしいものはUV(紫外線)照射器。なんでかって? へへへ、それは内緒です(笑)。
最近作った本は『デザインのひきだし vol.3』『田名網敬一 デイドリーム』『デザイン・制作のセオリー』『しかけのあるブックデザイン』など。
< http://www.graphicsha.co.jp/
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このデザイン年賀状、発行枚数は1050万枚だそうですが(ちなみに年賀はがき全部の発行枚数は39億1650万枚)、どのくらい売れるんでしょうかね。私は年に一度の挨拶状くらいは自分でつくりたいと思うので買いませんが、他のみなさんはどう思うものなんでしょうか。気になります。
で、まあ、デザイン年賀状はそれはそれなんですが、それより気になるのが、同じく今年から新登場した「カーボンオフセット年賀状」!
< http://www.carbonoffset-nenga.jp/index.html
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※カーボンオフセット
二酸化炭素を相殺する「カーボンオフセット」が注目されている。みずから排出した二酸化炭素の量を何らかの方法で計算。その結果に応じて、二酸化炭素の吸収に寄与する環境保護事業に対して、相応分の寄付などを行う仕組み。寄付の対象になる事業には、植林、森林保護、代替エネルギーの開発や利用などがある。「オフセット」(offset)には、埋め合わせや相殺の意味がある。このカーボンオフセット年賀状は定価が55円で、そのうち5円が寄付金。その寄付金は「「グリーン開発メカニズム」を活用して、CO2の削減プロジェクト(国連承認済)を支援し、京都議定書で定められたマイナス6%達成のために役立てられます(日本郵便Webサイトより)」というものらしいのです。
環境問題を考えた商品自体はいいと思うのですが、その年賀状の宛名面の印刷、どうにかならないもんですか? サイトで実物を見てもらえるとわかると思いますが、通常の年賀状は朱色1色(+くじ番号のバリアブル印刷1色)ですんでいるのに、カーボンオフセット年賀状は、そのマークを入れるために4色印刷になっちゃってるんですよ! なんて無駄なことを……。
< http://www.carbonoffset-nenga.jp/design.html
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ある大手企業の名刺も、今までは墨1色で刷っていたのに、温暖化防止のためのCO2削減プロジェクト「チームマイナス6%」のシンボルマークを入れたためにプラス2色印刷になっちゃってて、なんだかなぁ……と思っていましたが、まったくもうちょっと根本的に考えた方がいいのではないでしょうか。
インキの使用量や印刷コストがかさむことが、温室効果ガスの排出とどう関係しているのかということは正直わかりませんが、でも「無駄な」インキやコストがかかっていることは確かなわけで、この無駄を省いても、同じ効果をあげるデザインってできるんではないでしょうか。とかなんとか思う訳です。
……と、そ〜んなこと言っている私が、「お前の作っている本の方が無駄ばっかりじゃないか!」などと言われそうな、紙やインキをめちゃめちゃ使っている本ばかり作っているので、反応が怖いのですが(苦笑)、今後ともお見知りおきのほどよろしくお願い致します。
【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp
今、一番ほしいものはUV(紫外線)照射器。なんでかって? へへへ、それは内緒です(笑)。
最近作った本は『デザインのひきだし vol.3』『田名網敬一 デイドリーム』『デザイン・制作のセオリー』『しかけのあるブックデザイン』など。
< http://www.graphicsha.co.jp/
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- デザイン・制作のセオリー (絶対はずせないデザインのお約束)
- 佐々木 剛士
- グラフィック社 2007-09