私は本を読むことが非常に好きだ。特にミステリーが好きで、本棚やカバンに未読のミステリー小説が数冊はストックされていないと落ち着かない。昨晩は、ジャケ(装丁)買いした『ロスト・チャイルド』(桂美人著/角川書店)をやめられなくて睡眠不足……。最後まで読んでしまうと、ちと不満も残る内容でしたが、どうしても話の結末が気になって夜を徹して読了。
ちなみに正確に言うと、ジャケ買いというか、カバーのタイトル文字の印刷/加工が気になって買ってしまったんですが……。なんか見たことのない箔押しだ! と興奮して買ったんですが、家に帰って観察したら、見たことのある箔を、すごくうまーく使ってあったのでした。フフフ、どんなものか気になる人はぜひとも書店店頭でご覧あれ!
と、最初から横道にそれてしまったのですが、閑話休題。
ちなみに正確に言うと、ジャケ買いというか、カバーのタイトル文字の印刷/加工が気になって買ってしまったんですが……。なんか見たことのない箔押しだ! と興奮して買ったんですが、家に帰って観察したら、見たことのある箔を、すごくうまーく使ってあったのでした。フフフ、どんなものか気になる人はぜひとも書店店頭でご覧あれ!
と、最初から横道にそれてしまったのですが、閑話休題。
本を読むことが好きで、装丁もいろいろ気になって、なおかつ会社は本の街・神保町まで徒歩圏内。という好条件(?)が重なって、書店にしょっちゅう入り浸っているのですが、ここ一年くらい、書店で本を見ていてすごく気になるのが「横組み」本文の単行本小説がすんごく増えたこと。
もちろん昔から理工系の書籍、そして実用書などは、横組み本文のものも多くありますが、小説ではあんまり見かけませんでしたよね? 映画やドラマでも話題になった『電車男』(中野独人/新潮社)は、横組みになっていて、これも非常に違和感がありましたが、2ちゃんねるでの書き込みの再現というか、それを意識したデザインだったので、まあこれはこれだと思うのですが、それより書店で目につくのは、いわゆるケータイ小説の単行本化ですよ。これ、ほぼすべて本文は横組み。
最初は平積みされている書籍を見て「ん? なんか違和感が……」と思っていても、それがなにが原因なのかわからなかったんですが、あるとき気がつきました。「あっ、全部、左開きなのか」。手に取って中身を見てみると、ゴシック体の横組み本文。
……これって、読みにくくないの?
でも、どうやらこれらの主力読者である女子高生たちには、読みにくくないらしいですね。逆に、ケータイで横組みで読んでいるから、縦組みの方が違和感があるそうで。うーむ。
縦組み/明朝体が読みやすいというのは、「慣れ」も大きいとは思うのですが、日本語自体、もともと縦書きの筆の流れがあるせいなのか、やはり量をたくさん読むときは縦組みの方が、目が文字をスムーズに追えて、読みやすいと思うのですが、どうなんでしょうか。
モノは試しと、実は何冊かトライはしてみたんです。でも残念ながら、横組み本文はなかなか目に慣れず、やっぱり今でも読みにくい(まあ、内容もまったく興味がないものなので、それもあって読み進めるのが辛かったのだとも思いますが。おまけに付け加えておくと、カバーデザインも非常に似た感じのものばっかりで、それもちょっとつまらないです)。こんなことを感じるのは、やっぱり歳を取った証拠なのかしら。とほほ。
と、ここまで書いて、そう言えば森博嗣氏の著書には、横組みされたシリーズものがあったよなぁ、と思って検索してみたら、ご本人のブログにたどりつき、それを読んで、これはこれは驚いた。
(MORI LOG ACADEMY 2007年1月22日 【国語】縦書き より抜粋)
でも、エッセィになると、もう横書きにした方が良いし、またノンフィクションのジャンルも断然横書きが良い。縦書きだと、全部作りもので嘘っぽく思えてしまう。
< http://blog.mf-davinci.com/mori_log/archives/2007/01/post_930.php
>
ええーっ、本当ですか。そんなこと全くみじんも感じたことがなかったです。はい。まあ、その前にフィクションなら縦書きは許されるのかな、とは書いてありますが、縦書きには否定的なようです。うーん、歳に関係なく人の思うことはそれぞれ、ということですね。
縦にも横にも組める珍しい言語・日本語を使う国ならではの話ですが、縦に組むか横に組むかで頭に入ってくるスピードも、受ける印象も変わってきてしまうので、どう文字組みをするかっていうのは、心してかからないといけないですよね。
私としては、女子高生から「そんなこと言ってるなんて、おばさんだ」と言われても構わない。小説の横組み本文は読みにくいので、否定派です。(いや、本当はあんまりおばさんとは言われたくないんけど・苦笑)
【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp
最近、ジャケ買いした『悲望』(小谷野敦著/幻冬舎)は、カバーを見るだけで、なんだか心の中をガリガリっとやられてしまう悲しい感じが漂っているので、年末校了が終わって元気溌剌になる、お正月に読むことに決めました。最近作った本は『デザインのひきだし vol.3』『田名網敬一 デイドリーム』『デザイン・制作のセオリー』『しかけのあるブックデザイン』など。
< http://www.graphicsha.co.jp/
>
もちろん昔から理工系の書籍、そして実用書などは、横組み本文のものも多くありますが、小説ではあんまり見かけませんでしたよね? 映画やドラマでも話題になった『電車男』(中野独人/新潮社)は、横組みになっていて、これも非常に違和感がありましたが、2ちゃんねるでの書き込みの再現というか、それを意識したデザインだったので、まあこれはこれだと思うのですが、それより書店で目につくのは、いわゆるケータイ小説の単行本化ですよ。これ、ほぼすべて本文は横組み。
最初は平積みされている書籍を見て「ん? なんか違和感が……」と思っていても、それがなにが原因なのかわからなかったんですが、あるとき気がつきました。「あっ、全部、左開きなのか」。手に取って中身を見てみると、ゴシック体の横組み本文。
……これって、読みにくくないの?
でも、どうやらこれらの主力読者である女子高生たちには、読みにくくないらしいですね。逆に、ケータイで横組みで読んでいるから、縦組みの方が違和感があるそうで。うーむ。
縦組み/明朝体が読みやすいというのは、「慣れ」も大きいとは思うのですが、日本語自体、もともと縦書きの筆の流れがあるせいなのか、やはり量をたくさん読むときは縦組みの方が、目が文字をスムーズに追えて、読みやすいと思うのですが、どうなんでしょうか。
モノは試しと、実は何冊かトライはしてみたんです。でも残念ながら、横組み本文はなかなか目に慣れず、やっぱり今でも読みにくい(まあ、内容もまったく興味がないものなので、それもあって読み進めるのが辛かったのだとも思いますが。おまけに付け加えておくと、カバーデザインも非常に似た感じのものばっかりで、それもちょっとつまらないです)。こんなことを感じるのは、やっぱり歳を取った証拠なのかしら。とほほ。
と、ここまで書いて、そう言えば森博嗣氏の著書には、横組みされたシリーズものがあったよなぁ、と思って検索してみたら、ご本人のブログにたどりつき、それを読んで、これはこれは驚いた。
(MORI LOG ACADEMY 2007年1月22日 【国語】縦書き より抜粋)
でも、エッセィになると、もう横書きにした方が良いし、またノンフィクションのジャンルも断然横書きが良い。縦書きだと、全部作りもので嘘っぽく思えてしまう。
< http://blog.mf-davinci.com/mori_log/archives/2007/01/post_930.php
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ええーっ、本当ですか。そんなこと全くみじんも感じたことがなかったです。はい。まあ、その前にフィクションなら縦書きは許されるのかな、とは書いてありますが、縦書きには否定的なようです。うーん、歳に関係なく人の思うことはそれぞれ、ということですね。
縦にも横にも組める珍しい言語・日本語を使う国ならではの話ですが、縦に組むか横に組むかで頭に入ってくるスピードも、受ける印象も変わってきてしまうので、どう文字組みをするかっていうのは、心してかからないといけないですよね。
私としては、女子高生から「そんなこと言ってるなんて、おばさんだ」と言われても構わない。小説の横組み本文は読みにくいので、否定派です。(いや、本当はあんまりおばさんとは言われたくないんけど・苦笑)
【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp
最近、ジャケ買いした『悲望』(小谷野敦著/幻冬舎)は、カバーを見るだけで、なんだか心の中をガリガリっとやられてしまう悲しい感じが漂っているので、年末校了が終わって元気溌剌になる、お正月に読むことに決めました。最近作った本は『デザインのひきだし vol.3』『田名網敬一 デイドリーム』『デザイン・制作のセオリー』『しかけのあるブックデザイン』など。
< http://www.graphicsha.co.jp/
>