最近は水関係で遊んでいる。これは、ビー玉レンズから始まった透明球レンズの流れで、水滴レンズにトライし、さらには水滴そのものに惹かれるようになってきた。最近では、雨の日に傘を差して撮影に出かけるなど、水関係でまとめられないものかと画策している。
いろいろと実験をしていたら、ハイスピード撮影で空中の水滴を止めるコツも分かってきた。ハイスピードに強いカシオのEX-F1を使えば簡単に出来そうだが、普通のデジカメでもストロボさえ使えば、簡単に動きは止められる。
たとえば、ピストルの弾を静止させるとなると、シンクロさせるための装置なども必要になってくるが、ポタポタと落ちる水滴を止めるだけなら、連写することによって撮影は可能だ。以前にもミルククラウンにチャレンジした話を書いたが、多少進化してきているので、以下ウォータークラウンの撮影法についてのメモを記しておきたい。
いろいろと実験をしていたら、ハイスピード撮影で空中の水滴を止めるコツも分かってきた。ハイスピードに強いカシオのEX-F1を使えば簡単に出来そうだが、普通のデジカメでもストロボさえ使えば、簡単に動きは止められる。
たとえば、ピストルの弾を静止させるとなると、シンクロさせるための装置なども必要になってくるが、ポタポタと落ちる水滴を止めるだけなら、連写することによって撮影は可能だ。以前にもミルククラウンにチャレンジした話を書いたが、多少進化してきているので、以下ウォータークラウンの撮影法についてのメモを記しておきたい。
水滴落下装置に関しては、点滴の流量を調整するローラークランプを以前に紹介したが、今回は水タンクを利用してみた。これは、災害時とかアウトドアで使う水のタンクで、コックをひねると水が出てくるタイプのものだ。コックの開け方を調整すれば、ポタポタと水滴を垂らすことが可能になる。100円ショップで150円で入手したのだが、ローラークランプよりは手に入れやすいと思う。
私はこのコックを見ると某の雑誌社に勤務していた頃のことを思い出す。会社の冷蔵庫の中に入っていた小さなワインタンクに、このコックが付いていたからだ。このワインはいつも行っていた某林房という居酒屋で出していたワインなのだが、社長が気に入って分けてもらっていた。居酒屋でグラスワインやデカンタを給するためのものだと思うが、25センチ四方ぐらいのタンク入りのものだった。
これが、常に会社の冷蔵庫の中で冷え冷えになっており、コックをひねりさえすれば、赤ワインがいつでもコップに注がれるという状態になっていた。「昼間から飲んじゃイカン」という野暮な規則もなかったので、仕事の合間にちょくちょくいただいていた。給料は無茶苦茶安かった代わりに、こういう余録があったのだ。
●ストロボの閃光で写し止める
コックから落ちて来た水滴を受ける側は、ある程度の硬さがあり、平らなものが望ましい。これは水滴が王冠状にきれいにはじけて欲しいからだ。私はここにアクリル板を使った。色の種類や大きさも豊富だから、バリエーションを楽しむこともできる。
別にバット状になっている必要はない。水がプールのように溜まっていると、王冠状にはじけないからだ。タオルを傍らに置いておいて、頻繁に水を拭きながら、水滴を落とせばいい。コックからアクリル板までの距離は40センチ程度にした。
水滴を静止させるのは、ストロボの閃光だ。最近はかなり速いシャッタースピードを持つ機種も登場しているが、ストロボの閃光にはかなわない。私は今回、ニコンのSB-800というストロボを使い、マニュアルで光量の調節を行った。フル発光の状態から、1/2とか、1/4とか、8段階で光量を減らすことができるようになっている。
最小1/128まで光量を落とすことができるので、それで撮影してみたのだが、あとから調べたら約1/41600秒で光っているのだという。それだけ短い閃光なら水滴が止まっても不思議はない。ちなみにフル発光だと、約1/1050秒だそうだから、やっぱりマニュアルで光量の調整をしたほうが良さそうだ。
ただ、ダイレクトにストロボ光を当てたら、水滴にストロボの放電管が映り込んでしまった。これはあんまり美しくなかったので、ストロボの先に丸い筒をくっつけて、光源の映り込みが丸くなるようにしてみた。ライトの当て方は、まだまだ改善の余地がありそうだ。
私は外部ストロボを使って実験してみたが、カメラ内蔵のストロボでも、もちろんオーケーだ。その場合も設定で光量の調整ができれば、閃光時間を短くすることができる。それから、内蔵ストロボで接写をすると、ストロボ光がレンズで遮られて、画面の下の方が暗くなってしまう場合があるが、そんな時はトレーシングペーパーでディフューズするなどして、光が回るようにする必要がある。
●犬が振り飛ばすシブキを写し止める
水滴を写し止めるシリーズで、ほかに何かできないかと考え、犬が体についた水を振り飛ばすところを撮ってみることにした。撮影場所は風呂場。被写体は我が家の愛犬、チワワのチョコちゃん(6カ月)。
私が水を抜いた風呂桶に入り、洗い場のチョコちゃんにシャワーをかけて、ストロボで撮影するという作戦。風呂場は狭いので、カメラのアクセサリーシューに外部ストロボを付けるだけの単純な方式だ。で、チョコちゃんと二人で風呂に入り、シャワーを浴びせかけるのだが、チョコちゃんは水を振り飛ばしてくれない。
ナンデ? いつもやってるじゃない。あれをやってくれればいいんだよ。水の量が足りないかと思って、シャワーで水をかけ足すが無反応。というか、プルプルと震えだし、恨めしい眼で私のことを見つめるばかり。あまり、長時間やると虐待になってしまうので、ロクな写真は撮れなかったが、しぶしぶ撮影は中止。
しかし、部屋に連れて行くと、今度はいつものように全身を激しく振って、水滴を飛ばす動作をしてくれた。慌ててシャッターを切る。本当はそれを風呂場で何回もやって欲しかったんだけどしょうがない。
撮影した画像は情けないものだった。まず、大きな水滴は飛ばしてしまった後だったので、水滴が写っていない。これでは意味がない。それからフリフリをしている最中の一瞬を切り取ると、かなり不気味な写真になってしまった。白目を剥き、激しく顔が歪んでいる。これじゃあ、ただのブス犬の写真だ。
いろいろと反省すべき点があるなあ。理想的には、狭い風呂場じゃなくって屋外の方がいいよな。天気のいい日に、きれいな芝生の上で撮影するというのが、シチュエーション的には、良さそうだ。
でも、犬のリードを外していい公園なんて知らないし、リードを外したらそのままどこかへ駆けて行ってしまいそうだ。ロケーションを考えたり、犬の訓練をしたりということを考えると、この企画はけっこう難しそうだ。れにチワワがいくら水しぶきを撒き散らしたとしても、いまいち迫力は出ないしな……。
◇ハイスピード撮影の作例
< http://www.flickr.com/photos/zenji001/sets/72157606078608613/
>
【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
◇上原ゼンジのWEBサイト
< http://www.zenji.info/
>
◇「カメラプラス トイカメラ風味の写真が簡単に」(雷鳥社刊)
< http://www.maminka.com/toycamera/plus.html
>
- デジカメでトイカメ!! キッチュレンズ工房 ~ピンホールに蛇腹、魚眼でレトロでアナログなデジタル写真を撮ろう!~
- 上原 ゼンジ
- 毎日コミュニケーションズ 2007-06-22
by G-Tools , 2008/07/17