数日前、プリントアウトした紙をめくっているときに、左手の人差し指の腹をスパッと切ってしまった。意外に深く切れて、血がダラダラと……。まあ、絆創膏を貼っていたらすぐに血は止まって傷口は塞がったものの、キーボードを叩く時に常にピリ、ピリと痛む。うーむ、左手の人差し指をこんなに使っているとは。
コピー用紙はプリンタやコピー機に通しやすいように、キュッと繊維が締まってコシをもたせているため、指を切りやすいですよね。包丁でちょっと切ってしまったり、猫に引っ掻かれたりするより、なんか紙で手を切ったときの方が痛く感じるのは、気のせいでしょうか。
一般的に、一番よく手にする紙のひとつは「新聞紙」ではないかと思うのですが、コピー用紙に比べたら、圧倒的に新聞紙で手を切ることの方が少ない。新聞紙は薄くてコシのないぺらぺらした紙だから、というのも理由だろうけれど、他にもあるような気がする。それが「ギザギザ」ではなかろうか。
コピー用紙はプリンタやコピー機に通しやすいように、キュッと繊維が締まってコシをもたせているため、指を切りやすいですよね。包丁でちょっと切ってしまったり、猫に引っ掻かれたりするより、なんか紙で手を切ったときの方が痛く感じるのは、気のせいでしょうか。
一般的に、一番よく手にする紙のひとつは「新聞紙」ではないかと思うのですが、コピー用紙に比べたら、圧倒的に新聞紙で手を切ることの方が少ない。新聞紙は薄くてコシのないぺらぺらした紙だから、というのも理由だろうけれど、他にもあるような気がする。それが「ギザギザ」ではなかろうか。
そう、新聞紙は、天地の端が「ギザギザ」になってますよね。こうなっていることで格段に手が切れにくくなっているのではないかしら。まあ、左右方向はまっすぐな断面だから、根拠は薄いけど。
さてこのギザギザ、どうしてつくかご存知でしょうか。
新聞の印刷は、大量にすばやく印刷するために「輪転機」という方式の印刷機で、巨大なトイレットペーパーのようなロール状の紙を使って印刷している。長く繋がった紙に印刷をし、その後一枚ごとに切っていくのだが、印刷スピードは一分間に1000部(!)という信じられない早さだそう(もちろん頁数によって変わるが)。
それを同じスピードで切っていかなくてはならないので、通常、紙を切るようなまっすぐな刃ではなく、ギザギザした山型の刃の方が紙に食い込み、超高速で紙を切るのに向いているためこのような断裁方法がとられ、結果として新聞紙の天地はギザギザになっている、というわけだ。
ちなみに新聞折り込み広告でも、天地がギザギザになっているものがありますよね。これも大量部数を刷るために輪転機を使っているチラシは、同じようにギザギザになっている、というワケ。毎朝、チラシを見るとそんなことがわかって、これまたおもしろい(って、思わない人の方が多いか……)。
新聞紙は結果として、紙の端がギザギザして、手も切れにくくなっているが、それを意図的に使っているものがある。皆さんも必ずひとつは家にあるのではないかと思うのだが、その紙製品は何でしょうか?
答えは「手さげ紙袋」。袋の作り方によって違うのだが、袋の口が切りっぱなしになっている紙袋ってありますよね?(そうじゃないものは、紙が折り返してある)この切り口分を見てみると、おお! ギザギザになっているではないか。
これは作業効率からではなく、お買い物をした時などに手を切らないために、わざとギザギザ型に断裁しているのだそう。確かにここがスパッと切れていたら、手を切りそうだよなぁ。紙も硬くて丈夫なものを使ってる紙袋も多いし。
何気なく使っている製品にも、さまざまな工夫が凝らされているんですな。うーむ、すばらしい!
【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp
金銀とCMYKの掛け合わせ見本帳がでました。『標準 印刷見本帳2 銀×青金×赤金×CMYK×CMYK×マット/グロスニス編』よろしくお願いします!
箔押しのことを完全網羅した『デザインのひきだし6』発売中! 「箔押しのA to Z」「板紙の魅力」の2大特集はどちらも必見です。他に最近作った本は『ハニカムペーパー・クラフト』『標準 印刷見本帳1 蛍光色×CMYK×マット/グロスニス編』『デザイン事務所の封筒・名刺・ビジネス文具コレクション』『しかけのあるブックデザイン』など。
< http://www.graphicsha.co.jp/
>