気になるデザイン[33]基本3色の樺色、日和色、クリーム色って?
── 津田淳子 ──

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こどもの頃、必ずといっていいほどとっていた『小学6年生』『小学5年生』が休刊。うわー、本当? とちょっとびっくりした。

昨晩、そのニュースを伝えるテレビ番組のなかで、マンガ「あさりちゃん」(私がこどもの頃も掲載されていましたが、まだ連載されているとは!)の作者が「以前と比べると、流行りがなくなった」というようなことを話していた。版元の話でも「学年で区切ってだすのは難しい時代になった」というような趣旨のことも聞こえた。確かに本屋さんに並んでいる雑誌をみれば、これだけ細分化したものがたくさんでているわけで、情報が反乱している現状で、こういう大きなくくりで雑誌をだすのは難しいんですかね。

部数もかなり落ち込んでいたようで、こいういニュースを耳にするたびに、同じ業界だけに、明日は我が身と戦々恐々としています......。

で、そんな私が作っているものに『デザインのひきだし』というものがあるんですが、第8号を今月初旬に発売しました。

巻末特集では「素朴な紙」という特集をしているのですが、その中で、週刊マンガ誌で使われる、色付きの更紙も取り上げています、通称(?)「せんか紙」とか「色更」などと呼ばれてるんですが、昔っから、少年誌も少女誌も、けっこう派手めな色の紙が使われてますよね。



あれは、原料に古紙がたくさん使われているために、白くしにくく、そのために色を付けたといわれていますが、実は昨年から、各社、各誌で(基本的に)同じ色の紙が使われているって知ってました?

以前は出版社ごと、また雑誌ごとにいろいろと違う色の紙が使われていて、製紙メーカーも何社もあるため、そこごとに違う色の紙をつくっていたのですが、古紙原料価格の高騰やこの不景気など、さまざまな理由から、基本3色というのが決められたとのこと。

その色が、樺色、日和色、クリーム色の3色。

書店やコンビニ、売店などでちょっと見てみてください。この3色が使われていますから。(一部、うすピンクとかもありますが)

......って、クリーム色はわかるけど、樺色、日和色って何だよ!? って思われた方多いですよね。私も最初聞いたときは、何だそれはと思ってしまいました。おまけに「日和色」は「ひよりいろ」と読んでしまったのですが、これは「ひわいろ」と読むそうで......。

樺色はオレンジピンクみたいな色、日和色はわさび色っぽい緑色なんですが、どうしてこういう名前がついたのかいろいろな人に聞いていたところ、これは日本に古来からある色の名前だそう。

樺色はダケカンバやカバザクラの色だそう。確かに幹の色を見ると、赤ちゃっぽい色をしています。
・ダケカンバ
< http://ja.wikipedia.org/wiki/ダケカンバ
>

日和色はマヒワの羽の色だそうで、こちらも見てみると、うぐいす色みたい(って、別の鳥の名前を出すのもなんですね)な色をしている。
・マヒワ
< http://ja.wikipedia.org/wiki/マヒワ
>

色の名前、紙の名前を調べていると、本当にいろいろと知らないこと、おもしろいことに行き当たって楽しいものです。ちなみに現時点での紙の名前の謎は、王子製紙の紙名の頭に多くついている「OK」って、何の略? Oは王子だと思うのですが......。ご存知の方がいたら、ぜひ教えてください!

【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp

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>

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