ところのほんとのところ[36]個展「PARADOX」のオープニングレセプションにて
── 所幸則 Tokoro Yukinori ──

投稿:  著者:


一昨日、4月7日、[ところ]にとってこれまでで最大の個展「PARADOX」のオープニングレセプションが、展示会場「ギャラリー21」の隣のスペースで催されました。

ギャラリー21自体が、ホテルグランパシフィックのなかにあるとても立派な会場ですし、オードブルも立派(笑)でした。この広いスペースが人で一杯になるんだろうか? 正直、あまりにも少ない人だったらどうしよう? という不安な気持ちが確かにありました。

今回は人生最大級のイベントなのにもかかわらず、HDDクラッシュ事件あり、ホノルルでの津波事件あり、そのうえオープニング2日前まで上海・重慶に2週間も行っていたということもあり、自分自身でほとんど個展DMを出せませんでした。せいぜい[ところ]のWebサイトやブログ、mixiなどで告知をした程度なのです。

それでも、4月1日あたりから、最近もらった名刺を整理しながら、メールでプレスリリースを送り始めました。30人ぐらいには電話で「オープニングレセプションにきてね!」と言ってたりしたのですが......。雑誌社の人ほとんどから、入稿ギリギリのタイミングなので行けないという返事、がーん。これからは、月の前半、とくに6日から11日までの間は、個展のオープニングを避けようと心に決めました。



もちろんギャラリー21もしっかり広報してくれているわけだし、そこそこ入ってくれるといいなって思っていたら、前日の予報ではその時間は雨。当日、本当に雨でした。4月にしてはずいぶん寒い。メールや電話で、やっぱり行けなくなったという人が20人近くも。あらあらどうなるんだろうねと他人事のように言ってみますが、本心は不安でいっぱいです。

そんな気分のまま、4時半に待ち合わせしている新聞社の取材に急ぎます。そういう時に限って、部屋に忘れ物をするのが[ところ]らしいところ(苦笑)。10分遅れて会場入り、真っ先に目に入ったのが、上海万博彫刻プロジェクトの関係で彫刻家の藤井浩一郎さんの応援のため行動をともにしていた、稲葉愛子さんでした。ゆっくりお話がしたかったのですが、取材が始まってしまいました。残念。だけど取材は大事です。

続いてPOLOS on earth「写真芸術の現場」の水谷充さんがやってきて取材、これはニュース的な扱いになるようです。[ところ]が話した後、キュレーターの太田菜穂子さんにもインタビュー。彼女の話は後のお楽しみってことで、その場で聞くはやめてお客さんの相手をしていたら、けっこう個展会場には人の姿が増え始めました。

< http://polosonearth.com/12/30/写真芸術の現場・所幸則【前編】/
>
< http://polosonearth.com/01/06/写真芸術の現場・所幸則【後編】/
>

新・空間設計マニュアル―最新空間30のデザイン事例いろんな顔が見えます。大学を卒業し、東京で初めて雑誌のレギュラー的仕事をした当時講談社の、同い年の後藤高志君。2000年に僕をベネチアンビエンナーレに連れて行った(ボランティア撮影)建築家の西森陸雄君ら。懐かしがっていたら、オープニングレセプションが始まる時間になっていました。

会場の中心から見渡すと、意外と人が来てくれているなと、ほっとした[ところ]でした。太田さんが皆さんに挨拶をして、その後少しのフリートークタイムになります。

なぜか[ところ]が頼まれてゲーム会社の役員もやってた頃(PS用TVゲームMOONの会社)の、ゲームデザイナー工藤太郎君や、イラストレーター倉島一幸君(ゲームのグラフィック担当)達も顔を出してくれたし、僕に上海を撮らせた「キャパ」の編集長・石田立雄さんも来てくれました。あわただしく挨拶してまわっていたら、アーティストトークの時間になりました。壇上に上がると、もうそこは人で一杯でした。やっぱり、みんな時間ピッタリには来ないもんですね。(笑)
< http://www.tokoroyukinori.com/gallery/exhibition.php
>

「ニコ動」で話慣れてはいても、一段高い所からだと緊張します。キュレーターの太田さんと話す内容は、実は決めてなかったので、どんな話が振られるのかなと思っていたら、どんな経緯で現在の表現「One second」を始めるに至ったかと、いきなり核心を衝いてきました。こりゃ大変です。本当に一から話すんですか。まあせっかくの機会だから、始めから話しましょうってな感じで、じっくりとお話しました。

そのあと、太田さんの展示意図の説明と、[ところ]の作品の解説を行うギャラリートークのために、ギャラリー21に向かいました。いつのまにか100人近くなった集団が、回廊型ギャラリーの中をぞろぞろ行進している様子は、なんだか水族館の中を回遊している魚達のようでユーモラスでした。人数が多過ぎたせいか、後ろの方の30人くらいは聞きにくかったかもしれません。

「PARADOX」と書いたスタート地点で、なぜ一枚目がこれなのかという話から始まり、今回の目玉(サイズ的にも)でもある特殊なプリントの説明(といっても詳しくは知りませんが、光が当たるとキラキラ光る不思議なプリントで、キヤノンの提供です)。

上から吊るした4メートルぐらいある、細長いプリントの意味を語りはじめたときに、その写真のモデルであるカリーナが現れました。[ところ]も知らなかった、サプライズな演出でした。
< http://ameblo.jp/kalina/entry-10501360418.html
>

4月24日(土)にも、ギャラリートークとポートフォリオレビューがあります。世界に20冊しかない、24枚のオリジナルプリントからなる希少本「PARADOX-TIME」も見られますので、ぜひ会場におこしください。まずはじっくりと自分なりの鑑賞をしてから、もう一度[ところ]の解説付きで見ることをおすすめします。オープニングのギャラリートークは、知的ゲームのようで面白かったと評価をいただいてます。

ギャラリートークとポートフォリオレビューについて、お問い合わせはこのフォームから。
< http://www.gallery21-tokyo.com/contact/index.html
>
電話・FAXでのお問い合せも承っております。
TEL.03-5410-1277 FAX.03-5410-1278
平日10:00〜17:00(土日祝除く)担当:岡山

●所幸則写真展「PARADOX」
< http://www.gallery21-tokyo.com/jp/exhibitions/2010/yukinoritokoro/
>
< http://www.gallery21-tokyo.com/jp/artists/yukinoritokoro/
>
会期:3月30日(火)〜5月30日(日)10:00〜20:00 最終日17時
会場:GALLERY 21(東京都港区台場2-6-1 ホテルグランパシフィック
LE DAIBA 3F)入場無料

●ニコニ コミュニティ「写真家の異常な愛情」所幸則 1sec(ONE SECOND)
放送土曜日21時
< http://com.nicovideo.jp/community/co60744
>

4月10日は、10年来の友人、ラジカル鈴木さんとお互いの変化について話します。写真とイラストレーションという違いはあれど、同じ渋谷在住アーティストとして、お互いどう思って見ていたのか、どうやって変わって行ったのか、本音で話します。

【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 < http://tokoroyukinori.seesaa.net/
>
所幸則公式サイト  < http://tokoroyukinori.com/
>
http://www.genkosha.co.jp/cp/mook/271.html