ところのほんとのところ[37]雨よし晴れよしモントリオール
── 所幸則 Tokoro Yukinori ──

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また旅立ちだ。今度はバンクーバー経由でトロント、トロントからモントリオール。腰が痛い状態で14時間飛行機に乗るのは不安なので、朝から整体にいく。少し楽になったので慌ただしい中だが行ってよかった。

セルリアンタワーからリムジンバスで成田に向かう。こういうとき、近くに国際的なホテルが近くにあるのは助かる。ありがとうセルリアンタワーホテル!空港やリムジンバスの中で無線LANが使えると、iPodタッチが役に立つかなと思って、バスの中で手続きをはじめたけど思ったより、面倒。終わった頃には電池が半分になってる。あほらしい。

空港に着いて、チェックインしようとしたらトラブル発生らしく、JALの人がなにやら調べ始めた。何事だろうと思いながら待っていると、[ところ]より前に「トコロユキノリ」という名前の人間がチェックインしたので、JALのシステムがエラー表示をだしたらしい。



調べてみると、同姓同名の別人だということで無事にチェックインできた。なにやら不思議な体験だけど、会いたいなあって思いが[ところ]は強かった。昔から、モデル事務所の所マネージャー、レーコド会社の所さん、パティシェの所さん、たくさん近くにいるのだけど、いつもタイミングを逃して来た。そういえば、高校の合格発表で所真由美という名前を見て、入ってきたら会いたいと思ったのが始まりだったけど。会えたためしがないんだ。だれか、所さんに会わせて頂戴!

話をもどそう。無事チェックインを済ませて、出国手続きを済ませて75番Gに向かう。なぜかゲートの中で待ってる間に、パスポートチェックがはじまった。随分海外に行ってるけど、初めてのことだった。カナダに行く時は普通なのかな? もちろん、ゲートを通る時もパスポートを見せる。何回見せるんだろ、不思議。

JALは気楽に乗れるから好きだ。ANAでもそうだけど。到着する場所とかもJALは優遇されているので降りてからも楽だし、もう一ついいのはJALは映画のサービスが離陸後30分から始まり、着陸前30分まで見られる。ANAは1時間前に終わるのが少し残念。そこらあたりが同じになればどっちでもいいんだけど。

さて、今回はバンクーバーまではJALということだ。バンクーバー経由トロント、なぜ直接いかないの? って思ったら。JALにはトロント直行便がないそうだ。だったらJALでなくてもよかったのかな。まあいい。値段は変わらない。ただ、面倒なだけだ。

●バンクーバーで走る走る

8時間ちょっとでバンクーバーに着いた。腰はまだ痛いけど、機内でもちょこちょこストレッチしてたせいで、なんとか持ったみたいだ。今回の映画はちょっと。噂のモーガン夫妻は[ところ]の好みではなかった。つまらない。ゴールデンスランバーのほうが面白かったけど、後味はイマイチ悪い。シャーロックホームズも見ようとしたけれど、目が疲れたので帰りの便で見ようかな。

さて、バンクーバーに着いて、まず自分のバッグをピックアップしにいった。いままでで一番っていうぐらい出てくるのが遅い。イライラしました。降りてから1時間近くかかった。乗り継ぎ便が1時間半後だったので、慌てて走った。

途中で親切な空港のボランティアが、トロント行きに案内してくれるのでラッキーと思っていたら、トロント行きとモントリオール行きは2週間前から国際線扱いになったことを知らなかったらしく、国内線に連れて行かれて、またもどるという痛恨のタイムロス!

遅すぎる! ってエアーカナダの人に言われながら、もうだめなの? って不安な気持ちで待ってたけど、なんとか乗れるらしい。ホッとしたなあ。エアカナダでトロントに向かう。

ここで一つ気がついた。バンクーバーとトロントって時差が3時間あるそうだ。また8時間近く乗るのかと思ってたら5時間弱だった。少しほっとしたけれど、何時も通路側なのに今回は3人席の真ん中だった。遅かったからそうなったんだろう。チェックインのとき、エアーカナダの人が端末を操作しながらぶつぶついってたのはそういうことだったらしい。

機内でも初めての経験が待っていた。映画を見ようとしたらイヤフォンがない。みんな自分のものを出してジャックに刺してる。おー、そうか。マイバッグもエコだけど、イヤホンもマイイヤホンなんだ。[ところ]だけないの、つまらんなあ。言えば売ってくれるらしいけど。

さあ、今度の機内食はどんなんだろう、腹減ったなあと思って待っていたら、なんと、売ってる! 車内販売スタイルだ。財布を入れたバッグは上の荷物入れにある。両サイドの席には屈強な若者が二人。しかも、二人とも食べる気なしだ! [ところ]は空港で食べる暇もなかったんだよー。わざわざ通路に出て、荷物降ろして、バッグから財布出して買うほど度胸がないです、はい。機内食なしかー、まずいまずいと文句は言うけど、ないのもつらいものでした。

●トロントでは散歩がてら撮影

トロントのホテルに着いたのは夜の9時ぐらい。チェックイン後、食べに出る元気もないので近くのコンビニらしきところに、水とかチョコとか買おうと行ってみる。なんだか日本のコンビニより高いなあ。カナダって物価高いんだなあ。スニッカーズみたいなものがあったので、値段を見たら2.90カナダドル、300円かよ。水も一番安い1.3Lサイズで250円ぐらいかな。

あとで知ったことだけど、カナダの水道事情はかなり良好で水道水で充分なんだそう。だからミネラルウオーターも贅沢品ってわけ。チョコレートなんかも贅沢品、で税金がたっぷりのってるそう。逆に、パンとか最低限の主食ものなんかは非常に安い。医療も無料だそうだ。

朝起きると晴れていたので、8時半くらいからホテルの回りを散歩がてら撮影。結構撮りやすい街だ。スーパーも見つけた。だけど水などはあんまり値段が変わらないなー。2時間近く撮影をしてとりあえずホテルに戻り、データーのバックアップ。

11時にホテルのロビーに来たガイドさんに挨拶して、まず朝撮影した写真を見てもらう。撮影のテーマを簡単に話して、モントリオールとの比較のために立ち寄ったことも話した。普通の観光には興味がないことを言って、どういうところに行くか相談する。

まずはタクシーで、候補地と一番のオフィス街なんかも一応ざっくり見ておくことに。実際、[ところ]が宿泊してるホテルの側のストリートがテーマにあっているんだそうだ。よくわかった。カナダのNYみたいなところがトロントだ。街全体がうまく収まっていて、イメージがつかみやすい街だ。そして、カナダのパリみたいな所がモントリオールらしい。

●モントリオールの働き者のガイド

次の日、モントリオールに飛んだ。飛行時間は1時間前後、これなら映画も機内食もどうでもいい。

ホテルに着いたのが11時ごろ、天気は悪いけれどとりあえずホテルの回りをぐるっと。なんかこうイメージが違う。中国みたい。チェックインしたホテルまで中国っぽい。どうやらチャイナタウンの一角のホテルらしい。

道路の向こう側には、カッコいいビルや教会らしい建物も見えて、ヨーロッパっぽいぞ。ちょっと撮影してみたら、結構いい感じだった。お腹がすいて来たので適当な店を探してみると、ベトナム料理屋らしき店が見える、結構人で一杯だ。牛肉と団子と内臓のフォーを頼んでみる、あたりだ! うまい。

フランス語圏ならベトナム料理が有望だ、その判断に間違いはなかった。チップのシステムを理解してなかったので、普通に払って出る。780円ぐらい、まあいいんじゃないだろうか。滞在中にもう2回は来そうな気がするので、そのときチップを多めに払おう! うまいし。

その日はゆっくり寝て、二日目は朝からガイドさんがくることになっている。あいにくの雨なので、まずはじっくり作戦会議をすることに。思ったより小さい街のようだ。パリらしい風景と、アメリカっぽい風景、ヨーロッパ的な風景も入り乱れている。宿泊しているホテルから、メインにするべきポイントまでかなり近い。

このことは、旅行代理店とかなりコミュニケーションがとれているということだね。[ところ]の写真に対する理解度が高いようだ。[ところ]はとっても感謝してます。

小雨のなか歩きながら撮影する。意外に撮りやすい。人間もラテン系のせいか撮影してても好意的だ。いままで文句を言われたのはドイツと渋谷だけ(苦笑)昼ご飯には、スモークミートというモントリオール料理を薦められた。まあおいしいけど、肉の薄切りのようなスモークされてるような、別に、まあいいかというのが[ところ]の正直な感想。

雨だけど写真は順調に撮っていた。もういいかな? と思ったところ、働き者のガイドさんが人気の街があるから行ってみないか? と言いだした。早く終わると申し訳ないと思うんだろうか。いかにもモントリオールらしい家並みだという。[ところ]の作品的には興味がないけれど、一応行ってみることにした。なるほどね、ポストカードにしてもよさそうな街並だ。

モントリオールで一番美味しいと評判のベーグル屋さんとか、パンが一番美味しいお店にも連れて行かれた。いいかげん疲れたし、データのバックアップのため一旦ホテルに戻りたい。もうこんなに働いた日はないよと思いながら、お疲れさまって言いかけたら、旧市街地も行ってみましょうということになり、う〜ん、観光に来たんじゃないんだけどな。

ガイドのキャリアが浅いから、憶えた所に全部行ってるのかもしれないと思いながらも、一応つき合ってみる。モントリールで最初に作った街並だというセントポール、たしかにパリみたいだ。しかし観光だなあ......。もう今日はダウンです。

●[ところ]は感動的についている

3日目は、ばてていたので休養中心でゆっくり30分程歩いただけ。

4日目は、もう今日晴れないとどうしてくれようって思ってたら、朝早くに少し日差しが。慌てて撮影してみるけれど、朝早過ぎて人もいないのでとっとと帰る。帰ったらニコニコ動画の生放送だ。

日本時間の21時はモントリオールの8時だ。外国からの放送は、ゲストもいないせいか視聴者が少なめなんだけど、今回は意外と多かった。100人見に来てくれたようです。ありがとうございました。次回は登録し間違えた21日の水曜日、日本に到着する日だ。

モントリオールから送り出したニコ動を終えて、ひとまず仮眠、雨降ってるしね。目が覚めたのが13時頃、とりあえずベトナム料理屋に行き昼ご飯を食べて、元気をつけてメトロに乗って、気になってた場所に行ってみる。雨だけどね。

しかし、思いがけず良い写真が撮れた! すげえ、って喜びながらホテルにバックアップしに帰ると、窓から青空が見え始めた。疲れてるから今日はこれで充分と思っていたのに。[ところ]はついているのか? ついてないのか?明日も雨かもしれないし、覚悟を決めてまた外に出る。青空は見えるけど、小雨もぱらつく。だけど撮ってるうちにドンドン晴れて来た! 大あたりだ! こういうときは疲れを忘れてしまってドンドン歩く。

小雨の日に撮ったメインの場所に行ってみる。意外だな。天気が違うと、いいと思うポイントも違うものなんだなーと改めて実感する。ほんと全く違う。あたり前だけど感動的だった。

勢いに乗って5日目、最終日も晴れ間が結構出て来た! 凄い凄い。だけどまあ今回はロケハン的な意味もあるし、倒れたら帰れなくなるので、程々にして早めに就寝した[ところ]でした。

●「PARADOX」ギャラリートーク

さて、帰るとすぐに、いま開催している所幸則写真展「パラドックス」のアソシエイトキュレータ岡山くんとニコニコ動画、4月21日という変則の放送。というのも4月24日(土)に会場でアーティストトークとギャラリーツアーがあるので、宣伝も兼ねて写真のことを一緒に話したかったのだ。

普通の写真展のトークショーは、写真家がただ語ったり、誰かと対談するのが通例だが、今回はそういう普通のこともやった上で、この会場のように大きな、しかも回廊型のギャラリーでしかできないような、作品の展示を見ながらキュレータが展示意図なども話しながら回遊していく、ギャラリーツアーといえるようなことをやります。ただ展示をみるだけではなく、ガイド付きで回って行くので楽しいですよ。

◇所幸則写真展「PARADOX」ギャラリートーク開催
時代と並走する展覧会をつくる。これがGALLERY21が目指す企画展です。現在も制作が続行するシリーズ「PARADOX」プロジェクトを、アーティストとキュレータが語ります。オープニングレセプションにいらっしゃれなかった方も是非ご参加くださいませ。
4月24日(土)17:00〜18:00
Part 1:アーティストトーク 所幸則
Part 2:ギャラリーツアー 太田菜穂子(チーフキュレータ)
参加費:無料
お問い合わせ先:info@klee.co.jp / TEL.03-5410-1277 / 担当:株式会社クレー・インク/岡山修平

◇所幸則写真展「PARADOX」
< http://www.gallery21-tokyo.com/jp/exhibitions/2010/yukinoritokoro/
>
< http://www.gallery21-tokyo.com/jp/artists/yukinoritokoro/
>
会期:3月30日(火)〜5月30日(日)10:00〜20:00 最終日17時
会場:GALLERY 21(東京都港区台場2-6-1 ホテルグランパシフィック LE DAIBA 3F)入場無料

【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 < http://tokoroyukinori.seesaa.net/
>
所幸則公式サイト  < http://tokoroyukinori.com/
>
http://www.genkosha.co.jp/cp/mook/271.html