ところのほんとのところ[61]広島から尾道へ
── 所幸則 Tokoro Yukinori ──

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[ところ]は8月の前半、広島のとある専門学校の夏期集中講座に講師として行ってきた。毎年恒例なので、今となっては楽しみの一つでもある。

[ところ]は広島に何日か夏に滞在するようになってもう9年目にもなるのだけれど、まだ全体としての広島の地理が頭に入っていない。これはちょっと問題だなとも思っている。パーツとしてはいろんな街並みが頭に入っているんだけど、なかなか繋がらない。

それがなーんだココか! と思える場所があったりするのもまた面白かったりする。多分、語学でも、歴史でも、数学でも、ばらばらに勉強していたものが、ジグソーパズルのパーツが急に繋がってきたりするときと同じように、一気に繋がるようなことが起きるかもしれない。早くそうならないかと期待してる[ところ]がいる。

今回の広島での講義は、今までよりも化学変化が起きそうな気がして[ところ]は楽しい気分。撮影の実演の部分で、途中まで尻込みしていた女の子を無理やり引っ張りあげてカメラの前に立たせてみたら、凄く盛り上がって(多分今までで一番盛り上がり)、このまま上の段階へ駆け上がるかも知れない! と感じた[ところ]だった。

人間が短い時間で成長するさまをみる。そういう瞬間を見るって楽しいよなーって思っている。[ところ]自身の刺激にもなるし。




さて、そのあと[ところ]の写真家仲間の案内で、ちょっと広島市から尾道方面に車を走らせた。意外と大きいなあ広島県って、と思いながら時々車から降りては写真を撮っていた。

最初は田舎のなだらかな山々の間を走っていて、瀬戸内海性気候というか、瀬戸内の山ってなぜ柔らかい丸みのある小さなものが多いのだろうと不思議だった。香川県や岡山県もこういう風景が多い。

なんだか[ところ]の気持ちが安らぐ感じなんだな。途中から海沿いを走ってもらうと、タンカーや造船所も見えてきた。そして、海に浮かぶ沢山の小島を見ていたら、瀬戸内生まれの[ところ]の原風景のような気もしてきた。

といっても、[ところ]は18才までしか瀬戸内にはいなくて、釣りや海での遊びにもはまらなかったので、なぜ? という思いはあるが、連絡船や、フェリーにはよく乗っていたのでそっちの記憶から来る感覚だろうか。

少し行くと、草むらのなかにあるバス停とベンチなんかも見えてきて、一度はこういう場所に住むのもいいなと思ったりしていたら、尾道に着いた。早速、尾道ラーメンというのを食べてみた。ベーシックなチャーシューメンをセレクト。うまい。

最近の東京のどんどん濃厚になっていってるものとは違い、凄く素直でシンプル、醤油味で、小魚によるだし(いりこだし)を加えた鶏がらスープ。東京の魚介系スープみたいに俺が俺がという主張もないのが、個人的には好感度が高かった。さっぱりしているけれど、旨みは充分あって飽きない感じだ。

[ところ]はこういう田舎町を普段あまり撮らないので、少し戸惑ったりもしたのだけれど、たまにはこういうのもいいかなと思っている。

東京に帰って来たら、集中講義の学生より5〜6歳上の若手写真家集団が訪ねてきた。最近ドイツから帰国した男の子もいれば、韓国から来てる男の子、ロシアから来てる男の子、日本人も数人。※1

とても頑張っているかれらののグループ展で、[ところ]がニコニコ動画で対談することになった。このコミュで9月4日の20時からなので、コミュに入っておくことをおすすめしたい。
< http://com.nicovideo.jp/community/co60744
>

ユーストリームもやるそうだ。何時間も話せそうなので面白いと思う。[ところ]のやってる所塾(< http://ichikojin.sakura.ne.jp/tokorojyuku/
>)のメンバーと同じぐらい、熱い写真家たちだから。

それから報告ですが、「東京フォト2011」に出展することが決まりました。2009年に始まってから3年連続出展することになったので、[ところ]はとても嬉しい。その直前に発売される「月刊キャパ」で連載もスタートします。それを見てから「東京フォト」にいくと面白いですよ。なぜ面白いかは、見てのお楽しみということで。

※1 Asian photo artsは東京を拠点に活動するフォトグラファーチームだ。asianphotoarts.blogの運営を中心に、それぞれの個展やグループ展等の活動をおこなっている。
< http://www.asianphotoarts.com/blog/about
>

【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 < http://tokoroyukinori.seesaa.net/
>
所幸則公式サイト  < http://tokoroyukinori.com/
>