Dの憂鬱[18]続・タブレットで読書してみたよ
── 笠居トシヒロ ──

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まいど、笠居です。あ、あけましておめでとうございます、ですね(^_^;) 本年もよろしくお願い致します。

みなさま、お正月はいかがお過ごしでしたか? オレは、もうホンマの寝正月でして、食っちゃ寝+酒のんでテレビ観るって感じで、絶対太ってるわーと思ってたんですが、今日(1/15)ジムに行って体重計ってみたら、プラス1kgにとどまってたんでホッと胸をなでおろしたところです。

あ、そうそう、年末には間に合わないな−と思ってたKindle Paperwhiteですが、予想に反してクリスマス前に届きました。
< http://goo.gl/A7waH
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さっそく開封して中身を取り出してびっくりした。電源ボタンの位置がディスプレイに表示されている! 電源入ってんじゃん!
< http://goo.gl/MQZ3c
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実は、Kindleってスリープ状態で配送されて来るんですね(完全電源OFFするためには、電源ボタンを7秒以上長押しします)。E-Inkの特性で、一度表示された画面はそれを保持するための電力をほとんど必要としません。なのでこんなことが可能なんですね。ちなみにスリープに入る前にコンテンツの代わりに「ペン先」だとか「インク壺」などのイメージ写真に画面が切り替わり、そのままスリープ中も表示され続けます。
< http://goo.gl/wHwS
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電源ボタンを一押しすると、スリープが解除されて設定画面に進み、アカウント設定まで来ると、一瞬表示はされますが、すぐ次の画面にスキップします。要するに、出荷時にアカウントが設定されているということ。まぁ、Amazonで買っているわけですから、当然っちゃ当然なんですが、親切だなーと思う反面、してやられた感も若干あります(^_^;)。




【Kindle Paperwhiteのいいところ】

・軽い!

スペックでは213gとなっておりまして、340gのNexus7より130g、308gのiPad miniより95g軽いわけですが、通勤の電車内で片手保持して読んでいても、まったく重さが苦にならないです。

じつはマグネットスイッチ入りの純正カバーを買おうかと思ってたんですが、これを装着すると340gと、Nexus7と変わらない重さになってしまうのが嫌で今回は見送りました。端末が8,000円弱なのに、3,500円もするカバーを付けるのってどうなん? とケチったのも事実(^_^;)。

・読みやすい!

わかっていたことですが、やはり反射光のEInkディスプレイは読みやすく、目にやさしいです。透過光の液晶ディスプレイより反応は遅いですが、文字を読み進める速度は、こちらのほうが速い気がします。

人間の脳が反射光と透過光ではモードが切り替わるせいだ、という話もありますが、ホントのとこはよくわからないですね。とりあえず、目が楽なので読みやすい、とだけお伝えしておきます。
< http://goo.gl/LJFnd
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・バッテリーが馬鹿みたいに長持ち!

これもEInkのおかげでしょうが、Amazonの公称では一回の満充電で8週間(!)使えるとされてます。

実際のところは、昨年末(12/21)に届いてから今日(1/15)までの間に満充電したのは一回(12/27)だけで、現状バッテリーアイコンの様子だけで見ると、おおよそ40%残という感じなので、8週間はさすがに無理なんじゃないの? いいとこ1か月強、って感じだと思うんですがどうなんでしょうかね。

でもまぁ、ほとんどバッテリーに関することを考えなくていいのは事実です。メニューエリアを表示した時に少なくなってたら充電しとこう、くらいの「なんとなく」さで充分間に合うでしょう。

【Kindle Paperwhiteの悪いところ(というか気になる点)】

・反応が遅い

ページ切り替えの反応が遅いです。これはEInkの特性なので仕方ないといえば仕方ない。バッテリー長持ちなところとのトレードオフというわけです。同じ電子ペーパーでも、ブリヂストンの開発した「電子粉流体」なら、もっと反応の良いディスプレイを作れるはずなんですが、7,890円の端末にそこまで期待しちゃ酷なのかな。
< http://goo.gl/qR9mw
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・加速度センサーがない

はい、端末を横向けにしても、コンテンツは横位置モードに切り替わりません。これ、通常はどちらかと言うと「いいこと」です。寝転んで読んでいる時(軽いので寝転び読みも苦にならないです)には、寝返りのたびに端末がいろんな方を向くので、加速度センサーがあったとしても向きが変わらないように回転ロックをかけると思います。

困るのは、前回のテキストでも書きましたが「漫画の見開きページ」です。いちおう設定メニューから「横画面モード」が選択できるので、ずっと横位置で読むつもりならこのモードを使えばいいんですが、さすがに6インチサイズの画面で、見開き表示状態のまま漫画を読むのは、小さすぎて厳しいものがあります。

ついでに言うと、この「横位置モード」は、書籍単位ではなくて端末ごとの設定になってしまうので、小説も横位置で読むことになり、読みにくい・持ちにくいといったことはないものの、ちょっとばかり「本を読んでいる感」が損なわれます。

・内蔵ライトがすぐに消灯しない

反射型の内蔵ライトは暗い場所でも目に優しく読みやすいですが、電源ボタンを押して端末をスリープモードにしてもすぐには消灯しません。スリープに入ってから忘れたころ(約2分後)に消灯します。

なんでこんな仕様になっているのかわかりません。バッテリーの無駄遣い(微々たるものかとは思いますが)だと思いますし、神経質かもしれませんが「気になる」のです。とくに寝る前に読んでて「さあ寝よう」と部屋の照明を消した時に枕元で画面がぼーっと光っているのは、すげー気になります。

いいとこ・わるいとこ3つずつあげましたが、総合的には満足しています。読む本がないのでは? というのが当初一番の心配でしたが、ダン・ブラウンの「ロスト・シンボル(上中下)」を読み終えた後、栗本薫の「グイン・サーガ」に手を出してしまったので、当分のあいだは読む本に困ることはない(なんせ正伝だけで100巻以上ある)でしょう(^_^;)
< http://goo.gl/rSyn
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グイン・サーガシリーズの挿絵や表紙絵は、加藤直之さんや、天野喜孝さんが手がけているのに、Kindleだとこれらが鑑賞できないというのはちょっと(いや、かなり)不満ではありますが。

このKindleという端末は単に電子書籍リーダーではなく個人専用のショップ。大変な脅威だ、と楽天の三木谷氏が言ったそうですが、まさにその通りで、一冊読み終わると「評価用ウィンドウ」が表示され、さらに関連書籍への購入リンクが表示されます。

そして1クリックでサクッと購入、テキストベースの小説であればものの10数秒で次の本がホームにダウンロードされます。活字中毒者にとってはまさに麻薬(笑)。

Kindle版グイン・サーガは1冊200円という破格値で購入出来ますが、130巻ほどあるんで、外伝(20巻くらい)まで入れると3万円ほど使ってしまう計算になります。でもまあいいか、◯リーとかモ●ゲーとかで絵柄だけ違うプロセス一緒のルーチンワークなカードゲームに無駄金使うことを思えば、有意義な時間を低コストで過ごせるってもんです。

【笠居トシヒロ/WEBディレクター、デジハリ大学院客員教授、京都嵯峨芸術大学講師】
< http://www.mad-c.com/
> < kasai@mad-c.com >

「マイルドセブン」の名称が2月から「メビウス」になるそうですね。名称変更の理由は、表向き「グローバルブランドとしてナンバーワンを目指す」ためだそうですが、実は「有害性が低いと誤解を招くような表現はNG」だからだそう。こういった言葉の「いいかえ」や「いいかえを強要する人」をオレは好きじゃないです。こんなことで世の中が良くなったり、差別がなくなったりはしないだろう、と思うのはオレだけですかね?