3Dプリンタ奮闘記[01]新連載 3Dプリンターがやって来た
── 織田隆治 ──

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私は昔からモノ作りが大好きで、小学生の頃からよくプラモデルを作ったり、粘土をコネコネしていたものだ。その流れで、奈良芸術短期大学付属の橿原学院高校の美術科→大阪芸術大学美術学科、というお決まりのコースに進んだ。

卒業後は、テキスタイルデザイン→SP(セールスプロモーション)グラフィクデザイン→博物館や科学館等に展示する模型の設計、制作→屋外広告、店舗デザインと、色々なデザインや制作を渡り歩き、今現在独立して10年が過ぎたところである。まあ、自分でもよく10年生きられたもんだ、と感心している。

現在は、3DCGと模型制作というデジタルとアナログをごちゃ混ぜにした、いったい何がメインなのか、自分でも分からない「風変わりな職人」になってしまっている。まあ、それもよかろう、と自分に言い聞かせているところだ。

さて、前置きと自己紹介はこれくらいにして本題に進もう。




2011年の11月末ごろに、とある知り合いから紹介された会社へ僕は出かけた。その会社は、僕の事務所から地下鉄で15分ほど行った駅のそばにあった。今だから言えることだが、行く前から僕の腰は、生後2〜3か月の、子犬の後ろ足のように浮き足立っていたのである。

なぜなら、その会社では、その当時はまだそんなにマスコミにもあまり取り上げられていなかった、「3Dプリンター」なるものの輸入販売をされていたのである。

昔からネット等ではたまに取り上げられていたので、もちろん存在は知っていた。が、しかしである。あまりにも高額な夢の機械、まさしく「ドラエもんのポケットから取り出したような魔法の箱」という認識でしかなかった。

それを身近で見るチャンスだったのだ。そこには、眩しくて正視出来ないくらいの、色々な種類の3Dプリンターがゾゾゾと設置されていた。

その時私は、ランボルギーニ・カウンタックを目の前にした、昭和世代のはな垂れ小学生のようなキラキラとした目をしていたに違いない。

40も半ばに差し掛かるいい大人なので、その溢れ出る興奮を押さえつつ、ポーカーフェイスで3Dプリンターについて説明を聞き、色々な質問に答えてもらった。そして、一時間後にその会社を後にする訳だが、その時の私の心はもうすでに決まっていた。

「買ってやるぜ」

ということで、めでたく2012年1月14日。事務所に大きなダンボールが届いたのである。最近、よくメディアでも取り上げられるようになったので、3Dプリンタを使った造形の発注をいくつも頂くようになり、今はひっきりなしに作動させている。

なんじゃそれ! そんな事聞きたいんとちゃうわ!

とか言われそうなので、次項目では3Dプリンターの特徴や原理等を少しは真面目に説明してみよう。

【織田隆治】
FULL DIMENSIONS STUDIO(フル ディメンションズ スタジオ)
< http://www.f-d-studio.jp
>

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。次回は少し真っ当な、3Dプリンタの諸々を、包み隠さず赤裸裸に書き連ねて行きます。