僕の仕事は、博物館や科学館等に展示してある模型や駆動装置の制作、ブースのデザインから演出、映像までをトータルでやっているので、これまで手作りで制作していた作りにくい部品等を、3Dプリンタを用いて制作出来、威力を発揮出来る。
これは、企業のショールームや、店舗ディスプレイ等、「ディスプレイ」というジャンルすべてに当てはまる事だと思う。
3Dプリンタを有効に使う例をあげて行こう。
例えば、建築模型等の壁面のように、直角に真っすぐ立っている板を制作するには、3Dプリンタでは効率が悪い。
積層痕が出るので、かなりの後処理が必要になるし、高さがあるものは出力に時間がかかる。それならアクリル板などを切って立てた方がはるかに楽だし、早い。
次に、同じ形状の物が沢山必要な場合は、それをいちいち3Dプリンタで出力していると効率も悪いので、マスターになるひとつを出力、整形して原型を製作。複製のための型等を制作して、樹脂にて量産する方がはるかに良い。
これは、企業のショールームや、店舗ディスプレイ等、「ディスプレイ」というジャンルすべてに当てはまる事だと思う。
3Dプリンタを有効に使う例をあげて行こう。
例えば、建築模型等の壁面のように、直角に真っすぐ立っている板を制作するには、3Dプリンタでは効率が悪い。
積層痕が出るので、かなりの後処理が必要になるし、高さがあるものは出力に時間がかかる。それならアクリル板などを切って立てた方がはるかに楽だし、早い。
次に、同じ形状の物が沢山必要な場合は、それをいちいち3Dプリンタで出力していると効率も悪いので、マスターになるひとつを出力、整形して原型を製作。複製のための型等を制作して、樹脂にて量産する方がはるかに良い。
要は、3Dプリンタをどこでどう活用するか、適材適所、という事が重要で、すべてを3Dプリンタにて制作する方が効率が良いとは言えないのである。
次に、3Dデータの有効活用、というところに着眼してみよう。
博物館や科学館等の展示に必ず付いて来る映像制作で、3DCGのアニメーションをつくることが多い。映像制作に用いられる3Dデータを利用して、3Dプリンタで出力して仕上げ、仕掛けのメカなどを組み込んで、塗装して仕上げる事が可能になる。
この際、通常の3DCGで作るモデリングとは、少し違ったアプローチのモデリングをする必要があり、すべてが使える訳ではない事を熟知しておく必要がある。
これまで、3DCGと模型は、「模型は作れないけど、3DCGで...」とか、「3DCGも作りたいけど、制作コストの関係で模型だけにしよう」などといった事もあった訳だが、3Dデータの有効活用が出来るので、3DCGと模型のコラボをする事で、制作コストもカット出来る。
このメリットは大きい。
これまで別にかかっていた、設計というコストをカット出来るのである。そういった意味でも、3Dプリンタを使用しているメリットを感じている。
製作機械や機械部品等の展示模型を作ることも多い。その場合も、「3Dデータの有効活用」というメリットがある。
例えば、「小さい部品等を大きく拡大して展示したい!」「大きい機械を展示したいが、場所を取るので小さくして展示したい!」「金属製で重すぎるので、軽くして持ち歩いてPRに使いたい!」などといったケース。
こんなときは、3D設計データ等を提供してもらい、そのデータを元にして3Dプリンタにて出力。その後、表面処理をして塗装、組み立てて展示に使う、という事も可能で、これまでに色々と製作してきた。
この場合も、3D設計データを、どういった形式で受け渡しするか、というノウハウがあるが、そのノウハウの飲み込みが出来ていて、後処理等の模型としての仕上げる技術があれば、これが可能となる。
その3D設計データを元にして3DCGアニメーションを製作する事も可能だし、それを模型に置換える事も可能になる。
「安〜く出来まっせ!」とか、「コストカットせんかい!」と言う言葉は、制作者サイドではあんまり言いたくないし、聞きたくないものだが、無理をして安くするのではなく、これまでダブっていたところを無理なくカット出来るのは、クライアント側、制作者側の双方にもメリットがあるかと思われる。
「3Dデータの有効活用」このテーマこそ、3Dプリンターの存在価値をグッと上げて行くと思うのである。
【織田隆治】
FULL DIMENSIONS STUDIO(フル ディメンションズ スタジオ)
< http://www.f-d-studio.jp
>
最近色々と3Dプリンタが取り上げられるようになり、メディアでの露出も増えてきました。安価な物も出て来たりで、かなり身近なものになりましたが、普及するのはもうちょっと時間がかかりそうですね。でも、楽しみです!