Dの憂鬱[22]スパマーなんか地獄に堕ちればええのに
── 笠居トシヒロ ──

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なんかもうすっかり夏ですね。昨日も今日も、街を歩くだけでどっぷり汗かいてしょーがない今日このごろ、皆さんいかがお過ごしですか? まいど、笠居です。

さて、毎度おなじみとなったグイン・サーガ読破報告ですが、ついに90巻を突破。物語の進行がのんびりすぎ且つ情景描写心理描写が多すぎて、非常にかったるくなって来ました。もうほとんど義務感だけで読んでるような状況(^_^; しばらくやめて別の本読もうかしらん。

さて、読書とは別に、オレが最近日課としていることがあるんですが、それが「スパム退治」であります。いや、スパムメールはGmailのフィルターが非常に賢く振り分けてくれるんで、たまに「一括削除」するだけで済んでます。ここで言う「スパム」とは、メールじゃなくて、オレが主宰する「Flash-JP」に定期的に投稿される「スパムポスト」のことなんです。
< http://www.flash-jp.com/
>




だいたい、3〜5日に数件の割合で、Flashとは何の関係もない「アフィリエイト」と思しき記事が投稿されます。目立つものは「ゴルフ関係」と「サングラス」。Flashユーザが集まるコミュニティに、ゴルフクラブだのレイバンだのの宣伝書き込んでも効率悪いだろうに、と思うのですが、文章から察するに、どうやら書き込んでるのは日本人じゃなさそうなんで、空気も字も読めんのだろうなぁ。

でまぁ、これらの記事を見つけ次第「削除」して、もちろん投稿したユーザも「削除」するわけなんですが、イタチごっこというか一向にやめる気配がありませんわな。

先日なんか、一人でいっぺんに85件もスパム投稿した強者がいて(普通は多くても一人5〜6件)消すのが面倒臭いったらありゃしない。タイトルにも書いたけど、ホンマ「地獄に堕ちろ!」と思いながら消しましたね。

なんでこんなスパムを投稿するかといえば、そらもう言わずと知れた金儲けのためですわね。多分記事中に散りばめたリンクURLには、アフィリエイトの引数が仕込まれてるんでしょう。誰かがクリックするたびに、スパマーには報酬がチャリンチャリン入ってくるわけですよ。

いったいその「チャリンチャリン」は如何ほどなんでしょうかね? スパムメールの報酬の相場は、一件0.1円から1円程度だということですけど、まぁスパム投稿も似たようなもんでしょうか。

メールが絨毯爆撃だとしたら、スパム投稿はいわば「地雷」ですわな。踏んでくれたら「チャリン」だけど、仕掛けた時点ではお金にならないはずだから、効率悪いと思うんですけどね(しかもオレがすぐ消すし!)。

んじゃあ、スパムの効率ってのは、どんなもんでしょう? 探してみたら、スパムの反響率についてのレポートてのが、カルフォルニア大学からでてるらしいんですね。

スパムメールで医薬品の広告を3.4億通送信すると、1万人がサイトを訪問し、28人が購入することが分かったそうで。米カリフォルニア大学の研究者が、実際にスパムメールを送信して実証的に調べたんだそうです。

はっきり言って、非常に迷惑かつ非倫理的な手法で調べたもんです。ま、スパムメールの反応率/成約率を数字で示した点は評価されるんでしょうけど。

企業やWeb制作者にとって、クリックレートやコンバージョンレート(成約率)は切実な数字です。N人に広告や勧誘を行って、n人がWebサイトを見に来たり資料請求をしたら、「n÷N」がレスポンス率やクリックレート、購入や登録までたどり着いた率がコンバージョンレートで、いずれもパーセントで表すことが多いです。

これらの数字を上げるために、Web制作者は、より良いコピーやより良いデザインを無い知恵絞って考えるわけですね。

対して、スパムの内容に反応する人は非常に少ないでしょう。それを補うために「大量にスパムメールを送信することでビジネスが成立する」=「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」というわけです。

んが、実際のところスパムメールのクリックレートや、スパムメールで紹介している商品を購入するコンバージョンレートはブラックなビジネスなので、数字が表に出てこなかったらしいです。

スパムメールがらみで逮捕者が出ると、警察発表や裁判資料として数字が出てくることはあっても、宛先のメールアドレス数や送信した件数などの前提条件が不明確で、率を計算する根拠にはならなかったんだそう。

そういう意味では、先述したカリフォルニア大学の研究者は明確な数字を出したところで評価されるべきだ、ということなわけですね。

で、実際にスパマーの収入ってどのくらいなの? ぐぐってみたところ、ドイツ有数のITセキュリティー企業「G DATA」の調査で、「パートタイムのスパマー」は、4億通のスパムメールを送くった報酬として、月収7000ユーロ(約108万円)ほど、そのほかの「マネーランナー」と呼ばれるスパムメールを送っている人々の場合は、1か月で5000ユーロ(約77万円)ほどの収入があるとのことです。

スパムメールを送信するための「スターター・パッケージ」だの、何千万通の「メールアドレスリスト」だの、カスタマイズされた「トロイの木馬」なんてものもスパマーのために用意されてるらしい。スパムメールがなかなか無くならないわけです......。

最近、「ネオヒルズ族」だかなんだかいう輩が、マスコミを騒がせているようですが、ああいう連中も結局のところ「スパマー」のなれの果てですから、他人様に迷惑かけまくって泡銭稼いでる守銭奴。オレに言わせれば、やっぱり「地獄に堕ちろ!」ってことになりますわな。

あー、でもとりあえずジャンボ宝くじでも当たって泡銭掴みたいなー。

【笠居トシヒロ/WEBディレクター、デジハリ大学院客員教授、京都嵯峨芸術大学講師】
< http://www.mad-c.com/
> < kasai@mad-c.com >

テニスもろくろくしてないのに「テニスエルボー」なるものになってしまった!! 右肘が痛くて、マウスを持つのも、今この文章を書くためにキーボードを打ってるのも辛いです。゚(゚´Д`゚)゚。 早く治ってー。