さて、前回の続きで、ホビーイベント、パーソナルユースでの3Dプリンタの需要と利用について書いていく。
昔は、フィギュアと言えば、造形職人が粘土をコネコネしたり、塊を削り出して作っていくものだった。それが、最近になって変わりつつある。
プロフェッショナルの現場でも、最近では3Dモデリングしたデータを3Dプリンタで出力した原型を元に、フィギュアを生産するケースが増えてきている。
工業製品等の設計や製作には、3DCADで設計した3Dデータを、マシニングセンタと呼ばれる三次元の掘削機械によって工業製品の試作をしたり、金型を削ってインジェクションと呼ばれる製法で製品化する手法が使われている。
これまでは、非常に高価な機械を使用しなければならず、素人にはまったくもって手の出なかった分野だ。ところが、ホビーユースに画期的な製品が出たのである。
それが、ローランドが製品として販売している「MODELA(モデラ)」という機械だ。これは高価なマシニングセンタを小型化し、ホビーユースにも使用できる製品として、かなり以前から発売されている。
しかしながら、発売された時期には、3Dモデリングの出来るソフトウェアがまだ高価であったり、一般的にあまり普及していなかったので、ユーザーは限られており、中小零細のモック製作会社といった所でしか使用されていなかった。
そして、3DCGのソフトウェアの低価格化や、3DCGが一般的にも多少身近なものになったことで、ホビーユーザー(パワーユーザー)によって、ある程度使用されるようになってきたのだ。
昔は、フィギュアと言えば、造形職人が粘土をコネコネしたり、塊を削り出して作っていくものだった。それが、最近になって変わりつつある。
プロフェッショナルの現場でも、最近では3Dモデリングしたデータを3Dプリンタで出力した原型を元に、フィギュアを生産するケースが増えてきている。
工業製品等の設計や製作には、3DCADで設計した3Dデータを、マシニングセンタと呼ばれる三次元の掘削機械によって工業製品の試作をしたり、金型を削ってインジェクションと呼ばれる製法で製品化する手法が使われている。
これまでは、非常に高価な機械を使用しなければならず、素人にはまったくもって手の出なかった分野だ。ところが、ホビーユースに画期的な製品が出たのである。
それが、ローランドが製品として販売している「MODELA(モデラ)」という機械だ。これは高価なマシニングセンタを小型化し、ホビーユースにも使用できる製品として、かなり以前から発売されている。
しかしながら、発売された時期には、3Dモデリングの出来るソフトウェアがまだ高価であったり、一般的にあまり普及していなかったので、ユーザーは限られており、中小零細のモック製作会社といった所でしか使用されていなかった。
そして、3DCGのソフトウェアの低価格化や、3DCGが一般的にも多少身近なものになったことで、ホビーユーザー(パワーユーザー)によって、ある程度使用されるようになってきたのだ。
ホビーイベントでも、これらを使ってフィギュアの原型を製作する人もまだ一部だったが、ロボットや飛行機と言った原型を製作するにはかなり画期的であり、正確なモデリングができることで、その機械を使った原型を利用して生産されるガレージキットは、シャープで左右対称な素晴しいものになってきたのである。
出始めの頃は、「そんな便利な機械を使ったものは、ホビーユースじゃないぜ!」と頑なに手作業での原型制作を擁護する人も多かった。まあ、機械も高いし、3DCGでモデリングができ、しかもその機械の特性と理解しないことには使えないシロモノであったため、妬みの対象ともなっったのであろう。
ここ2〜3年前までは、そういった理由によりまだまだホビーユースとしては一般的ではなかった機械による製作であったが、この1〜2年でかなり状況が変わってきている。
それは何故か!? そう、3Dプリンタの出現による。
今までは、MODELA等によって製作する物は、先端に使う消耗品のエンドミルというビット(簡単に言うとドリルのような物)も高価だったし、色々な知識も必要で、まだまだマイナーでニッチな世界だったのが、マスコミなどによって3Dプリンタがもてはやされて来たことで、一気にその存在が一般化してきた。
これまで、フィギュアの原型というのは、パテを盛ったり、削ったり、粘土を盛りつけて整形するといった手法が使われて来て、その専門的な知識や経験がないことには、なかなかできるものではなかった。
しかし、ここ1〜2年の間に、3Dプリンタのメジャー化によって、3DCG業界からの移行組が現れたのである。
安価でパーソナルな3Dプリンタも多く出てきてはいるが、まだまだフィギュアの原型として使用できるプリンタはない。安価な3Dプリンタは熱溶解式がメインである。というか、今のところはそれしかない。
しかし、パーソナルの熱溶解式の3Dプリンタはその積層ピッチが荒いので、後加工がかなり大変だ。そこで、出力センターというような、委託式のサービスが普及してくるのである。
高価なミドルシップのUV硬化式の3Dプリンタを導入した、そういった業者の出現により、一気に身近なものになって来たのである。
これは、かなり前の話になるが、カラーコピーが出現した時に酷似している。出力センターというような店舗がまず出現し、そこに原稿を持って行って出力していた。僕もデザイン会社に勤務している時、よく利用させてもらったものだ。懐かしい......。
そして、パーソナルユースのインクジェットプリンタが出現したことにより、その需要は爆発的に加速する。
しかし、ここで一つ言えることは、インクジェットプリンタの爆発的普及と、3Dプリンタの普及とでは、根本的に需要の広さが違う。
それは、日本人の国民行事。そう、「年賀状」である。
それまでは、「プリントゴッコ」という、簡易のシルクスクリーン印刷のできる機器で、年末になるとどの家庭でもピカッ! と原盤を作って、あの独特のインクの臭いを部屋いっぱいに充満させながら年賀状を印刷していたのである。
「あ、踏んじゃいやん!」
「踏まんといてっ! まだ乾いてないねん!!」
といった言葉があちこちから聞こえて来たものだ。若い人には分からないかもしれないが、オジサン、オバサンには懐かしい印刷機だ。
今のパーソナルの3Dプリンタは、安くなったとは言え、インクジェットプリンタのような爆発的な普及はかなり難しい。
「裾野の広さ」といったところが、これからの3Dプリンタの一般的な普及の行く末を握っているのだろう。今はまだ、「珍しさ、未来感」みたいなもので騒がれているに過ぎない。それが頭打ちになれば、マスコミも取り上げないようになるだろう。
そこを、どう拡張していくか、どういった需要を作っていくかというところが、パーソナル3Dプリンタの寿命を決定するのだ。大きな印刷機メーカーや、機械メーカーからのパーソナル3Dプリンタの発表がないのは、やはり「この問題」にあると思う。
ホビーユース。ここがどう伸びていくか、というところでまだまだ大量生産でコストダウン、というわけにもいかないのだろう。
【織田隆治】FULL DIMENSIONS STUDIO(フル ディメンションズ スタジオ)
< http://www.f-d-studio.jp
>
でも、やっぱり日本製の3Dプリンタって出て欲しいですよねぇ。
大手の皆様、なんとかそこんとこ、よろしくお願いしますよ。