ところのほんとのところ[105] ニューヨーク行き3つの目的
── 所 幸則 Tokoro Yukinori ──

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本当なら[ところ]は個展の準備で東京にいなければならなかったのですが、以前から親交のあった和楽器の奏者達がNYに行く時は[ところ]も同行すると約束していた関係もあり、ハードなスケジュールでしたが行くことになりました。渋谷での個展は11月25日からなのですが、NYから帰ってくるのは20日という、とんでもないスケジュールでした。


とりあえずプリントできる作品はすべてプリントして、マットの注文も出し、NYに旅立つ[ところ]でしたが、成田に着いた時にはもう個展のことが心配になり、というよりも荷物が重量オーバーじゃないかどうかで頭がいっぱいでした。やはり寒い時期の荷物は重くなりがちだし。

空港では2.4kgオーバーは見逃してくれて、日本はいい国だと胸をなで下ろして機内に。これがシャルルドゴール空港なら240ユーロの出費。16時に成田を出て、到着して飛行機を降り、NYのJFK空港を出たのが同じ日の15時という不思議な魔法。ハワイ辺りだともっと巻き戻されるんですけど。やっぱり不思議です。

ホテルに着き、とりあえずウエルカムディナーが待っているサリバンストリートのイタリアンレストランへ、NY時間の19時に集合。そこで全員が顔を合わせて食事。英語がさっぱり耳に入ってこなくて、やっぱりもう少し英語力が必要と痛感した[ところ]でした。

次の日は、さっそく午後からハーレム地区の再開発事業の一環だと思われる、NDIというダンススタジオ(?)でワークショップを見学&軽く撮影。そこに行く前にブライアントパークに寄ってしばらく撮影。これは「NY1セコンド」のシリーズとして。こういう時間があるから、わざわざNYにまでつき合って来ているわけです。

今回のNY行きは、長唄の奏者たちの大事な瞬間を記録すること、NYを撮ること、NYスタイルのステーキで美味しいと言われる店の中で唯一行けていないピータールーガーに行くこと、これが三大目的だったわけです。ブライアントパークではなかなかいいショットが撮れ、ハーレム地区の撮影も無事に終えて、すこしほっとした[ところ]です。

次の日は一日オフでしたが、あいにくの雨。撮影は今いちかなーと思っていたけれど、寒い時期のNY特有の、道路から立ち上る水蒸気に消える女性のカットが撮れてよかった。そして、今回友人になれたフランコのブルックリンの家に招待されて、美味しいコーヒーも飲めたし、満足の行く三日目でした。

四日目は、初日のイタリアンレストランに来ていた、コリオグラファーのジャクリーンの教えるスタジオに会いに行き、動きの優美さに見とれたのはもちろんでした。NYにあるダンススタジオの規模、こういった場所が数えきれない程あるという事実に驚きました。日本のバレエやダンススタジオの現状ってどうなんだろうって、なんとなく考えたりした[ところ]です。

ジャクリーンとは、またすぐに会って写真を撮ろうねと言って別れ、NYで一番という評判で期待しているNYスタイルのステーキハウス、ピータールーガーで食事。本当にわかりやすく一番でした(笑)。山のような肉の塊はあっというまに胃袋におさまり、まだ食べ足りないような気がする程でした。

そして、今回の旅のメインであるアジアンソサエティでのライブも無事終わり、次の日には帰路へ。ところが、帰ってみるととんでもないことが待ち受けていたのでした。

【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 < http://tokoroyukinori.seesaa.net/
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所幸則公式サイト  < http://tokoroyukinori.com/
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