さて、[ところ]のアメリカ滞在も終盤にさしかかり、2月6日はニューヨークにおける重大ミッションが二つある日なのです。
ちゃんと朝早く起きて、ブルックリンの友人であるコロンビア系アメリカ人フランコの入れたこだわりのコーヒーを飲んで、コロンビア式の朝食もいただきました。フランコの車で出かけるはずだったのですが、彼は急な風邪でダウンしてしまったので、マンハッタンまで地下鉄で行くことになりました。
地下鉄でダウンタウンまで出て、ハーレムのNDIのジャックに会いに行くのが一つ目のミッションです。ハーレムはこの10年で劇的に美しくなり、治安も相当向上したのですが、まだまだイエローキャブは行ってくれないことがあるので、別の友人の車にピックアップしてもらいました。
ちゃんと朝早く起きて、ブルックリンの友人であるコロンビア系アメリカ人フランコの入れたこだわりのコーヒーを飲んで、コロンビア式の朝食もいただきました。フランコの車で出かけるはずだったのですが、彼は急な風邪でダウンしてしまったので、マンハッタンまで地下鉄で行くことになりました。
地下鉄でダウンタウンまで出て、ハーレムのNDIのジャックに会いに行くのが一つ目のミッションです。ハーレムはこの10年で劇的に美しくなり、治安も相当向上したのですが、まだまだイエローキャブは行ってくれないことがあるので、別の友人の車にピックアップしてもらいました。
ジャックはもとニューヨークシティバレエのプリンシバルで、その後コリオグラファー(振り付け師)として活躍する、アメリカを代表する芸術家です。現在は非営利団体NDIの創設者として、200万人を超すダンスを志す人達に、その場所と教育を提供し続けている人でもあります。
11月のNDIの訪問時に、[ところ]の作品を興奮気味に誉めて下さったおじいちゃんがいたのですが、それがなんとジャック! そのときはそんな凄い人とは知らずに、うれしいです〜くらいしか話せなかったのでした。その光栄のお礼に、日本的な栗林公園の写真をNDIに贈呈しに行ったのです。ジャックはとても喜んでくれました。
[ところ]が思う世界最高の写真の額縁に入れた作品を持って、飾る場所を決めるため、かなり広いNDIの中、地下や二階のいろんな場所を歩き回るジャックの姿を見るのは嬉しかった。その時の目はまさに芸術家の目でした。
もう一枚、ジャックが一番お気に入りの「東急東横線にのる少女」をプレゼント。女性ダンサーが一緒に作品を見ていたのですが、ジャックが歌いながら、その場で考えた振り付けを彼女に与えました。おかげでかわいい1セコンドの作品が撮れました。
[ところ]を数えきれない程ハグしてくれたジャックは、まるで少年のようでした。
< http://www.nationaldance.org/about_founder.htm
>
[ところ]は、まず第一のミッションを無事終えることができてほっとしましたが、次もまた重大なミッションなんです。
食事をベトナム料理屋さんのフォーですませて、今度はミッドタウンの42stにある、女性コリオグラファーのジャクリーン(Jacqulyn Buglisi)のところに。
< http://www.buglisi-foreman.org/index2.html
>
ジャクリーンは数少ない踊りの流派の継承者であり、非常に優れたコリオグラファーでもあります。あのグラウンドゼロでも、毎年慰霊際での祈りの踊りの振り付けに指名されている程なのです。
昨年の11月、[ところ]は彼女の教えてる姿を見て、その動きのエレガントさに感動して、ぜひ撮らせて欲しいと頼んでいたのです。また、練習を見ていた時に数枚撮った写真のなかから、一番良い作品をプリントし、額装してプレゼントしました。
ジャクリーンは「なぜわたしを撮りたいのですか。私の教えているダンサーは美しい動きができるから、彼女らにしたらどうですか?」と言います。[ところ]は、ただ教えられた動きをするだけではない、創造する芸術家としてのジャクリーンが撮りたいと説明しました。バレエの全幕が必要ではなく、ひらめいた一瞬の動きが撮りたいのです、とも言いました。
また、今日持って来たプリントも喜んでくれて嬉しいけれど、[ところ]にとっては100%ではない、だからちゃんと撮りたいんですと言うと、ジャクリーンの顔がアーティストの顔に変化しました。
ジャクリーンは、[ところ]のスケジュールのこと、どういう所で撮りたいかなどを聞くと、義理の兄のプライベートギャラリーが41stにあるからそこにしましょうと決め、イエローキャブで5分のその場所に向かいました。
なぜこんなところに、こんな空間があるの? プライベートなギャラリーってなんだ? 専属のキュレーターもいるし、どういうこと? NYはやっぱりすごい。[ところ]はしばし呆然としました。
ジャクリーンに1セコンドの概念を理解してもらってからは、撮影の位置を5分で決め、15分で撮影を終えました。やはり素晴らしく勘がよくて、理解力がある。それが素早く撮れた理由です。最後は、これまたハグを何度もしてキスも何度もして、お別れです。
こうして、ニューヨークにおけるふたつの重要なミッションは終わりました。写真を仕上げたら、また届けに行きます。
あっ、そうそう、[ところ]は母校・大阪芸術大学の教授をすることになりました。
【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 < http://tokoroyukinori.seesaa.net/
>
所幸則公式サイト < http://tokoroyukinori.com/
>
11月のNDIの訪問時に、[ところ]の作品を興奮気味に誉めて下さったおじいちゃんがいたのですが、それがなんとジャック! そのときはそんな凄い人とは知らずに、うれしいです〜くらいしか話せなかったのでした。その光栄のお礼に、日本的な栗林公園の写真をNDIに贈呈しに行ったのです。ジャックはとても喜んでくれました。
[ところ]が思う世界最高の写真の額縁に入れた作品を持って、飾る場所を決めるため、かなり広いNDIの中、地下や二階のいろんな場所を歩き回るジャックの姿を見るのは嬉しかった。その時の目はまさに芸術家の目でした。
もう一枚、ジャックが一番お気に入りの「東急東横線にのる少女」をプレゼント。女性ダンサーが一緒に作品を見ていたのですが、ジャックが歌いながら、その場で考えた振り付けを彼女に与えました。おかげでかわいい1セコンドの作品が撮れました。
[ところ]を数えきれない程ハグしてくれたジャックは、まるで少年のようでした。
< http://www.nationaldance.org/about_founder.htm
>
[ところ]は、まず第一のミッションを無事終えることができてほっとしましたが、次もまた重大なミッションなんです。
食事をベトナム料理屋さんのフォーですませて、今度はミッドタウンの42stにある、女性コリオグラファーのジャクリーン(Jacqulyn Buglisi)のところに。
< http://www.buglisi-foreman.org/index2.html
>
ジャクリーンは数少ない踊りの流派の継承者であり、非常に優れたコリオグラファーでもあります。あのグラウンドゼロでも、毎年慰霊際での祈りの踊りの振り付けに指名されている程なのです。
昨年の11月、[ところ]は彼女の教えてる姿を見て、その動きのエレガントさに感動して、ぜひ撮らせて欲しいと頼んでいたのです。また、練習を見ていた時に数枚撮った写真のなかから、一番良い作品をプリントし、額装してプレゼントしました。
ジャクリーンは「なぜわたしを撮りたいのですか。私の教えているダンサーは美しい動きができるから、彼女らにしたらどうですか?」と言います。[ところ]は、ただ教えられた動きをするだけではない、創造する芸術家としてのジャクリーンが撮りたいと説明しました。バレエの全幕が必要ではなく、ひらめいた一瞬の動きが撮りたいのです、とも言いました。
また、今日持って来たプリントも喜んでくれて嬉しいけれど、[ところ]にとっては100%ではない、だからちゃんと撮りたいんですと言うと、ジャクリーンの顔がアーティストの顔に変化しました。
ジャクリーンは、[ところ]のスケジュールのこと、どういう所で撮りたいかなどを聞くと、義理の兄のプライベートギャラリーが41stにあるからそこにしましょうと決め、イエローキャブで5分のその場所に向かいました。
なぜこんなところに、こんな空間があるの? プライベートなギャラリーってなんだ? 専属のキュレーターもいるし、どういうこと? NYはやっぱりすごい。[ところ]はしばし呆然としました。
ジャクリーンに1セコンドの概念を理解してもらってからは、撮影の位置を5分で決め、15分で撮影を終えました。やはり素晴らしく勘がよくて、理解力がある。それが素早く撮れた理由です。最後は、これまたハグを何度もしてキスも何度もして、お別れです。
こうして、ニューヨークにおけるふたつの重要なミッションは終わりました。写真を仕上げたら、また届けに行きます。
あっ、そうそう、[ところ]は母校・大阪芸術大学の教授をすることになりました。
【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 < http://tokoroyukinori.seesaa.net/
>
所幸則公式サイト < http://tokoroyukinori.com/
>