3Dプリンター奮闘記[65]「モノ作りシェアオフィス開設計画」と「ヒカラビタノスタルジー」
── 織田隆治 ──

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さて、夏休みというモノも世間では終ったようです。僕も、今週から専門学校の授業に行ってきましたよ。

という僕は、結局休みはなかったわけなんですが、まあ、僕みたいな一人親方の仕事をしている身には、仕事が切れない、ということは非常にありがたいことでございます。

とはいうものの、少しは休みました! 夕方まで仕事をして、そのまま実家へ行き、夜ご飯を食べた後、朝事務所に戻ってくるという強行休み……。まあ、少しは休みましたとも。

ということで、ここのところバタバタしているのですが、本来の仕事とは別に、新しい動きをしています。




まあ、仕事といえば仕事なんですが、今度、新しく大阪市内、四ツ橋駅近くにオフィスを立ち上げることになりました。今現在、大阪市内、四ツ橋にあるシゴトバBASEというシェアオフィスがあり、その下階に立ち上げ予定です。

そのオフィスとは、簡単に言ってしまうと、「3Dプリンター、レーザー彫刻機を備えたシェアオフィス。」なんですが、「そんなん普通の「FabLab」みたいなモンやないか」と言われそうですが、少し違います。

熱融解式(FDM)のプリンターと、光造形プリンターを置き、会議室、5坪ほどのスペースを区切り、そこに会社、又は個人事業様に入居して頂きます。

基本的に僕の工房事務所に移設して、3Dプリンターやレーザーの取り扱いや、後の工作等をサポートしていく感じですね。

そこでは、基本的にモノ作りから販売まで、すべてをサポートする形を取っていくつもりです。

3Dプリンターで出力しっぱなしではなく、3DCADの講習から3Dプリンターの使用方法、その後の加工方法、商品開発、製造、webサービスでの販売まで、すべてをサポートして行く、結構これが今までなかった画期的なスペースになるはずです。イラストや図面から3Dプリンターにて立体化するサービスも入れて行く予定です。

基本的に、設計から試作、販売までをトータルにサポートしていくシェアオフィスで、モノ作りを支援する場所になると思います。

年内に箱をそろえ、来年1月には入居して頂けるよう、今色々な方や会社様と手を組んで進めています。

内装プランは完成し、プリンターの選定も終りました。9〜10月に200平米ほどのスペースに内装を作り上げ、11月にはすべての設備を整え、テストスタートを開始します。

先だって、3DCADライノセラスの初心者からの講義も決まり、続いて色々なソフトの講習も企画していて、9月半ば〜末から初心者コースからスタートし、金型データの制作くらいまで体験出来る90日コースを設定してます。ライノの次はzbrushあたりを予定してます。

詳細は次回のデジクリで紹介できると思います。ご興味ある方は僕までご連絡くださいませ。

< http://www.f-d-studio.jp/contact.html
>
こちらのフォームから連絡頂けるとありがたいです。

ということで、学校の話に戻りますが、いま学生さんには、デザイン、設計、3DCADでモデリング、3Dプリンターでの出力、仕上げなどをトータルで教えています。

今教えている大阪コニュニケーションアート専門学校とは別に、短期で先日は大阪モード学園さんで特別講義をやらせていただいたり、明日から三日間、母校の大阪芸出大学でも、3Dプリンターで出力したものの仕上げ等の短期講義&実習もやらせていただくことになりました。

三年前から筑波大学でも、3Dプリンターについての講義を毎年行わせていただいていましたが、今年から新しく学内に工房を設置し、そこでの実習にも参加することになり、今色々と準備を行っているところです。

僕みたいな、中途半端なオッサンなのに、本当にありがたいことです。学校で教えるなんて、全然イメージしてませんでした。

僕なんかが人に何かを伝えることなんてできない、と思ってましたから。でも、ちょっとしたきっかけで、こうやって人に物を伝える仕事をやらせてもらい、その面白さに初めて気がついた中年親父です。

僕ら世代が小さい頃、ガンプラブームがありました。それから、サーキットの狼とかが流行して、スーパーカーブームもあり、プラモデルを作ることがすごく楽しかったものです。

当時、プラモデルも凄く高価だったので(というか、ガキんちょだったんで、お小遣いではなかなか買えない)プラモデルキットを頑張って作ってみたものです。

当時のプラモデルキットは、全然パーツが合わなかったり、全然形がイメージと違っていたりしたので、自分なりに改造なんかしちゃって、結局すごく不細工なものが出来上がったりするわけですが、そういう出来、不出来は別とした「自分なりに工夫する」ことが多かった気がします。

凧あげやコマなんかでも、高く上がるように、よく回るように、という改造なんかもしてました。ちょっとした「不自由さ」が、創意工夫していく原点だった気がしてます。

今のプラモデルは非常に出来が良く、そのまま組んでもすごく良いものが出来上がってしまいます。構造はすごく難しくなりましたけど(笑)創意工夫をしなくてもいいようになってます。

そりゃあ、そのすごく良いものを、自分なりに創意工夫して、もっとすごいものを作る強者も沢山いるわけですが、そういうことがやり易かった時代なんでしょうね。

道具も今は凄く良いものが沢山出ています。僕らの時代は「肥後の神」とか(笑)使って竹ヒゴとかで凧作ったりしてましたよね。「昔は良かったなぁ」というオッサンの「ヒカラビタノスタルジー」なんでしょうかね。

でも、そういう機会を今の子供に与えてやることで、今の子ももっと色々と経験していくんじゃなかろか、なんて思ったりしてます。もっとジジイになったら、そういったこともやってみたいなぁ。


【___FULL_DIMENSIONS_STUDIO_____ 織田隆治】
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