あけましておめでとうございます。という事で、今年一番の掲載になります。
年末年始、みなさんは働いてましたか? って、僕もそうでした……。忙しいことは良いことですね。
今回は久しぶりに、熱溶解式プリンターのトラブルについて書いてみます。ときには初心に戻り、真面目なことも書かないとなあ……。
この記事を読んでくださっている方で、3Dプリンターを使っている方がどれだけおられるかは分かりませんが、最近ではかなり安い機種でも、結構良い感じでプリント出来るようになってきています。
大手メーカーでは、3Dシステムズさんが、コンシューマー機の代表だったCUBEの生産の終了を発表したところです。今後は、プロフェッショナル向きの3Dプリンターに絞っていくわけですね。
ここからは、多分ですが、僕の憶測。
3Dプリンターには各種いろいろな特許があります。それも今年で特許の期間が終わりオープンになることで、たくさんのメーカーからいろいろな機種の3Dプリンターが発売されると予想されるわけですね。
そこで、乱立するであろう、そういうプリンターとの競争を選ぶか、違う方向性を見いだして行くか、そういう選択を迫られるんじゃないかな〜、なんて思ったりしています。
それら特許の中に、熱溶解式プリンターの特許の一つである、密封された空間での3D出力というのがあるようです。
これは、特に熱溶解式のプリンターに当てはまることで、この手のプリンターは、素材を熱で溶かしてニュルニュルと絞り出して成形して行くわけです。
物質は熱で体積が増えます。熱による膨張なんですが、空気もそうですし、鉄や樹脂、いろいろなものに当てはまる現象です。
鉄道のレールが一本ではなく、途中に隙間があることはみなさんご存知ですよね。列車が動くガタンゴトンという音は、この上を通過する時に出ます。多分。
これは、夏の熱い日、レールが熱膨張で伸びてしまった際、一本のレールですと、その膨張が抑えきれず、レールが曲がってしまうのを予防する措置です。
そのことは、3Dプリンターにももちろん言えることで、溶かされた素材は冷えるまで体積が増えるわけです。
そこで、ベースとなるテーブルに癒着した部分は、冷えることで伸縮し、中央や体積の大きい部分に引き寄せられる現象が起きます。
それが原因で、造形物がテーブルから剥がれてズレてしまいます。そして、上ギリギリを通過するプリンターのヘッドが、わずかな凹凸部をキックし、造形物がズレてしまいます。
3Dプリンターは、どんどん上に積層することで造形していますので、下にあるべきものがないと、空中に素材をニュルニュルとぶちまけてしいます。
そこで、あのモジャモジャの芸術的オブジェが出来てしまうわけですね。あの芸術的前衛的オブジェを制作しないためには、造形物の最下層を、いかに土台となるテーブルから剥がれないようにするか、ということに尽きます。
そこで、最下層の部分を冷やさないようにしたりとか、テーブルに密着させる工夫が施されているわけです。
じゃ、下の層に密着している部分を熱くすれば! ということになりますが、そう簡単なことではないんです。下を熱くすることで、最下層の層は熱を帯びて縮みにくくなります。しかし、どんどん積み上げて行く部分が冷えることで、当然、上の部分は伸縮していきます。
熱すぎると、当然まだ完全に固まっている状態ではなく、やわらかい状態になってしまい、上の伸縮に耐えきれず、テーブルから浮き上がってしまうことにもなります。
このプリンター出力の変形や失敗を避けるには、上の素材と下の素材の温度バランスをいかにうまく取って行くかが重要なわけですね。
ということは、全体を温めながら出力するのが良いに決まっています。しかし、これまではその特許が足かせになっていたので、そこをおおっぴらにやってしまうことを避け、色々な工夫がされていたんですね。
テーブルに細かい穴を作り、素材がそこに食いつくことで、ズレや伸縮を防ぐプリンター。テーブルに糊を散布したり、マスキングテープを貼ってみたり。
今後、この特許期限が切れる事で、庫内を温め、歪みや失敗の少ないプリンターが出て来るのは間違いないでしょう。……と思います。
ということで、プリントはきれいに簡単に出来るものが出て来ると思います。データ制作はまだ少し敷居が高いですが、それも今後色んな技術やソフトウェアの開発で、どんどん簡単になるのは間違いないと思います。
そういう意味で、今年は熱溶解式プリンターがかなり普及するんじゃなかろうか……なんて思います。
光造形のプリンターに関しても、色々な特許があるようですね。日本のメーカーさんも、そういう特許がらみの件で、二の足を踏んでいたんじゃないでしょうか? 今後の展開が楽しみではありあます。
何故この記事を書いてみようかと思ったかと言うと、今日そのモジャモジャをやってしまったんですね、僕。はぁ〜、またやり直しです。
では、これからリカバリー頑張ります。
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