アナログステージ[144]いい歳した大人の幽霊談話
── べちおサマンサ ──

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コンニチハ。今年から祝日で『山の日』とかできたんですね。2016年中盤にきて今さら知った、べちおです。来年は『川の日』、再来年は『谷の日』とかでき、祝日がたくさん増えるのでしょうか。いやだいやだ。

脳内チャットも、さすがに飽きがきてしまったので、本日は、幽霊話とは無関係で、まったく詳しくなさそうなゲストをお迎えしてのチャットです。薩摩からお越しの、もみのこゆきと先生です(パチパチパチ

もみのこゆきと(以下、もみ)「皆の者、苦しゅうない。生まれてこの方、一度も幽霊など見たことのないBBAが通りますよっと。まっこと科学的に証明できないことは信じないワタクシに対してそのお題とは、こはいかにしつることぞや」

──もみー先生、本日はお忙しいなか、横浜まで回線に乗ってご足労いただき、ありがとうございます!

もみ「64kbpsくらいでごわす」

──早速ですがもみのこ先生、もみのこ先生は幽霊とか心霊とか信じるほうでしょうか?

もみ「見たことないものは信じないワタクシです。そのわりには、憎いアイツやソイツのとこには、生霊でも死霊でもいいから、なんとかして化けて出てやりたいと思うております。あこがれの人は六条御息所ですね」

──さすが先生、いきなり源氏キャラできましたかw

もみ「呪い殺すとか、一回やってみたいでごわすことよ」

──今回のお題は、夏も近づいてきたことろなので、『幽霊の正体を皆さんで調べましょう』という、夏休みの観察課題みたいなものですが、オイラも幽霊とか信じておりませんw

もみ「べちお先生も見たことないんでごわすか?」

──もの凄い数のお寺や神社を廻っておりますが、見たことないです。福島県のお寺さんで、『これは絶対にヤバい! 夜とかきたら間違いなくヤバい!』という、鳥肌ゾワゾワなお寺さんはありましたけど、何もありませんでした。

もみ「『幽霊はありまーす』(←STAP細胞風)。すいません。ただ言ってみたかっただけw 苦しい時の神頼みしかしないワタクシも、もちろん一度も見てない……これじゃ夏休みの研究課題にならねーでげす」

──そうなんです、『ハイ、幽霊はやっぱりいないってことで決着がつきました』と終わらせると、まったくデジクリネタとして成立しなくなるので、『幽霊とはいったい何だ?』という話を無理やり展開していきますw



もみ「ドッペルゲンガーでござんしょうか…… と書きかけたものの、それすら科学的に証明されてないし」

──結論っぽく書いてしまうと、『一過性の催眠状態になっている自分』が、幽霊の正体ではないかなぁ……と。

もみ「はー、なるほど。……え、自分が幽霊?」

──ハイ。言わば幻覚です。

もみ「そーなると、ワタクシ、ぜひとも化けて出てみたいという願望があるのですが、幻覚を見れば良いと、このようなお話になるのでせうか」

──変性意識状態で、あれこれと刺激を受けると、脳回線に混乱が生じ、それが幽霊になると。

もみ「またまたなんだか難しいお話を。いや、ワタクシとしては幻覚では困ります。化けて出て、憎いアイツに危害を加えるとか、憎からずのアイツを無理やり手籠めにするとか、そういうことができないと、化けて出てもつまらないではござんせんか」

──もみーさん、シミュラクラ現象ってご存知でしょうか?

もみ「えー、たった今『変性意識状態』ってなに? ヘンタイとどう違うの? とググったところだったんですが、シミュラクラってまたまたなんですか、それ、おいしいの?」

──ウィキ先生の解説によると、『人間の目には三つの点が集まった図形を人の顔と見るようにプログラムされている脳の働きのことを、シミュラクラ現象という』そうですが、まぁ、簡単に言うところ、脳が勝手に作り出す、幻覚(妄想)のひとつですね。

もみ「うむー、なるほど。それはあるかもしれませんのう。そうなると、幽霊とはわかりやすく言うと『見間違い』ってことに」

──シミュラクラ現象は、人間の五感でいうところの、視覚によって生みだされるるものですが、視覚や聴覚など、五感すべてが混乱したときに生まれるのが、幽霊かとw

もみ「そういう脳の働き、プログラムがあるということは理解できる気がしますねえ」

──でしょでしょ?

もみ「そうなると、そのプログラムが発動するためには、例えば人間の心の動きとか願望とか、何かそういうものが影響するのかしら? 不随意筋的に発動するのか、随意筋的に深層心理的なものが関係するのか」

──例えば、四谷怪談など昔から伝わっている、有名な怖いお話って、たくさんあるじゃないですか。

もみ「はいはい」

──あのテの話も、仮に実話であったとして、罪を犯してしまったことへの罪悪感や、もし世間にそのことがバレてしまったらなどの罪責感、精神的な切迫や、たくさんの負が心に巣食ってしまい、それが纏まって自分のなかにでてきたものが、幽霊や怨霊と考えると、ちょっと面白くありませんか?w

もみ「てことはですよ、そういう良心の呵責に苛まれる、いわば善人のところには怨霊となって自分の中に現れるけど、善意の欠如した全くの悪人には現れず、のうのうと生きていけるってことになりゃしませんか?」

──ハイ、その通りです。怪談話が創作にしても、ある範囲までは自己体験をしてみないことには、創作にも限界があるはずです。

もみ「わーーーーーー。救いがなーーーい!」

──現実的な話、善人は金持ちにはなれませんしねwwwwww

もみ「わー、だからワタクシってビンボーなのねww 笑ってる場合じゃねーよ!」

──いまの番付長者です、見てみてください。善人がたくさんwww
http://forbesjapan.com/japanrich/


もみ「あは、あは、あはははは。ところで、そういう怪談話って男が化けて出るってあったかしら? 四谷怪談も番町皿屋敷も女よね」

──あ! 確かに。男モノって聞いたことがないですねぇ。イメージとしての幽霊が、女性のほうがしっくりくるんですかね。もしくは、女性のもつ執念深さが尾を引いているとかw

もみ「幽霊になって呪う方は女で、呪われる方は男で……てことは、良心の呵責に苛まれるような善人は男、すなわち、男=善人という式が成り立つのでせうか」

──(大笑)それはないでしょう。先ほどの『執念深さ』というのは冗談ですが

もみ「『外面如菩薩・内心如夜叉』女は上っ面は優しそうに見えて、心には鬼が住んでるって言葉がありましたわなあ」

──そもそも、男性と女性の立ち位置も影響があったんじゃないかなぁ。男女平等なんて、いまの時代では当たりまえのようなものになっておりますが、少し時代を遡っただけで、男尊女卑の嫌な話が、いくらでも掘れる。

もみ「どっちかというと虐げられる性が女の方だったので、幽霊の物語として成立しやすい素地があると、そゆことかしら」

──オイラ、フェミニストなので、そういう感情で捉えることが難しいのですが、性差はあったでしょうね。

もみ「CQCQ、こちら薩摩藩です。未だ男女差別の総本山ですw(←なんで無線通信なんだ!)いやあ、なんといっても女子はサインコサイン勉強せんでええという知事のお膝元でございますwww ええ、冗談はさておき、そうなると現代薩摩藩は一番怪談話が出てもいい地域ではないかと思うでごわすよ」

──以前、オイラが吉原の遊郭とかを別コラムで書いていたのって、ご存知ですか?

もみ「あ、そうだったでごわすね」

──そのときに、まぁ、いろいろとお勉強させていただいたのですが、『生きては苦界、死しては浄閑寺』っていう言葉があるくらいで、知れば知るほど、「こりゃ化けてでて当然だわ」という事例がたくさん。

もみ「それ、再読しようと検索してるんすけど、いつごろでしたっけ?」

──番外編でやったので、ナンバーないのですが…… あったあった。
https://bn.dgcr.com/archives/20110701140100.html


もう五年も前なんだ。そのあと続編で何話か書いたんですけど、仕事がアホみたいに忙しくなって、中途半端なままそれっきり。久多さんも楽しみにしてくれていたので、続きを書かないとなぁ。

もみ「いや、ぜひぜひ続きを。お待ちしております。幽霊の正体という研究課題の回答としては、『心が見せるファンタジー』ということなのでしょうかね」

──そう、夢の国wwwww

もみ「じゃあ、化けて出る方法はないのでせうか。呪い殺すとか手籠めにするとか(←まだ言ってる)」

──現物っすヨ、ゲンブツwww 人が一番怖い。

もみ「チッ。ドラえもんポケットから、化けて出る薬でも出してください」

──最近また、無差別な包丁マンたちでニュースを賑わせているじゃないですか。あんなの、リアル幽霊ですよ。

もみ「やっぱ人間が一番怖いですな」

──数年後のオイラは、どんな幽霊になっているんだろう。怖いわぁ。

もみ「六条の御息所にはなれないのかー」

──もみーさんなら、リアルでいけそうだけどwww

もみ「いや、リアルで手籠めにしたい若者たちに囲まれてますからねっwww」


【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp

NDA拘束員であり、本当の横浜を探しているヒト。ぶら撮り散歩師。愛機はD90とGRD4。最近はiPhone6で写真撮影多し。全国寺社巡りで、過去の懺悔道中をしております(まだ春眠中)。

最近になってまた、得体の知れない、無差別な事件が多発しておりますね。なにかに追われているのか、とり憑かれてしまっているのか。本人に自覚があるのかないのか。こわいわぁ。