3Dプリンター奮闘記[86]3Dプリント出力サービスと今後の発展
── 織田隆治 ──

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さて、3Dプリンターのお話なんですが、最近ではホビーでの活躍が目立っているようです。まあ、僕の周りがそういう人が多いからなんですけどね(笑)

ワンダーフェスティバルでは、開催一か月くらい前から、そういった出力サービスが混んで来るようなんですね。

随分メジャーになってきたなぁ……なんて思います。

こういった出力サービスって、いったいどういった物の依頼が多いんだろうって、凄く気になります。

国内では、DMMさんやrinkakさんなんかで出力サービスが盛んですが、いったいどのジャンルのプリントが多いんでしょうか?




守秘義務の関係もあるし、メーカーの商品開発のプロトタイプなんて、外部に依頼するにはちょっと難しい気もしますし、趣味でプリントする方が需要は多いのかなぁ……なんて思ってしまいます。

まあ、メーカーさんは、既に3Dプリンターくらいは導入されているでしょうね。

これまではプロトタイプなどを制作する模型屋さんがいたわけで、最終段階のモデルまでは、社内の3Dプリンターで行うことが当たり前になって来ていると思います。

僕の場合は、試作から最終モデルまでやっちゃいますけど、そういった開発の部門への3Dプリンターの普及はどんどん進んできているんじゃないかな……と。

それか、法人契約なんかもしてるんでしょうね。ちゃんと守秘義務契約を結んだりして。

でも、漏れちゃうのがこのご時世。。。。
僕だったらやっぱり社内でのモデリング部隊作っちゃうかなぁ。

そういったことを考えると、やっぱり出力サービスってのは、趣味とかちょっとしたモノ作りに偏っちゃうんでしょうか。

個人ユースでちょっとしたアイデア商品なんかや、趣味趣向に移ってきちゃいますね。

知ってる方おられたら教えてください〜!

ということで、この出力サービスの先のことをちょっと考えてみると、大きく伸びるものではないかな……と思ってます。

特殊な金属の出力とかフルカラー出力に関しては、今のところ高価でかなりの維持費も必要なことから、3Dプリンターを自社、または個人で持つのは難しいかとは思います。

フルカラー3Dプリンターに関しても、機構自体はそんなに複雑なものではないかと思うので、ある程度の時間が過ぎれば個人でも手が出る価格に落ちて行く可能性は充分あります。

金属はちょっと扱いも難しいので、今のところもうちょっと先かなぁ、とは思いますけど。

さて、みなさんのお宅、会社などに、カラーコピーやインクジェットプリンターは当たり前に存在する時代になっています。

このカラーコピーやインクジェットプリンターが、どういった感じで普及して来たかというと、今の3Dプリンターと同じ構図と言えるんじゃないかな、と思います。

僕は、昔グラフィックデザインやSP(セールスプロモーション)の仕事をしていました。

その当時、まだカラーコピー機はとても高価なもので、イズミヤ(Too)さんなんかの出力サービスにお願いしたり、文字は写植屋さんにお願いしていたりしました。

当時、カラーコピーはすご〜っく高かったです。

そして、もう少し時期が経つと、コピー機やカラーコピーはコンビニエンスストアに置かれるようになりました。

これは、少し値段が下がってきたせいで、この頃になると会社のオフィスにも一台くらいはあったりするようになってきました。

まだ、今から考えると一枚の単価は凄く高かったですけどね。

そして、インクジェットプリンターが発売されると、爆発的に各家庭に普及していくことになります。今や、一家に一台はある時代になりました。

この普及には、日本人の国民行事、「年賀状」の貢献もかなり大きいんですね。ニーズと供給が合致した訳ですね。

さて、3Dプリンターの現状を見ていると、この流れに沿って行くんだろうなぁ、とは、どう考えてもそういった結果になる訳です。

ここで、インクジェットと3Dプリンターの違いを考えると、『3Dデータ』が必須ということになります。

ここ、結構ハードルが高いと思いますよね。

そう簡単に3Dデータなんて作れるもんじゃありません。まして、3Dプリンターで出力する3Dデータってのは、そう簡単に作れるもんじゃないです。

さて、それじゃあ、インクジェットプリンターみたいに普及はしないんじゃないの? と思うじゃないですか。

現在たくさんのコンシューマ向けの3Dプリンターが発売されています。僕が3Dプリンターを使い始めた4年前頃からみると、それは恐ろしいくらいに凄く進化しています。

正に、今、ハードの進化が最速で進んでいるわけです。

そして、最近では、もっと簡単に3Dデータが作れるようなソフトも少しずつですが出て来ています。そして、3Dスキャナーも沢山出て来ています。

まだまだ実用に使うには物寂しいものではありますが、こういった物の進化って、凄い速度で起こると思っています。

カラーコピーやインクジェットプリンターが普及したきっかけも、この「データを簡単に作れるソフト」の開発と普及が、かなりの要因になったと感じています。それまでは、「プリントゴッコ」だったでしょ?

それが、いつの間にか、あっと言う間に、カラーコピーやインクジェットプリンターが各家庭に存在するようになりました。

「3Dプリンターのコンシューマー機なんて、各家庭には必要ないよなぁ」なんて言ってると、すぐにそんな時代が来るかもしれませんよ。

家庭用の3Dプリンターの爆発的普及も、すぐそばまで来てると思っています。

IoTの進化や、デジタルファブリケーションの猛烈な発展も、その要因の一つになると思います。

全然やって来なかった方も、これから3Dプリンターをぼちぼち始めるのもいいと思いますよ〜。


【___FULL_DIMENSIONS_STUDIO_____ 織田隆治】
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〈編集部追記〉

・DMM.make
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