長い間お休みをいただいておりました。
お仕事が猛烈に忙しく、まったく頭が回らない期間が続いていました……。
久しぶりなのに、まったく3Dプリンター関連じゃなくてすみません……。
皆様、クトゥルフ神話体系ってご存知でしょうか?
H・P・ラブクラフトという小説家が、1920年前後に執筆したコズミックホラー「宇宙的な恐怖を取り上げたホラー」。
サイエンスフィクション(SF)の要素を取り入れたホラーなんですが、その後の怪奇、幻想、オカルト、ホラー小説に多大なる影響を与えた小説家、詩人でもあります。
その小説に出て来るモンスター達は、個々にとても魅力的な個性を持っており、現代でもスティーブン・キングなどにもかなりの影響を与えています。
ラブクラフトは、弟子(?)などに自分の作り出した世界観をそのまま引用等することを許可し、ある意味オープンソース(?)的な設定としたわけです。
その後を引き継いだオーガスト・ダーレスなどの作家により、その世界観は体系化され、整理されて、「クトゥルフ神話」として確立されて行きます。
クトゥルフというのは、代表的なモンスターで、太古の地球を支配していた存在です。
僕がラブウクラフトの小説に出会ったのは、かれこれ30年くらい前。大学の時の同級生からの影響でした。
もともとホラーやSFは大好物でしたので、その世界観やモンスター達の魅力にすぐにハマってしまいました。
その時に流行っていたのが、「TRPG」。「テーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム」です。
当時、ホビージャパンという出版社から「クトゥルフの呼び声」という「TRPG」が出ていて、夜な夜な友人の下宿に泊まってはゲームをしていました。
それまで、「TRPG」なんてものをまったく知らなかったのですが、ボードゲームやファミコンとは違い、ゲームの進行役のマスターが司会し、ゲームをサイコロとトーク(会話)で進めて行く、ということが凄く新鮮でした。
モンスターに出会うと「SAN値」という正気度が減って行き、なくなると発狂するという設定も、すごく新鮮でした。
皆でシナリオを書いたり、地図やダンジョンを書いたり。コミュニケーション能力と運を使って、ゲームを進めて行きます。
本もかなり読みあさりましたし、ラブクラフト原作や体系を引き継いだ映画なども、レンタルビデオで借りまくっていました。
大学を卒業した後は、めっきり「TRPG」はやらなくなって、それでも「クトゥルフ」関連の資料本が出たり、小説を見かけると購入したり、立体物を作ったりしてました。
ずっとアングラの世界だと思っていまして、あまり人に言うこともなかったんですね。
ところがどっこい、最近すごくブームになってるじゃありませんか?!
少し前に、テレビのアニメで「這いよれニャル子さん」っての放送されまして、腰を抜かしそうになりました。
クトゥルフ神話体系に出て来る、「ニュアルラトホテプ」と言われるモンスターを擬人化(?)したものでした。
なんじゃこれ!(笑)
そこで、あらためて周りを見渡してみると、僕が大昔にやっていたRPGもまた流行っていて、ボードゲームが出ていたり、薄い本(同人誌)などもたくさん出ているようでした。
ほんと、これにはビックリ玉手箱。まさしくそんな驚きでした。
以前から、立体物をこさえては、「ワンフェス」などの造形イベントでコツコツひっそりと出展していましたが、ここまでのブームになっていたとは……。とは言ったものの、まだ一般的ではないですね(笑)
ワンフェス会場で、急に作品の前に立ち止まる人が増えていたのは感じていましたが。
そこで、「クトゥルフ」だけに絞った、創作イベントなんかをやったらどうなるんだろう? と思い立ち、軽い気持ちでツイッターで呼びかけたところ、かなりの反響がありました。
こりゃ、ちょっとやってみるかなぁ。。。。
と立ち上げた企画がこれ。『クトゥルー復活祭』
http://www.f-d-studio.jp/event.html
始めは軽い気持ちで企画をしていたんですが、友人や青心社様の協賛、ご協力も頂けることとなり、それなりに「ちゃんとやらないと」いけない状況に(笑)
開始まで一か月くらい前に告知、募集したにもかかわらず、有名な原型師さんやイラストレーターさんにも出展していただけることとなりました。
『クトゥルー復活祭/出典ディーラーリスト』
http://www.f-d-studio.jp/event2.html
会期まで一か月しかなく、そのうえ本業の仕事も押していて、もう猛烈にバッタバタしていました。
会場では、青心社の社長と、映画関係のお仕事をされている友人、そして私のトークショーや、プロの声優/ナレーターさんによるクトゥルフ小説の朗読会。自主制作映画の制作発表など、企画てんこもりでした。
そして…… 続きは次回の講釈で……
〈編集部注:クトゥルフとクトゥルーは同義で、後者は日本語らしい〉
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【織田隆治】
oda@f-d-studio.jp
http://www.f-d-studio.jp