《Appleはちょっと様子見》
■グラフィック薄氷大魔王[679]
Apple Silicon M1搭載Macと、Big Sur
吉井 宏
■日々の泡[45]
英国を代表する現代作家
【贖罪/イアン・マキューアン】
十河 進
■エセー物語(エッセイ+超短編ストーリー)[60]
中国イケメンドラマのご紹介 椅子とりんご
柴田友美
■グラフィック薄氷大魔王[679]
Apple Silicon M1搭載Macと、Big Sur
吉井 宏
■日々の泡[45]
英国を代表する現代作家
【贖罪/イアン・マキューアン】
十河 進
■エセー物語(エッセイ+超短編ストーリー)[60]
中国イケメンドラマのご紹介 椅子とりんご
柴田友美
━━━━━━━━━━━━━━━━━
■グラフィック薄氷大魔王[679]
Apple Silicon M1搭載Macと、Big Sur
吉井 宏
https://bn.dgcr.com/archives/20201118110300.html
─────────────────
●M1搭載Mac
いきなり発表されたApple Silicon M1搭載の13インチMacBook Pro、MacBook Air、Mac mini。とんでもなく高速化してるという噂も。PowerPCやインテルへの移行時同様、ロゼッタ2という仕組みで従来のソフトも使えるし、ネイティブ対応も進んでるそう。
自前でチップを持てば、インテルなど他社の都合に影響されずに、独自の製品を作ったり発売時期をコントロールできる。それでAppleが力を入れてきたのがApple Silicon。iOS製品には以前から搭載済み。
ずいぶん長いことMacの買い替えしてない僕的にグッドタイミング! と思ったら、WACOMドライバが現時点で非対応。いずれ対応するだろうけど、今急いでM1搭載Macを購入しても、ペンタブが使えないんじゃ仕事にならないんで。
「ワコムのペンタブレットドライバはARMアーキテクチャベースのコンピュータをサポートしていますか?」
https://t.co/BHXFmVWL4Q?amp=1
あと、外付けディスプレイが1台までとか、メモリーが16GBまでとか、従来の使い方ができない人も多そうなので注意。
誰か書いてたけど、クロック数などのスペック表示がないので、発表された3機種はみんな同じ性能に見えてしまうw 同じ性能ならファンレスのMacBook Airは魅力的だな。
Mac miniはメモリーを16GB、SSDを1TBにカスタマイズしてもびっくりするくらい安い! 本格Apple Silicon世代的にこなれたMacProやiMacが出るまで、つなぎのメインマシンとしていいかも。
●Big Surを入れてみた(危険アリ)
macOS Big Sur、サブマシンのMacBook Pro 13(2016)に入れてみた。ドライバ等の対応状況については、ほぼ問題なしとあらかじめ確認済み。プリンタやスキャナドライバ、WACOMドライバ等、早々とBig Sur対応してる。
あちこちいじり始めたくらいで、まだ詳しくはわからない。確かにiOSというか、iPadの画面っぽいテイストのUIデザイン。文字サイズや間隔のせいか、画面が広くなったように感じる。
ウインドウの角アールがちょっと大きくなってて、居心地いい雰囲気。音量や輝度、ワイヤレスなどを一括して調整できる、コントロールセンターはiOSでおなじみ。便利。
「保存しますか?」のダイアログ、ものすごい違和感あるけどねw
インストールはちょっと手こずった。検索して知ってて、失敗も覚悟の上でやったので慌てなかったけど。僕の場合は以下のような感じで、一応は成功したけど、たまたま運が良かっただけかもしれない。
「Appleマークとプログレスバーが出てる黒い画面で、バーが3mmくらい残ってる状態で固まる。2時間以上たってもそのまま。しかたなく電源ボタンで強制リスタート。Appleマークが出てしばらく固まったかのように見えるけど、『最適化しています』と出て、BigSurは普通に起動する。」
その前段階はこんな感じのひどいものだった↓
「最初、ダウンロード途中で『やっぱ怖いのでヤメタ!』とストップして再起動。その後、再びダウンロードをスタートさせるも、速い方のWi-Fiに切り替えるためストップし、やり直し。おまけに、ダウンロードが終わって再起動ボタンを押したとき、『インストール中にエラーが起きました』とダイアログが出たような気がするけどそのまま進めた」w
よくちゃんとインストールできたもんだw
engadgetの記事等によると、古めのMacにBig Surをインストールすると、うんともすんとも言わなくなってしまう場合があるそうなので注意。最悪、修理に出すことになるそう。心配な人は、そのへん改善されてからインストールするほうがいいかも。
「古めのMacBook Pro、Big Surアップデートで文鎮化したとの報告多数」
https://engt.co/2UuTZ17
★OSの上書きインストールのように、Macのシステムに大きな変更を加える操作をする場合、バックアップなりTime Machineなりで、データを失わない対策を取った上で行わないのは無謀!
その他、僕的に見つけた困ったこと。
Wacom Color Managerが非対応。これはマズイ。ディスプレイのキャリブレーションができなくなる。アップデータは出るんだろうか。
Modoで使ってるレンダーファームサービスRebusFarmにログインできなくて、新しいバージョンのアプリも、エラーが出てインストールできない。ログインできないのは最近何度もあったけど、何ともならない感じ。
他にもいくつか、重要ではないけど「進入禁止マーク」がついて使えなくなってるアプリやユーティリティがある。大半はすぐアップデートで対応するんだろうけど、メインマシンをBig Surにするのはちょっと様子見。
あと、毎度書いてるけど、やはりプレビュー.appって右開きに対応しないね……。
【吉井 宏/イラストレーター】
http://www.yoshii.com
http://yoshii-blog.blogspot.com/
↑ 後記として書き始めたのに長くなって本編に昇格w 本来のメイン部分は次週以降に持ち越し。
○吉井宏デザインのスワロフスキー
・十二支(丑年)OX
https://bit.ly/37gbNEN
・三猿 Three Wise Monkeys
https://bit.ly/2LYOX8X
・幸運の象 LUCKY ELEPHANTS
https://bit.ly/30RQrqV
━━━━━━━━━━━━━━━━━
■日々の泡[45]
英国を代表する現代作家
【贖罪/イアン・マキューアン】
十河 進
https://bn.dgcr.com/archives/20201118110200.html
─────────────────
ロマン・ポランスキー監督の「告白小説、その結末」(2017年)は主人公がフランス人の女性作家で、別居結婚している夫がテレビでインタビュー番組を持つ文芸評論家という設定だった。その文芸評論家は、アメリカやイギリスに作家を訪ねて取材にいく。彼の口からは、「ロンドンではイアン・マキューアンを取材する」と言うセリフが出てきた。
そうか、イギリス人作家と言えばカズオ・イシグロ(日本人の両親の元に生まれたがイギリス国籍です)よりもイアン・マキューアンなんだな、と僕は思った。イアン・マキューアンは世代的には村上春樹さんと同じで、あの世界的な疾風怒濤の60年代後半を十代後半で経験している。ただし、村上さんの作品からはそのことが読みとれるけれど、イアン・マキューアンはあまり関係ないかもしれない。
僕がイアン・マキューアンという名前を知ったのは、新潮社クレストブックで翻訳が出たからだった。しかし、その名前を記憶に刻み込んだのは、「つぐない」(2007年)という映画化作品を見たからである。原作は「贖罪」の邦題で出ていた。「つぐない」は、一度見たら忘れられない瞳を持つ少女シアーシャ・ローナンの姿が目に焼き付く印象的な作品だった。
もちろん、 悲劇の恋人たちを演じたキーラ・ナイトレイとジェームス・マカヴォイにとっても代表作なのではあるけれど、13歳のシアーシャ・ローナンの存在なくしては「つぐない」は単なる凡作になったかもしれない。「作家志望の多感で純真無垢な少女ブライオニー」に存在感を与えたシアーシャ・ローナンがいたからこそ、つまらない行き違い(だいたい卑猥な言葉を手紙に綴るのが納得いかない)から起こる恋人たちの悲劇が説得力を持ったのだ。
したがって、その後の成長した姿を見せず、シアーシャ・ローナンは「つぐない」一作で消えるべきだったと僕は思ったのだけれど、実はその後の彼女の出演作はほとんど見ているのである。あの透明感のある瞳(何色と言えばいいのだろう)を見たいというのが、その大きな理由だ。殺し屋(ハンナ)を演じても、吸血鬼(ビザンチウム)を演じても、死者(ラブリーボーン)を演じても、彼女の悲しみを湛えた美しい瞳が記憶に刻み込まれる。
そんなわけで、シアーシャ・ローナンが再びイアン・マキューアン原作の映画化作品に出演した「追想」(2018年)も見た。「初夜」の邦題で新潮社クレストブックで翻訳されている作品だ。物語の大部分は、新婚旅行初日のホテルの部屋で展開される。海辺のホテルの部屋には、新婚初夜を迎えようとしている若い男女エドワード(ビリー・ハウル)とフローレンス(シアーシャ・ローナン)がいる。
その初夜の現在時に、彼らの出会いから結婚するまでの過去が回想される構成になっている。それで、タイトルを「追想」としたのだろうかと僕は思った。原題は「On Chesil Beach」である。イギリスの風光明媚なビーチだということだが、ふたりしかいない長い浜辺は出てくるものの有名な観光地という気はしない。時代は1962年(昭和37年)、日本なら熱海に新婚旅行へいき、その海岸をふたりで歩いている感覚かもしれない。
この時代設定が大変に重要な要素になっている。1962年と言えばまだ性的に解放されていない、処女性が尊重される時代だった。ヴァイオリニストをめざすフローレンスに対して、エドワードが口にする「チャック・ベリー」が重要な時代的記号として登場するけれど、ビートルズの登場までにはまだ2年ある。そんな時代だから、ふたりは交際中にネッキングまではするが、童貞と処女として新婚初夜を迎えようとしているのである。
ふたりは、ともに不安に感じている。フローレンスは処女特有の潔癖さで、自分が男を受け入れられるか自信がない。いや、嫌悪さえ感じている。その感じをシアーシャ・ローナンが演じると、素晴らしいまでの説得力がある。演技の問題ではなく、彼女の存在自体がフローレンスになりきっているのだ。そのことが、結局、大きな悲劇を生む。僕は、まさか、そんな展開になるとは思わなかった。原作を読んでいなかったので「えっ」と思った。
ところが、それからいきなり十数年ジャンプして1970年代半ばになってあるエピソードが描かれ、さらに21世紀の現在になり、老人になったエドワードとフローレンスの再会が描かれたとき、彼らより十年ほど若い僕もエドワードのようにハラハラと涙を流してしまった。「追想」とはそういうことだったのか、と思った。しかし、イアン・マキューアンが書く物語としては、少し甘い気がした。
「つぐない」も物語は戦前から始まるが、ラストは現在時になり、有名作家になった老ブライオニー(ヴァネッサ・レッドグレーブ)が新作「つぐない」についてテレビのインタビューに答えるシーンだ。純粋無垢な少女の言動によって引き起こされた悲劇の恋人たちの物語が、彼女の想像にすぎなかった(そうありたかった)のではないかという展開になる。だから、「つぐない」は見終わると奇妙にシュールな印象が残る。
ところが、「追想」のラストシーンでは世代的な甘い感傷に浸れるのであった。もっとも、それは僕が彼らがたどった時代の空気を知っているからかもしれない。エドワードとフローレンスは僕より10歳年上の兄や姉の世代だが、1962年に11歳だった僕はその時代の保守的な空気も、70年代のヒッピー文化(日本ではアングラ文化と言った方がわかりやすいかもしれない)も、肌で感じることができる。それは、イアン・マキューアンも同じだろう。しかし、イアン・マキューアンって、もっとハードな作家だと思っていたけどなあ。
ところで、「つぐない」というタイトルからは、どうも「アジアの歌姫」テレサ・テンを連想していけない。もっとも、原作の邦題の「贖罪」だと堅すぎる気もする。原題は「Atonement」だから、「つぐない」も「贖罪」も直訳ではある。「あがない」では、通じない人間もいるだろうし----。やっぱり、「つぐない」しかないか。
【そごう・すすむ】
ブログ「映画がなければ----」
http://sogo1951.cocolog-nifty.com/
「映画がなければ生きていけない」シリーズ全6巻発売中
https://www.amazon.co.jp/%E5%8D%81%E6%B2%B3-%E9%80%B2/e/B00CZ0X7AS/dgcrcom-22/
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■エセー物語(エッセイ+超短編ストーリー)[60]
中国イケメンドラマのご紹介 椅子とりんご
柴田友美
https://bn.dgcr.com/archives/20201118110100.html
─────────────────
◎中国イケメンドラマのご紹介
奈良国立博物館で、今年も正倉院展が開催されたようです。今年は窓口でのチケット販売はなしで、行きたい人は読売新聞オンラインストア、ローソンチケット、チケットぴあでチケットを買ったようです。
大阪の文化人は秋になれば「正倉院展に行った」と言っておけば間違いない、と思ってます(知らんけど)。
そして、そろそろ西安(昔の長安)と関西の古い交流が復活するんじゃないか、と思ってます。正倉院にはシルクロードをつたってやってきたお宝がいっぱいあります。
でも、どうやって復活するか? というとよく分からないので、今回はとりあえず中国のイケメンドラマを紹介します。「陳情令」というドラマで、2019年に中国でヒットしたそうです。今日本でもWOWOWでやってるみたいです。
https://www.wowow.co.jp/detail/117110
↑西安も関西も関係ないけど……。
まだ最初の方しか見てないですが、ファンタジーというか、なんか妖術みたいなのが出てきます。登場人物達の妖術のかけ方が、日本ぽいなぁと思いましたが、あれが中国から来たのか向こうの逆輸入なのかよく分かりません……。妖怪とか妖術とかは中国から来たんですよね? でも安倍晴明とかは日本ですよね? 妖怪に疎くてよく分かりません。
◎超短編 椅子とりんご
職場にある椅子は、人が座ると自動的に高さが調整されるようになっている。その人がちょうどいい、と思える高さになるのだ。でもその機能は、椅子の上にりんごを置くと一時間失われてしまう。
それを知った近所の子供が、時々いたずらしに来る。椅子に座った誰かが、椅子が低すぎたりして、「また誰かやったな!」と怒る。
もちろん気に入らない人の椅子にいたずらすることもある。
役割を終えたりんごが色んな所に放置され、皆でそれを食べるのである。(終)
【柴田友美(しばたともみ)】
短いお話を書いています。
huochaitomomi@gmail.com
群青コースター(Kindle版)発売中!
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01MF8HE57/dgcrcom-22/
私のホームページ
https://mrs-mayo.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集後記(11/18)
●偏屈BOOK案内:中野信子「人は、なぜ 他人を許せないのか」アスコム 2020
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4776210266/dgcrcom-22/
筆者は脳科学者、医学博士、認知科学者、45歳、美人、表紙に堂々登場。奥付の対向ページのに筆者紹介で、大変な学歴に加え「科学の視点から人間社会で起こりうる現象及び人物を読み解く語り口に定評がある」「テレビコメンテーターとしても活躍中」だそうです。「サイコパス」っての読んだ記憶がある。
なぜ人が人を許せなくなってしまうのか、脳科学の観点から考察する。いきなり結論。そもそも人間の脳は、誰かと対立することが自然であり、対立するようにできている。自分と他人とを比較して、優秀だとか愚かだとか考えても、自らの基準を無理にあてはめているだけに過ぎない。したがって、誰かをバカだとか、頭が良いなどと定義すること自体、無意味。肩の力を抜きなさい。
長い時間をかけて徐々に人を許せなくなる事例もある。愛し合って結婚したはずの夫婦が、「性格の不一致」を理由に離婚していく。そもそも性格が完全に一致する人間など、絶対に存在しない。脳科学的には、実は惹かれる理由も「互いが不一致だから」こそなのである。合わないことこそが楽しかったはずだ。
それなのに、結婚すると不一致を憎むようになってしまうのは「皮肉にも、恋人だった頃より互いの距離感が近くなってしまうことが、かなり有力な理由と考えられます。遠くから見ているときは、不一致が尊敬や愛情の対象なのに、近寄ってみると、急に目を背けたくなるような部分があったことに気づいてしまうから」である。夫のリタイア後に、互いに見逃していた不一致が浮上する。
一芸に秀でた天才たちにも、さまざまな短所や問題点が隠れていて、観衆とある程度の距離があって、見せたいところだけを見せているから、天才に見えていただけだといえる。この関係性は富士山のありようとよく似ている。遠くからみると美麗そのものだが、実際に登ってみると、多すぎる登山客、ごみの散乱など、あまり見たくなかった光景が広がっている。
社会的なルールに関する取り決めの代表例は民主主義である。ここに人間ならではの興味深い現象が生じる。いわゆる「保守」対「リベラル」の分裂であり、実は脳の性質の差異が起こしているのではないか、というジョナサン・ハイトの説がある。「リベラル」は新奇探索性(リスクを冒してまで新しい物事に挑戦する性質)が高く、善意や倫理観に親和性が高い判断をするのが「保守」。
という仮定で、ハイトは「リベラルが保守に勝つことは、科学的に不可能であろう」と示唆している。しかし日本におけるリベラルと保守は、必ずしも政党としての政策とは一致しないため、どんな集団を支持し、投票するとリベラルなのか、あるいは保守なのかをクリアにしにくい。分析が難しい国なのだ。
アメリカには、支持政党は遺伝子で決まっているというデータがある。民主党支持者=リベラルに親和性を持つか、共和党支持者=保守に親和性を持つかには、生まれつきの遺伝子的な要素が関与している、ということである。100%ではなく、あくまで統計的な有意差があることを示す。これは本当である。日本には鵺のような政党があるが、アメリカはスッキリしていていいな。(柴田)
●まだMojave。Big Surが浸透した頃にCatalinaにするつもり。アプリで不具合出たりすると仕事で困るっ。
/外付けディスプレイが1台というのも困るな。色が悪くなってきた古いのをサブにして、指示書とか参考資料を見るのに使ってる。画面が広いと効率があがるよね。
/『SwitchBot Hub Mini』の続き。Amazonのレビューを見ると、海外メーカー品だと、リモコンの設定に苦労するようで、そのためNature Remo 3にいったん決めた。
が、リモコンのない家電のオンオフのできる『SwitchBot ボット』がやっぱり欲しくなって、結局SwitchBotで揃えることにした。Hub Plusは形が主張しすぎてるので、目立たないHub miniでいいや、と。
SwitchBot ボットは、今のところ使えそうな場所がないのよね。でも動きが可愛すぎて、欲しくなって買っちゃった(笑)。可愛い動きをする……が、こちらの想像は小指でちょんってものだったけれど、実際は親指でぐいっ、という結構力強いものであった。続く。(hammer.mule)
SwitchBot ボット
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07B7NXV4R/dgcrcom-22/
■グラフィック薄氷大魔王[679]
Apple Silicon M1搭載Macと、Big Sur
吉井 宏
https://bn.dgcr.com/archives/20201118110300.html
─────────────────
●M1搭載Mac
いきなり発表されたApple Silicon M1搭載の13インチMacBook Pro、MacBook Air、Mac mini。とんでもなく高速化してるという噂も。PowerPCやインテルへの移行時同様、ロゼッタ2という仕組みで従来のソフトも使えるし、ネイティブ対応も進んでるそう。
自前でチップを持てば、インテルなど他社の都合に影響されずに、独自の製品を作ったり発売時期をコントロールできる。それでAppleが力を入れてきたのがApple Silicon。iOS製品には以前から搭載済み。
ずいぶん長いことMacの買い替えしてない僕的にグッドタイミング! と思ったら、WACOMドライバが現時点で非対応。いずれ対応するだろうけど、今急いでM1搭載Macを購入しても、ペンタブが使えないんじゃ仕事にならないんで。
「ワコムのペンタブレットドライバはARMアーキテクチャベースのコンピュータをサポートしていますか?」
https://t.co/BHXFmVWL4Q?amp=1
あと、外付けディスプレイが1台までとか、メモリーが16GBまでとか、従来の使い方ができない人も多そうなので注意。
誰か書いてたけど、クロック数などのスペック表示がないので、発表された3機種はみんな同じ性能に見えてしまうw 同じ性能ならファンレスのMacBook Airは魅力的だな。
Mac miniはメモリーを16GB、SSDを1TBにカスタマイズしてもびっくりするくらい安い! 本格Apple Silicon世代的にこなれたMacProやiMacが出るまで、つなぎのメインマシンとしていいかも。
●Big Surを入れてみた(危険アリ)
macOS Big Sur、サブマシンのMacBook Pro 13(2016)に入れてみた。ドライバ等の対応状況については、ほぼ問題なしとあらかじめ確認済み。プリンタやスキャナドライバ、WACOMドライバ等、早々とBig Sur対応してる。
あちこちいじり始めたくらいで、まだ詳しくはわからない。確かにiOSというか、iPadの画面っぽいテイストのUIデザイン。文字サイズや間隔のせいか、画面が広くなったように感じる。
ウインドウの角アールがちょっと大きくなってて、居心地いい雰囲気。音量や輝度、ワイヤレスなどを一括して調整できる、コントロールセンターはiOSでおなじみ。便利。
「保存しますか?」のダイアログ、ものすごい違和感あるけどねw
インストールはちょっと手こずった。検索して知ってて、失敗も覚悟の上でやったので慌てなかったけど。僕の場合は以下のような感じで、一応は成功したけど、たまたま運が良かっただけかもしれない。
「Appleマークとプログレスバーが出てる黒い画面で、バーが3mmくらい残ってる状態で固まる。2時間以上たってもそのまま。しかたなく電源ボタンで強制リスタート。Appleマークが出てしばらく固まったかのように見えるけど、『最適化しています』と出て、BigSurは普通に起動する。」
その前段階はこんな感じのひどいものだった↓
「最初、ダウンロード途中で『やっぱ怖いのでヤメタ!』とストップして再起動。その後、再びダウンロードをスタートさせるも、速い方のWi-Fiに切り替えるためストップし、やり直し。おまけに、ダウンロードが終わって再起動ボタンを押したとき、『インストール中にエラーが起きました』とダイアログが出たような気がするけどそのまま進めた」w
よくちゃんとインストールできたもんだw
engadgetの記事等によると、古めのMacにBig Surをインストールすると、うんともすんとも言わなくなってしまう場合があるそうなので注意。最悪、修理に出すことになるそう。心配な人は、そのへん改善されてからインストールするほうがいいかも。
「古めのMacBook Pro、Big Surアップデートで文鎮化したとの報告多数」
https://engt.co/2UuTZ17
★OSの上書きインストールのように、Macのシステムに大きな変更を加える操作をする場合、バックアップなりTime Machineなりで、データを失わない対策を取った上で行わないのは無謀!
その他、僕的に見つけた困ったこと。
Wacom Color Managerが非対応。これはマズイ。ディスプレイのキャリブレーションができなくなる。アップデータは出るんだろうか。
Modoで使ってるレンダーファームサービスRebusFarmにログインできなくて、新しいバージョンのアプリも、エラーが出てインストールできない。ログインできないのは最近何度もあったけど、何ともならない感じ。
他にもいくつか、重要ではないけど「進入禁止マーク」がついて使えなくなってるアプリやユーティリティがある。大半はすぐアップデートで対応するんだろうけど、メインマシンをBig Surにするのはちょっと様子見。
あと、毎度書いてるけど、やはりプレビュー.appって右開きに対応しないね……。
【吉井 宏/イラストレーター】
http://www.yoshii.com
http://yoshii-blog.blogspot.com/
↑ 後記として書き始めたのに長くなって本編に昇格w 本来のメイン部分は次週以降に持ち越し。
○吉井宏デザインのスワロフスキー
・十二支(丑年)OX
https://bit.ly/37gbNEN
・三猿 Three Wise Monkeys
https://bit.ly/2LYOX8X
・幸運の象 LUCKY ELEPHANTS
https://bit.ly/30RQrqV
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■日々の泡[45]
英国を代表する現代作家
【贖罪/イアン・マキューアン】
十河 進
https://bn.dgcr.com/archives/20201118110200.html
─────────────────
ロマン・ポランスキー監督の「告白小説、その結末」(2017年)は主人公がフランス人の女性作家で、別居結婚している夫がテレビでインタビュー番組を持つ文芸評論家という設定だった。その文芸評論家は、アメリカやイギリスに作家を訪ねて取材にいく。彼の口からは、「ロンドンではイアン・マキューアンを取材する」と言うセリフが出てきた。
そうか、イギリス人作家と言えばカズオ・イシグロ(日本人の両親の元に生まれたがイギリス国籍です)よりもイアン・マキューアンなんだな、と僕は思った。イアン・マキューアンは世代的には村上春樹さんと同じで、あの世界的な疾風怒濤の60年代後半を十代後半で経験している。ただし、村上さんの作品からはそのことが読みとれるけれど、イアン・マキューアンはあまり関係ないかもしれない。
僕がイアン・マキューアンという名前を知ったのは、新潮社クレストブックで翻訳が出たからだった。しかし、その名前を記憶に刻み込んだのは、「つぐない」(2007年)という映画化作品を見たからである。原作は「贖罪」の邦題で出ていた。「つぐない」は、一度見たら忘れられない瞳を持つ少女シアーシャ・ローナンの姿が目に焼き付く印象的な作品だった。
もちろん、 悲劇の恋人たちを演じたキーラ・ナイトレイとジェームス・マカヴォイにとっても代表作なのではあるけれど、13歳のシアーシャ・ローナンの存在なくしては「つぐない」は単なる凡作になったかもしれない。「作家志望の多感で純真無垢な少女ブライオニー」に存在感を与えたシアーシャ・ローナンがいたからこそ、つまらない行き違い(だいたい卑猥な言葉を手紙に綴るのが納得いかない)から起こる恋人たちの悲劇が説得力を持ったのだ。
したがって、その後の成長した姿を見せず、シアーシャ・ローナンは「つぐない」一作で消えるべきだったと僕は思ったのだけれど、実はその後の彼女の出演作はほとんど見ているのである。あの透明感のある瞳(何色と言えばいいのだろう)を見たいというのが、その大きな理由だ。殺し屋(ハンナ)を演じても、吸血鬼(ビザンチウム)を演じても、死者(ラブリーボーン)を演じても、彼女の悲しみを湛えた美しい瞳が記憶に刻み込まれる。
そんなわけで、シアーシャ・ローナンが再びイアン・マキューアン原作の映画化作品に出演した「追想」(2018年)も見た。「初夜」の邦題で新潮社クレストブックで翻訳されている作品だ。物語の大部分は、新婚旅行初日のホテルの部屋で展開される。海辺のホテルの部屋には、新婚初夜を迎えようとしている若い男女エドワード(ビリー・ハウル)とフローレンス(シアーシャ・ローナン)がいる。
その初夜の現在時に、彼らの出会いから結婚するまでの過去が回想される構成になっている。それで、タイトルを「追想」としたのだろうかと僕は思った。原題は「On Chesil Beach」である。イギリスの風光明媚なビーチだということだが、ふたりしかいない長い浜辺は出てくるものの有名な観光地という気はしない。時代は1962年(昭和37年)、日本なら熱海に新婚旅行へいき、その海岸をふたりで歩いている感覚かもしれない。
この時代設定が大変に重要な要素になっている。1962年と言えばまだ性的に解放されていない、処女性が尊重される時代だった。ヴァイオリニストをめざすフローレンスに対して、エドワードが口にする「チャック・ベリー」が重要な時代的記号として登場するけれど、ビートルズの登場までにはまだ2年ある。そんな時代だから、ふたりは交際中にネッキングまではするが、童貞と処女として新婚初夜を迎えようとしているのである。
ふたりは、ともに不安に感じている。フローレンスは処女特有の潔癖さで、自分が男を受け入れられるか自信がない。いや、嫌悪さえ感じている。その感じをシアーシャ・ローナンが演じると、素晴らしいまでの説得力がある。演技の問題ではなく、彼女の存在自体がフローレンスになりきっているのだ。そのことが、結局、大きな悲劇を生む。僕は、まさか、そんな展開になるとは思わなかった。原作を読んでいなかったので「えっ」と思った。
ところが、それからいきなり十数年ジャンプして1970年代半ばになってあるエピソードが描かれ、さらに21世紀の現在になり、老人になったエドワードとフローレンスの再会が描かれたとき、彼らより十年ほど若い僕もエドワードのようにハラハラと涙を流してしまった。「追想」とはそういうことだったのか、と思った。しかし、イアン・マキューアンが書く物語としては、少し甘い気がした。
「つぐない」も物語は戦前から始まるが、ラストは現在時になり、有名作家になった老ブライオニー(ヴァネッサ・レッドグレーブ)が新作「つぐない」についてテレビのインタビューに答えるシーンだ。純粋無垢な少女の言動によって引き起こされた悲劇の恋人たちの物語が、彼女の想像にすぎなかった(そうありたかった)のではないかという展開になる。だから、「つぐない」は見終わると奇妙にシュールな印象が残る。
ところが、「追想」のラストシーンでは世代的な甘い感傷に浸れるのであった。もっとも、それは僕が彼らがたどった時代の空気を知っているからかもしれない。エドワードとフローレンスは僕より10歳年上の兄や姉の世代だが、1962年に11歳だった僕はその時代の保守的な空気も、70年代のヒッピー文化(日本ではアングラ文化と言った方がわかりやすいかもしれない)も、肌で感じることができる。それは、イアン・マキューアンも同じだろう。しかし、イアン・マキューアンって、もっとハードな作家だと思っていたけどなあ。
ところで、「つぐない」というタイトルからは、どうも「アジアの歌姫」テレサ・テンを連想していけない。もっとも、原作の邦題の「贖罪」だと堅すぎる気もする。原題は「Atonement」だから、「つぐない」も「贖罪」も直訳ではある。「あがない」では、通じない人間もいるだろうし----。やっぱり、「つぐない」しかないか。
【そごう・すすむ】
ブログ「映画がなければ----」
http://sogo1951.cocolog-nifty.com/
「映画がなければ生きていけない」シリーズ全6巻発売中
https://www.amazon.co.jp/%E5%8D%81%E6%B2%B3-%E9%80%B2/e/B00CZ0X7AS/dgcrcom-22/
━━━━━━━━━━━━━━━━━
■エセー物語(エッセイ+超短編ストーリー)[60]
中国イケメンドラマのご紹介 椅子とりんご
柴田友美
https://bn.dgcr.com/archives/20201118110100.html
─────────────────
◎中国イケメンドラマのご紹介
奈良国立博物館で、今年も正倉院展が開催されたようです。今年は窓口でのチケット販売はなしで、行きたい人は読売新聞オンラインストア、ローソンチケット、チケットぴあでチケットを買ったようです。
大阪の文化人は秋になれば「正倉院展に行った」と言っておけば間違いない、と思ってます(知らんけど)。
そして、そろそろ西安(昔の長安)と関西の古い交流が復活するんじゃないか、と思ってます。正倉院にはシルクロードをつたってやってきたお宝がいっぱいあります。
でも、どうやって復活するか? というとよく分からないので、今回はとりあえず中国のイケメンドラマを紹介します。「陳情令」というドラマで、2019年に中国でヒットしたそうです。今日本でもWOWOWでやってるみたいです。
https://www.wowow.co.jp/detail/117110
↑西安も関西も関係ないけど……。
まだ最初の方しか見てないですが、ファンタジーというか、なんか妖術みたいなのが出てきます。登場人物達の妖術のかけ方が、日本ぽいなぁと思いましたが、あれが中国から来たのか向こうの逆輸入なのかよく分かりません……。妖怪とか妖術とかは中国から来たんですよね? でも安倍晴明とかは日本ですよね? 妖怪に疎くてよく分かりません。
◎超短編 椅子とりんご
職場にある椅子は、人が座ると自動的に高さが調整されるようになっている。その人がちょうどいい、と思える高さになるのだ。でもその機能は、椅子の上にりんごを置くと一時間失われてしまう。
それを知った近所の子供が、時々いたずらしに来る。椅子に座った誰かが、椅子が低すぎたりして、「また誰かやったな!」と怒る。
もちろん気に入らない人の椅子にいたずらすることもある。
役割を終えたりんごが色んな所に放置され、皆でそれを食べるのである。(終)
【柴田友美(しばたともみ)】
短いお話を書いています。
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編集後記(11/18)
●偏屈BOOK案内:中野信子「人は、なぜ 他人を許せないのか」アスコム 2020
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筆者は脳科学者、医学博士、認知科学者、45歳、美人、表紙に堂々登場。奥付の対向ページのに筆者紹介で、大変な学歴に加え「科学の視点から人間社会で起こりうる現象及び人物を読み解く語り口に定評がある」「テレビコメンテーターとしても活躍中」だそうです。「サイコパス」っての読んだ記憶がある。
なぜ人が人を許せなくなってしまうのか、脳科学の観点から考察する。いきなり結論。そもそも人間の脳は、誰かと対立することが自然であり、対立するようにできている。自分と他人とを比較して、優秀だとか愚かだとか考えても、自らの基準を無理にあてはめているだけに過ぎない。したがって、誰かをバカだとか、頭が良いなどと定義すること自体、無意味。肩の力を抜きなさい。
長い時間をかけて徐々に人を許せなくなる事例もある。愛し合って結婚したはずの夫婦が、「性格の不一致」を理由に離婚していく。そもそも性格が完全に一致する人間など、絶対に存在しない。脳科学的には、実は惹かれる理由も「互いが不一致だから」こそなのである。合わないことこそが楽しかったはずだ。
それなのに、結婚すると不一致を憎むようになってしまうのは「皮肉にも、恋人だった頃より互いの距離感が近くなってしまうことが、かなり有力な理由と考えられます。遠くから見ているときは、不一致が尊敬や愛情の対象なのに、近寄ってみると、急に目を背けたくなるような部分があったことに気づいてしまうから」である。夫のリタイア後に、互いに見逃していた不一致が浮上する。
一芸に秀でた天才たちにも、さまざまな短所や問題点が隠れていて、観衆とある程度の距離があって、見せたいところだけを見せているから、天才に見えていただけだといえる。この関係性は富士山のありようとよく似ている。遠くからみると美麗そのものだが、実際に登ってみると、多すぎる登山客、ごみの散乱など、あまり見たくなかった光景が広がっている。
社会的なルールに関する取り決めの代表例は民主主義である。ここに人間ならではの興味深い現象が生じる。いわゆる「保守」対「リベラル」の分裂であり、実は脳の性質の差異が起こしているのではないか、というジョナサン・ハイトの説がある。「リベラル」は新奇探索性(リスクを冒してまで新しい物事に挑戦する性質)が高く、善意や倫理観に親和性が高い判断をするのが「保守」。
という仮定で、ハイトは「リベラルが保守に勝つことは、科学的に不可能であろう」と示唆している。しかし日本におけるリベラルと保守は、必ずしも政党としての政策とは一致しないため、どんな集団を支持し、投票するとリベラルなのか、あるいは保守なのかをクリアにしにくい。分析が難しい国なのだ。
アメリカには、支持政党は遺伝子で決まっているというデータがある。民主党支持者=リベラルに親和性を持つか、共和党支持者=保守に親和性を持つかには、生まれつきの遺伝子的な要素が関与している、ということである。100%ではなく、あくまで統計的な有意差があることを示す。これは本当である。日本には鵺のような政党があるが、アメリカはスッキリしていていいな。(柴田)
●まだMojave。Big Surが浸透した頃にCatalinaにするつもり。アプリで不具合出たりすると仕事で困るっ。
/外付けディスプレイが1台というのも困るな。色が悪くなってきた古いのをサブにして、指示書とか参考資料を見るのに使ってる。画面が広いと効率があがるよね。
/『SwitchBot Hub Mini』の続き。Amazonのレビューを見ると、海外メーカー品だと、リモコンの設定に苦労するようで、そのためNature Remo 3にいったん決めた。
が、リモコンのない家電のオンオフのできる『SwitchBot ボット』がやっぱり欲しくなって、結局SwitchBotで揃えることにした。Hub Plusは形が主張しすぎてるので、目立たないHub miniでいいや、と。
SwitchBot ボットは、今のところ使えそうな場所がないのよね。でも動きが可愛すぎて、欲しくなって買っちゃった(笑)。可愛い動きをする……が、こちらの想像は小指でちょんってものだったけれど、実際は親指でぐいっ、という結構力強いものであった。続く。(hammer.mule)
SwitchBot ボット
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