《「ソフトウェアレンタルショップ」があった時代》
■装飾山イバラ道[278]
水の補給で水の呼吸〈加湿器/バルミューダ Rain〉
武田瑛夢
■Scenes Around Me[83]
小川てつオくんのこと[16]
イベント「ヨパクラ」で撮った写真[5](2004年〜2005年)
関根正幸
■crossroads[96]
私とプログラミング(入門)
若林健一
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■装飾山イバラ道[278]
水の補給で水の呼吸〈加湿器/バルミューダ Rain〉
武田瑛夢
https://bn.dgcr.com/archives/20201124110100.html
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さて、コロナ渦の今年の本格的な冬対策。加湿器を買いました。あまり最近家電に興味はなかったけれど、乾燥で喉を痛めると病原体と戦えないので本気で探した。
いつくかの候補の中から、YouTubeやその他のレビューを見てBALMUDA(バルミューダ)のRainに決定。
・バルミューダ Rain
https://www.balmuda.com/jp/rain/
●見て納得して決める
候補の加湿器はどれもサイズが大きそうだったので、決断できず先送りにしていた。空気清浄の機能も欲しいし、やっぱり乾燥は嫌だよね。こうなったら、夫婦で店に出かけて決めようということに。
売り場では大きな加湿器の前で、あれこれ確認している家族がけっこういた。加湿器コーナーに行けば、他の候補の加湿器も並んでいるので、比較しやすい。
うちの場合は帰り道で、ほぼほぼRainかなぁと決めた感じだ。実際はWEBで注文。決めた理由は、水の補給のしやすさとデザインの素敵さ。公式サイトでは、やかんで水を入れてるのが可愛い。気化式だ。
今、水の補給と書いて「鬼滅の刃」の水の呼吸と似ていると気付く。私もAmazonでアニメを見て、Kindleで途中まで読んだ。アニメはスピード感も音楽もあっていいですね。今回は思いっきり乗っかったタイトルです……。
さて、うちに届いたRainの箱のデカさに笑ったけれど、案外するっと取り出せた。幅があるので、箱を押さえる人と、持ち上げる人がいた方が楽かもしれない。本体もツルツルしているので、両手で慎重に扱う。
ビニール類を外してからセットしてコンセントに挿すと、ププッと音が。こうした反応はさりげないけれど、何だか嬉しい。上から中央に水をそそぐとチョボチョボと水が入っていき、ここが表示パネルにもなっているので水位がわかる。
自動運転のモードを選択。以後変えていないので、水を注ぐ以外は何もする必要がない。湿度の設定はフチのリングを回して行う。ボタンがほとんどなくてかっこいいな。
最初は自宅が乾燥していて、湿度40%を切っていたので50%まで上げることにする。運転音はMAXでボーっという音。手をかざすと、風が上に吹き上げているのがよくわかる。涼しい感じなので、寒い時は気になるかもしれない。
最初の音はそばにいたら結構気になるけれど、いったん湿度が上がってしまえば静音になる。日中は本当にとても静かだ。夫は最初の勢いよく頑張っているモードがお気に入りのようなので、ちょっとつまらない様子。
内部もボールになっていて、フィルターが置いてある程度の構造なので、お手入れも楽らしい。部屋がうるおうと喉のイガラっぽさもなくなり、お茶に手がのびる回数が減ったかもしれない。もちろんお茶も飲んだ方が良いけれど、実は喉が渇いていたからお茶を飲みたくなっていただけなのかも。
Rainは出てからだいぶ経つので評価も出揃っていて、二代目もこれにしている人がいたのも決め手になった。部屋ごとに置きたくなるらしい。確かに寝室にも欲しくなってきたかも。
●上から水を注ぐだけ
Wi-Fi対応モデルにしたけれど、ほぼ使っていない。アプリをいじるのが好きな方には便利なのだろうか。
水の補給は本当に楽で、運転中に中央に水差しで水を注ぎ入れると、電源も自動オフになり、注ぎ終わると再び運転を開始する。
上から水を注ぐ、手が一切本体に触れない。
サラっと書いたけれど、このメリットは絶大。普通の加湿器で行う、いちいちコンセントを抜いてから給水容器を取り出して、水を入れてセットするようなことから解放されるのだ。容器の周囲についた水滴を拭くこともない。
・有機ELディスプレイ表示部分

Rainはリビングに置いている。コンセント的にもここが定位置だ。写真の奥に見えるのはゴミ箱。なんか白くて真ん中が穴になっていて、Rainに似ていて可笑しい。レジ袋を中に入れて上からかぶせるタイプで、楽天で昔人気だったので買ったゴミ箱だ。
・奥はゴミ箱、白くてソックリ

Rainに間違ってゴミ入れないようにしないと(笑)。今のところ大丈夫。さらに寝ぼけてゴミ箱に水を注ぐ?ヤバ。流石にないない、今のところこれも大丈夫。
写真のグリーンの水差し(グッチーニ ジャグ)は、形も色も好きで昔からのお気に入り。1.6L入るので、2回分入れている。Rainの容量は4Lでたっぷり。水は頻繁に入れなくてもいいのも楽だ。ディスプレイ表示のカラーもグリーンなので、ピッタリでオススメ。
・グッチーニ ジャグ

パソコンの部屋には、USBの超音波式の小さいものをそばに置いた。Amazonで買える安いもの。350ml程度の水量はマグカップと同じくらいで、自室にはこれで十分だ。
部屋が過ごしやすくなるのは気分がいいものだ。空気を洗う加湿器ということだけれど、洗われている実感はよくわからない。うるおっているのは良くわかるので、水分たっぷりの水の呼吸が出来るのがありがたい。
【武田瑛夢/たけだえいむ】
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/
スプラトゥーンのハロウィンフェス以降、また楽しく遊んでいる。勘が戻るにはだいぶ練習が必要だったけれど、ゲームの世界にはリアルと切り離された良さがある。
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■Scenes Around Me[83]
小川てつオくんのこと[16]
イベント「ヨパクラ」で撮った写真[5](2004年〜2005年)
関根正幸
https://bn.dgcr.com/archives/20201124110200.html
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前回と前々回は別の話になりましたが、今回も高円寺岡画郎の主宰者である岡啓輔さん、小川てつオくん、アーティストのマイアミくんが代々木公園で始めたイベント、ヨパクラ(ヨヨギ・パーティー・クラブ)で撮影した写真を紹介します。
ネガフィルムを見る限り、2004年には4月11日、5月9日、6月13日、7月11日の4回ヨパクラに行ったようです。
ただし、この年には特に変わった出来事は起こらなかったのか、印象に残る写真は見つかりませんでした。

写真は2004年7月11日撮影
ヨパクラ自体はこの年も11月まで行われたと思いますが、悪天候で中止になったのか、なんらかの理由で写真を撮らなかったのか、覚えていません。
2005年になると、少し変わったことが起こりました。
まず、年が始まって間もない2005年1月10日にヨパクラが行われました。
これは、おそらく、「どうして、真冬にヨパクラをやらないのだろうという」てつオくんの呼びかけだったと思います。
当日行ってみると、集まったのはてつオくんを含め数名で、あまりの寒さにじっとしていることも出来ず、てつオくんは始終体を動かしていました。

結局、この日は早々に解散したと思います。
この年に起こったもう一つの変化は、ヨパクラをやっている目印として「ヨパクラゲ」という旗を作ったこととです。

2005年4月10日撮影
また、SNSにヨパクラゲのコミュニティを立ち上げました。
https://mixi.jp/view_community.pl?id=147165
○
2005年10月2日
mixiコミュニティによると、9月は雨天で中止。10月のこの日も雨は上がったものの、地面は濡れていて参加者が少なかったため、シートを敷かなかったようです。


2005年11月13日
この年最後のヨパクラでした。



【せきね・まさゆき】
sekinema@hotmail.com
http://sekinema.com/photos
1965年生まれ。非常勤で数学を教えるかたわら、中山道、庚申塔の様な、自転車で移動中に気になったものや、ライブ、美術展、パフォーマンスなどの写真を雑多に撮影しています。記録魔
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■crossroads[97]
私とプログラミング(複写)
若林健一
https://bn.dgcr.com/archives/20201124110100.html
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こんにちは、若林です。
今回は、私がプログラミングの世界に入るまでの話の続き、ソフトウェアのコピーについてお話します。
前回の記事はこちら。
私とプログラミング(入門)
https://bn.dgcr.com/archives/20201110110100.html
■レンタルソフトウェア
当時はインターネットはおろかパソコン通信もなく、今のようにアプリが無料でダウンロードできるような時代ではありませんでした。
コンピュータで動くプログラムを手に入れる方法としては、本に掲載されたプログラムを自分で打ち込むか、市販のソフトウェアを購入するしかないのです。
市販のソフトウェアは安いものでも数千円〜1万円はしましたから、学生の身分ではあれもこれもは買えません。
そこに現れたのが「ソフトウェアレンタルショップ」です。
レンタルレコードのように(CDはまだ出る前、レンタルビデオも一般的ではありません)一定期間ソフトウェアを借してくれるお店です。ソフトウェアを1本買う金額で、数本〜10本程度のソフトウェアを借りることができました。
これも今では考えられないですよね、今こんなお店があったらすぐに摘発されて終わりでしょう。でも、パーソナルコンピュータ黎明期にはこんな商売があったんです。もちろん私も利用していました。安価にソフトウェアを手に入れられるのですから、学生がこれを利用しない理由はありません。
レンタルレコードがあるのだから、レンタルソフトウェアがあってもいいだろうと思っていましたし、当時はまだ、ソフトウェアのコピーに対する問題意識も低い時代でした。もしかすると。法律的にもまだ整備される前だったかもしれません。
そのお店は、大阪のJR京橋駅近くの雑居ビルの一室にあり、学生が出入りするには十分怪しい雰囲気でした。お店の名前は「ソフマップ」、ビックカメラの子会社になった「ソフマップ」同じ名前です。
Wikipediaを見ると、大阪の記述はありませんが、東京でソフトウェアレンタルをやっていたとのことなので、もしかするとあの「ソフマップ」なのかもしれません。
■ソフトウェアのコピーをラジカセで
レンタルしたソフトウェアは当然のようにコピーしていました(もちろん違法ですが、当時その意識はありませんでした)。ソフトウェアをコピーする方法は2通り。
BASICで作られたソフトウェアなら、プログラムを止めてSAVEすればOK。今ならUSBメモリですが、当時はカセットテープです。今のようにファイルの概念はなく、音楽を録音するようにプログラムも順番に録音していきます。
音楽でも録音するところをうっかり間違うと消えてしまうように、プログラムも記録する場所を間違うと消えてしまうので、注意が必要でした。
当時よく売られていた46分とか60分カセットテープを使うと、多くのプログラムが記録できたので、一本のテープにたくさんのプログラムを記録していました。長いテープを使う時は、どこに何が入っているかわかるように、プログラムの名前とカウンターの数字を記録します。
MZはラジカセと同じ頭出し機能があったのでまだマシだったのですが、他の機種は頭出し機能がなかったので、一本のテープにたくさんのプログラムを記録していると、読み出しに時間がかかったそうです。しばらくして、マイコンのデータ記録用に10分とか15分という、短いカセットテープも販売されるようになりました。
コンピュータのデータ記録の量を時間で表していたというのも、今となっては笑えます。
もうひとつの方法は、音楽のテープと同じ「ダビング」です。プログラムはデジタルデータですが、テープの上では音楽と同じなので、音楽テープをダビングするのと同じ方法でコピーできたのです。
当時はカセットデッキが2つついた、ダビング機能付きラジカセが多数あり、私も一台あったのでラジカセでダビングしていました。
この方法でなければコピーできないソフトウェアには、2種類あります。BASICではなく、マシン語と呼ばれる16進数の羅列で作られたもの、Break(BASICでプログラムを止める操作)できない(してもコマンドに戻らない)仕掛けの入ったもの。
これらは、BASICのコマンドでは読み込んだものを保存できなかったので、「ダビング」というアナログな方法に頼っていたのです。
自分で購入したソフトウェアもコピーを作って、普段はそちらを使い、購入したものはマスターとして残しておくということやってました。マスターを残して普段はコピーを使うというのは、仕事でもやってたことなので、我ながらよく考えたもんだと思います。
■コピープロテクト
コピーができるということは、当然それを阻止する方法があります。先に書いたBASICのコマンドで保存できないようにするというのもそのひとつですが、それではダビングを防ぐことができません。
ただ、一部のソフトウェアにダビングできなかったものもありました。ダビングしたものを読み込んでもエラーになるのです。
おそらく、テープに記録される信号レベルを調整してダビングすると、その信号が失われるようになっていたのかもしれません。
■ソフトウェアの歴史は違法コピーとの戦い
その後、記録メディアはフロッピーディスクになり、CDやDVDになり、コピープロテクトの方法もの色んな手法が考え出されました。
最近は、アプリストアでダウンロードしたり、サブスクリプション型にしてアカウントと関連づいていないと使えないようになっていることもあり、コピーして使うという発想がなくなっているように思います。
多くのソフトウェアが無料で使えるようになり、広告や一部の有料ユーザーからの収益で、多くの人が色々なソフトウェアを使えるようになりました。
今の若い人たちが、法に触れることなく自由にソフトウェアを使えるようになったというのは、本当にいいことで、コンピュータの世界の大きな変化のひとつだと思います。
ソフトウェアが充実してくると次はハードウェアを拡張したくなります。次回は、当時のハードウェア拡張についてお話したいと思います。
【若林健一 / kwaka1208】
https://crssrds.jp/aboutus/
「エレクトロニクスラボ - ものの仕組みがわかる18の電子工作」
https://www.amazon.co.jp/dp/4873119243/
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編集後記(11/24)
●偏屈BOOK案内:可谷珪一「日本は小国になるが、それは絶望ではない」KADOKAWA 2020
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046048247/dgcrcom-22/
稀に見る超絶ヘタな表紙カバーデザイン。二つの書体が大小縦横でびっしり入りまじって、統一感なし。そのくせ帯には著者のポートレート入り。この猥雑な表紙カバーでは、とうてい中身を期待できない。だいいち手に取る気になれない。本文は普通の組版で、なかなか読ませる内容なんだからもったいない。
日本は経済大国であった。GDPは中国にこそ抜かれたものの、2019年時点でも世界第3位をキープしていたのは、1億2000万人という人口の多さによるところが大きい。ところが、日本は世界でもまれに見る速度で人口が減り始めており、1億人を割る時期は2049年、2100年にはなんと4900万人。戦慄を覚える予測だ。
少子化対策を充実させなければならないのだが、これを実現するのは難しい。人口動態というのは50年、100年スパンで動くものであり、もはやタイミングを逸している。今起こっているのは「人口減少と高齢化の同時進行」である。何らかの手段で人為的に出生率を上げたと仮定すると、増加を続ける老人に加え、子供の数も増えるから、子育て世代は想像を絶する負担がかかる。
いま想定以上に出生率が低下しているのは、若年層が子どもをつくるのを望まなくなったのではなく、日本人の経済力の低下で、平均的な所得の人にとって、もはや子どもを育てるのが容易ではなくなったからだ。いま子どもを持てるのは高額所得者だけだ。高齢者の比率が減少し、現役世代の負担が低下するタイミングにならない限り、いくら少子化対策を実施しても子どもは増えない。
そんなタイミング、来ないだろう。今後、出生率が高まり、人口が増加に転じる可能性はゼロである。日本の人口の減少は100%の確率で起こる。日本は人口減少問題に加え、産業競争力の低下という問題に直面しており、国力の低下が続いている。日本はもはや製造業の盛んな輸出立国ではなく、消費で国を動かす国にシフトしている。これは歴史の必然であり、逆らう必要はない。
「つまり今の日本は、製造業による輸出主導型経済から、個人消費や政府支出を軸にしたコンパクトな消費主導型経済にシフトしている」「消費そのものが拡大することで所得が増え、さらに消費を拡大させるというメカニズムが働かない限り、経済成長は実現しない」ということだ。それにつけても、ずっといい思いを続けてきたうえ、後の心配もしないわたしの世代はずるい。(柴田)
●『SwitchBot Hub Mini』の続き。『SwitchBot 温湿度計』も買ったよ。これは外出時に室内の温度や湿度がわかったら、Hub Miniでのエアコンの稼働状況がわかるなぁと。
実際には、設定しておいた温度や湿度で、自動的にエアコンをオンにできたりするんだけれど、体感温度って曖昧だし、その時に外出していたりしたらもったいないから、確認のために使うだけになりそう。室内でペットを飼っている人にはとてもいい製品だと思う。
エアコンのリモコンを設定するのは簡単だった。iPhoneにSwithBotアプリをインストールし起動。Hub Miniをコンセントに繋ぎ、そのアプリと接続。その後はアプリから家電リモコンを設定していく。
エアコン項目を選び、メーカー名を探す。うちはダイキンで、数種のダイキンリモコンが用意されていた。続く。(hammer.mule)
SwitchBot 温湿度計
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07L4QNZVF/dgcrcom-22/