[5203] 足の軽さは心の軽さ〈足の温冷交代浴〉/246表現者会議で撮った写真

投稿:  著者:



《ここまでかなり鍛錬あり》

■装飾山イバラ道[284]
 足の軽さは心の軽さ〈足の温冷交代浴〉
 武田瑛夢

■Scenes Around Me[89]
 小川てつオくんのこと[20]
 246表現者会議で撮った写真[1]
(2007年11月〜2008年3月)
 関根正幸
 



━━━━━━━━━━━━━━━━━
■装飾山イバラ道[284]
足の軽さは心の軽さ〈足の温冷交代浴〉

武田瑛夢
https://bn.dgcr.com/archives/20210406110200.html

─────────────────

私は以前、結構なサウナ好きだった。ここでも何回か、書いたように思う。

スポーツジムはほぼサウナのために契約していたし、電車でそう遠くない温浴施設を検索しては出かけていたこともある。岩盤浴や炭酸泉も大好きだ。

サウナ好きの人に共通する特徴のひとつに、「やたら人に勧める」があると思う(笑)。サウナで気持ち良くなる状態を「ととのう」と呼ぶ。

ととのうと心がポジティブになるせいか、その良さを知らない人がまだいることが、もったいなくてしょうがなくなるのかもしれない。

しかし、このコロナ禍。サウナ施設も色々な対策をしていると思うけれど、前のように気軽に行きにくくなったのは確かだと思う。

最近YouTubeで見たのは、一人用サウナのお店や、自宅でサウナ的な入浴が出来る方法の紹介動画などだ。私もあの「ととのう」状態に、自分を持っていける方法があれば知りたいと思って色々見てみた。

自宅のお風呂でサウナスーツを着て入浴する動画もあった。お風呂でビニール傘をかぶって顔まで温めるなども。みんな苦労している(笑)。今はアウトドアのテント式サウナというものもあるんだそう。簡易式でも結構高い。

私としては、温冷交代浴法が良さそうだと思った。浴槽が二つあれば水風呂を用意したいところだけれど、一つしかないのでそこは水シャワー。

お風呂で温まったら、水シャワーを浴びて休憩するという方法だ。通常の入浴と違うのは水シャワーだけなので、そんなに言うほどの違いもないような気もする。実際にやってみると、その効果が素晴らしい。まずヒザ下から冷たい水シャワーをかけては、お風呂に入って体を慣らしていった。

徐々に慣らして現在の私は、入浴最後には頭から真水の水シャワーをかけても大丈夫になった(笑)。ここまでかなり鍛錬あり。

この方法は私がサウナ好きなので体の土台が出来ていたので、慣れが早かったのかもしれない。全身の水シャワーは、高齢者や体の弱い人にはお勧め出来ないので、くれぐれも注意が必要だ。冬場は普通の入浴だけも負担が大きいらしい。

そこで負担少なく試せるのが「足だけ温冷交代浴法」だ。これは自分でやってみて効果に驚いたのでWEBで検索したら、やはり既にやっている人もいた。「温冷交代足湯」と呼んでいる人もいる。

プールなどでも、まずは手足を水の温度に慣れさせるのが一般的。足湯なら冷たい水が怖い人でも大丈夫だし、体への負担も少ないはずだ。

●簡単なのに驚く効果

まずはお風呂に入って体全体を温める。お好みの時間つかれば良いと思う。

いよいよ水シャワー。もちろん冷たいので、それなりの覚悟がいる。冷たさで足が縮こまってしまうような感覚。20秒~30秒間ヒザ下に水をかけながら耐えて、お風呂に入った。水で冷えた足にお湯の温かさがしみてくる。ジンジンジン。私は元々この温度差が好きな方なので、快適だ。

お風呂ではiPhoneのアプリで5分タイマーを利用。適当なところで風呂のフチに腰掛けたりもする。WEBで調べたら温浴は2分でも良いらしい。お好みの時間で。

タイマーが鳴ってお風呂から出たら、またヒザ下に水シャワー。すっかり温まっているので、水がどんどん気持ち良く感じられるようになる。

うちのシャワーは温度が、青、黄色、赤と温度帯によって色分けされている。最初は黄色あたりの、なまぬるい水だったけれど、青の領域の水はかなり冷たい。黄色と青の間くらいの位置でも慣らすのに良い。真水の青でかけるのが効果も大きい。

数回繰り返して、最後は短めの水シャワーで引き締めてお風呂から出る。

お風呂から出て休息していると、足の軽さが素晴らしい。何の疲労感もないような、独特の感覚だ。血管の収縮と弛緩を繰り返したことで、血行が良くなって、足が軽くジンジンしているような感覚もある。

しばらくはこの「足だけ温冷交代浴」で満足するほど、効果抜群だった。やるとやらないでは、入浴後の快適さが全然違う。これで「ととのう」とまではいかないけれど、久しぶりに冷たい水の効果を感じた。

マラソンなどのアスリートでも足の疲労が取れるそうなので、血管を内側からマッサージするような効果がありそう。温度差だけで血管が自分で疲労物質を流してくれるような感じだ。

●ステップアップ

どんなことでも慣れると次の段階へ行きたくなる。苦痛と回復というのは、アンチエイジングの秘訣らしい。耐えられる程度の試練を繰り返す行動は、若返りが期待できるとのこと(色んな本調べ)。ヒザ下の軽さを体感したら、もしもこれが全身だったらと想像できると思う。

次は、足全体だ。私の経験上、お尻もけっこう冷たい水に耐えられる。水シャワーは体の芯部に近づくほど冷たく感じるので、手足なら我慢できても、お腹や胸はキツい。心臓にも近いので、ぬるいくらいの温度、レベル黄色の水で十分だと思う。

私がヒザ下にかけるのをオススメしているのは、真水の温度の真っ青な青色レベルのこと。足全体には好きな冷たさでかけながら試して欲しい。

もしも、もしもですよ、そこからステップアップするのであれば、背中。ここからは自己責任で読んでもらいたい。

シャワーを高い位置のホルダーにつけて、後ろをむいて背中から体に水を浴びる。これはもう、冷たい水が身体中にかかってしまうので、よほど慣れた人にしか勧められない。だって、ほぼ滝行だから(笑)。いや、滝行は違った。検索してみたら全然違った。滝行の方々どうもすみません。

背中や鎖骨付近には褐色脂肪細胞が多く、ここが本領発揮らしい。私も結局やたらと人に勧めているけれど(笑)、ポジティブになる効果が出てきているということかも。

結論は「足だけ」で良いと思う。本当にずっとヒザ下の足だけでも良いくらい、「足だけ温冷交代浴」の効果は素晴らしい。足の軽さは心の軽さなんじゃないかと思うほど。そういえば足湯できるくらいのバケツもあるので、足用水風呂も試してみよう。

その後のステップアップは、くれぐれも自己責任で。お風呂の中での楽しみだけでなく、軽くなった足で日中の快適さが変わるのを体験してほしい。


【武田瑛夢/たけだえいむ】
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/


顔を真水で冷やすことは「お冷やし」と呼ばれる、昔からある美容法。氷水を入れた氷嚢で冷やす人もいる。最近は温冷交代浴の流れで、顔にも真水をかけている。シャキっとするし気持ちいい。


━━━━━━━━━━━━━━━━━
■Scenes Around Me[89]
小川てつオくんのこと[20]
246表現者会議で撮った写真[1](2007年11月〜2008年3月)

関根正幸
https://bn.dgcr.com/archives/20210406110100.html

─────────────────

今回は、246表現者会議で撮った写真を取り上げることにします。

246表現者会議
https://kaigi246.exblog.jp


個人的には、2007年の暮れから2009年にかけて、重要な出来事が続いたように思います。その一つが、246表現者会議と関わったことでした。
https://kaigi246.exblog.jp/6786112/


246表現者会議については、連載第24回で簡単に紹介したことがあります。
https://bn.dgcr.com/archives/20180327110100.html


小川てつオくんの記事によると、2007年3月に地元のまちづくり協議会が、近くのデザイン専門学校に依頼して国道246号線の渋谷駅ガード下に壁画を描きました。

そして、2007年10月になってガード下を「渋谷アートギャラリー246」と名付け、ポスターを掲示して、そこで寝泊まりしている人たちに立ち退いてもらうようお願いしたそうです。

その流れに対して、小川てつオくんと武盾一郎さんが、アートが排除の手段に使われたのではないか、と反応して毎月1回ガード下周辺で会議を行うようになりました。

会議にはガード下で暮らしていた人たちを含め、多くの人が参加しました。
また、参加者の中には現在、第一線で表現活動を続けている人も少なくありません。



246表現者会議とは直接関係ありませんが、会議に先立つ2007年11月23日に、246ガード下でいちむらみさこさんのパフォーマンス(ダンボールハウスによるファッションショー)が行われました。

いちむらさんをはじめとする数名が頭からダンボールで作った家を被り、246ガード下を歩きました。

https://live.staticflickr.com/65535/51091077462_841389d6ef_c
https://live.staticflickr.com/65535/51091093229_69c82b7279_c
https://live.staticflickr.com/65535/51090990241_0af67b842b_c

写真左手の壁に描かれているのが、問題となった壁画(渋谷アートギャラリー246)です。

のちに、いちむらさんが、壁画はファッションショーのバックに合っていた、という趣旨の発言を会議で行ったようです。



私は、246表現者会議については、てつオくんと武さんが組んで何か始めることに関心があり、会議が行われている様子を記録しようとしました。

第1回会議(2007年12月28日)
https://live.staticflickr.com/65535/51090988851_c6019c2b51_c

第2回会議(2008年1月28日)
https://live.staticflickr.com/65535/51095380104_1d56aee207_c

第3回会議(2008年2月22日)
https://live.staticflickr.com/2102/2299467406_01f3cd1c80_c

写真の通り、246ガード下にダンボールを敷いて、その上で参加者が車座になって話し合いました。参加者は回を重ねるにつれ、増えて行きました。

https://live.staticflickr.com/2277/2349816480_1ce0cea0b0_c

この写真は2008年3月20日に行われた第4回会議で、この時はてつオくんの提案で集合写真を何枚か撮りましたが、薄暗い場所だったため、全員がブレずに写っている写真は1枚も撮れませんでした。



以下、会議そのものからは離れますが、エノアールで行われた対談についての思い出を記します。

雑誌「美術手帖」が現代美術家の会田誠さんの特集(2008年5月号)を組みました。そして、特集に載せるための対談(青空雑談会)が2008年2月27日にエノアールで行われました。

https://live.staticflickr.com/65535/51091796115_cd82881265_c

青空雑談会については、この14ページ以降に対談の内容が載っています。

http://chimpom.jp/pdf/bt200805.pdf


対談には、会田誠さん、卯城竜太(chim↑pom)くん、遠藤一郎くん、小川てつオくん、いちむらみさこさん、増山麗奈さん、小田マサノリ(イルコモンズ)さん、富永剛総さんが参加しました。

https://live.staticflickr.com/2386/2301636750_b7cfc0d4fc_c



対談者のうち、卯城くんと遠藤くんは、会田さんが2001年から2004年まで美学校で行った講座「バラバラアートクラス」の生徒でした。

また、遠藤くんは、いちむらさんと武蔵小金井のライブハウス「アートランド」でイベントを企画したことがあり、246表現者会議にも参加しました。

そして、遠藤くんの報告により会田さんが246表現者会議に関心を持ったことがきっかけで、会議の参加者が対談に呼ばれたのだと思います。

私は武さんから、対談の撮影を依頼されました。

その時は、246表現者会議が美術手帖から取材を受けるので、撮影した写真が使われるかもしれない、というくらいの話を聞いた記憶があります。

ところが、当日エノアールに行ってみると、案の定、美術手帖側から女性のカメラマンが手配されていました。

彼女はカメラマンがもう一人現れたことに戸惑いを覚えたのかもしれません。対談が始まる前、エノアールから少し離れた場所でぼんやりしていました。そして私に、あそこにいるネコは撮らないんですか? と話しかけてきたのを覚えています。

https://live.staticflickr.com/65535/51096196625_da2afe8f69_c

私としては、正式なカメラマンが来たことで、撮影についての責任がなくなったことに安心しました。私は246表現者会議のブログに載せる写真を撮ると、次の仕事に行くぎりぎりまでエノアールにいました。

対談に先駆けて、参加者が各々普段行なっている活動について報告を行いました。

https://live.staticflickr.com/65535/51091796185_f6a30009a4_c

その中で、私は卯城くんの報告に興味を覚えました。

卯城くんのことは、当時中目黒にあったミズマアートギャラリーで、加藤愛さんとの二人展を見て知っていました。

しかし、卯城くんがchim↑pomというアーティスト集団を結成していたことはこの時初めて知りました。そして、卯城くんが以下のような活動報告をしたのを覚えています。

エリィ(chim↑pomのメンバー)がセレブ好きなので、ブランド品をカンボジアの地雷原に埋めて爆破した。
そのブランド品をギャラリーで展示したら数百万円で売れたのだが、セレブは寄付を行うということで、売り上げは全て寄付してしまった。


【せきね・まさゆき】
sekinema@hotmail.com
http://sekinema.com/photos


1965年生まれ。非常勤で数学を教えるかたわら、中山道、庚申塔の様な、自転車で移動中に気になったものや、ライブ、美術展、パフォーマンスなどの写真を雑多に撮影しています。記録魔


━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集後記(04/06)

●偏屈BOOK案内:半藤一利「歴史探偵 忘れ残りの記」
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4166612999/dgcrcom-22/


筆者は「文藝春秋」「週刊文春」などの編集長を歴任。昭和史研究の第一人者で(誰がそう決めたのは?)、「日本のいちばん長い日」「聖断」「昭和史」など著書多数。2021年1月12日逝去。90歳。

この本は2021年2月20日発行。文藝春秋の営業部が毎月作成する「新刊のおしらせ」に連載されたコラムを中心に構成された文春新書である。

自称「歴史探偵」という人。「人々がネットとやらの電子器具を信奉し、そろって本を読まなくなった今は」というんだから、正真正銘のアナログ読書人。生涯のテーマとして昭和史、太平洋戦争。思想的には進歩的文化人(わっ、懐かしい呼び方。まだあるのかな)。

この新書は「昭和史」ものと違って、自身の人生全般、森羅万象、山川草木を主題とする、いわゆるエッセイ集。最初の頃はいい加減にプロットを考えてとりかかったため、字数制限にひっかかり、手痛いしっぺ返しも度々うけたという。

そんなときのために、「文章作成の心得の条」があった。それは井上ひさしの教えだ。

「むずかしいことをやさしく やさしいことをふかく ふかいことをゆかいに ゆかいなことをまじめに書くこと」。ううむ、確かにどっかで見たことがある。

半藤がこの「心得の条」を知ったときは知る人はそれほど多くなく、自分だけが授かった秘術だと思っていたという。この新書も、この秘術を使って書いたエッセイをまとめたものであるそうだ。秘術、ねえ……。

エッセイの載った「新刊のおしらせ」は、文春の営業部が書店や取次に配った社外秘的な冊子で、フロントページのエッセイを筆者が20余年、「歴史探偵が行く」と題して連載を続けた。

その中から選んで「歴史のくずかご」という文春文庫になり、その後の連載や新聞に書いたコラムなどを(編集者が)集めて、この本ができた。

爽秋の候が訪れると、きまって若い頃に口角泡を飛ばしてやった友人との大論争のことを思い出すという。「百人一首」にもある「奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞くときぞ秋はかなしき」の歌をめぐってのものだ。

半藤は「紅葉を踏み分け」ているのは「鹿」そのものだと解していたが、友人は「作者が紅葉を踏み分けて山の奥に入って、しみじみと鹿の声を聞いているのだ」と主張し、頑として引かない。

一杯機嫌のせいもあったが、しばらくは口も利かないほどの大喧嘩になった。5〜6年後に半藤に凱歌が上がった。

いまは「奥山から聞こえてくる鹿の鳴き声を、山の麓で作者が聞いている。紅葉を踏み分けているとは、作者の想像で、見えない処での鹿の動きである」とするのが正しいのだ。友人もいまは兜をぬいでいる。

ところが、もう一首「わが庵は都のたつみしかぞ住む 世をうぢ山と人は言ふなり」では、筆者は50年近く「鹿ぞ住む」と思いこんでいたというんだからナントモ。

正しくは「然かぞ住む」で「世は憂きものという思いでここに慎ましく住んでいる。それなのに世間の人は憂し山といっているそうな」と解するのが正しい。

「この本、あまりに新旧入り乱れ、テーマもあっち向きこっち向き、ゴッタ煮のごときエッセイの寄せ集め、との誹りはまぬがれない」と自ら言うが、そこは編集者がなんとかしますって。なんとかなって、遺作集ができあがった。なんだかなあ、という出来ではあるが。(柴田)


●サウナのドラマ『サ道』は初回だけ見た。「ととのう〜」と言っていたような気がする。3月7日はサウナの日。

/UHA味覚糖の『むっちりグミ オレンジティー味』にハマる。家人がドン・キホーテで、他の味は残り少ないのに、これだけ大量に残っていたからと面白がって買ってきたのた。

期待せずに食べてみた。が、なんだろう、少し苦くて、でも甘くて、オレンジの味がするこの絶妙な感じ。ついつい次を口に放り込んでしまう。

ふと、これってカロリーどのぐらいなのかしらとパッケージを見ると、100gで323kcal。内容量100g。あかん、あかんて!

パッケージには、こう書かれてあった。「くせになる! むーっちむちの、むっちり! オレンジ香る紅茶味のグミ!」

身体もむーっちむちになりそう……。(hammer.mule)

サ道
https://www.tv-tokyo.co.jp/sa_una37/


UHA味覚糖 商品カタログ
https://www.uha-mikakuto.co.jp/catalog/gummy/

オレンジティー味はないんですが……。
ライフガードや「がぶ飲み」も食べてみたいな。