ネタを訪ねて三万歩[39]一喜一憂のデジタル機器騒動/海津ヨシノリ

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●携帯電話依存症に……

携帯電話は既に15年ほど使い続けていますが、3月の半ばまでは自分が“依存”しているなどとは考えたこともありませんでした。発端はかなり間抜けなものでした。一日中外出しての打ち合わせの日。早朝、私は玄関まで出てからiPodを忘れたことに気が付き、すぐに仕事部屋に戻ってiPodをバッグに詰めて駅まで向かいました。

改札を抜けてからはお気に入りの曲をセッティングし、回りに迷惑のかからない音量(何度もテスト済み)で、今月のお気に入りなどを楽しんでいたわけです。もう完全に意識の中は好きな曲の世界。そうこうしながら連鎖的に色々なことを思い描いていた時、唐突に携帯電話を忘れてしまっていることに気が付きました。既に目的地までの半分を過ぎたあたり。戻る時間はありません。

完全なポカです。しかも最悪の状況は重なり、前日に数名の担当者へ「翌日は一日中外出しているので連絡は携帯電話、または携帯メールにお願いします」と、念を入れていたのでした。幸い、その日は不思議なことに着信もなく事無きを得ましたが、下手をすれば大変なことになっていたかもしれません。


しかし、これでそれほど頻繁に使っているわけではない私も、既に携帯電話に依存していた事を実感したわけです。なんだか不気味さすら感じてしまいました。例えば、私はメールを全てGmailに転送処理しています。つまり、ネットに繋がるマシンさえあれば、何処でもメールのやり取りは可能なので、決定的に困ることはありません。携帯電話でも処理は可能ですから。

でも、デリケートな確認や連絡が必要な場合を考えると、色々と心配になってしまいます。これは性格なので今更直せません。とにかく携帯電話さえあれば、デジタルカメラ、ICレコーダー、簡易ビデオと、ほとんどの事が出来てしまいます。しかし、携帯電話のカメラだけは、気軽に何かを撮影するといった気分にはなれません。

●携帯電話のカメラは使えない

私の機種は500万画素という高解像度にもかかわらずイマイチ。撮影音で雰囲気ぶち壊しなのは我慢できても、シャッターのタイミングが恐ろしく遅くて問題外なのです。結局、狙ったタイミングで撮影することは絶対に不可能です。だから、どうでもいいものしか撮影しません。つまり動かないもの限定というわけです。

仮にタイミングよく撮影できたとしても、レンズが馬鹿げているほど変な位置にあるので、まったく使い物になりません。握っている手で完全に隠れてしまうからです。ワンセグモードのように、折り込んで使うことだけしか考えていないようです。ですから、実用性で考えると「かろうじて可」ってところかもしれません。少なくとも私から見ると。とにかく機種交換時にもう少し真剣に考えるべきでした。

つまり、他が平均的に使いやすいので、カメラ部の不満がクローズアップされてしまう、といったところです。ちなみに色はご想像の通りに赤です。で、多くの友人から聞いた情報を整理すると、赤って意外に男性が買い求めるらしいですね。女性は白やピンクが多いのだとか。回りでそんな状況を色々と確認していますが、全国的にそうなのかは不明です。

●ビデオカメラで大失敗

カメラと言えば、3月の頭にハイビジョン対応のビデオカメラを購入しました。かなり古いDV形式しか持っていなかったので、時間をかけて物色しているうちに今に至ってしまったというわけです。価格的にもリーズナブルだったので速攻で購入しました。それが大きな間違いとは知らずに。とにかく撮影したデータを、何も考えずにとりあえずMacに読み込んで……なんて能天気なことを私は考えていたのです。

ところが、どうやってもエラーに。確かQuickTimeのプラグをインストールしてチェックも入れているはずなのに、読み込みが出来ない……。で、色々調べた結果、TODという特殊なMPEGファイル形式のため、iMovieHDは06バージョンで、しかもQuickTimeは7.4以前でないとダメなのだそうです。当然Final Cut Proもアウトです。

メーカーのサイトで調べると、「お客様は、QuickTime 7.4へのバージョンアップをされないようお願いします。」って書いてあるのですが、正直コレって無理でしょ。バンドルされているWindows用のビデオ編集ツールで、とりあえずコンバート後にMacへ……と、なんだか原始的で鈍い時間の経過。私の場合、編集ツール類はMac版ばかりでなく、Windows環境でもバンドルソフトの他にEDIUS(このファイルが読めるかは現時点ではテストしていません)などがあるので、別にWindows環境でもいいのですけど、なんだか損した気分……。

というわけで、もう少し真面目に調べて買うべきでした。ビデオフォーマットってある程度決まっているから大丈夫だと思っていた、私の勉強不足ですね。ちなみに、3月末に最新版QuickTimeとiMovieHD06の組み合わせで処理可能なパッチがビデオメーカーではなくて、バンドルソフトメーカーからリリースされていましたが、iMovieHD08やFinal Cut Proでの使用には問題があるので、正直ガッカリです。今年最悪の買い物になりそうです。

●ICレコーダーでメモリアル

気分を取り直してICレコーダーの話。実は、数年前からセレモニー等は出来るだけ録音するようにしています。ステレオ高音質でも17時間半の連続録音が出来るので、映像とは違った記念になるからです。ただし、条件の良い所にセッティングしているわけではないので、いくらマシンの性能がよくても、それなりになってしまうのはご愛嬌。でも、意外と臨場感って残るものですね。

ただ、この手の機器に関しては直ぐに高機能機が欲しいとエスカレートしてしまうので、最近はPCM機が気になって仕方がありません。音響マニアではないはずなんですが、今まで出来なかったことがパソコンを使えば色々と可能になっていることが、少なからず影響しているのも知れません。

とにかく、ベタな使い方とは別に自分自身のセミナーの声も録音するようにしています。ただし、これは間抜けなことに忘れることが多く、失敗ばかり。今年は授業を全て録音しようかと考えていますが、多分毎度のことで、準備等に追われて忘れてしまうでしょう。

結局、携帯電話で一応は代用できてしまうのに、MacBookProに、iPodとICレコーダー、更にはコンパクトデジタルカメラまで持つと完全武装になってしまいますね。しかも、そんな重装備だと、とっさの対応が出来なくなるわけで、中々うまくいきません。そもそも構えているときに限って何も来なかったり、出来なかったりするのが世の常ですからね。

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●今月のお気に入りミュージックと映画
"銀の指輪" by チューリップ in 1974
"Mamunia" by Paul McCartney & Wings in 1973
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"Seven Years in Tibet" by Jean-Jacques Annaud in 1997 (USA)
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●5月19日(月)19時よりの、アップルストア銀座のセッション
Made on a Macとして画像処理セッション『海津ヨシノリの画像処
理テクニック講座Vol.22 Photoshop速攻塾/レタッチ編』3回完結
シリーズ後編としてPhotoshop塾/合成編を行ないます。画像合成
用に元画像を料理する時の、マスキングのコツと背景画像との調整
テクニックについて、短時間処理を想定して整理します。予約無用
・参加無料・退席自由ですので、気軽に参加してください。
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【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター

○バック・トゥ・ザ・下北沢

私の講義を履修しているわけではないのに(でも4月から履修登録して授業に顔を出していたのでびっくり)、何故か何度も飲み合っている学生から届いたグループ展の案内に導かれ、学生の時に激しく徘徊しまくっていた下北沢に向かいました。ここは学生時代から仕事を始めた頃の数年間、私にとって様々な出会いと出来事があった場所。懐かしさは、時間の経過とともに変貌してしまった町並みにかき消されてしまっていると思っていました。

しかし、駅に降り立った私は衝撃を受けました。小田急線と井の頭線のつなぎ部分の狭い階段は当時のままで、その薄汚れ方が「いいあんばい」で健在でした。町並みも当時と全く変わらない空間がいくつもあり、その建物の前に立った瞬間、学生の頃の私に完全に戻っていることに気が付きました。

そんな小説の一節のような感覚が、私を襲ったかと思うと、次の瞬間現在の私に戻るのです。お金のなかった学生の頃、新宿で飲み明かし、電車賃もなくなってしまった私は、始発前に小田急線の線路をひたすら歩き続け、下北沢までたどり着いたことが何度もありました。これが一番の近道だったからです。アパートは三軒茶屋手前の太子堂。

可能であれば、こんな風に昔の思い出が沢山詰まった町並みを、時々訪ねて見ると不思議な発見が生まれるかも知れませんね。昔学生だった私が時々学生に戻りつつ、今の学生とここで飲み明かすことこそ、不思議な世界なのかも知れません。

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