ネタを訪ねて三万歩[69]またまた「ごくせん」の縁がある大学に/海津ヨシノリ

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●東京工芸大学でインタラクティブメディア論

不思議なご縁により、今月から東京工芸大学芸術学部アニメーション学科にて、インタラクティブメディア論という講義を担当しています。正式なお話を頂いたのが1月17日、教授会で承認されたのが1月28日という高速決定に本人が一番驚いています。

そして、2月1日に行われたアニメーション学科の全体講評会にも誘われ、東京工芸大学の雰囲気を体感してきました。事前に学校の雰囲気を感じ取ることは大切ですね。こんな時の私は、決まって教職員の近くには座りません。学生の中に紛れ込むことにしています。そうすると、学生の空気のようなものを感じ取ることが出来るからです。まだ面が割れていませんし。

実は、私的なことなので詳しい説明は省きますが、この大学はかつて東京写真大学という名称で、その頃から私にとって色々と関係が深く、不思議なご縁のある大学でした。例えば、多摩美術大学の非常勤講師を引き受ける前の段階であれば、顔見知りの先生方の数は東京工芸大学の方が圧倒的に多かったくらいです。実は他にも不思議なご縁のある大学(女子大を含む)が幾つかあるのですが、それはまた別の機会に。

ちなみに、東京工芸大学は東京工科大学や東京工業大学と一字違いなので、間違える方も多いようです。読んだ時は東京工科大学と、話した時は東京工業大学と混乱するかもしれませんね。ところが、この似た名前の東京工科大学と東京工業大学は、私の家から車で15分圏内というのも不思議な話です。

それと、妙なことに気が付きました。2008年TVドラマ「ごくせん3」の赤銅学院高等学校のロケが行われたのが駿河台大学。2005年「ごくせん2」の黒銀学院高等学校は、今回非常勤講師となる東京工芸大学芸術学部のある厚木校舎。ということは、2002年「ごくせん1」の白金学園高等学校が実践女子短期大学なので、ここから非常勤講師の声が掛かると完璧(何が?)ですね。まっ、可能性は微塵もないですけど。

いやはや、相変わらずこういったどうでもいい事に妙に反応してしまいます。とにかく、東京工芸大学芸術学部のある厚木校舎はとってもきれいで癒される空間です。何時間でもボーッとしていられます。授業は2限目なので、終了後は校庭などでお弁当を食べてマッタリと過ごすことにしています。記憶が間違っていなければ、私が最初に訪れたときの施設は現在すべて消滅(?)しているのですが、どこか懐かしい感じがしています。



●名前と顔を覚えることが大切

ところで記憶と言えば、先月末に学生と山中湖付近にある多摩美術大学のセミナーハウスで合宿を行ったのですが、学生の時に訪れていたにも関わらず記憶はかなり曖昧でした。それもどうやら、当時は存在していなかった大きな敷地を有する「山中湖花の都公園」の存在が大きいようです。私の記憶が戻るにつれ、この「山中湖花の都公園」が出来る前にあった池か沼を、山中湖だったのではと勘違いしていたようです。

さて、肝心の合宿は普段それほど突っ込んだコミュニケーションを行っていない学生の顔を覚えるのと同時に、オモシロおかしく話し込むのに絶好の機会ですね。高級ホテルに泊まるよりも、私はこんな雑多な感じの合宿所が大好きです。卒業生であり教職員でもあるので、今後は色々と活用してみたいと思っています。怪しいサークルを作ってしまうのが手っ取り早いかもですね。

実は、学生に限らず、合宿ぐらいしないと人の顔を覚えるのが私は超苦手。ですから電車や街中で学生から声を掛けられた時、いつも持ち歩いているデジカメの動画モードをオンにします。そして、学生本人に学部と学年、そして名前を言ってもらいます。こうすることで名前と顔が一致するようになるわけです。写真よりはムービーの方が、その人となりのを掴みやすいですからね。もちろん、気が付いた時に許可をとってからの撮影です。

名前と顔を覚えることは大切です。例えば、質問に来る学生の名前が分からないというのは、何かおかしな関係ですからね。相手の名前をお互いに知っているからこそ、コミュニケーションが成り立つのではないでしょうか。ですから、メールなどで質問に対する答えを送信しても、それで解決したのかしなかったのかについて、リアクションがないのが一番辛いです。それでは単なる一方通行でしかないですから。

それから、携帯メールアドレスは「名前、学校、学部、卒業年度」で登録しています。多摩美術大学造形表現学部造形学科に2010年度入学の弥生春子さんなら「弥生春子/多摩美造造2014卒」という具合です。現在の学年ではなく、卒業予定年度とすることで混乱を避けています。これならデータ修正は基本的に必要ないですからね。ただし、イレギュラーとしてそのまま大学院に進んでしまう学生のデータ管理に悩んでおり、とりあえず「弥生春子/多摩美造造2014院16卒」としていますが、ほとんど暗号ですね。

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■今月のお気に入りミュージックと映画

[One more time, One more chance]by 山崎まさよし in 1997&2007(日本)

もともとは、1997年に山崎まさよし自身の初主演映画である「月とキャベツ」の主題歌として制作され、ロングヒットを記録した「One more time, One more chance」。そのため、あまりにも有名なのでご存じの方も多いでしょう。そして、10年後に公開された新海誠待望の新作「秒速5センチメートル」の主題歌として同一アレンジで使われています。この、同一アレンジで別の作品の主題歌になるのは、私の記憶ではこの曲だけです。しかも、新海誠はこの曲のために「秒速5センチメートル」を作成したとしか思えないほどの作品に仕上げています。実際、新海誠自身が猛烈にラブコールして実現したようです。とにかく、経緯は別として楽曲だけでなく映像の美しさも歴史に残る作品ですね。

[秒速5センチメートル]by 新海誠 in 2007(日本)

男なら思い当たる、淡い恋心の過去を引きずる切なさが突き刺さる名作です。カメラワークとコマ割り、そして職人芸の声優陣と三部構成の流れ......「いつかまた一緒に桜を見る事が出来ると」「私も彼もなんの迷いもなく」「そう思っていた」......から始まるエンディングのフラッシュバックと、それを援護射撃する「One more time, One more chance」でもう無条件降伏です。

少女時代の明里と、成人した明里の声優を変更しているのも成功していますね。声優は映画のキャスティングと同様に、外したら全部がぶち壊しになってしまいます。そんなことも含め、とにかく必見のアニメーションです。男はドライに生きられない弱い生き物......偶然と奇跡を信じ、好きだった人と出会うことを夢見て永遠にさまよう旅人......ですからね。

ところで、DVDに納められている新海誠氏のインタビューが素敵です。「制作中にスタッフ同士が喧嘩したり、何か事件が発生するなんて事はありませんでした。そんなことないですよ」という、人柄が素直に伝わる表情と言葉が印象的でした。

片や、作品のスタート段階からカメラでスタッフの動きを追い、確執が発生して、最後は認め合ってお涙頂戴みたいな映像を特番で流し、現場は戦争だったかのような印象を演出(?)することで集客に繋げるような作品を拝観(?)する気にはなれませんからね。

真摯で謙虚な新海誠氏の姿勢に共感するとともに、次回作に期待したいと思っています。とにかく、「秒速5センチメートル」は年に数回は唐突に観たくなる作品です。ちなみに第一話に登場する豪徳寺駅は子供の頃によく遊んだ場所でした。でも第二話の花苗の演技がいいですね。私はここで涙腺が一度決壊します。

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■アップルストア銀座のセッション 10月18日(月)18:30〜20:00

Hands on a Macとしての画像処理セッション
『海津ヨシノリの画像処理テクニック講座Vol.51(第02回ハンズオンセミナー)
Adobe Photoshop CS5の新機能についてのハンズオンセミナーを行います。奇数月に行われる従来通りのセッションと異なり、偶数月のこのセッションは予約が必要となります。なお、予約などに関してはAppleに一任しておりますのでご了承下さい。

【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター
yoshinori@kaizu.com
< http://www.kaizu.com >(renewed)
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○気が付けばCOSINAだらけ

写真好きだと必ず話題になるのがカメラ店回り。私も学生の頃は、月に何度かは新宿や新橋、それに銀座界隈を一通り徘徊していました。もっとも、仕事をするようになってからは、ほとんどカメラ店徘徊をしなくなりました。なにかの折りに偶然立ち寄るとことはありますが、長居はしません。そもそもそれは、年に一度ぐらいの気まぐれです。

別にカメラ店が嫌いになったわけではないのです。最近はR-D1xGというレンジファインダーカメラにはまってしまったので、近寄ると危険だと感じているからです。たとえば、R-D1xG用に4本目のレンズを最近手に入れました。COSINAVoigtlander(aにウムラウト付きです。以下同様)SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical。

これで手持ちのレンズは全てCOSINA Voigtlanderの新品というわけです。特に意識しているわけではありませんが、未だLeicaには中古も含めて手を出していません。多分その事で、レンジファインダーカメラ派の方達から、お前はレンジファインダーカメラを語ってはいけないと宣告されてしまうのでしょう。しかし、この問題は私には興味のないことです。

とにかく、R-D1xG用のレンズは......多分・Maybe・Perhaps......これで打ち止めだと思います。15mm(23mm)、21mm(32mm)、28mm(43mm)、50mm(77mm)あれば十分ですからね。ちなみに撮像素子がAPS-Cサイズなので括弧内が実際の画角です。