ネタを訪ねて三万歩[74]怪しい雑貨店のほうが落ち着くDNA/海津ヨシノリ

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iPhoneを購入したことで、「手書きの手帳はついに引退ですか?」という質問をいただきました。もし今後iPadも常時ネット接続できる環境になったとしても、手書きの手帳は使い続けると思います。少なくとも今はそう感じています。

万年筆と紙が創り出す絶妙の関係(誇張しすぎだってば)というか、きれいに書けてしまうデジタルノート類ではイメージが膨らまないのでダメなのです。いい加減とか気まぐれという感覚、あるいは動きはデジタルではまだまだ無理ですからね。でも、その最後の砦も案外と時間の問題だったりして。

とにかく、意味もなく無駄な悪戯書きという、今のコンピュータには理解できない動作が私は大好きです。もっとも、持ち歩く小道具類が増えてしまっていることもあり、手書きのノートにこだわっていられるのも今のうちかもしれませんね。重いのは嫌です。

ところで、どうやらソフトバンク以外からもiPhoneが発売されそうな雲行きになってきましたね。もう少し待っていればと、少しだけ後悔してしまいました。もちろん実際はどうなのか分かりませんけど。どちらにしても人それぞれ小道具には妙なこだわりをもっているものです。

こだわりといえば、過去にワコムの方へタブレットで筆記具の音を再現するモードを付けて欲しいとお願いしたことがありました。もちろん可能性はないと思いますが、言うだけ言ってみようと、Painterで鉛筆を選べば、そんな音がスピーカーから流れてくるオプションが欲しいです......と。こうなると、かなり精神的に癒されるような気がするのですが、考えすぎでしょうか。



とにかく、道具にこだわることが結果的に作品に繋がっていくわけです。性能よりも、存在感や触感のような部分がとても重要ではないでしょうか。使いやすいことがそのまま気持ちよいとは限らないからです。自分自身の一部でもある道具に対して、何のこだわりも愛着もない人は偽者かもしれませんね。もちろん、道具としては機能しなくても癒すということで、創作活動を二次的に助けるモノもあります(多分)。そばにあるだけで落ち着き和むという癒し系グッズです。

私は、学生の頃から怪しい雑貨類が大好きでかなり色々な店に通い詰めていましたが、最初にして最後(多分)に正社員として勤めていた会社では、運が良いことに輸入雑貨店も経営しており、一部の商品のデザインにも関わっていましたので、休みの時は市場調査みたいなことも自発的に行っていました。

そんな当時は、もっぱら横浜元町界隈や【渋谷から原宿にかけての明治通り沿い(これ以降「明治通り沿い」と記す)】を徘徊しまくるのが日課のようになっていまし。もっとも、実際には裏道に入った方が、かなりマニアックで怪しいお店が目白押しだったからです。

そんなわけで、ロス疑惑の三浦和義が経営していたフルハムロードのアヒルのスタンドを私は持っています。かなりマニアックかも。ただし、直接買ったわけではありません。色々な偶然が重なって手に入ったというわけです。だいたい事件が発生して随分経過してから「あっ、あれと同じモノ持っていた」と気が付いたくらいのいい加減さ。

とにかく衝動買いや無駄遣い(視点により意味が違ってくる)は楽しいです。そもそも人間が生活していること......そのこと自体が大いなる無駄の無限ループですからね。もちろん、購入するか否かは別として、怪しい雰囲気を楽しむのもショッピングの一部だと思っています。

ところが、今の明治通り沿いはお洒落すぎて面白くありません。なんだか無駄に意味ありげなデザイン書籍や豪華美術書のような「いかにも感」で、どうにも馴染めません。やっぱり、どことなく雑貨は怪しくなくては。とは言っても、そんな店はほとんど消滅してしまっているので、まったく立ち寄らなくなってしまいました。何かきっかけがないと、こんな場合はズルズルと時間ばかりが経過してしまいますからね。そんな状況にあって、明治通り沿い再訪の唯一の望みは宮下公園のNIKE公園化(最終的にNIKEの名称は無くなった?)だったのですが、どうなっちゃったのでしょうね。

まっ、もちろん明治通り沿いにまったく行かないわけではありませんが、目的が雑貨ではなくて打合せだったりするので、カウントには入れていません。ちなみに竹下通りやその奥まで行くと、文化屋雑貨店やThe World Connectionなど、昔ながらの怪しく楽しいお店は健在です。もちろんこれらのお店には時々出没しています。というより、デザイン・フェスタ・ギャラリーのついで的な出没なのですが、このギャラリーで勢い付けると怪しい雑貨店は更に面白くなります。

・文化屋雑貨店
< http://www.bunkaya.co.jp >

・The World Connection
< http://the-world-connection.com >

・デザイン・フェスタ・ギャラリー
< http://www.designfestagallery.com >

話を戻すと、雑貨類販売の店が好きな私は今のところFrancfranc、Village Vanguard、Archimedes Spiralあたりを定期的に徘徊しています。ただし、怪しい雑貨店という意味ではVillage Vanguardだけですね。何か怪しいモノを見ていないと落ち着きません......というより、スイッチが入らないDNAなのかもしれません。考えてみれば、私が子供の頃のお店はみんな怪しかったですからね。もっともルール無用の某国の怪しさに比べたら屁みたいなものでしたけど。

・Francfranc(自由が丘、蒲田、二子玉川)
< http://www.francfranc.com/ >

・Village Vanguard(自由が丘、池袋)
< http://www.village-v.co.jp/ >

・Archimedes Spiral(玉川高島屋)
< http://www.archimedesspiral.com/ >

さて、そんなわけで日々細かいモノを買いまくっている私が最近はまっているのがレゴのストームトルーパー。なかなか手に入りにくくなっているので、余計に愛おしく感じちゃいます。既にいくつかの製品を購入しては童心に返っています。
< http://kaizu-blog.blogspot.com/search/label/Storm%20trooper >

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■今月のお気に入りミュージックと映画

[時をかける少女]by いきものがかり in 2010(日本)

松任谷由実の名曲を"いきものがかり"が歌うとは思いませんでしたが、とてもいい感じで違和感はなく、原田知世バージョンより気に入っています。というか、むしろこれがオリジナルではないかとさえ感じてしまいました。アップテンポだからかもしれません。実は映画のエンドロールに流れる同じ"いきものがかり"の『ノスタルジア』の歌詞も絶品です。特に最後の「本当の気持ちは 胸にしまう ふたりの明日が消える前に」がいいですね。映画とアルバムは曲順が逆ですが、私はアルバムの順番で聞くのが好きです。映画の結末を知っているからかもしれません。

[時をかける少女]by 谷口正晃 in 2010(日本)

"時をかける少女"といえば原田知世が主演した1983年版を私も当然見ています。しかし、仲里依紗が声優を担当した2006年のアニメ版が好きで、同じ仲里依紗が主演している本作も気になっていました。そして遂に見ることができました。

さて、当初は芳山和子の役は安田成美ではなくて原田知世にやって欲しかったと思っていましたが、見終わってみれば作品的にこれで正解だと思いました。ストーリ的には突っ込みどころもありますし、設定、脚本が甘いのは誰の目にも明らかです。でも、芳山あかり役の仲里依紗と溝呂木涼太役の中尾明慶の自然体で素直な演技がとても気持ちが良かったです。

ストーリは予測できるラストでしたが、不覚にも涙腺は爆発してしまいました。切な過ぎます。とにかく二度見ることをお薦めします。この世界観が好きなのは、70年代が私にとって特別だからかもしれません。時々思い出す70年代の風景が、画面の中にさりげなく広がっているのが懐かしくもあり不思議でした。

だからリアリティのない会話や行動、チープすぎるCG表現には目をつぶることにしました。ちなみに冒頭近くで芳山親子がボートに乗っているシーンは散歩コースの洗足池公園だったのでちょっとびっくり。可能なら若かりし頃の父にさりげなく会ってみたいものです。

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■アップルストア銀座でのハンズオンセッション 第4回
2011年3月21日(月)18:30〜20:00
Hands on a Macとしての画像処理セッション
『海津ヨシノリの画像処理テクニック講座Vol.55』
Photoshop CS5によるレタッチ技法に関するハンズオンセミナーを行います。
なお、偶数月に行われる従来通りのセッションと異なり、奇数月のハンズオンセッションは予約が必要となります。なお、予約などに関してはAppleに一任しておりますのでご了承下さい。

【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/怪し
いお菓子研究家
yoshinori@kaizu.com
< http://www.kaizu.com >
< http://kaizu-blog.blogspot.com >
< http://web.me.com/kaizu >

どさくさに紛れてApple Logic Studioと小型の鍵盤を買ってしまいました。あるミュージシャンと知り合ったことも影響していますが、普段しないことをやるのは楽しいですね。というか、最近はストレス発散的に買い物三昧しています。とは言っても、無理のない範囲で三昧しているというのは少々おこがましいかもしれませんが、まっ、雰囲気を感じて下さい。

さて、そのミュージシャン(本人からの希望で名前は伏せます)を気に入ってしまったのは「いかにも」という立ち居振る舞いではなく、専門知識のない者に対しても丁寧に接してくれる姿勢。本物はいつの時代も低姿勢で真摯なのですよね。