ネタを訪ねて三万歩[93]俳優デビュー/海津ヨシノリ

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実は夏休み前に、多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科の卒業制作作品への出演依頼があったのです。

大昔、私は演劇を目指そうとした時期もあったので、基本的に嫌いではなく、学生からの依頼だったので可能な限り協力しようと思いましたが、スケジュールの関係で断念してしまいました。

滅多にないことなので可能な限り協力したかったのですが、スケジュールを動かすことが出来なかったので、どうしようもありませんでした。とにかく、キチキチで余裕のない過密スケジュールとなってしまうのが怖かったのです。この余裕がない状況は、基本的に大失敗の引き金に成ります。

実際、数週間前にこの状態が一週間続いたことがありましたが、見事に忘れ物のオンパレードとなりました。

月曜日(12時間)にガラ携とiPhoneを忘れ、火曜日(15時間)に財布を忘れ、
水曜日(15時間)にスケジュール帳を忘れ、木曜日(11時間)にメガネを忘れ、
金曜日(12時間)に回数券を忘れ、土曜日(10時間)にプリントデータを忘れ
......なんて、ちょっとヤバイですね。

ちなみに、曜日の後の括弧内の時間は自宅のドアから出てドアまで戻って来るまでの時間です。日曜日に爆眠したのは言うまでもありません。死ぬかと思いました。

話を戻すと、オファーのあったことも忘れかけた今月に入り、突如として新たな出演依頼が舞い込んできました。日程はバッチリです。

そうしたら、なんと今回の依頼は夏休み前に一度断った作品だったのです。紆余曲折の末に撮影が長引いていたようです。作品は「おテントSUN」という題名で、70分ぐらいの大作になるようです。現在ラストスパートの撮影が続いています。

ちなみに最初の依頼の時は同じ場所でも予定は1時間半でしたが、今回は4時間半です。最初のオファーを無理して受けていたら大変なことになっていたと思うと、汗が噴き出してきました。




さて、私の役はキッチリと専門分野の勉強をしている几帳面な民俗学の教授で、台詞はソコソコあって少し大変でした。登場シーンは2シーンで、撮影は5カットほどありました。

カメラはビデオカメラではなくて一眼レフです。時代は確実かつ問答無用でコレですね。その昔、デザインの世界でもデジタルをバカにしていた方達がいました。先見の目がなかったのでしょう。しかし、そういったオバカな大人がどの業界にも君臨しているのが現実。若い人の夢を潰す行為は、ほとんど犯罪ですね。

ところで俳優としての私の活動は、学生時代に映画学科の作品に数回出たぐらいです。デザイン学科映像コースの学生の作品に、ジェダイマスターとして登場したこともありましたが、ちゃんとした台詞があるのは今回が初めてです。普通の人間としての役も初めてかも知れません。ちょっと癖になりそうです。

そこで一生懸命に台詞を覚えようと頑張ったのですが、どうにも覚えられない部分があり困惑してしまいました。ところが、少し言い方を変えることで一気に頭の中に入ってしまいました。正に文語と口語の違いですね。

現場でも皆さんこのようにしていたので、案外無理して言いにくい台詞を覚えなくても良かったのかも知れません。あとはいくつかのアドリブも入れて撮影は予定通りに完了しました。

実は台本を頂いたときに仰天してしまったのですが、今回の作品に登場する俳優の半分以上は顔見知りの学生だったからです。それも千差万別。デザイン学科や造形学科の色々な学年の学生が混在していました。もっとも、知り合い全員とシーンを共有しているわけではなかったのが少し残念でした。

で、とっても面白かったのは撮影場所です。私の役柄からもわかるように講義のシーンです。絵的には階段教室ですね。ということで、小田急線の鶴川(位置的には鶴川と玉川学園の間)にある和光大学の教室を借りての撮影でした。

私は和光大学構内に入るのは今回が初めてなのですが、どこか懐かしい部分と新しい部分が交差し、校内のどこへ行っても絵になりました。

階段教室は駿河台大学や東京工芸大学での講義で体験済みでしたが、和光大学の階段教室はとっても落ち着くのです。何故なのかはわかりませんでしたが、何か懐かしいぬくもりのような感じです。

それから衣装ですが、普段の私のイメージで依頼したということでしたので、そのままで臨みました。もっとも一応もう一人の教授役との対比ということで、1930年代のレトロなミッキーの絵が入ったTシャツを着用しました。とにかく完成が楽しみです。出来上がったらDVDに焼いてもらえるようです。

ところでDVDといえば、10月からあの馬鹿げたリッピング法が施行されましたね。今まで授業でやっていた、次のようなことは御法度&逮捕になってしまいます。

・何枚ものDVDの幾つかのシーンを行ったり来たりするための時間を節約するなどで、自分が持っているDVDの映像データを自分のPCに落として再生。

・ネットの動画サイトにあった映像を授業で流したいが、ネット環境が不安定であったり既に削除されていたりするので、予め自分のPCに落としておいた条件の良い映像を再生。

今回の改正法が、「ダウンロード禁止法」などと呼ばれているように、今後は注意が必要ですね。ただし、直接「ニコニコ動画」や「YouTube」などのストリーミングサービスを使って閲覧する行為は違法ではありません。それが仮に違法にアップされているモノでもです。

授業に際してはその都度ネットに繋いで、ネットから再生するように対処するしかありません。また今回の改正法では、教育機関であることでの例外規定は一切適用されません。

私はこのオバカ法が可決された段階から、少しずつ中古のDVDなどを買いあさっていたので、私自身の授業で大きな問題はありませんでしたが、それでも駆け込みで20枚ほどのDVDを買うことになりました。正直キレかかっています。

キレかかっていると言えば、皆さんどうして、都内でもあんなに繋がらないソフトバンクのiPhoneや、アップルによるiPhone5地図問題に寛容なのでしょう。気持悪すぎます。

私はiPhone5にもしていませんし、IOSのアップデートもしていないので地図問題は影響ありませんが、回線が使い物にならないソフトパンクには中指立てまくらせていただいております。もしこれがマイクロソフトのミスだったりしたら、メディアがこぞってバッシングするのは火を見るよりも明らかですね。

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■今月のお気に入りミュージックと映画

[悲しみのJODY(She Was Crying)]by 山下達郎 in 1983

ベストアルバムの影響なのかはわかりませんが、親子ほども違う学生達にファンが多いのでびっくりしてしまいました。彼の音作りの精神は年代に無関係で支持されるという証拠ですね。私が子供の頃に、親ぐらいの世代と同じ曲に夢中になるということはあり得ませんでしたが、今はそれがあり得るだと思うと、ちょっと楽しくなってしまいます。

[魔法にかけられて]by ケヴィン・リマ in 2007(USA)

全編に盛り込まれたディズニーのパロディーは見ていて納得のシーンばかり。エンディングもハラハラドキドキで、これまた終わってみれば誰もが納得のストーリ展開。これは演技力も評判が良くキャリアの割には無名に近かったエイミー・アダムスの起用が大きいですね。ナレーションもジュリー・アンドリュースなので、英語版・日本語字幕で見なくては絶対にいけない作品ですね。

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■10月のアップルストア銀座でのセッション

Apple Store GinzaにてHands on a Macとして画像処理セッション
『海津ヨシノリの画像処理テクニック講座Vol. 73』
様々なシーンで活用できるテクスチャーの生成方法をハンズオンします。何も無い状態から作成するテクスチャー生成術は、アクションとして登録することも可能であり、画像処理の様々なシーンで応用できます。

またIllustratorで作成したデータを、Photoshopのテクスチャー生成に活用する手順も解説いたします。なお、ハンズオンセミナーは予約制で申し込みに関してはAppleに一任しております。

【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家
/怪しいお菓子研究家

yoshinori@kaizu.com
< http://www.kaizu.com >
< http://kaizu-blog.blogspot.com >

いい歳をして馬鹿げていると突っ込みが入りそうですが、私は基本的に相手の話を真に受けるタイプなのです。大人の社会でよく交わされる「今度一杯ご一緒しましょう」「近くまで来たら是非お立ち寄り下さい」などがそれです。

もっとも流石に「お立ち寄り」は控えるようになりましたが、社交辞令としては解るとしても、実現することがあり得ないコトを前提で使うのもなんだか気分が悪いわけです。