ネタを訪ねて三万歩[109]アクシデントあれこれ/海津ヨシノリ

投稿:  著者:  読了時間:9分(本文:約4,200文字)


2月8日に東京に降った雪は正直かなり怖かったです。正確には翌日どうなるのだろうか? という怖さです。結局、予報は外れて一日だけの積雪でしたので、あっという間に溶けてしまいました。しかし、それでも20cm近く積もったわけ
ですから驚異です。

ところが、私は長靴を持っていなかったので雪かき作業は大変でした。我が儘を言っている暇もなく、ショートブーツの雨靴を使うしか手立てはなかったのですが、当然雪が靴に入って濡れてしまいました。そこで苦肉の策として、靴下の上からビニール袋を履いた状態で靴を履きました。

積もらない雪でも凍結してしまうと厄介です。チェーンなんてものも持っていませんので。かくして一時間の雪かきを二度ほどしたのですが、そのコトを簡単にfacebokなどに書き込んだところ、ギックリ腰は大丈夫かという心配のメッセージやメールが大量に舞い込んできて苦笑いするしかありませんでした。


幸いなことに、今のところギックリ腰は一度も体験したことはありません。いつも、2Lのミネラルウォーターが6本入った箱を2つ担いで、2階まで運ぶといったことを繰り返しているからかもしれません。もっとも、トータルで言えば日常の運動不足は否定出来ませんけれど……。

そして、そんなお約束の東京豪雪モードが更にパワーアップして、翌週に再来するとは思ってもみませんでした。このときの豪雪がとても厄介でした。雪が湿っていて重いのです。

結果、夜中に所用で人を迎えにいかなくてはならなくなり、前日に新調した長靴で武装し、普段は車が飛び交っている幹線道路にまったく車の走っていない光景を楽しむ余裕もなく、目的地までたどり着いたときは半分放心状態でした。

ほとんどSF映画のような世界と言ってしまえば大袈裟ですが、自然から見たら、ほんの少しの行き違いでしかないこの程度のアクシデントで身動き取れなくなってしまう我々は、本当にひ弱だと痛感してしまいました。

特に我々はデスクワークなので、どうしても下半身の運動不足は否定できません。できるだけ歩くようにしていますが、それにも限界があります。激しい運動を単発的に行うのではなく、緩やかな運動を定期的に続けることが必要ですね。問題は、分っていても継続することは難しいということです。

それと、忘れられがちなのが眼です。PC用のメガネは当然必須ですが、30分に一度くらいは窓から遠くを眺めるといった、気分転換と眼の運動をした方がいいでしょう。それはいざという時に致命的な怪我を回避してくれます。

「今のところ」と前置きしておいて、私は捻挫や脱臼まがいの怪我をすることが多いのですが、軽い捻挫程度で納まっています。とっさに受け身的な倒れ方をするからだと医者に言われました。いつまでそう対処できるかは分りませんが、軽い運動を繰り返しているお陰だと思っています。アクシデントに体が対応できなくなったときが正念場かも知れませんね。

しかし、コミュニケーションにおけるアクシデントは大歓迎です。ほんの少しのアクシデントが、素敵な記憶を呼び起してくれるからです。

私の住んでいる大田区には大小の印刷所が点在しており、印刷が地場産業である東京のイメージを、もっとも表している場所かも知れません。そんな状況下で、5年余りもの間、車で5分ほどの距離にあるデザイン会社に教え子が勤めていることを今月中旬まで知りませんでした。

にもかかわらず、この会社の近辺は頻繁に訪れる散歩コースのような場所で、今まで教え子と私がニアミスしていなかったことが不思議なくらいの状況だったのです。当然、教え子もこの事実を知らず、facebookで盛り上がってしまいました。直ぐに飲み会になったことは言うまでもありません。

確か以前もネタにしたと思うのですが、自分が生活している町に住んでいる人達の中には、生涯すれ違うこともない人だっているわけです。本当に不思議です。そうかと思えば、一度も訪れたことのない外国の人と友達になることもあります。この出会いの不思議を誰もが沢山体験しているはずです。

そんな不思議の極めつけが人間関係。話もろくにしていない段階から、相互に嫌悪感を感じる関係もあれば、初対面から親友のような関係が続くこともあります。これはソフトウェアにも言えることですね。相性と言ってしまえばそれまでですが、本当に不思議なことです。

教え子とのニアミス騒動のすぐ後に、二回目となる中学校の同期会ありました。同じ年に卒業した全てのクラスの集まりです。私が参加するのは初めてでした。ただし、スケジュールの関係で二次会からの参加となりましたが、一次会からほぼそのままの延長モードでしたので多くの旧友と懇談することが出来ました。

しかし、長い年月によるイメージの変化は大きく、名前と顔が一致しないのはまだ笑える範囲なのですが、名札の名前を見ても失礼な事にまったく思い出せない人も多くてかなり混乱してしまいました。

中学の3年間だけ一緒だった人の記憶が薄くなってしまうのは仕方ないかもしれません。ちなみに一番長い付き合いは、相互の母親のお腹の中からという友がいます。次に多いのが幼稚園からの付き合い。そして小学校からの付き合い。地元の者同士なのでそんな感じです。ですから、逆に色々な記憶が交差してグチャグチャになってしまう人もいます。

かくいう私も誰だか分らない人の筆頭でしたが、名前が変わっていることですぐに思い出してもらえたのは嬉しかったです。しかし、年齢的には仕方がないことなのかもしれませんが、同期生120余名のうち、消息不明が二割近く、物故者も一割ほどになっていた事に驚きを隠せませんでした。

そんな同期会でも、小学生の頃からの友人はすぐに分ります。不思議です。そして話し込むと、意外と近所に住んでいたりしてビックリです。地元から移動していなければそれは当然なのですが、結婚して引っ越しした女性の場合は勝手が違いますからね。

私も20代のころに引っ越しをした関係で、連絡が取れない人の一人になっていましたが、私自身がそれほど同窓会の類に興味があったわけでもないので、自発的に連絡を取ったりはしていませんでした。

でも、一部の同級生とは腐れ縁の交流があったので、消息不明者とはならずに済んでいました。しかし、その同級生は私の情報をみんなに流すことで使命を果たしたかのように、今世紀に入る前に物故者リストに入ってしまいました。

時の流れは本当に残酷です。失礼ながら既に物故者となっていると思い込んでいた先生が健在で、中学当時の先生達は思っていた以上に若かったことに驚く反面、余命宣告を受けたと報告に来た同級生。そして気が付けば、小学校以降に私が学んだ学校はすべて統廃合でなくなってしまいました。唯一残っているのは幼稚園だけなのです。

私は参加出来なかったので残念ですが、そんな現実を確認するかのように同期会は母校の内見から始まりました。そして第三回目は東京オリンピックの年に開催することになりました。それまで皆さん健やかにしていてください。

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■今月のお気に入りミュージックと映画

[雪の華]by 中島美嘉 in 2003(日本)
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明治製菓「boda」そして「galbo」のCMソングとして制作された曲。中島美嘉自身もこのCMに出演しています。雪景色を味わった東京にちょっと似合うかも知れないという意味で選曲してみました。プロモーションビデオは摂氏0度以下のスタジオで撮影されたそうです。とても静かで透き通った曲が心地よく、冬の定番として毎年リクエストが多いそうです。

[AUGUST 8th]by Dzhanik Fayziev in 2013(Russia)
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邦題「オーガストウォーズ」。2008年に勃発したグルジアとロシアの5日間戦争(俗に言われている8月戦争)を題材とし、主人公の少年が描く妄想と現実の交差がリアルなCGで緊張感を高めています。始まってしばらくは「外れた」と思うかも知れませんが、エンディングのメッセージで全てを受け入れられるでしょう。特にロシア軍全面協力で作り上げられた戦闘シーンは圧巻です。

もちろん、内容はロシアのプロパガンダ色が総天然色バリバリだということで観ないとまずいですね。ところで、グルジアの予算が大量に導入されたと言われている8月戦争を描いたハリウッド版「5デイズ」ではロシアの残虐性を強調しています。ちなみに実際の先制攻撃はロシアからでしたので「オーガストウォーズ」のご都合主義には脱帽です。

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【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/
怪しいお菓子研究家

yoshinori@kaizu.com
< http://www.kaizu.com >
< http://kaizu-blog.blogspot.com >

先日、頻繁に活用していた国際的なメーカーが運営する会員登録制の情報サイトを利用中に、突然アクセスが無効になってしまいました。パスワードが不一致というメッセージとともに再ログインが出来なくなってしまったのです。これってなんだか危ない予感。サーバー攻撃あるいはハッキングかも? と思うも、パスワード変更も出来ない状態。

結局あきらめて、翌日早朝に再チャレンジしても状況に変化がありません。取り立てて困ることもないので、このサイトは捨てることにしたのですが、午後になってうっかりいつもの癖でアクセスしたところ、何事もなく今まで通りに戻っていました。狐につままれたような感じです。

特に障害についてのアナウンスも行われていないので、セキュリティーは大丈夫なのでしょう。ネットは本当にトラブルが発生するとお手上げですからね。パスワードも複雑にして自衛するしか、我々には手立てがありませんので。