ネタを訪ねて三万歩[157]大学の新学期あれやこれや
── 海津ヨシノリ ──

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●ノンアルコール宣言

先月末から今月頭にかけては、懇親会が目白押し週間でした。もちろん、すべてに参加することは無理。で、今年はあるコトに気が付いたのです。

ノンアルコールビール。私は今まで取り敢えずビールで乾杯。その後はウーロン茶に替えたりしてダラダラでしたが、ノンアルコールビールにしたらスマートですね。

花粉の季節でもあるので、アルコールが少しでも入ると、翌日はかなり苦しいです。それに、どうも私はそれほどお酒が好きではない、ということに気が付き始めています(気が付くのが遅すぎ)。

飲むのはセミナー後の懇親会や、この季節の大学関係の懇親会……ということで、数えれば多くても年間20回未満、少ない時は10回ほどです。家ではまったく呑まないので、ノンアルコールビール宣言……いいかもですね。




●Moodleの導入

ところで、いよいよ新学期。今年はちょっと事前の調整で、スッタモンダしてしまいました。要するにスケジュール調整です。もうほとんど紙一重的なスケジュールなので、一校でもイレギュラーが発生するとアウトです。

でも、突然カリキュラムを相談なしで、変更してくる大学があるのです。信じられないけれど、本当の話です。困ったモノです。

そうかと思えば、決められた曜日のコマで契約しているのに、勝手に補講日を出校不可の別の曜日に触り分けてくる大学もあって、本当にムカッとします。

さて、今年は駿河台大学でちょっとした動きがあり、授業が大変だけれども楽しみといった状況になっています。授業支援として、Moodleを取り入れたからです。

専任の先生達が昨年試験的に導入して、結果が良かったことで公式に「やっちゃいましょう」という流れです。

Moodle(ムードル)とは、オープンソースのeラーニングプラットフォームのことです。教科書もオリジナル版(今期からカラー版)を大学側が用意(売店で実費販売)してくれるなど、本当にサポートが素敵です。

SA(Student Assistant)も真面目でフットワークが良く、賢い学生が溢れていて本当に助かります。

Moodle公式サイト
https://moodle.org/


Moodle Docs日本語版
https://docs.moodle.org/2x/ja/


跡見学園女子大学でも、スペシャリストのTAさんがフォローに入ってくれますので、とても助かっています。TAとはTeaching Assistantのことで、Terminal Adapterでも、Technology Assessmentでもありません。

どれもTAなのですよね。あっ、タンタルの元素記号もTAでしたね。とにかく、どの大学でもそうですが、教えるではなくて、一緒に学ぶということが大切ですからね。

さて、教育関連ではeラーニングプラットフォームが色々と活躍していて、多様なツールが出まわっています。

問題はどれが使いやすいか? ではなくて、誰が最初にそれを理解したか? ですね。勉強熱心な先生が、試験的に導入して可能性を探るというコトをしてくれると話が早いです。まさに今回の駿河台大学のようなケースです。

そうではなくて、一斉に半ば強制的に業者任せで導入というケースが一番怖いですね。蓋を開けてみたら、その大学のカリキュラムにそぐわなかったなどという結末は笑えませんから。

●予想数の4倍近い数の履修希望

実は、私自身も経験していますが、複数の大学に関わっている非常勤講師の方が多く、幾つかの大学で鉢合わせということも珍しくありません。

同じ日の出校ではなくても、懇親会でお会いしてビックリなんていうことが、本当に多いのです。だからこそ、専任の先生達では気が付かない部分がリアルにわかってしまうのです。

この大学の設備は進んでいるのか否か? といったデリケートな部分が……でも、現実を認めたくない大学もあるのも事実。そうなると、本当に学生が哀れですね。

どちらにしても新学期、履修の必要がないのにわざわざ履修してくれる学生達が毎年多くて、本当にありがたいことです。

また今年は、A大学で私の授業を受けたことのある学生が、B大学でもう一度私の授業を受けていたという、不思議な体験もしました。凄い確率です。どちらも必修科目のため、自分の意思で先生を選べないのに……。

またある大学では、予想数の4倍近い数の履修希望が入ってしまい、最大の教室に移動するも、溢れて抽選という事件がありました。抽選漏れしてしまった学生には申し訳ないですが、気にしてもらえるとことは、本当にありがたいことです。

しかし、嬉しい気分とは裏腹に、毎年授業はじめの数週間はリズムを掴むまで本当に疲れます。もちろん心地よい疲れです。強制される行動ではないから当然ですね。

いや、エネルギーは学生達からもらっているから立ち回れる〜なのでしょう。また一年頑張らなくてはと、自分のお尻を叩くのでした。

●Googleフォトを削除

そういえば、強制的で思い出したのが、Googleフォト。実は数年前から、不定期に写真がアップされていたのです。私は意識して処理してはいないので、私が間違って、何か自動的に設定してしまったのか……正直良くわかりません。

しかも、確実にアップされているわけでもなく、その不統一な流れがまったく読めない状態でした。容量的には20MBほどだったので、問題は深刻ではないのが不幸中の幸い。

しかし、どんなルールでアップされるか否かが分らない。気持ち悪いので、取り敢えず削除と思ったら、リンクしてある元データも消すぞ〜と脅かされました。元データをすべてバックアップ取ってから削除しました。

結果……被害はゼロでしたが、怒り心頭、不愉快極まりない時間を過ごしました。便利と思う人もいるのは理解していますが、私はかなり特殊な使い方……いや特殊な設定をPCにしているので、勝手に余計な事はされたくないのです。

具体的には教育機関のサーバーへのアクセスと、独自の関係者とのデータ共有など、本当にデリケート過ぎるので、かなり神経質になっています。


◎今月のお気に入りミュージックと映画

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"Science Fiction Volume One: The Osiris Child" on Shane Abbess in 2016
(Australia)

邦題『OSIRIS/オシリス』。地球から遠く離れた惑星オシリスで、囚人たちの反乱が発生。と同時に、ガメラみたいな怪物も登場で大パニック。空中浮遊基地からオシリスを管理していたケインは、地上に残った娘を救出しようとする……というストーリー。

低予算ながら時系列が巧みに交差することで、最後の最後にストーリーが理解できる謎解き的な部分もあって楽しめました。ただ、箸で寿司を食べるシーンや、剣道の防具……と日本人が見るとちょっと「無意味」&「いらない」的な部分がありますが、これはやっぱりご愛敬ですね。

同監督の『INFINI/インフィニ』も面白そうです。ちなみに、両作品とも主役はダニエル・マクファーソンということで、同じ俳優さんです。


『OSIRIS/オシリス』日本版予告


『INFINI/インフィニ』映画オリジナル予告編

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"Shot In The Dark" by Within Temptation in 2007(Nederland)

オランダのシンフォニックメタル・バンドであるウィズイン・テンプテーションが、2011年にリリースしたアルバムThe Unforgivingの2曲目。同アルバムでは6曲目のIronが人気ですが、紹介曲はシンフォニック感は薄く、難解さもないこの曲。良い意味で、らしくない点が私は好きです。


Within Temptation - Shot In The Dark


Within Temptation - Iron


【海津ヨシノリ】
グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/怪しいお菓子研究家

yoshinori@kaizu.com
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たまにしか使わないプリンタを久しぶりに起動したら、プリント出来なくて焦ってしまいました。このプリンタは、AirMacにUSB経由で繋がっていたのです。つまりUSB経由のLANというわけです。

ところが、数日前に3代目のAirMacが、完全に昇天してしまったことを忘れていました。既に家庭内LANは新しい機器で問題なく対処出来ていますが、USBポートがありません。

暫く呆然として、Amazonで代用品を探しているうちに冷静さを取り戻した私は、Etherケーブルでつながるのでは? と答えをみつけたのでした。

もちろんEtherで繋げることが出来るので問題は一気に解決したのですが、どうして私はわざわざUSBでLANをしていたのかが思い出せません。

現在常時起動している我が家のPCは、気がつけば6台。しっかり、オタク街道をまっしぐら〜ですね。

■5月の画像処理セッションは4月17日を予定しています。
〜Animateの復習【応用力が付くアニメーション処理の基本2】〜
詳しくは以下でご確認下さい。
https://www.borndigital.co.jp/seminar/


今月から8月まで、近著の連動企画です。参加は無料で、どなたでも参加できます。詳しくは以下のサイトでご確認下さい。なお、事前登録はありませんので、開催時間前に直接会場にお越しください。

◎講演内容

静的アニーションの考え方と作成手順。6月刊行予定の近著で扱っているAnimate内容の実戦をIllustratorでのパーツ作りから解説してみます。

・Animateが苦手なIllustratorデータ
・静的動作の考え方
・キーフレームの注意点
・極端な設定