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産創館でLLP制度の話を初めて聞いたのは、2005年の7月初旬でした。この時点では、2005年9月1日に法律が施行されるという噂が流れていましたが、経済産業省からは必要な書類や資料についてのアナウンスはあるものの、肝心の申請書類のひな形は一切出てきていないような状態で、おそらく法律の施行日はもう少し先へずれ込むだろうと予想していました。
それでも、万が一のことを考えて9月1日に間に合うように準備を進める中、経済産業省の方が大阪でLLPのセミナーを行なうということで、単にセミナーを受けるだけではなく、経済産業省の方との顔合わせ、それと新聞の取材の段取りを産創館がしてくれました。
産創館でLLP制度の話を初めて聞いたのは、2005年の7月初旬でした。この時点では、2005年9月1日に法律が施行されるという噂が流れていましたが、経済産業省からは必要な書類や資料についてのアナウンスはあるものの、肝心の申請書類のひな形は一切出てきていないような状態で、おそらく法律の施行日はもう少し先へずれ込むだろうと予想していました。
それでも、万が一のことを考えて9月1日に間に合うように準備を進める中、経済産業省の方が大阪でLLPのセミナーを行なうということで、単にセミナーを受けるだけではなく、経済産業省の方との顔合わせ、それと新聞の取材の段取りを産創館がしてくれました。
このように、産創館が提示したもう一つの条件はメディアへの露出で、後にもいろんなメディアの取材を受けましたがこれが第一弾でした。まだLLPの施行時期がハッキリ決まってない段階での取材でしたので、なにやら雲をつかむような話をしていたように思います。ただ、その記事の掲載予定日に大きな事件があり、結局幻の取材となりましたが……。
この時セミナーを行なった経済産業省の方との顔合わせは、すぐにでも東京へ帰らなければいけないということで一瞬で終わりましたが、その時に会った石井さんという方がLLP制度の重要な人物だということを後々知ることになります。確かに、LLPのエバンジェリストともいうべき石井さんのセミナーの内容は、この手の話に疎い私にも非常に分かりやすく、モヤモヤしていたLLPに対する概念がクッキリしました。
なによりも驚いたことは、そのセミナーへの参加者の多さでした。学校の体育館よりも広いと思われる会場がほぼ満席となる盛況ぶりにLLPへの関心の高さをこの時初めて実感しましたが、同時に「一番乗りなんて絶対無理」という気持ちも芽生えてきました。軽い気持ちで約束するんじゃなかったと、その時はあきらめ半分で後悔していました。
こうやって理解は深まるものの、新たな情報が得られない状況の中で大きな動きがありました。
それは経済産業省からの突然のアナウンスでした。LLPの法律の施行日は2005年8月1日。これには一番乗りを狙っていた人達はみんな驚き、慌てたと思います。なにしろ、このアナウンスがあったのは7月があと1週間で終わろうかという時期だったからです。
法律の施行まであと1週間しかない。しかし、経済産業省から申請書類のひな形が出てくる気配はない。こうなったら、専門家を信頼して全面的に任せよう……というか、すでにオンブにダッコだったのですが、さらにお任せすることになり、こちらでないと絶対用意できないもの以外は「あとはハンコを押すだけ」という最終段階まで用意してもらうことになりました。
今から考えても、司法書士の先生は大変だったと思います。「LLPは民法組合の特例」というヒントから答えを引き出さないといけないわけですから、限られた時間の中で似たような書類のひな形をチョイスし必要十分な書類を作成することは素人ではとうてい無理な作業でした。
このように、とにかく8月1日に間に合わせること、それとともに確実性も求められていました。法務局に一番乗り出来たとしても、書類の不備などでその場で突き返されれば、今までの苦労が水の泡になるからです。
そういえば、一番乗りするためには法務局の前で徹夜をしないといけないのかもしれない……いや、確実にしないとダメだろう。そこまでしたとしても、全国には一番乗りを狙っている人がたくさんいるのに、そんな誰もが思いつく力技で本当に大丈夫なのか? そんな事を考えていると、当然のように疑問も湧いていました。
この時は一番乗りが最優先になっていて、LLPとしてどうするのか? という当初話し合っていたことがおざなりになっていたからです。
一時的とはいえ、手段と目的がすり替えられていたことにとまどいを感じながらも、周りの熱に逆らえず流れに身を任せるしかありませんでした。
そんな中、書類の用意を急ピッチで進めていた司法書士の先生から思いがけない提案がありました。それは一番乗りを狙うための秘策ともいえるものでした。(続く……)
【ふかがわまさひで】
バビル6 LLP(有限責任事業組合)組合員
※バビル6 LLPは日本第一号のLLP(有限責任事業組合)です
< http://www.b6p.jp/
>
この時セミナーを行なった経済産業省の方との顔合わせは、すぐにでも東京へ帰らなければいけないということで一瞬で終わりましたが、その時に会った石井さんという方がLLP制度の重要な人物だということを後々知ることになります。確かに、LLPのエバンジェリストともいうべき石井さんのセミナーの内容は、この手の話に疎い私にも非常に分かりやすく、モヤモヤしていたLLPに対する概念がクッキリしました。
なによりも驚いたことは、そのセミナーへの参加者の多さでした。学校の体育館よりも広いと思われる会場がほぼ満席となる盛況ぶりにLLPへの関心の高さをこの時初めて実感しましたが、同時に「一番乗りなんて絶対無理」という気持ちも芽生えてきました。軽い気持ちで約束するんじゃなかったと、その時はあきらめ半分で後悔していました。
こうやって理解は深まるものの、新たな情報が得られない状況の中で大きな動きがありました。
それは経済産業省からの突然のアナウンスでした。LLPの法律の施行日は2005年8月1日。これには一番乗りを狙っていた人達はみんな驚き、慌てたと思います。なにしろ、このアナウンスがあったのは7月があと1週間で終わろうかという時期だったからです。
法律の施行まであと1週間しかない。しかし、経済産業省から申請書類のひな形が出てくる気配はない。こうなったら、専門家を信頼して全面的に任せよう……というか、すでにオンブにダッコだったのですが、さらにお任せすることになり、こちらでないと絶対用意できないもの以外は「あとはハンコを押すだけ」という最終段階まで用意してもらうことになりました。
今から考えても、司法書士の先生は大変だったと思います。「LLPは民法組合の特例」というヒントから答えを引き出さないといけないわけですから、限られた時間の中で似たような書類のひな形をチョイスし必要十分な書類を作成することは素人ではとうてい無理な作業でした。
このように、とにかく8月1日に間に合わせること、それとともに確実性も求められていました。法務局に一番乗り出来たとしても、書類の不備などでその場で突き返されれば、今までの苦労が水の泡になるからです。
そういえば、一番乗りするためには法務局の前で徹夜をしないといけないのかもしれない……いや、確実にしないとダメだろう。そこまでしたとしても、全国には一番乗りを狙っている人がたくさんいるのに、そんな誰もが思いつく力技で本当に大丈夫なのか? そんな事を考えていると、当然のように疑問も湧いていました。
この時は一番乗りが最優先になっていて、LLPとしてどうするのか? という当初話し合っていたことがおざなりになっていたからです。
一時的とはいえ、手段と目的がすり替えられていたことにとまどいを感じながらも、周りの熱に逆らえず流れに身を任せるしかありませんでした。
そんな中、書類の用意を急ピッチで進めていた司法書士の先生から思いがけない提案がありました。それは一番乗りを狙うための秘策ともいえるものでした。(続く……)
【ふかがわまさひで】
バビル6 LLP(有限責任事業組合)組合員
※バビル6 LLPは日本第一号のLLP(有限責任事業組合)です
< http://www.b6p.jp/
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by G-Tools , 2006/11/07