LLPの法律が施行されてから一年と5か月弱。独自性の高いLLPに関しては「こんなLLPが出来ました」というニュースを時々メディアでも見かけますが、それらのLLPがどうなったかについてはほとんど聞こえてくることがありません。
確かに事業を立ち上げて一年で、なんらかの成果が出るなんてことはごくごく稀なので当然といえば当然なのですが、それにしても何かもっとニュースはないのかと、この記事を書くためにGoogleで検索を続けています。
では、バビル6LLPはどうなのかというと、やはり成果といえる事例を出せるような段階にまで至っていないというのが実状です。
確かに事業を立ち上げて一年で、なんらかの成果が出るなんてことはごくごく稀なので当然といえば当然なのですが、それにしても何かもっとニュースはないのかと、この記事を書くためにGoogleで検索を続けています。
では、バビル6LLPはどうなのかというと、やはり成果といえる事例を出せるような段階にまで至っていないというのが実状です。
ただ一年半以上経つと、見ている人は見てるんだなあ、という反応があることも事実です。まだまだ数は少ないのですが、そういった外部の組織とのコンタクトから始まったプロジェクトがいくつか走り出しています。
利益を追求しなければならない組織では、なかなか受けることが難しいプロジェクトでもLLPなら可能ですので、そういう性質のプロジェクトの相談が多いように思いますし、中には社会的意義を問うようなプロジェクトもあってなかなか興味深いものです。
そういった外部との接触や周囲の声が聞こえるに従って、バビル6LLPとして改善点や転換すべき方向が見えてきました。
1)プロジェクトや商品の開発
請負の案件の場合、クリエイターのエージェント会社と違い、現状ではマッチする人材を探すという意味ではスピード感や精度感に欠け、クリエイターネットワークとしてのメリットを発揮することが難しいという実感があります。
様々なクリエイターと有機的に繋がっている特長を活かすためには、プロジェクト単位または異なるスキルがいくつも必要な案件が適しているのですが、より活かすためには独自の商品やサービスの開発を積極的に行なっていく必要があると考えています。
ただ、基本はネットワークを使って進行する必要があるため、なかなか進まず一度止まると再び動き出すまでに時間がかかり、いくつか構想はあるものの根本的な組織の仕組みを変えないと継続的な動きにはならないと考えています。
2)組織の改編
バビル6LLPの場合、前身の任意団体の体制を引きずっているのですが、その中でも最も負担の大きい要素がオフィスシェアリングです。
「器」のなかった当時は重要な要素だと考えていたのですが、LLPという「器」が出来たことにより、その必要性が薄らいできました。現状に至っては全く機能していないという実態があり、このオフィスシェアリング制度を維持していくための労力がかなりの無駄を招いています。
そもそもLLPは、小回りが利き柔軟な組織作りが出来るはずのものなのですが、自分で自分の首を絞めている格好となっており、早くこの状態から抜け出すことで、永遠のテーマともいえる「LLPとして動ける時間を増やす」ことが出来るはずです。
それが柔軟性の高い、アメーバ的、3次元的な組織への転換を果たす第一歩になるではないかと考えています。
3)クリエイターとの繋がりの強化
現在は独自のSNSを立ち上げていますが、それだけではまだまだ足りないという実感があるため、1)と連動させることでプロジェクトへの参加意識を向上できるのではないかと考えています。
さらに、このSNSをより個々のクリエイターにとって使い勝手の良いものにすることも一つの方向性だと考えています。そのためには、SNSを一から組まないといけないという大仕事になってしまうのが難点ではありますが……。
4)LLP内での明確な役割分担
私個人の想いから始まった感の強いLLPですが、上記のような動きを本格化するためには、すでに個人の力量の限界をはるかに超えています。
LLP自体の管理だけでなく、プロジェクトの管理も必要ですし、税金や法律が絡むとクリエイターは途端に弱くなるため、そういう方面でのサポートが可能な人材をフィックスするなど、今後は役割分担をより明確にする必要があると考えています。
現在活動しているクリエイター系LLPは、おそらく小規模で、個人の集まりから始まったところが多いと思われるので、そういったLLPでは1)や4)はそのまま共通の方向性として考えられると思いますし、2)に関しても小回りの利く柔軟性の高い組織運営という意味では目指している方向はそれほど変わらないのではないかと思います。
結局、「組織」と「プロジェクト」という両輪をどのような形や大きさにするのかが大きな鍵となっており、この模索はまだまだ続きそうです。
というわけで、来週はいよいよ最終回です。これからLLPを立ち上げたいと考えている人たちへ、有効なメッセージにしたいと思います。
【ふかがわまさひで】
バビル6 LLP(有限責任事業組合)組合員
※バビル6 LLPは日本第一号のLLP(有限責任事業組合)です
< http://www.b6p.jp/
>
利益を追求しなければならない組織では、なかなか受けることが難しいプロジェクトでもLLPなら可能ですので、そういう性質のプロジェクトの相談が多いように思いますし、中には社会的意義を問うようなプロジェクトもあってなかなか興味深いものです。
そういった外部との接触や周囲の声が聞こえるに従って、バビル6LLPとして改善点や転換すべき方向が見えてきました。
1)プロジェクトや商品の開発
請負の案件の場合、クリエイターのエージェント会社と違い、現状ではマッチする人材を探すという意味ではスピード感や精度感に欠け、クリエイターネットワークとしてのメリットを発揮することが難しいという実感があります。
様々なクリエイターと有機的に繋がっている特長を活かすためには、プロジェクト単位または異なるスキルがいくつも必要な案件が適しているのですが、より活かすためには独自の商品やサービスの開発を積極的に行なっていく必要があると考えています。
ただ、基本はネットワークを使って進行する必要があるため、なかなか進まず一度止まると再び動き出すまでに時間がかかり、いくつか構想はあるものの根本的な組織の仕組みを変えないと継続的な動きにはならないと考えています。
2)組織の改編
バビル6LLPの場合、前身の任意団体の体制を引きずっているのですが、その中でも最も負担の大きい要素がオフィスシェアリングです。
「器」のなかった当時は重要な要素だと考えていたのですが、LLPという「器」が出来たことにより、その必要性が薄らいできました。現状に至っては全く機能していないという実態があり、このオフィスシェアリング制度を維持していくための労力がかなりの無駄を招いています。
そもそもLLPは、小回りが利き柔軟な組織作りが出来るはずのものなのですが、自分で自分の首を絞めている格好となっており、早くこの状態から抜け出すことで、永遠のテーマともいえる「LLPとして動ける時間を増やす」ことが出来るはずです。
それが柔軟性の高い、アメーバ的、3次元的な組織への転換を果たす第一歩になるではないかと考えています。
3)クリエイターとの繋がりの強化
現在は独自のSNSを立ち上げていますが、それだけではまだまだ足りないという実感があるため、1)と連動させることでプロジェクトへの参加意識を向上できるのではないかと考えています。
さらに、このSNSをより個々のクリエイターにとって使い勝手の良いものにすることも一つの方向性だと考えています。そのためには、SNSを一から組まないといけないという大仕事になってしまうのが難点ではありますが……。
4)LLP内での明確な役割分担
私個人の想いから始まった感の強いLLPですが、上記のような動きを本格化するためには、すでに個人の力量の限界をはるかに超えています。
LLP自体の管理だけでなく、プロジェクトの管理も必要ですし、税金や法律が絡むとクリエイターは途端に弱くなるため、そういう方面でのサポートが可能な人材をフィックスするなど、今後は役割分担をより明確にする必要があると考えています。
現在活動しているクリエイター系LLPは、おそらく小規模で、個人の集まりから始まったところが多いと思われるので、そういったLLPでは1)や4)はそのまま共通の方向性として考えられると思いますし、2)に関しても小回りの利く柔軟性の高い組織運営という意味では目指している方向はそれほど変わらないのではないかと思います。
結局、「組織」と「プロジェクト」という両輪をどのような形や大きさにするのかが大きな鍵となっており、この模索はまだまだ続きそうです。
というわけで、来週はいよいよ最終回です。これからLLPを立ち上げたいと考えている人たちへ、有効なメッセージにしたいと思います。
【ふかがわまさひで】
バビル6 LLP(有限責任事業組合)組合員
※バビル6 LLPは日本第一号のLLP(有限責任事業組合)です
< http://www.b6p.jp/
>
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- ナツメ社 2006-05-19
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by G-Tools , 2006/12/12