ネタを訪ねて三万歩[25]「突然時間が空いてしまった」対策
── 海津ヨシノリ ──

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というわけで、ズレまくった話題ですが、節分の豆まきってかなり好きなんですよね。しかし、最近はこの時だけなぜかどこもかしこも『純国産大豆100%』なんて記載した大豆を販売しますけど、『中国産または米国産大豆100%』のタイプミスじゃないかと確信しています。だって大豆の自給率って、わずか5%ですからね。

●幼児期の間違った秋田県への認識

ナマハゲ―その面と習俗
で、節分で思い出したのですが、私は幼稚園の頃に秋田の「なまはげ」が節分の時の鬼で、実在していると本気で思っていました。そのため「秋田に生まれなくて良かった」と東京生まれを喜んだくらいです。それが原因ではないのですが、考えてみると私は北海道・東北地方で出向いたのは福島県だけです。さりとて関東地方は流石に全クリですが、信越・北陸地方は長野県のみ。東海地方も静岡県のみ、近畿地方は兵庫、大阪、京都、奈良のご存知修学旅行コースのみ。残りの中国・四国・九州・沖縄は全滅でした。


つまり1都2府12県しか出向いていないわけで、もう完全にニート状態。行動範囲が狭過ぎですね。沖縄県以外は全て出かけていた父と比べると、まるで世代が逆のようです。ただし、出無精は否定しないものの、私の基本は『呼ばれれば出かけるが、呼ばれなければ動かない』なので、それが災いしているのかもしれないですね。

●いまいちピンとこない「かぶり寿司」

ところで節分といえば最近、『節分まるかぶり寿司(恵方巻)』なんて訳の解らないものが、コンビニで古来の伝統行事のごとく販売されていますけど、そんなのいつから決まっていたのだろうか? と、私はかなり胡散臭く感じていたのですが、これは関西で明治初頭に始まった風習らしいですね。第二次大戦後に廃れ、1974年にオイルショック後の海苔の需要拡大を狙った戦略として復活したとか。

一説には豊臣政権三中老(他は、生駒親正と中村一氏)の一人である堀尾吉晴(昨年の大河ドラマ「功名が辻」では生瀬勝久が演じていました)が節分の前日に巻き寿司のような物を食べて出陣し、大勝利をおさめたという逸話をルーツとする説があるようですが、どう考えてもこじつけっぽいですね。ちなみに、堀尾吉晴は松江藩初代藩主となりましたが、その嗣子である忠晴には子がなく改易(大河ドラマでは改易理由と時期をかなり脚色していました)となっています。と反応してしまう戦国オタクの私。

話を戻すと、どちらにしても50年の歴史しかない(日本的なバレンタインデーの風習という意味)バレンタインデーと似たような流れですが、恵方巻が東京にも広まった(?)のは、つい数年前ですからね。私は未だにピンときません。それよりも、巻き寿司しは大好きだけど、こんな食べ方を推奨して事故でも起きたらどうするのだろうかと、いつも妙に気になっています。まっ、目くじら立てることではないのかもしれませんが、ちょっと中途半端ですね。

●「突然時間が空いてしまった」対策

中途半端と言えば、私は中途半端に空いてしまう時間の使い方が恐ろしく苦手です。例えば、A社の打ち合わせとB社の打ち合わせ時間が2時間も空いているといった状況です。これが4時間ぐらいだと、一旦帰宅してしまったほうが得策なのですが、2時間というのは半端すぎます。さりとてタイミングよく映画を見るなんてことは絶望的。もう最近は開き直って喫茶店で読書しています。たいていは移動中の電車の中で文庫本を読んでいるので、この時間の使い方しか思いつきません。

あとは書店での立ち読みですね。これなら2時間ぐらいはなんとかなります。ただし、コンピュータ関係のコーナーはほぼ確実にスルーしてします。面白くないので。ちなみに私はマンガ本を読みません。漫画家の方に知り合いは多いのですが、自発的に読んでいたのは学生の時までです。これについては特に明確な理由はないのですが、なんとなく読まなくなってしまいました。根本的に週刊誌を定期購読する習慣がないからかもしれません。そのかわりに中吊りはくまなく読みます。

その他の時間調整方法としては、わざと遠回りして次の目的地に向かうなんて無駄もやります。意味なしバスの旅です。バスの一日乗車券は500円なので、3回乗れば元が取れますから、『都内意味なしバスの旅』みたいな感じですね。ただし、バスには渋滞というアクシデントが付きまとうために時間が読めないので、もし間に合わなくなりそうになったら、適当なところで降りて地下鉄等に乗り換えればいいわけですから。

でも、意外にこんな馬鹿なことをしている時ほど面白いものを発見したりするものです。見慣れない風景がいいのかもしれません。見慣れている風景だと、見ているようで見ていない場合が多いですからね。見たつもりになっているのでしょう。案外見ているようで見ていないことの方が多いものです。だからこそ同じことを繰り返してはいけないのですが、これを有言実行することは本当に難しいことだといつも感じています。

●カラーユニバーサルデザイン

見えていることと、見えていないことで思い出しました。実は2月7日〜9日に富士ゼロックス東京主催の【2007どこでもフェア】にて、3日間で4回というセミナーのキャラバンを行なったのですが、初日2コマの間が3時間半も空いてしまったため、思い出したように「PAGE2007」に向かいました。そこで偶然、多摩美の太田教授と遭遇し、色覚異常者へのカラー提案としてのカラーユニバーサルデザインをシミュレートするIllustratorのプラグインを知り、早々入手して色々と勉強しているところです。詳しい内容に関しては、以下に示す地理情報開発【カラーUDパレット】のページを参照してください。

地理情報開発がリリースしているPlugXシリーズ【カラーUDパレット】
< http://www.chiri.com/plugx_colorudpalette.htm
>

ちなみに色覚異常は医学用語であり、従来から曖昧に利用されていた色盲・色弱・色覚異常・色覚障害などを示すそうです。ただし、異常あるいは障害という表現そのものが差別的であるので、一部の色が見えにくい症状に一番自然である色盲という表現を推奨すべきという意見も多いようです。

なお、近年はプライバシー等の問題から小中学校では色盲検査が実施されないことがあるようで、自分が色覚異常であるかの認識がないために、色々なシーンで苦労されている方が多いそうです。なお、日本人男性20人に1人、女性500人に1人の割合で、なんらかの色覚異常者であることが報告されています。

色覚異常については、全てのデザインに対して検討することが理想なのかもしれませんが、なかなか難しい問題です。しかし、避けて通れない案件にも関わらず、クライアントがこの問題に気がついていない場合は積極的に逆提案してみることが必要です。本来デザインとはそうあるべきですから。

※太田教授は【いのちを守るデザイン】のプロジェクトに関わっていらっしゃいます。自分が普段無意識に使っている色やその組み合わせが、どのように見られているかということを理解することは大切です。命に関わるシグネチュアであれば更に重要な問題となります。

いのちを守るデザイン展
< http://www.designtoprotectlife.jp/
>

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今月のお気に入りミュージック
"Everybody's Talkin" by Harry Nilsson in 1969
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来月(3月19日19時より)のアップルストア銀座のセッション
【予約不要・参加費無料】
Made on a Macとして画像処理セッション『海津ヨシノリの画像処理テクニック講座Vol.8 デフォルトフィルターの想定外活用方法』を行います。
Photoshopにデフォルト登録されている各種定番フィルタの、マニュアル的ではない少し変わった使い方を整理・検証してみます。考え方と組み合わせを理解すれば、サードパーティー製フィルタが何倍も便利なツールに変化します。
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【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター
前回のテキストでPowerBookを処分したと書きましたが、すぐ後に、説明するとかなり長く理解されにくい複雑な事情によりMacBookPro(Core Duo)を手放し、MacBookPro(Core 2 Duo)を購入しました。予定としては、LeopaldがリリースされてもMacBookPro(Core Duo)のままで突っ走るつもりだったのですが、世の中は思うように展開してくれません。

これでもしAdobe CS3のリリースが遅れるなんてことになったら、当面はMacBookProにWindows XPをインストールしてWindows版のCS2で頑張るしかないでしょうね(遅れなくてもやりそう)。これって[王道][邪道][酔狂]の、どのカードなんでしょうね。それとも、Vista対応のBoot Camp(有料になるみたい)がリリースされそうなので、ここは当然Windows Vistaでしょうか。もうだんだんワケワカンナイ世界に突入ですね。

もちろんWindowsのノートという選択肢もないことはないのですが、両方必要なんですよ。大学はMacintoshでいいのですが、普段行なっているセミナーはWindowsという場合もあります。それに、MicrosoftのExpressionはWindows版だけですからね。ただし、AdobeですらVistaとの互換性はIntel版Macよりも格段に低い(ハードウェア仕様とOSの違いを同じ土俵で比較しても意味ないですけど)ので、当面は鍛え上げられたXPなのでしょうね。そして、最大の問題は必然性といったところですね。とりあえずギリギリまで悩んでみます。

yoshinori@kaizu.com
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Photoshopイラストレーションスーパーテクニック
海津 ヨシノリ 開田 裕治 寺川 昌子
ソーテック社 2005-01

Photoshopで描くイラストレーション―基本テクニックからリアルなイラスト作成まで Photoshop & Painterで描くモンスターCG―憧れのモンスターが自分の手で描ける! イラストを描く人のためのPhotoshop実践テクニック Painterで描くデジタル・イラストレーション キャラクターをつくろう!CG彩色テクニック




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PlugX-カラーUDパレット(Win)
地理情報開発 2006-11-20


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PlugX-カラーUDパレット(Mac)
地理情報開発 2006-11-06


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ナマハゲ―その面と習俗
日本海域文化研究所
日本海域文化研究所 2004-04

by G-Tools , 2007/02/28