調べモノ三昧を予定していた夏休みでしたが、いきなり番狂わせとなりました。友人から、300ページを超えるMS-Wordによる表組みだらけの書類から印刷データを作成という仕事が入り、Vista上でMS-WordとIllustrator CS3、そしてInDesign CS3三昧となってしまいました。
かなり大変な仕事でしたが、得るものが多く、類似したプロジェクトがあれば是非ともやってみたいと思っています。問題は、私がページ物の仕事をしないと思われていることです。どこからそんな噂が出たのか知りませんが、一度貼られたレッテルはなかなか払拭出来ないですからね。困った問題です。
かなり大変な仕事でしたが、得るものが多く、類似したプロジェクトがあれば是非ともやってみたいと思っています。問題は、私がページ物の仕事をしないと思われていることです。どこからそんな噂が出たのか知りませんが、一度貼られたレッテルはなかなか払拭出来ないですからね。困った問題です。
●プールで火傷
ということで夏休み。今年の夏休みは猛暑のためか、いきなりエアコンが壊れて滅入ってしまいました。そして気分転換に出かけた船の科学館のシーサイドプールで不覚にも(炎天下故、不覚も糞もないのですが)足の甲を思いっきり焼いてしまい、ほとんど火傷状態になるなど散々な結末。今どきプールで日焼け止め禁止というのは時代遅れだとは思います。しかし、ルールとして水質汚染防止と切り返されると守るしかないわけですが、律義に守ることで火傷をしてしまう結果に複雑な心境。
「だったらプールなどに来るな」と言われると返す言葉はありません。やっぱり、都市熱がそれほどでもなかった子供の頃の夏休みが一番だったかも知れません。こうやって過去の記憶は誰しも美化して思い出そうとします。
でも、その子供の頃の記憶ってせいぜい二〜三年程度の話なのです。当時のアニメも、長くて一年程度しか放映していなかったわけです。今だったら五〜六年続く放映も珍しくありません。そう考えると、平成の子供たちが大人になった頃に思い出す子供の頃のイメージってかなりアバウトになってしまうかもしれませんね。
●夏休みの宿題で思い出した悪夢の作文
さて、私が小学生、中学生の頃に迎えた夏休みはラジオ体操にアニメの再放送、そして昼寝の後の西瓜といったイメージが強く、誰しも嫌がった宿題がお約束でした。私自身は宿題が嫌いではなかったのですが、唯一絵日記(もちろん小学校の低学年)だけは苦手でした。いや、物心付いたときから絵を描くのは好きでしたが、文章を書くのが嫌いで、結果としてどうしていいのか分らなくなっていたわけです。
そんなわけで、義務教育の時は作文でいつも胃の痛くなる思いでした。厳格なルールから学ばされたためでしょう。句読点の位置やインデント等、そればかりが気になって、肝心の伝えたい文章が、まるでひっくり返したジグソーパズルのように、頭の中で崩れ去ってしまうのが分かるほど、壊滅的な状況に陥りました。
そもそも句読点は、明治の中頃に生まれた新しい日本語のルールです。だからというわけではないのですが、賞状や感謝状の類には句読点がありません。そんなわけで、トラウマのように原稿用紙は清書で提出だと信じきっていた私は、随分経ってから著名な作家の肉筆原稿用紙を見て衝撃を受けました。「ちっとも清書していない」と。
まず自由に書かせる事を指導してから、個々の問題点を本人に理解させ、それを回避するためにはどうしたらいいかを考えさせる(必然性に気付かせる)という流れを最初に体験させるべきでしょう。これは美術の世界でも同じだと感じています。ちなみに、今でも原稿用紙は大嫌いです。多分縦書きが苦手なことも影響していると思います。
●真面目に作成した私は結果的にいつも馬鹿
さて、話を宿題に戻すと、特に忘れられないのが、中学二年時の「夏休み中の天気図をスクラップする」という宿題でした。この手の宿題には気合いの入ってしまう私ですが、新学期になって提出した生徒は数名(一説には皆無)。しかも10日ほどで終わらせている者ばかり。真面目に作成した私は結果的に馬鹿を見たわけですが、なぜかこの手の結末が多かったのを思い出してしまいました。結局、適当(いい加減)な奴の方が評価は上だったような感じ。つまり、課題の類は評価されずにあくまでも中間・期末テストの結果だけで評価という事を理解したのは卒業後でした。理解するのが遅すぎました。
ただし、高校以降では、この手の提出物やレポート、あるいは課題に関してはしっかり正当な評価を下してくれる学校に恵まれました。当たり前のことですが、私にとってそれはとても気持ちの良い世界でした。そうでなければ、課題やレポートの提出にどれだけの意味があるのでしょう。大人の社会では不条理は日常茶飯事なので、せめて子どもの時ぐらいは正直者が馬鹿を見ない流れであって欲しかったと感じています。
それでも、だんだんと当時の話が美化されつつあることに焦りを感じています。
●花火大会を断念
美しいといえば、夏の風物詩として忘れてはならない花火。今年は8月4日に行われた江戸川花火大会を「市川駅付近からビールでも呑んで涼もう」という総勢50名ほどの集まりに誘われていたのですが、スケジュールが合わずに断念してしまいました。で、口惜しく思いながら花火大会を調べて見ると、東京近郊だけでもかなりの数が行われていることを知り、ちょっとびっくり。
そもそもどうして川沿いで花火大会が行われるようになったかというと、江戸では些細なことから大火に及ぶことが多く、市中では禁止されていました。万が一、自分の家から出火したら火刑に処せられたわけですから、火災予防は命がけです。そんな関係で、隅田川での花火見物がルーツのようです。
もっとも、江戸の人たちが今の花火大会を見たら、さぞ驚くことでしょう。なにせ、今のような仕掛け花火は明治以降の職人芸であり、当時は黒色火薬だけの一発打ち上げ花火でした。つまり、単純なロケット花火のようなものですね。しかも砲台を花火職人が抱えていたというのですから、ほとんど狼煙のようで驚きです。それでも、今と違って本当に夜は真っ暗なわけですから、多いに盛り上がったのは確かです。
ところで、花火に付き物の浴衣も、本来は銭湯で濡れた体を拭くためのタオルのような意味合いのものであり、浴衣だけで町中を歩くようになったのは江戸末期から明治初頭なのです。つまり、案外新しい文化だったりします。確かに150年も前の話ですが、長い日本の歴史から見れば短いスパンだと思いますよ。
浴衣で思い出しましたが、実は25年ぐらい前の無名力士の浴衣地を反物として持っています。ちょっとマニアックかもしれませんね。
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今月のお気に入りミュージック
"Surfin' U.S.A." by The Beach Boys in 1963
"I Get Around" by The Beach Boys in 1964
"夏色のおもいで" by チューリップ in 1973
"夏の終わり" by キャロル in 1974
「洋楽しか聴かないのですか?」と質問を受けました。そんなことはありませんが、仕事中には歌詞の意味が遠い記憶とぶつかるような曲は、聞き入ると効率が低下するので、あえて洋楽だけを聞いていただけです。ということで今月から邦楽も加えておきます。余談ですが、洋楽の反対語を邦楽とすることにずいぶん抵抗があり、言葉を探していましたが、いい言葉が見つからずに困惑していたら、最近は本来の邦楽を純邦楽と表記して区別することを知って安堵。
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来月(9月10日19時より)のアップルストア銀座のセッション
今回は第2月曜日です。予約無用・参加無料。
Made on a Macとして画像処理セッション『海津ヨシノリの画像処理テクニック講座Vol.14 デザイナーのためのAction Scriptを使わないFlash遊び』 Illustrator CS3とFlash CS3を使い、デザイナーの視点で遊ぶFlashについて色々と紹介する予定です。
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【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター
先月末にアマゾンで一気に10冊ほど本を注文したのですが、そのうちの一冊が在庫切れのために、すぐの出荷が無理ということで一週間ほど待たされました。ほとんどが新書や文庫なのですが、三か月ほどかけ、ついでの時に渋谷、新宿、二子玉川、蒲田、五反田、川崎と、テリトリー内で利用している大きな書店全てを探しても見つからなかった本です。古い本ではなくて比較的新しいのですが、やはり書店の陳列は飽和状態なのですね。
注文のために交通費を払って出かけるというのは今どき不経済なので、アマゾンしたわけです。そして、届いた10冊のうち、一冊は「スカ」でした。それと初めてマーケットプレイスにて「1円」という本を購入しました。もっとも送料がかかりますから、実際には341円ですが、絶版の場合は選択の余地はありません。しかし、同じものが数千円で販売されているなど、判断に迷うところですが、今回届いた1円本は大変きれいな「アタリ」でした。
yoshinori@kaizu.com
< http://www.kaizu.com/
>
< http://kaizu-blog.blogspot.com/
>
< http://efgra.blogspot.com/
>
< http://web.mac.com/kaizu/
>
ということで夏休み。今年の夏休みは猛暑のためか、いきなりエアコンが壊れて滅入ってしまいました。そして気分転換に出かけた船の科学館のシーサイドプールで不覚にも(炎天下故、不覚も糞もないのですが)足の甲を思いっきり焼いてしまい、ほとんど火傷状態になるなど散々な結末。今どきプールで日焼け止め禁止というのは時代遅れだとは思います。しかし、ルールとして水質汚染防止と切り返されると守るしかないわけですが、律義に守ることで火傷をしてしまう結果に複雑な心境。
「だったらプールなどに来るな」と言われると返す言葉はありません。やっぱり、都市熱がそれほどでもなかった子供の頃の夏休みが一番だったかも知れません。こうやって過去の記憶は誰しも美化して思い出そうとします。
でも、その子供の頃の記憶ってせいぜい二〜三年程度の話なのです。当時のアニメも、長くて一年程度しか放映していなかったわけです。今だったら五〜六年続く放映も珍しくありません。そう考えると、平成の子供たちが大人になった頃に思い出す子供の頃のイメージってかなりアバウトになってしまうかもしれませんね。
●夏休みの宿題で思い出した悪夢の作文
さて、私が小学生、中学生の頃に迎えた夏休みはラジオ体操にアニメの再放送、そして昼寝の後の西瓜といったイメージが強く、誰しも嫌がった宿題がお約束でした。私自身は宿題が嫌いではなかったのですが、唯一絵日記(もちろん小学校の低学年)だけは苦手でした。いや、物心付いたときから絵を描くのは好きでしたが、文章を書くのが嫌いで、結果としてどうしていいのか分らなくなっていたわけです。
そんなわけで、義務教育の時は作文でいつも胃の痛くなる思いでした。厳格なルールから学ばされたためでしょう。句読点の位置やインデント等、そればかりが気になって、肝心の伝えたい文章が、まるでひっくり返したジグソーパズルのように、頭の中で崩れ去ってしまうのが分かるほど、壊滅的な状況に陥りました。
そもそも句読点は、明治の中頃に生まれた新しい日本語のルールです。だからというわけではないのですが、賞状や感謝状の類には句読点がありません。そんなわけで、トラウマのように原稿用紙は清書で提出だと信じきっていた私は、随分経ってから著名な作家の肉筆原稿用紙を見て衝撃を受けました。「ちっとも清書していない」と。
まず自由に書かせる事を指導してから、個々の問題点を本人に理解させ、それを回避するためにはどうしたらいいかを考えさせる(必然性に気付かせる)という流れを最初に体験させるべきでしょう。これは美術の世界でも同じだと感じています。ちなみに、今でも原稿用紙は大嫌いです。多分縦書きが苦手なことも影響していると思います。
●真面目に作成した私は結果的にいつも馬鹿
さて、話を宿題に戻すと、特に忘れられないのが、中学二年時の「夏休み中の天気図をスクラップする」という宿題でした。この手の宿題には気合いの入ってしまう私ですが、新学期になって提出した生徒は数名(一説には皆無)。しかも10日ほどで終わらせている者ばかり。真面目に作成した私は結果的に馬鹿を見たわけですが、なぜかこの手の結末が多かったのを思い出してしまいました。結局、適当(いい加減)な奴の方が評価は上だったような感じ。つまり、課題の類は評価されずにあくまでも中間・期末テストの結果だけで評価という事を理解したのは卒業後でした。理解するのが遅すぎました。
ただし、高校以降では、この手の提出物やレポート、あるいは課題に関してはしっかり正当な評価を下してくれる学校に恵まれました。当たり前のことですが、私にとってそれはとても気持ちの良い世界でした。そうでなければ、課題やレポートの提出にどれだけの意味があるのでしょう。大人の社会では不条理は日常茶飯事なので、せめて子どもの時ぐらいは正直者が馬鹿を見ない流れであって欲しかったと感じています。
それでも、だんだんと当時の話が美化されつつあることに焦りを感じています。
●花火大会を断念
美しいといえば、夏の風物詩として忘れてはならない花火。今年は8月4日に行われた江戸川花火大会を「市川駅付近からビールでも呑んで涼もう」という総勢50名ほどの集まりに誘われていたのですが、スケジュールが合わずに断念してしまいました。で、口惜しく思いながら花火大会を調べて見ると、東京近郊だけでもかなりの数が行われていることを知り、ちょっとびっくり。
そもそもどうして川沿いで花火大会が行われるようになったかというと、江戸では些細なことから大火に及ぶことが多く、市中では禁止されていました。万が一、自分の家から出火したら火刑に処せられたわけですから、火災予防は命がけです。そんな関係で、隅田川での花火見物がルーツのようです。
もっとも、江戸の人たちが今の花火大会を見たら、さぞ驚くことでしょう。なにせ、今のような仕掛け花火は明治以降の職人芸であり、当時は黒色火薬だけの一発打ち上げ花火でした。つまり、単純なロケット花火のようなものですね。しかも砲台を花火職人が抱えていたというのですから、ほとんど狼煙のようで驚きです。それでも、今と違って本当に夜は真っ暗なわけですから、多いに盛り上がったのは確かです。
ところで、花火に付き物の浴衣も、本来は銭湯で濡れた体を拭くためのタオルのような意味合いのものであり、浴衣だけで町中を歩くようになったのは江戸末期から明治初頭なのです。つまり、案外新しい文化だったりします。確かに150年も前の話ですが、長い日本の歴史から見れば短いスパンだと思いますよ。
浴衣で思い出しましたが、実は25年ぐらい前の無名力士の浴衣地を反物として持っています。ちょっとマニアックかもしれませんね。
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今月のお気に入りミュージック
"Surfin' U.S.A." by The Beach Boys in 1963
"I Get Around" by The Beach Boys in 1964
"夏色のおもいで" by チューリップ in 1973
"夏の終わり" by キャロル in 1974
「洋楽しか聴かないのですか?」と質問を受けました。そんなことはありませんが、仕事中には歌詞の意味が遠い記憶とぶつかるような曲は、聞き入ると効率が低下するので、あえて洋楽だけを聞いていただけです。ということで今月から邦楽も加えておきます。余談ですが、洋楽の反対語を邦楽とすることにずいぶん抵抗があり、言葉を探していましたが、いい言葉が見つからずに困惑していたら、最近は本来の邦楽を純邦楽と表記して区別することを知って安堵。
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来月(9月10日19時より)のアップルストア銀座のセッション
今回は第2月曜日です。予約無用・参加無料。
Made on a Macとして画像処理セッション『海津ヨシノリの画像処理テクニック講座Vol.14 デザイナーのためのAction Scriptを使わないFlash遊び』 Illustrator CS3とFlash CS3を使い、デザイナーの視点で遊ぶFlashについて色々と紹介する予定です。
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【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター
先月末にアマゾンで一気に10冊ほど本を注文したのですが、そのうちの一冊が在庫切れのために、すぐの出荷が無理ということで一週間ほど待たされました。ほとんどが新書や文庫なのですが、三か月ほどかけ、ついでの時に渋谷、新宿、二子玉川、蒲田、五反田、川崎と、テリトリー内で利用している大きな書店全てを探しても見つからなかった本です。古い本ではなくて比較的新しいのですが、やはり書店の陳列は飽和状態なのですね。
注文のために交通費を払って出かけるというのは今どき不経済なので、アマゾンしたわけです。そして、届いた10冊のうち、一冊は「スカ」でした。それと初めてマーケットプレイスにて「1円」という本を購入しました。もっとも送料がかかりますから、実際には341円ですが、絶版の場合は選択の余地はありません。しかし、同じものが数千円で販売されているなど、判断に迷うところですが、今回届いた1円本は大変きれいな「アタリ」でした。
yoshinori@kaizu.com
< http://www.kaizu.com/
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>
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< http://web.mac.com/kaizu/
>
- サウンズ・オブ・サマー
- ビーチ・ボーイズ
- EMIミュージック・ジャパン 2005-09-07
- おすすめ平均
- この曲数でこの値段は、きっとお得。
- 曲名リスト
- カリフォルニア・ガールズ(2002 stereo mix)
- アイ・ゲット・アラウンド(mono)
- サーフィン・サファリ(mono)
- サーフィン・U.S.A.
- ファン・ファン・ファン(mono)
- サーファー・ガール
- ドント・ウォリー・ベイビー(mono single version)
- いかしたクーペ
- シャット・ダウン(new stereo mix)
- ヘルプ・ミー・ロンダ(mono single version)
- ビー・トゥルー・トゥ・ユア・スクール(mono single version)
- パンチで行こう(mono)
- イン・マイ・ルーム
- ゴッド・オンリー・ノウズ(1996 stereo mix)
- スループ・ジョン・B(1996 stereo mix)
- 素敵じゃないか(2001 stereo mix)
- ゲッチャ・バック
- カム・ゴー・ウィズ・ミー
- ロック・アンド・ロール・ミュージック
- ダンス・ダンス・ダンス(new stereo mix)
- バーバラ・アン(mono single version)
- 踊ろよ,ベイビー(mono)
- 英雄と悪漢(2002 stereo mix)
- グッド・タイミン
- ココモ
- 恋のリバイバル(mono)
- ワイルド・ハニー(mono)
- ダーリン(mono)
- アイ・キャン・ヒア・ミュージック
- グッド・ヴァイブレーション(mono)
by G-Tools , 2007/08/29