ネタを訪ねて三万歩[45]哀愁のツール達
── 海津ヨシノリ ──

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ここのところ、学生の作品展などのオープニングパーティーでは、もっぱらウーロン茶にしています。禁酒したわけではないのですが、帰宅してから車を使うことが多くなってきたからです。もともと、お酒は飲まなくても気にならないので助かっていますね。最後に飲んだのは、確か7月末だったような気がします。さりとて、お酒が嫌いというわけでもなく、この微妙なニュアンスはなかなか理解してもらえないのがちょっと残念です。過去には下戸だと思われていたこともある反面、酒豪とレッテルを張られていたこともありました。

●学園祭シーズン

ところで秋は学園祭シーズン。昨年まで、学園祭は展示物中心に学内を徘徊していましたが、今年は模擬店にも入ってみようかと考えています。でも、だいたいどこの学校も同じ日になってしまうので、それほど多くの学園祭に参加できないのが悩みの種です。今年は多分2校ぐらいが限界かもしれません。



昨年も少し触れましたが、私にとっての学園祭は展示物を見に行く事なのです。ですから、模擬店オンリーだと引いてしまいます。もっとも、展示に関わっている学生が行っている模擬店なら顔をつっこんでしまいます。そんなわけで、早く来い来い11月といったところです。ちなみに、今年の多摩美術大学造形表現学部の芸術祭はいつもと少し違うみたい。

多摩美術大学造形表現学部芸術祭サイト
< http://www.geisai-tamabi.com/
>

●哀愁のツール達

さて、強い目的があれば予定を忘れないものですが、取り立てて目的のないままコンピュータにインストールしていて、時々しか使わないツール類は悩みの種です。いざという時に名前すらなんであったか忘れてしまうからです。

そんな頻繁に使わないツールであっても、Macintoshのシステム環境設定やWindowsのスタートメニューに現れるようなツール類であれば忘れてしまうことはないのですが、問題はそうではないツール類の場合です。つまり、頻繁に使うツールでなければ、「そんなツールを使っていたはずだけど、名前はなんだったっけ?」ということで、家捜しならぬハードディスク探しになってしまうのです。

しかし、結局は思い出せずにネットで曖昧検索……尻取りゲームのように必死に思い出し、ハードディスクを再検索。そんな経験がないでしょうか。

まっ、単に私の管理が悪いだけなのですが、意外に時間使ってしまうのです。「これを教訓にデータを管理しないと」なんて思うのは一瞬で、また同じ過ちを数ヶ月後に繰り返すわけです。で、ほとんどがシェアウェア登録しているにもかかわらず安定性が良すぎるのか、アップデート等の情報メールも届かないものばかり。だから、本当に使わないことが続くと忘れてしまうのです。プログラム名を。

例えば、現在の私は出先なども含めて、Windows XP、Windows 2000、Windows Vista、MacOSX Tiger、MacOSX Leopardの環境で作業を行っています。本当はどれかに統一されているとすごく嬉しいのですが、それはさすがに贅沢な悩みというやつですね。色々と使わなくてはならない方が、頭の体操になりますからね。

そんなわけで、ここでも勘違いの連続。そもそも無意識のうちに自分のマシン環境とオーバーラップさせてしまうため、デフォルトでは存在しないツール類を一生懸命探してしまったりするわけです。すぐにその滑稽な行為には気が付くものの、WindowsあるいはMacOSXでのバージョン違いを混乱してしまうことがしばしば。

●プリント作成は地獄か天国か

混乱で思い出したのが、授業で使うプリント。何だかんだと、多いときは週にA4両面で14枚ほど乱発しています。平均で8枚ほど。昨年は多摩美術大学での新講義のために毎週悪戦苦闘でBlogの更新が鈍りましたが、今秋は駿河台大学での講義でまたまた鈍り始めました。もちろん、ムキになって毎日更新しなくてもいいのですけど、やはり生活のリズムっていうものは大切ですからね。リズムが狂うとすべてが狂い始めてしまいます。

とにかく、プリントは1サイクル分を作成すれば次年度はリメイクなので随分助かります。もっとも、一度作成したら10年ぐらい変更しなくても使えるようなプリントでまかなえる講義と比較すると、大変なのは確かですね。で、その駿河台大学は今秋だけですが、だからと言って適当に出来ないので相当ムキになっているのは確かです。まっ、そうは言っても意外とこの作業が好きだったりします。Illustrator、Photoshopで作成した画像やデータを、InDesignでレイアウトというわけです。

ただし、枚数の無駄を出さないレイアウトに徹しているので、さすがにきれいなレイアウトというわけにはいきませんが、それはそれでマニアックでいいのかもしれません……と自己弁護。これって、はやりの言葉で言えばエコロジープリントなんですかね。

余談ですが、実はエコロジーという言葉は嫌いです。言葉を唱えないと、それを実行したことにならないような風潮だからです。自己満足のための合い言葉みたいですね。

ところでその駿河台大学ですが、静かで緑も多く、かなり気に入っています。芝生で寝転がりたい気分ですね。ただし、大学会館の地下一階の吹き抜けになっているテラスは、タバコ臭くてたまりません。多摩美術大学の上野毛校舎の食堂横にも、ブーイングが出ている喫煙コーナーがありますが、似ていますね。少なくとも、飲食する場所の近くが喫煙指定場所というのは止めて欲しいですね。

さて、駿河台大学は最近の文化系大学と同じように助手がいません。そのため、出席カードは私が配布しています。もちろんデジタル処理も可能ですが、実働は今秋だけですし、少人数なので手渡しもまた刺激を受けるアクションというわけです。そもそも効率化は認めますが、この手のデジタル処理ってなんとなく無味乾燥で嫌いです。ですから出席カード配りをかなり楽しんでいます。多摩美術大学でもやりたいぐらいですが、さすがに100名超えてしまうと時間かかってしまいますので断念。

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今月のお気に入りミュージックと映画
Close to the Edge"Close To The Edge" by Yes in 1972
"自然に飾られて" by 井上陽水 in 1990
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"The Devil's Bridge" by Andrew V. McLaglen in 1968 (USA)
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●アップルストア銀座のセッション/11月17日(月)19時より
Made on a Macとして画像処理セッション『海津ヨシノリの画像処理
テクニック講座Vol.28 Photoshop写真加工テクニック/中編』
『Photoshopにて写真を様々なパターンイメージに加工するテクニッ
ク』デフォルト環境だけで写真素材をパターンイメージに加工する
テクニックを整理します。失敗してしまった写真が、使える素材に
早変わりする処理を紹介します。
予約無用・参加無料・退席自由ですので、気軽に参加してください。
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【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター

今年は、長野でのセミナー勃発から火が付いたのか、大阪にも出没するに至りましたが、来月はなんと、大阪再訪と、福岡にも行くことになってしまいました。未体験であった九州を体験してしまうわけです。なんだかとってもエキサイティングな時間を過ごせそうです……って、だいたいいつも一人で盛り上がってしまうわけです。お土産は馬鹿買いしない……つもりですが。

ところで、最大の問題は福岡までの移動。新幹線だと6時間。一人旅だとパソコン持ってトイレに行くことも出来ないので、ひたすらガマンしないといけないのが辛いですね。でも、発車前に駅ですべての荷物を持ってトイレに入るのも大変なのです。トイレのためだけにコインロッカー使ったこともあります。新幹線の駅にクロークルームってないのでしょうか。あれだけ置き引きがあると、笑えない話になります。いっその事、キャスター付きのカバンと紙オムツで完全武装(笑)もいいかもしれませんね。

そういえば最近、知り合いが都内の私鉄のつり網棚に書類を入れた半透明のプラケースを載せておいて、置き引きにあいました。電子辞書が入っていたのが運の尽きだったみたいです。こんな場合、私が子供の頃はほぼ確実に戻ってきたような気がします。まっ、考えてみれば公園に行けばキャンプしている人だらけ。繁華街は無法地帯のような不夜城で、歩行タバコは減る気配すらない現実。結局はルールを守っている人が一番馬鹿を見る感じですね。法治国家なのに……。

思い出せば、私が唯一初めて貴重品をなくしたのは、忘れもしない浪人時代。アルバイト先から給与をもらったその足で、バスに乗り買い物に出かけ、そのままシートに小型のカバンを忘れ、慌ててバス会社にダメ元で連絡を入れました。そうしたら、後ろに座っていたおばさんが見つけて届けてくれたという、ありがたき仕合せ。こんな話は、古き良き時代の話になってしまったようですね。きっと若い人たちは信じないでしょうね。

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