巳年は私にとって少し不思議な年なのです。世間的には良いことのない年なのだそうですが、何か記憶に残ることが必ず起きる年なのです。今まではすべてがポジティブなことでした。そう思い起こすと、今年は何が起きるのかがとても楽しみです。
そんなことを考えながらの正月は、すぐに過ぎ去ってしまいました。正月は新年が始まる喜びよりも、沢山の新しい出会いが待ち構えている春が、もうすぐやって来るというイメージしか私にはありません。もちろん、日本文化を否定しているわけではありません。むしろ、誰よりも日本文化に対してリスペクトしているつもりです。
では、どうして正月に対してあまり関心がなくなってしまたのかについては、自分でもよくわからなくなっています。思えば、この感覚は父の影響かもしれません。父は表具職人であったにもかかわらず、縁起やセレモニーに対して恐ろしいほどドライな人でした。
例えば、商売繁盛のお酉さまの熊手を買ったこともなく、初詣もしたことがありませんでした。曰く、なるようにしかならない、これが父の口癖でした。そんな父に小学三年生だった私は、どうしてなのかを聞いたことがありました。父の答えは明確で、狭い東京で生活するのに、そんな細かいことを気にしていられない。
もちろん、正月を行わないなどという過激な家庭ではありませんでした。必要最低限のイベントだったかもしれません。つまり、親戚を毎年ローテーションすることだけは続けていました。
そのローテーションがいつ頃から崩れてしまったのかは記憶がないのですが、新年の親戚回りがなくなってから、私の正月離れは加速しました。多分物心ついた頃から面白いと感じなくなっていた、くだらないテレビ番組の功罪は大きいかもしれません。
そんなことを考えながらの正月は、すぐに過ぎ去ってしまいました。正月は新年が始まる喜びよりも、沢山の新しい出会いが待ち構えている春が、もうすぐやって来るというイメージしか私にはありません。もちろん、日本文化を否定しているわけではありません。むしろ、誰よりも日本文化に対してリスペクトしているつもりです。
では、どうして正月に対してあまり関心がなくなってしまたのかについては、自分でもよくわからなくなっています。思えば、この感覚は父の影響かもしれません。父は表具職人であったにもかかわらず、縁起やセレモニーに対して恐ろしいほどドライな人でした。
例えば、商売繁盛のお酉さまの熊手を買ったこともなく、初詣もしたことがありませんでした。曰く、なるようにしかならない、これが父の口癖でした。そんな父に小学三年生だった私は、どうしてなのかを聞いたことがありました。父の答えは明確で、狭い東京で生活するのに、そんな細かいことを気にしていられない。
もちろん、正月を行わないなどという過激な家庭ではありませんでした。必要最低限のイベントだったかもしれません。つまり、親戚を毎年ローテーションすることだけは続けていました。
そのローテーションがいつ頃から崩れてしまったのかは記憶がないのですが、新年の親戚回りがなくなってから、私の正月離れは加速しました。多分物心ついた頃から面白いと感じなくなっていた、くだらないテレビ番組の功罪は大きいかもしれません。
そして、高校生になった頃から冬休みの私の日課は読書になっていました。社会人になってからは、ビデオ鑑賞も重要な日課となってきました。
こんな話をすると、へそ曲がり丸出しですね。確かに私はへそ曲がりですが、基本はつまらない事はしたくないを貫いているだけだと思っています。
もちろん、いつもピリピリしているわけではありません。どちらかといえば、リラックスしている方が多いと思います。雑多なことも大好きです。つまり、私にとってつまらない事というのは、まったく意味のないことに限りなく近い事なのです。
聞くところによれば、昔は正月明けの4日からでないとデパートなども開いていなかったそうです。もちろん、コンビニなどなかった頃の話。そうなると、正月はとにかく自分たちで盛り上がるしかないですからね。親戚周りに上司の家を訪問、同窓会などスケジュールは過密だったのかも知れません。
しかし、何時の頃からか、元日からコンビニもオープンしているようになったのです。なにより正月に仕事をしている人が随分増えてきました。元日から営業している店も珍しくないわけですから当然ですね。
通常の生活の中でも深夜に仕事をしている人も増え、本当に生活のリズムが多様化してしまったので、画一的に何かを全員でという流れは薄れているのかも知れません。
もちろん、世の中の大多数の方は年末年始のイベントはしっかり対応しているわけですが、私みたいなへそ曲がりも増えてきているのではないでしょうか......という話です。
言葉にすると、どうしても極端な方向に見られてしまいかねないので、本当に困ってしまいますが、とにかく私は派手な正月をしないことだけは確かです。
これは、もしかしたら自分自身がお年玉をもらえなくなったからかもしれませんね。多分そうかも知れないと、薄々は感じてはいます。実際、25歳ぐらいまで祖母にお年玉をもらっていました。
しかし、鈍い私も一応成長しているわけです。少しずつ周りの感覚も含めて人は変化していきますからね。その変化の境目が曖昧に通り過ぎてしまうから、自分でもよくわからなくなってしまうのかもしれません。そして、気が付かないうちに大きなミスという奈落に足を突っ込んでしまうことになります。
こんな具合に、人は自分では把握できないことが色々と面倒な問題を生んでしまうようです。そう思うとある程度の事は納得できるのですが、それでも衝撃だったのは、尊敬していた人が実はとんでもない低俗な人であった事を知ってしまった件です。
世の中は相変わらず経歴と社会的地位だけで人を判断するので、本当に拍子抜けしてしまいます。嫌な方向に大きく変化してしまった悪い例だと割り切ることにしました。思い起こせば、そんなことを5月に始めたFacebookでいやというほど感じました。
とにかく、Facebookは昨年の私にとって最大の出来事でした。そして、私はあまりにも遅まきであった昨年の5月から始めたことは、逆にたいへんラッキーだったと感じています。
それは、ある程度ポピュラーになった段階での参加だったからです。黎明期に参加していたら、たぶんやめていたと思います。ストレス溜まりますからね。
それらの対処方法も多くの友人から学びました。ま、子供みたいな話ですが、Facebookで友人の本物と偽物を如実に痛感した年でもありました。人間は上手に取り繕っても、結局は本性見えてしまいますからね。
Facebookで知り合った方との交流も新鮮でした。今年はもっと多くの出会いが待ち構えているのではと思うと、本当にワクワクしてきます。この何かに対してワクワクするという感覚がなくなってしまったら、人間はおしまいかもしれませんね。
そんな私にとって、多摩美術大学造形表現学部は永遠にさまよい続けたいラビリンスなのです。社会人学生が多いので、自分の今までの生活の中で、ほとんど関係のなかった仕事をしている学生から得る感覚と発想は本当に刺激的です。
そのためには、私自身も更にパワーアップしなければなりません。刺激はお互いに受け合い、そして出し合うギブアンドテイクだからです。私自身が学生に対して刺激を与えることができなくなった時は、それが引退の時だと感じています。
そんなこんなで、ここ数年の正月休みは実質10日あまり。気分的にはあれもしたい、これもしたいと思いを巡らすのですが、結局は何も出来ずに仕事始めに突入してしまいます。
そして、やっぱり今年も出来なかったとため息をついているうちに2月に入り、気が付けば卒業式の余韻が残っているうちに新学期。なんだか目まぐるしい時の流れに翻弄されているような気分になります。
ところが不思議なもので、いつものリズムに入る4月以降は案外時間が捻出できたりします。ボーッとしている時が一番時間がないというのも皮肉な話ですが、ある程度やることが詰まっている方がフットワークも良くなるのかもしれませんね。
だからなのか、年末年始モードに入ると途端に体調を崩して寝込んでしまう方が案外多くてビックリしました。緊張の糸が切れる時だからかもしれませんね。それでは、新しい年を楽しみましょう。
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■今月のお気に入りミュージックと映画
[Sofie]by The Crookes in 2012(U.K.)
ザ・クルックスのセカンドアルバム『Hold Fast』に納められている一曲。メンバーチェンジがありましたが、ボーカルは健在。ベース弾きながらのジョージ・ウエイトのボーカルが心地よいです。アルバムタイトルの「Hold Fast」から「Sal Paradise〜Sofie」と続く3曲の流れが今もっともお気に入りです。
本国ではファーストアルバムほど騒がれていませんが、彼らの真髄はこのセカンドアルバムだと確信しています。昨年5月の時に書きましたが、ジャングリーなギターとポエティックなボーカルで綴られる、ロマンティックでセンチメンタルなメロディーは体に鈍くでも重く突き刺さる感じ。「ネオアコ」「ギタポ」「UKロック」ファンにとっては涙ものですね。
< >
[パンズ・ラビリンス]by Guillermo del Toro in 2006(Mexico, Spain,
U.S.A)
第二次世界大戦末期、内戦後のスペインに生きる薄幸の少女を描くダーク・フ
ァンタジー。血みどろの現実とファンタジーの試練が交差し、一気にラストま
で進みます。ラストはショッキングであるとともに、ハッピーエンドかもしれ
ません。過酷な現実と幻想の世界を行き来しながら、3つの試練に挑む主演の
イバナ・バケロ(オフェリア役)の名演技とセルジ・ロペス(ビダル役)の怪
演は必見です。
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■アップルストア銀座 2月18日(月)19時00分からのセッション
Hands on a Macとして画像処理セッション
『海津ヨシノリの画像処理テクニック講座Vol. 74』
画像合成で知っておきたい上手な嘘の付き方と調整のメリハリについて解説。合成処理のポイントを整理します。ポイントさえ掴めば必要のない細部の調整などを省くことが出来ます。なお、ハンズオンセミナーは予約制で申し込みに関してはAppleに一任しております。
< http://www.apple.com/jp/retail/ginza/
>
【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/怪しいお菓子研究家
yoshinori@kaizu.com
< http://www.kaizu.com
>
< http://kaizu-blog.blogspot.com
>
前回嘆いたプリンタの件ですが、レーザープリンタは自力で修理できました。そして問題はインクジェットプリンタ。とりあえず最後の確認でダメだったら廃棄という段階で、なんと復活してしまったのです。
しかし、悲劇は突然訪れました。恐らく復活したのは断末魔の念力みたいなものだったのかも知れません。数枚プリントしている段階で、突然妙な音がして紙送りが出来なくなってしまいました。完全にアウトです。
開口して確認し、どうしようもなければ、同一カートリッジが利用可能な中古機を購入しようと思ったのですが、これが笑える話で、新品で購入したときよりも中古の方が高いのです。結局新しいプリンタを買った方が賢明だと悟りました。カートリッジは欲しい人に譲る、が正解ですね。