インドは暑い。ニューデリーに住む友人N子によると、特に4月から6月にかけては40度越えの日が当たり前であるそうだ。場合によっては、天城越えとかK点越えの日もあるのかもしれない。だからインドに行くときには、この酷暑の時期を避けるべしとのアドバイスを賜った。
国際問題専門家のわたしとしては、カシミール地方の領有をめぐって対立する中印情勢に鑑み、酷暑の時期をものともせずインドを訪れ、調査研究を進めることにやぶさかではない。しかしアベノミクスの影響は首都圏大企業のみにもたらされ、わたしのお財布には全く及んでいないため、インド訪問が叶わず臍をかむ思いである。
それならば、少しでもインドの文化を日本に伝える役目を果たすのが、国際問題専門家としてのわたしの役割ではないか。そのような使命感を胸に、われわれ取材班は、カシミール問題はとりあえず置いといて、日本の皆さまにインドの占いについてお伝えしたいと考える。
......ということで、インドの占いおじさんに占星術で未来を占ってもらおうという経緯は、先月のデジクリでどんぞ。
・庶民的非業の死
< https://bn.dgcr.com/archives/20130425140100.html
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国際問題専門家のわたしとしては、カシミール地方の領有をめぐって対立する中印情勢に鑑み、酷暑の時期をものともせずインドを訪れ、調査研究を進めることにやぶさかではない。しかしアベノミクスの影響は首都圏大企業のみにもたらされ、わたしのお財布には全く及んでいないため、インド訪問が叶わず臍をかむ思いである。
それならば、少しでもインドの文化を日本に伝える役目を果たすのが、国際問題専門家としてのわたしの役割ではないか。そのような使命感を胸に、われわれ取材班は、カシミール問題はとりあえず置いといて、日本の皆さまにインドの占いについてお伝えしたいと考える。
......ということで、インドの占いおじさんに占星術で未来を占ってもらおうという経緯は、先月のデジクリでどんぞ。
・庶民的非業の死
< https://bn.dgcr.com/archives/20130425140100.html
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「わしゃいったいこれから何で飯を食うたらええがか。どこでどんな仕事をすれば金になるんか、もう気が違いそうだがや!」
N子経由で、インドの占いおじさんにこのように伝えて占ってもらったのだが、その日以降、プツリと連絡が来なくなった。
「どういうことや。なんで連絡が来んのや。も、もしや、わし、死んでまうんか。非業の死を迎えるんとちゃうか。せやから連絡できひんのやな!」
世を儚んだわたしは、ひとおもいに超高層ビルから身を投げようと繁華街に出かけたところ、薩摩藩には超高層ビルなどないのであった。
なんといっても、現在のわたしの状況ときたら、こういう感じなのである。
♪お金も無ェ オトコも無ェ 貯金もそれほど残って無ェ
♪若くも無ェ 美貌も無ェ たまに来るのは請求書
♪おら貧乏はいやだ〜 おら貧乏はいやだ〜
♪金稼ぐんだ〜
♪金持〜ち〜なったら〜 インド〜に〜行って〜
♪ボリウッドでスターになるだ〜
いい加減ビンボーネタには飽き飽きしたんだが、ほかに書くことねぇのか? ......ねぇんだな、これが。どう頭を掻き毟ってもビンボーネタ以外なんにも出てきやしねぇ。
仕方がねぇから、超高層ビルの代わりに、飛び降りるのにおあつらえ向きのシラス台地の崖を探したりなんかしているうちに、やっとインドから連絡が来たのだった。
ちなみにインドの占いおじさんはヒンディー語しか話せないので、おじさんの娘が英語に通訳して、それをN子が日本語でわたしに伝えるという伝言ゲームである。
さぁさぁさぁさぁ、わたしはいったい何で稼げばいいんだ? インドの占いおじさんは何と言ったんだ、早く言え。マジで干上がるぞ。スカイプ越しのわたしの勢いに気圧されたN子は開口一番こう言った。
「あ、あのね、占いのおじさんが言うには、働かなくていいんだって」
......は?! おいこらインド人、何言ってんだ、おまいは! 吾輩は金に困っておるのだぞ。養ってくれる旦那もいねぇんだぞ。働かずしてどうする!インドの占いおじさんは、わたしの生年月日からホロスコープを作図し、うやうやしく宣ったという。
「このお方は、近々大金持ちと結婚する運命にあるので、働かなくてもいい。どうしても働くというのであれば、金属の仕事である。そして突然脚光を浴びることになるであろう」
フッ......結婚か。占い師の言う結婚の言葉だけは信じられぬな。そのような戯言に何度騙されてきたことか。しかも金属って何だ? これまで金属とお付き合いしたことなど一度もない。
仕事で金属と関係したこともないが、プライベートで金属に惚れたこともない。♪あ〜の〜人のこと〜など〜 もう〜忘れたいよ〜♪と、片想いをしたこともない。もちろん金属と乳繰り合ったとか、ベッド・インして平和を訴えたとか、そんなこともない。なんなんだ、金属って!
いやいや、冷静によく考えろ。デカン高原におわします八百万の神々の末裔であるインド人がそう言っているのだから、間違ぇねぇのかもしれん。ってこたぁ、金属でどう食っていくのか考えなきゃならん。
しばし沈思黙考。金属で突然脚光を浴びるためにいかに行動すべきか、考えてみることにした。
●貴金属
やんごとなきお育ちのわたくしにふさわしい金属の仕事といえば、貴金属に決まっております。ゴールドやプラチナのまばゆい輝き。上質なダイヤモンドやサファイア、ルビー、エメラルドを貴金属にセッティングした美しい宝飾品の数々。ティファニーやハリー・ウィンストンを越えるブランドをわたくしが立ち上げるのです。ダイヤモンドは女子のベストフレンドでございますわ!
そう言えば、秋篠宮家の桂子さまが成年皇族になられるということで、ティアラのデザインを公募中でした。これですわ、きっとこれに違いないわ! あたくし、桂子さまのティアラデザイナーとしてデビューし、突然脚光を浴びるのですわっ! あぁ、こうしちゃいられない。すぐにデザインに取りかからなくちゃ!
......あれ? 参加資格があんの? なになに、「内閣府競争参加資格」を持つ業者? あ、お呼びでない、お呼びでないのね。
●超合金
♪空にそびえる〜くろがねのしろ〜♪ 超合金といえばマジンガーZ。同じZの芦川よしみで、ももいろクローバーZのフィギュアを超合金で作り、バンダイから売り出すのだ。ふふ、間違いなく君のハートにパイルダーオン! 大ブレイクで ♪儲けすぎたのは〜あなたのせいよ〜♪ と、左団扇で鼻歌でも唸ってやろうぞ。
......と思って調べたら、ももクロのフィギュアって、ほんとにバンダイから出る予定になってるやおまへんか。超合金じゃないけど。し、し、知らんかった。ぐぬぬぬ。
●レアメタル
父ちゃんのためならエンヤコラ、母ちゃんのためならエンヤコラ......ツルハシを振るう工事現場で掘り当てたものは、レアメタルの大鉱脈。そして濡れ手に粟の大儲け。母ちゃん見てくれ、この姿。そして日本は資源大国となり、吾輩は国の救世主として脚光を浴びるのだ!
うーむ、この作戦なのではあるまいか。ご近所には菱刈鉱山もある。よおし、こうしてはいられぬ。即刻山へ行かねばならぬ。これ、ものども、出撃じゃ!
熟慮の結果、金属関係の仕事で脚光を浴びるためになすべきことは、ツルハシの購入であることがわかりました。価格.comで検索した結果、3,786円が最低価格となっております。
箸より重いものを持ったことがないわたくしが、ツルハシを持てるのか、はなはだ疑問ではありますが、背に腹は代えられませぬ。菱刈鉱山で目の色変えてツルハシを振るっている怪しい女がいたら、それはわたくしでございます。どうかそっとしておいてください。
※「俺ら東京さ行ぐだ」吉幾三
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※「片想い」浜田省吾
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※「Diamonds are a girl's best friend」Marilyn Monroe
< http://vimeo.com/56710275
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※「マジンガーZ」水木一郎
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※「男と女のラブゲーム」芦川よしみ&武田鉄矢
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※「ヨイトマケの唄」美輪明宏
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【もみのこ ゆきと】qkjgq410(a)yahoo.co.jp
ビンボーネタばかり書いていると、もっともっとビンボーになっていくような気がする。お願いだから誰か止めて。
ところでインドのおじさんの占いには、最後にこういう一言が付いていた。「大金持ちと結婚し、金属の仕事で脚光を浴びる幸運を引き寄せるためには、1カラットのダイヤモンドを身に着けておく必要がある。また、そのダイヤモンドは、常時肌に触れるようなデザインでなければならない」
じぇじぇ! この占いおじさんは、お国が宝石王国であるせいか、最後に幸運を引き寄せる守護石を教えてくれるらしいのだが、N子によるとダイヤモンドといわれる人は珍しいらしい。
そういえば、大昔、「あなたはアメ車みたいな人生を送ってきたのよ。走るためには大量のガソリンが必要なの」と言われたことを思い出した。何をするにも金のかかる女ということだらうかorz。贅沢といえば、お風呂に入れるバブだけという、つましい生活をしているというのに。
昨年の夏にちょっとバイトしていた宝石屋の店長に、1カラットのダイヤについて聞いてみたところ、「有名どころのダイヤモンドだったら、200万くらいはしますよねぇ」とのこと。それでは幸運は引き寄せられんではないか!