ネタを訪ねて三万歩[162]発掘の夏休み
── 海津ヨシノリ ──

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今年も夏休みはどこへも行かない予定でしたが、軽井沢へ電撃日帰りツアーを敢行してしまいました。まっ、予定には入っていたので、突然ではなかったのですが、とにかく新鮮でとても気持ちの良い時間を過ごすことができました。ただし、片道4時間のドライブはさすがに疲れました。

●人生初の鬱状態……

しかし、楽しかったのはそれだけで、あとは重苦しい夏休みでした。

まず、いきなり、ある組織(もちろん危ない系ではありません)から、入所のオファーが入ったのです。ここでは、組織などと曖昧にしておきますが、そこのトップの方も含めて、多くの方が私の入所を切望しているので、ぜひと言われました。しかし、わけあって一度はお断りしています。

ところが、お断りされた場合は他の方に話を持って行きますので、よく考えて下さいと言われ、一週間ほど考えた後に了承しました。





すると、その入所の話はどうしても公募という形を取らなくてはならないので、書類を出して下さいと言われ、面倒な書類をずいぶん作成して提出しました。要するに出来レースですね。

先方からは「応募者が少ないので、締め切りを延ばすかも知れません。どちらにしてもあとは面接ですね〜」と言われた数日後に、不採用という理解不能の通知が来ました。

事前に情報収集していたので、書類にミスはないはずです。「あなた達が無理に誘ったのでしょ!」と吠えても、自分が虚しくなるだけなので沈黙。不採用の理由は、派閥関係(?)かもしれません。

とにかく、結果として担がれたようなものです。鵜呑みにした私が馬鹿だったのかもしれません。正直、三日ほど鬱状態になりました。人生初です。

その後、先月お話した友人の突然の死。そして極めつけは、ある人に信頼して貸し出していたモノを紛失されてしまったことですね。もう怒る気力もありません。

親友たちに事の顛末を愚痴ったところ、「ブラックな組織に入る前に実情が解って良かったのでは? 絶対に入った後でムチャクチャにされるに決まっている!」「もっと大切なモノを貸す前に、いい加減な人とわかってよかったのでは?」と言われて、本当に怒りが収まりました。

持つべきものは友ですね。朽ち果てる所や人には、もう私は関わらないことにしました。

●部屋の整理で出てきたものたち

そんなこんなで、気分転換を兼ねて部屋を整理していたら、奥の方から忘れていたモノや記憶にないモノが色々と「出土」してきてびっくり。正に「発掘の夏休み」でした。

その1:ドライマーカー

コンピュータが現れる前に、仕事で使っていたマーカー類です。100色近くの色をもっていましたが、描けなくなってしまうと悲惨な状態ですね。ベンジンのような専用の薄め液ももっていましたが、アレを使うと色も薄くなってしまってアウトでした。

しかし……捨てるのももったいないと思っていたので、今頃「掘り出した」わけですが、もうどうしようもないですね。ということで廃棄。

もっとも、まだしぶとく使えるものが9割以上あったので、それはそれで何かに使う予定です。あっ、これじゃ廃棄とは言わないですね。

その2:電動ジグソー

曲線処理も可能な電動ノコギリです。なんと、正札と購入日時が付いていて唖然。40年前で10,000円ちょっとでした。

父の道具だったわけですが、何とも不思議な感じ。とにかく綺麗なのです。元箱もしっかり残っていましたが、中の緩衝材である発泡スチロールが少し傷んでいました。時の流れですね。

考えてみると、電動工具は大切に扱えば何十年も使えるのが嬉しいところです。コンピュータでは無理な話ですからね。ちなみに販売店は消滅していました。

既に電動ドリルと電動丸ノコは持っているので、ディスクグラインダー(近日ゲット予定)と電動トリマが在れば完璧ですね。実はチェーンソーも欲しいのですが、使用目的がないので……。

その3:クリアファイル

種類などを整理するための、未使用のクリアファイルが30冊ほど出土。おそらく随分昔にまとめ買いしていたのだと思いますが、古い書類はスキャニングでPDF化する流れになったために、それほど冊数は必要なくなってしまったわけです。

なんだかもったいないのですが、まとめ買いは無駄遣いだと悟りました。大学関係だけでも一校につき毎年書類が40mmほど溜まっていきますから、そのまま保管していたらトンデモナイ状態でした。どのみち読み返すこともないのですから……。

その4:共著

共著していた書籍やムックが数冊出て来てビックリ。あっ、これは確かに関わった仕事……という脳天気な感じ。完全に忘れていて唖然としました。

さすがに出版社や関係者に対して失礼なので書名は伏せますが、私のホームページにも掲載していないほど、完全に忘れていました。どうしてなのか思いだせません。何か間接的に嫌なコトでもあったのかも知れません。もちろん推測ですが……。

モノは必要なときに必要なだけ買う、ということは分かりきっているのですが、アナログ時代は必ず予備を買うという流れで仕事をしていたので、なかなかソレが抜けません。そろそろ注意して改めないとダメですね〜、さすがに。


■今月のお気に入りミュージックと映画

"Tomb Raider" on Roar Uthaug in 2018(USA)
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邦題「トゥームレイダー・ファーストミッション」。アリシア・ヴィキャンデル主演の新シリーズですね。「エクス・マキナ」や「ジェイソン・ボーン」でお馴染みの俳優で、私の中のララ・クロフトのイメージにドンピシャリ。

アンジェリーナ・ジョリーのシリーズは、見るからに強そうな違和感あり過ぎて私の中ではダメでした。ゲームとしては2013年の「トゥームレイダー」、2015年の「ライズ オブ ザ トゥームレイダー」、そして2018年最新作の「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」がとってもいい感じ。

ちなみに、本作は架空の日本の邪馬台国が舞台なので、2013年のゲーム版トゥームレイダーの感じかな? と思いましたが、同じ邪馬台国が舞台でも、ちょっとストーリーは違っていました。

どちらかというとララ・クロフトの紹介という部分が大きかったのは仕方がないですね。とにかく次回作がとっても楽しみです。

映画『トゥームレイダー ファースト・ミッション』本予告


映画『トゥームレイダー ファースト・ミッション』フィーチャレット映像


"No One Lives Forever" by Guy Whitmore at 2000
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2000年にリリースされた、イギリス某所に本社を置く国際諜報組織「UNITY」の美人諜報員・ケイト・アーチャーが、テロ組織「H.A.R.M」を相手とした戦いを繰り広げるFPSゲーム"No One Lives Forever"のメインテーマ曲。

ちなみに続編の "No One Lives Forever 2" では日本が舞台のセッションも用意されていた。ただし、詳しいことがサッパリ解らないのです。ちなみにこのゲームは音楽CD付きで、部屋のどこかに在るはずなのですが、見つかりませんでした。

No One Lives Forever OST - Main Theme(All versions)



【海津ヨシノリ】

グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/怪しいお菓子研究家
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今月の頭に、やっと拙著「グラフィックデザイナーのためのコンテンツ作成術」がリリースされました。タイトルや装丁が勝手に変更されるなど、色々とゴタゴタ続きで、私も出版社の担当者もかなり疲れてしまいましたが、とにかく無事に出たことで安堵しました。なかなか出版は厳しい時代ですからね。

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862464157/dgcrcom-22/


今回は私の企画ではなくて声を掛けられた形でしたが、私も色々とアイデアはあります。ですが、こればかりは出版社との出会いがないと形になりませんから……。しかし、今回の本は、Illustrator、Photoshop、Animate(執筆初)、AfterEffects(執筆初)、ZBrushCore(執筆初)と5つのソフトウェアの内、3つが初めての執筆という状況でした。

もちろん、セミナーや大学等でレクチャーしているので、本当に初というわけではないのですが、著書で取り上げるのは初ですから、やっぱり執筆初ですね。なんだかとっても不思議な感じです。

■10月13日、大阪DTPの勉強部屋主催の【勉強会】に登場致します。一年ぶりの大阪です。内容は9月に発行された拙著の関連ネタです。そして、その本が1000円引きでゲット出来るのです。詳しくは以下でご確認下さい。関西の皆さん、よろしくお願い致します。

大阪DTPの勉強部屋【第30回勉強会】
http://www.osakadtp.com/?p=3726


■10月の画像処理セッションは10月18日を予定しています。
〜ZBrushCoreの基本講座【3Dデジタル粘土細工入門4】〜
詳しくは以下でご確認下さい。
https://www.borndigital.co.jp/seminar/


・講演内容 ZBrushCoreで体験するデジタル粘土細工により3Dグラフィックスの世界を楽しみましょうの第4弾です。今回はゼロからキャラクターを作り、カラーリングまで行ってきます。

・テンプレートの活用
・ブラシは思い切りが使い様
・モデリングはイメージが大切
・カラーリングもモデリング感覚