ネタを訪ねて三万歩[180]横位置マニュアルフォーカスというこだわり
── 海津ヨシノリ ──

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今月は、3日以降の打ち合わせやレクチャーが、すべて中止となりました。まっ、仕方がないのですが、4月以降が少し心配ですね。

ところで、武漢肺炎騒ぎの最中に、スマホ操作しながらトイレで用をたしている人に遭遇し、手も洗わずに出ていったのにはドン引き。そんな普段の生活に衛生概念のない人たちが、突然、除菌系商品を買い漁るのでしょうね。ガッカリです。

とにかく感染を防ぐために無駄に出かける用件を減らし、ネットなどで時短に用件を済ませることがこれほど求められているのに、動きが鈍くて脱力感。そして買い占め騒ぎは、危機感を煽るのが大好きなマスコミの犯罪ですね。

しかし、世界的に見ると日本はよく持ちこたえて頑張っていると思います。

新型コロナウイルスの国別感染者数(中国以外)
https://public.flourish.studio/visualisation/1438279/


各国・地域における新型コロナウイルスの感染状況
https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/country_count.html






●かめらをかいに

さて、今年に入って常用カメラを三台(一台は予定外)買い足しました。二台のが調子が悪かったからです。ほぼ毎日、10年近く使い続けていれば、そろそろ限界ですからね。

ちなみに持ち歩き等の常用カメラは、マイクロフォーサーズが2台(Panasonic 二台、Olympus 一台)でした。今回の買い足しは、運良く古いタイプで状態の良い型落ちなどを、かなりリーズナブルにゲット(Panasonic 一台、Olympus 一台)できました。

また、今までは、持ち歩き用はマイクロフォーサーズと決めていましたが、SONYα7IIもあるので、αシリーズのAPS-C機を、勢いで初ゲットです。ボディサイズがマイクロフォーサーズとほとんど変わらない点も、購買の動機として大きかったです。

ということで、これからも色々と藻白い写真を撮りたいと思っています。ところで私が普段持ち歩いているレンズは、フルサイズ換算で100mm、90mm、70mm、35mm、18mm〜28mm、7.5mmですが、もちろんすべてを常に携行しているわけではありません。ほとんどその日の気分で使い分けています。街中のスナップ類は、その日の気分がとても大切ですからね。

しかし、レンズの多くがマニュアルレンズです。オートフォーカスが嫌だいとか、ダメだという意味ではありません。なんというか、こだわりというか、縛りですね。

我々が携わるデザイン仕事は、自由に作成ということはなく、何らかの縛りがあります。サイズだったり、写真やイラスト使用の有無などが当然発生します。

これは前にもネタにしたかも知れませんが、撮影にも自分なりの縛りを付けています。絶対に縦位置での撮影はせず、横位置に拘っています。また、可能な限りマニュアルフォーカスです。もちろん、オートフォーカスを使うことだってありますが、どちらかというと頻度は少ないです。

で、何でこんなに台数揃えるのか? と思われる方もいるでしょう。整理すると、一台は自宅のスタジオ用、二台は持ち歩きメインとサブ。そんな感じです。

この内の二台が調子悪くなったので、三台追加購入したというわけです。で、セミナーや原稿執筆などで使う素材は、すべて自前と決めたことも大きいです。SNSの投稿はスタート時点からすべて自前です。もちろん、将来的に自前の写真では不可能(海底や宇宙、海外の写真など)となった場合は別ですが。ただし、デザンの仕事もこの縛りはありません。

そして、実はもう一台買ってしまったのです。昨年秋あたりから気になっていたデジルカメラを米国Amazonから買うつもりでいました。トイカメラです。

ダラダラ迷っていたのですが、日本のAmazonでも買えるようになり、引きこもっていた故に(確信犯)ポチッてしまいました。基本的に子供用のトイカメラなのですが、一応1500万画素はありますが、CCDはスマートフォン程度なので期待はしていません。

購入した目的でもある目玉機能は、サーマルプリンタが付いていることなのです。一般的なレシート用の用紙が使えるので、ランニングコストはメチャクチャいいです。もちろんカラーは望めませんが、その足りない部分をどう補うかが面白いんですよ。

もちろん、それは人それぞれですが、私は色鉛筆(クレパス鉛筆やダーマートグラフが一番良いかも)などで着色して、今は遊んでいます。

他に、水性マーカーに塗り絵などが楽しめるDIY用のノート、マイクロSDカードなどがオマケで付いていました。パッケージも素敵で、きっと子供がコレをプレゼントされたら大喜び間違いなしだと感じました。自腹の私も嬉しくなったほどですから。

なお、米国からの到着(中国からではなかったようです)ですが、モノは中国製です。しかし、性能じゃなくて遊び心のある製品って、日本には少なくなりましたね。なんだかちょと寂しいです。

Sunplus SP5K Series Digital Camera
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07W42L7XK/dgcrcom-22/


サーマルプリンタ付きトイカメラは神です
https://kaizu-blog.blogspot.com/2020/03/blog-post_15.html


そういえば、最初に購入したコンピュータはCASIOのPB-300という、サーマルプリンタ付きのポケットコンピュータでした。今回のサーマルプリンタ付きカメラは、サーマルプリンタという意味では二台目です。時の流れを感じます。

■今月のお気に入りミュージックと映画

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"Deliler Fatih’in Fermani" on Osman Kaya in 2018(TUR)

邦題「ブラック・ウォリアーズ オスマン帝国奇兵団」。15世紀のトルコを舞台に、七人の騎兵隊の戦いを描いた歴史アクション。

オスマン帝国支配下であるルーマニアの、ワラキア地方を統治する「串刺し公」と呼ばれたヴラド3世(ドラキュラ伯爵のモデル)によるオスマン帝国粉砕を阻止するために、オスマン帝国の第7代スルタン(君主)であるメフメト2世は、帝国の守護者たる“デリラ”騎兵の派遣を決断。トルコ版七人の侍といったところです。

でも、七人の戦士の描写がイマイチ。とにかく尋常ではない強さが、半端なくて……でもトルコ人の義を重んじる雰囲気は伝わってきます。このあたりの歴史をザックリ調べてから見てみると良いかもしれませんね。

映画のラストの戦いのシーンは、ブカレストでの戦いですね。何だかんだで、私は楽しめました。しかし、トルコ語の響きってやっぱり神秘的ですね。

ところで、デリラというと、私の中では1949年の映画「サムソンとデリア」のヘディ・ラマーを思い浮かべてしまいます。サムソン役のヴィクター・マチュアも印象的でした。

ブラック・ウォリアーズ オスマン帝国騎兵隊


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"Baby It's You" by The Shirelles at 1961(U.S.A)

シュレルズ(アメリカの女性R&Bコーラス・グループ)の1961年のヒット曲。ビートルズがカバーして更に有名になりましたが、カーペンターズなど色々なアーティストもカバーしていますね。特にカーペンターズのカバーは、別の曲のような完成度で当時はビックリしました。

The Shirelles - Baby It's You (Original 1961 recording)


Baby It's You (Live At The BBC For "Pop Go The Beatles" / 11th June, 1963)


Carpenters - Baby It's You 1970



【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/
お菓子研究家

yoshinori@kaizu.com
http://www.kaizu.com

http://kaizu-blog.blogspot.com

https://www.facebook.com/yoshinori.kaizu

https://twitter.com/Yoshinori_Kaizu


オンラインで取り寄せることの出来る公文書三通が、本来であれば翌日に届くはずなのに届いたのは一通。二日後にもう一通。ところが三日後になっても残りの一通が届かないので、問い合わせするも発送元は確かに投函したと……。

書留ではないので、紛失の可能性は拭いきれません。早々管轄の郵便本局に問い合わせるも、トラブルは認められず……結果として何も解決せずに諦めて再発行の手続き。

そして、車を飛ばして直接取りに行くことに。とにかく揃った書類をあるところに提出しなくてはならない、タイムリミットがあったからです。結果として、滑り込みセーフでしたが、なんだか日本の郵便事情も怪しくなってきたのかな〜と、ショックを隠しきれません。

もちろん、郵便局に対して激怒するといったようなことはしていません。とても丁寧に対応してくれて、むしろ感謝しています。結果、かなり細かく調べて頂いたようで、四日目になって配達の方がソレを届けてくれました。

どうも本局に届く前に、別の地域の本局に紛れこんでしまったようです。分かりやすく説明すると、千代田区内宛の郵便物を港区内から三通同時投函したのに、一通だけ目黒区内に配送されてしまったといったようです。

今回の武漢肺炎騒動で、一気にIT化が進み、可能な限りオンラインで書類などが手に入る流れになる事を期待しています。

■海津ヨシノリの画像処理テクニック講座 vol.142

※3月19日改め4月16日開催予定でしたが、現在の状況を鑑み5月21日(木)に変更します。

海津ヨシノリの画像処理テクニック講座 vol.142
〜Photoshopの復習 応用力がつくレタッチ・テクニック2〜
https://www.borndigital.co.jp/seminar/17384.html


講演内容:Photoshopの最新機能の、コマンド一発でも対処出来ないような、意地悪な画像のレタッチ処理方法を整理してみます。
・色相スライド・組合せの発想・移植とデカールの組合せ・方向と角度


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編集後記(03/25)

●偏屈BOOK案内:嵐山光三郎「素人包丁記」

じつに30年前からの愛読書である。この欄でも何度か書いたような気もする。それでも、また書く。素人包丁とはいうものの、大いなる研究心で為される料理や嗜好のバラエティは感動的でさえある。嵐山は正岡子規「仰臥満録」を日本の料理文学の最高峰と位置づけている。死が間近の子規の、凄絶なまでの食物への執着心が記された本で、浅ましい食魔の姿など二度と読みたくないが。

嵐山は研究熱心で愉快な食魔である。彼がこだわるのは「末期の一品」だ。人間が最後に食べる一食のことで、それを食して、はいさようならと機嫌よく逝きたいものだ。これは前もって決めておかないと、周囲の人が困る。彼の祖父は塩鮭茶漬け、叔父はうな丼だった。嵐山家では、妻はトンカツ、長男はエビフライ、次男はカジキマグロの照り焼きと決めてある。30年前の話だが。

嵐山は蓮根のテンプラである。辞世の句と同様、末期の一品も大切だ。それを出すタイミングが難しい。死ぬ寸前になり過ぎると、食欲はなくなり食べるエネルギーも消失する。まだ死にそうにないときに出すと、病人のほうで死期の宣告と思ってしまう。てな話は自宅の病床の場合で、いまや病院で死ぬのが普通で、「末期の一品」問題はないのかも。わたしは未だ決めかねている。

嵐山は昭和25年に東京に引っ越してきて、生まれて初めてコッペパンを食べた。そのうまかったこと、いまでも胸のときめきを覚えるという。「食べ物へのこだわりを持つ人間は、昭和20年前後を経験した者とそうでない者と、二種類にわかれるようである。このころに少年だった者は、ぼくを始めとして、ことごとく、いじきたない。ボクの友だちは、みんな、情けないほど、いじきたない」

嵐山が大学を卒業した昭和40年は、日本の高度成長期のまっただなか。当時のうまかったものを見開きいっぱいに並べ立てる。わたしも大学一年だったから、よーくわかる。「新幹線でビールを飲むとなんだか映画の主人公になったような気分だった。アメリカ人みたいだった」ああ、わかるわかる。明星チャルメラや日清チキンヌードル、チョーシタのサンマ蒲焼き缶詰、いまでも好き。

嵐山の「独特のキック力があって、頭にズーンと来る」なんて味覚表現も早速コピーしたものだ。この本は第四回講談社エッセイ賞を受賞。大岡信は、文章の品のよさ、リズム感のよさを大絶賛し、「真の畸人の証明書」なる選評を書いた。東大教養学部のような所は、このような畸人に講座を委嘱すべきではなかろうか、とまで言う。その後、嵐山作品は何冊読んだか分らない。(柴田)

嵐山光三郎「素人包丁記」講談社文庫 1990
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061848003/dgcrcom-22/


・体温計品切れ入荷予定不明 なんて掲示が近くの薬局にあった……


●昨日続き。空港封鎖や外出禁止をしていないのだから、海外から持ってきて広めることはできてしまう。せっかくの島国なのに。このままずるずるいくぐらいならいっそ、と思ってしまう。

島国イギリスで3週間の外出制限命令。

「生活必需品の買い物、毎日の運動、医療上の理由、不可欠な仕事のための通勤を除き、外出が禁止される。公共の場所で一緒に暮らしていない2人を超える集まりは禁止され、必需品ではないものを売る店舗の閉鎖も命じられた。違反すれば罰則の対象になり得る。警察は違反者を取り締まることができる。」

/「スマートニュース」で、手頃な価格で買える商品、料理、節約、整理などの情報を主に見ていたら、その手のものばかりが列記するようになって便利。他のニュースは別のニュースアプリやサイトで見るようにしている。

と昨日の武田さんのを受けて書いていたのに、先に新型コロナのことを書いてしまい、今日に掲載となってしまった……。(hammer.mule)

イギリスで外出制限命令 罰則伴う
https://www.bbc.com/japanese/52013783