[5106] 「リングフィットアドベンチャー」/小川てつオくん15/私とプログラミング(出会い)

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《憧れのMZ-80B 価格は278,000円》
 
■装飾山イバラ道[276]
 「リングフィットアドベンチャー」でおうちで運動開始
 武田瑛夢
 
■Scenes Around Me[81]
 小川てつオくんのこと[15]
 パフォーマンス:「なまず先生」を読む(2003年12月13日)
 関根正幸

■crossroads[95]
 私とプログラミング(出会い)
 若林健一
 



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■装飾山イバラ道[276]
「リングフィットアドベンチャー」でおうちで運動開始

武田瑛夢
https://bn.dgcr.com/archives/20201020110300.html

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任天堂のゲーム「リングフィットアドベンチャー」を、ようやく手に入れた。発売から一年経って、気にはなっていたけれど、買いそびれるとなかなか手に入らない(定価では)ので、この時期になってしまった。

任天堂「リングフィットアドベンチャー」
https://www.nintendo.co.jp/ring/


これは輪っかのリングコンと、左腿につけたレッグバンドのJoy-Conで、動きを認識してくれるフィットネスゲーム。

ゲームを始めるのも簡単だ。ミブリさんという見本となる人間キャラクターの、動きをマネすれば良い。運動中は細かいボタン操作はなく、リングコンの押し込みや回転で操作できるようになっている。

ちなみに、この黒いリングコンは航空機などにも使われている「繊維強化プラスチック」でできていて、とても軽いのに丈夫なのだ。

●自分に合わせて楽しめる各種モード

ゲームは敵と戦いながらストーリーを進めていく「アドベンチャー」と、手軽に全身運動ができる「ミニゲーム」、好きな体の部位を鍛えられる「シンプル」のモードがある。記録が残るので、家族と回数を競い合うのも楽しい。

この他に、リズムに合わせてリングコンを押し込んだり、傾けてハイスコアを目指す「リズムゲーム」もある。無料アップデートで追加されたモードだそうだ。これはいわゆる音ゲー。音ゲーをテレビ画面でできるのは楽しくて、これも気に入ったゲームモードのひとつだ。

「アドベンチャー」はゼルダなどのゲームにも似た要素があって、リングコンが相棒の「リング」というキャラクターになっている。この相棒と一緒に、敵と戦う感じだ。

少し進んだら宝箱なども出てきたのも、ゼルダっぽい。敵もだんだん強くなってくる。森や街の景色がきれいで、走っているだけでも楽しい。しかし、一度始めてしまうと、キリがいいところまでやらないといけない。

疲れてしまって、えー、まだまだあるのーっと思う時も。トレーニングなんだから、それぐらいあたり前かもしれない。ストーリーもクリアするのに、数か月かかるようなボリュームがあるらしい。

「ミニゲーム」には「モグラたたき」や、的当ての「ボックスブレイク」など、短くて楽しいゲームが沢山ある。ルールも簡単で直感的にわかるのがラクチン。動作の判定も繊細で、上達すればどんどん成績が上がるのでやりがいがある。

むかし、まだ世の中のゲームのコントローラーの精度が低かった頃は、判定も甘くて単純で、結局すぐに飽きてしまった。これはそんなことがなくて、しっかりと動きを受け止めてくれる。

リングコンはプレイヤーが基本姿勢に入ったこともすぐに認識してくれるし、ゲームを始めてからの誤作動もほとんどなく楽しめる。ふたつのコントローラーだけで、様々な運動ができるのがすごい。

自分がしたい調整はできて、面倒な調整がいらないという絶妙なバランスだと思う。最初の設定ばかりに時間を取られる時代は、もう終わったのかもしれない。

●マンション等の騒音対策

マンションでの使用や静かに運動したい時は、「サイレントモード」が選べる。スクワットで膝を曲げる程度の動きで、画面のキャラクターが走り出してくれる。これなら振動や騒音を気にしないで大丈夫だ。

腕に持ったリングコンは、しっかりと押し込んだり引っ張ったりして操作する。リングコンは音が出ないので、はしゃぎすぎて大声を出さないようにすれば、近所迷惑にはならないと思う。

そして周囲の物にぶつからないように、腕をのばしても何もあたらないような広い場所でやれば問題ない。

アドベンチャーのゲームは、いくつかのフィットスキルという運動の種類から、やりたいものを選んで戦うことができる。ヨガマットを敷いて、座った姿勢で行う運動も選べるし、今日はヨガマット敷くのは面倒だと思えば、立った姿勢でできる運動だけを選べばよい。

●気に入った「ツイストバッティング」

やはり私はミニゲーム派。今日もまずちょっとだけミニゲームをやってから、アドベンチャーのストーリーを進めようかなと思いながら、電源をいれている感じだ。

これが、遊びたい欲望を運動習慣に結びつける作戦ならば、まんまとしてやられているワケだ。全然いいけど(笑)。

まだまだやったことのないゲームもあるので、好奇心だけでも10日間以上続くのではないかと思う。任天堂のWEBにミニゲーム一覧があるので、興味のある方はそちらをチェックしてほしい。

友達や家族と遊ぶ時には、もう一つのお楽しみとして「人がやっているのを見る」というのがある。

任天堂WEBの新垣結衣ちゃんのTVCM集を見ていたら、ついつい全部見てしまった。彼女が可愛いからなのもあるけれど、それだけが理由ではなくて、人が必死になっているのを見るのは面白いのだ。

モグラたたき編を見てみたら、最後に「Perfect」の文字が。完璧にプレイするとそうなるんだ。私はまだどのゲームでも「Perfect」を出していないので知らなかった。

このミニゲーム類、私は初見でプレイした時は「C」の判定になることがほとんどだった。しかし、いくつかのミニゲームでは初めてやったのに「B」が出た。なんだか手応えがあったので、もう一度頑張ったら「A」の判定。ちょっとは得意なものがあるのを見つけられた感じがして、とても嬉しい。

「ろくろ回し」なんていうものもある。スクワットしながらリングコンを押し込んで、見本通りに粘土のツボを作るという渋いゲーム。二つの動作を連動させるっていうのが、なかなか手強い。

個人的に特に気に入ったのが、「ツイストバッティング」というウエストをひねりながらバットを振り、前から出てくる敵のロボットを叩き落とすというもの。

今までウエストのひねりで敵を倒したことなんてなかったので(笑)、面白くてハマってしまった。ロボットは手に盾を持っているタイプもいて、盾を右側に持っていたら、持っていない側からひねって叩き落とす必要がある。

このちょっとした変化を見間違わないようにしながら、バンバン倒していく。進んでいくとロボットの数も増えてきて白熱する。心拍数も上がって汗もかく。これも今のところ「A」だ。「S」を目指してがんばりたい。

夫にも勧めてみたらなかなか私の前ではやらなかったのに、一人でこっそり遊んで結果を報告しにきた。けっこう楽しかったようで、私の成績も褒めてくれた。家族のスコアは表示されているので、はげみにもプレッシャーにもなる。

夫は私がミニゲームをしているのを見て楽しむくせに、自分は私が見ていない時にやりがちだ。こっそり勝とうと思っているに違いない(笑)。

●上級者も沢山いる

Youtubeで「S」ランクの上級者の動画を見てみたら、すごく激しくて驚いた。今は初級なので上級、超上級もあると思うと、道のりは長い(笑)。

今日やってみた「リズムゲーム」では、最初のプレイで初級モード「S-」が出た。確かにミスもあったので、小さくマイナスがついたのだろう。出てくるマークで動きを変えるので、脳トレ的な要素もある。このゲームは、慣れればノーミスが出せそうな予感がする。

画面に合わせて運動できるのが、ゲーム系エクササイズの良さだ。目の前の小さな目標をクリアしていく楽しみを、数多く用意してくれているのがありがたいい。運動って、回数を数えるだけではなかなか続かないものだ。

運動の習慣をつけるための、アラーム機能などの工夫も色々。細かな機能は書ききれないほどで、使いこなしたらまた紹介したい。

普通のゲームなら30分なんてすぐに過ぎるけれど、リングフィットアドベンチャーで30分やるのはすごく疲れるし、汗も出る。これはやっぱり運動なのだ。ずっと遊べるゲームのように時間を食ってしまうものでないのも、良いところかもしれない。クールダウンもしっかりと用意されている。

運動した記録を残すことができるので、バーチャルなジムの世界を持ったようで楽しい。家ですごす時間を楽しくしてくれるので、購入して良かったと思う。濱村さんにもぜひオススメ(笑)。


【武田瑛夢/たけだえいむ】
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
http://www.eimu.com/


ハンコを使う機会が減っていく。宅配や郵便の受け取りには、必要でない時と、求められる時があるので、やっぱり玄関にはハンコを置いておく必要がある。どんなにたまにでも、使うならなくせないものだ。


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■Scenes Around Me[81]
小川てつオくんのこと[15]
パフォーマンス:「なまず先生」を読む(2003年12月13日)

関根正幸
https://bn.dgcr.com/archives/20201020110200.html

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本来ならば前回の続きで、2004年に撮影したヨパクラの写真を紹介するところですが、2003年の小川てつオくんの誕生パーティーで披露された、パフォーマンスの写真が印象に残っているので、紹介します。

てつオくんは居候ライフを行なっていた時から、毎年12月11日前後の土曜日に、居候先で誕生パーティーを企画しました。

代々木公園のテント村に住むようになってから、てつオくんは自分のテント付近で開いたカフェ(エノアール)で、誕生パーティーを行うようになります。

特に2003年は、テント村に移ってからはじめての誕生パーティーで、大勢のお客さんが集まったように思います。

https://live.staticflickr.com/65535/50486152311_5e78cd9fc6_c

そのパーティーで写真家の富永剛総(ごーそー)さんと、ダンサーの十亀脩之介(かめ)さんは、朗読パフォーマンス「『なまず先生』を読む」を行いました。

https://live.staticflickr.com/65535/50485441463_6157215e25_c

てつオくんの父親(迫柳二)は、楡井耀三という筆名で小説を書いていました。迫さんは2007年に亡くなるまで、60年にわたって「死の中」という題名の小説を書き続けていたそうですが、未完に終わりました。

てつオくんと兄の恭平くんは、それまで迫さんに小説の発表がなかったことから、迫さんの口述を元に「なまず先生」という小説を完成させました。そして、「なまず先生」は恭平くんが運営しているキョートット出版から、2003年に出版されました。

http://kyototto.com/archives/174


そこで、ごーそーさんとかめさんは、てつオくんの誕生パーティーで「なまず先生」の朗読を計画したようです。ごーそーさんとかめさんは二人羽織のようになって、一人が小説を朗読し、もう一人が背後からライトを照らしました。

https://live.staticflickr.com/65535/50485441353_fa7cdd8185_c

朗読するごーそーさん。ライトを持つかめさんも写っています。二人はときおり朗読役とライト役を交代しましたが、交代の際にライトを受け渡すようなことはしませんでした。

朗読役がそろそろ交代したいと思うと、すかさず、ライト役からライトを奪い取りました。そして、ライトを奪い取られた側は朗読役に回る、という形で役を交代しました。

とはいえ、ライト役は簡単にライトを奪われる訳でもなく、小競り合いになる場面もありました。

私は、パフォーマンスが始まった直後から面白いことが始まったと思い、二人にくっついて写真を撮りました。しかし、テント村は真っ暗だったため、簡易的な三脚を使用した以外、ほとんど手持ちの状態で数秒シャッターを開けました。

https://live.staticflickr.com/65535/50485441903_3fa2f5639b_c

また、他の人が時折焚くフラッシュも頼りにしました。

https://live.staticflickr.com/65535/50486151456_9bf81b95bb_c

朗読するかめさんを照らすごーそーさん。かめさんが本を激しく動かしながら朗読するので、ごーそーさんも本を追いかけてライトを動かしています。

https://live.staticflickr.com/65535/50485440688_9cbbddce30_c

今思うと、かめさんの動きは「なまず」を意識していたのかもしれません。


【せきね・まさゆき】
sekinema@hotmail.com
http://sekinema.com/photos


1965年生まれ。非常勤で数学を教えるかたわら、中山道、庚申塔の様な、自転車で移動中に気になったものや、ライブ、美術展、パフォーマンスなどの写真を雑多に撮影しています。記録魔


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■crossroads[95]
私とプログラミング(出会い)

若林健一
https://bn.dgcr.com/archives/20201020110100.html

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こんにちは、若林です。

今回は、私がプログラミングの世界に入るまでについての話の続きです。

前回の記事「私とプログラミング(前夜)」はこちら。
https://bn.dgcr.com/archives/20201006110100.html


■8bitパソコンとBASIC全盛の時代

週末のたびに日本橋へ出かけ、アマチュア無線や電子工作の本を読みあさっていた私は、8bitパソコンに出会います。

当時はまだパソコンという呼び方は一般的ではなく、今でいうCPUにあたる部分がマイクロコンピュータであったことと、私の(My)コンピュータの両方の意味から、どちらかというとマイコンと呼ばれていましたね。

パーソナルコンピュータだからパーコン、といった呼び方が使われていたこともありましたが、あまり広まらなかったです。

当時はワンボードマイコンと呼ばれるむきだし基板に、7セグメントのディスプレイがついたものから、筐体にはいった8bitマイコンが主流になっていた時代で、代表的な機種としてはNECのPC-8001、富士通のFM-8、シャープのMZ-80シリーズがありました。

それぞれの支持者による派閥のようなものがあったのですが、私はシャープのMZシリーズ派でした。

当時のマイコンには、プログラミング言語としてBASICが標準搭載されているものが多く、BASICがOSの役割も果たしていました。BASICの命令をキーボードから入力することで、プログラムの読み込みや保存、実行が行えるようになっていたのです。

MZ以外の機種ではこのBASICがROM(※1)に書き込まれていて、電源を入れるとすぐに使える状態になりました。

※1:ROMとはRead OnlyMemoryの頭文字で、書き換えのできないメモリです。ネットスラングで、SNSや掲示板などを読むだけの人をROMというのもここから来ています)

一方のMZシリーズは「クリーン設計」という設計ポリシーでBASICのROMを搭載せず、起動時にカセットテープ(当時の主な外部記憶装置はカセットテープだったのです)からRAM(※2)に読み込んで動作させるという方式のものでした。

※2:RAMとはRandom Access Memoryの頭文字で、書き換え可能なメモリのことを指しています。今でも一般的「メモリ」といえばRAMのことを指します。

読み込みに時間がかかるので、起動が遅いというデメリットはありましたが、ROMでメモリ空間(※3)を占有されないので、BASIC以外の言語やプログラムを動かす時は、メモリ空間をフルに使えるというメリットがありました。

※3:コンピュータは、アクセスできるメモリの範囲に上限があります。現在のPCやスマートフォンは、、その上限が事実上無制限に近いぐらい大きいのでみなさんが意識することはありませんが、当時のマイクロコンピュータの性能では、アクセス可能なメモリの範囲も少なかったのです。

MZの場合は、64kBytesしかなかったのです。スマートフォンの通信量でよく使われるG(ギガ)が10億バイトに対して、64kBytes(64,000バイト)しかなかったと言えばイメージできるでしょうか。

例えば、iPhone用のTwitterアプリの容量が約110MBytes(約1億1千万バイト)なので、64kBytesがどれぐらい小さいかがイメージできるでしょうか。

この小さなメモリを最大限活用できる設計に、とても感動したのです。今のパソコンも起動時にOSを読み込んで動作するという意味では、MZシリーズと同じなので、時代を先取りした設計だったと言えます。

■憧れのMZ-80B

MZシリーズにも多くの機種がありましたが、私が欲しかったのはMZ-80Bという当時の最新機種でした。

MZ-80B以前の機種はキーボードがグリッド上に配置されていて、キートップも透明のキャップがついたものでしたが、MZ-80Bになって今のパソコンとほぼ同じQWERTY方式に変わり、キートップもかっこいいものになっていました。

ちなみに、この透明キャップのキーが当時はレジスタみたいだと言われていました。といっても、これも今の人にはわからないですよね。今のレジはバーコードスキャナとタッチパネルですから……。

しかし、価格が278,000円(この頃は消費税はありません)。中学生にはとうてい手の出ない代物でした。ちなみに、外付けのフロッピーディスクドライブが、本体よりも高かったのを覚えています。マイコン本体よりも外部記憶装置の方が高い、そんな時代だったのです。

■MZ-2000の登場とおもいがけないチャンス

マイコンは欲しいけれど、30万円近くのものをねだれるほど裕福ではなかったので(むしろ貧乏でした)、マイコンを買ってもらった友人宅へ押しかけて使わせてもらっていました。

時は流れ、MZシリーズの新機種MZ-2000が発売になります。MZ-2000はMZ-80Bの後継機種で、性能的にはほぼ同等(部分的に性能向上)、価格は218,000円まで下がってきました。それでもまだ高い。

そんな時、祖母から「百科事典を買ってやろう」という話が持ち上がりました。こう見えても(?)当時成績がそこそこよかったこともあって、祖母にとっては自慢の孫(!)だった私への、もっと勉強できるようにという祖母からの提案でした。

これも今の若い人にはわからないと思いますが、昭和の時代には百科事典と呼ばれる図鑑の大きなやつが家にあることが多く、専用の書棚に収まっていて一種のインテリアでもあったのです。

百科事典はいくらぐらいするのか? と聞いてみたところ20万円ほどするという話(これも今の時代からは考えられないですね)。これはチャンスだと思い、同じ20万円出すならマイコンの方が勉強になるからマイコンを買って欲しいと持ちかけました。

もちろん祖母はマイコンのことは一切知りませんでしたから、マイコンがどんなものでどんな風に勉強に使えるのかを説明(プレゼン)しました。

祖母はマイコンのことはまったく理解していませんでしたが、元々新しいもの好きなところがあったこと、お前がそういうのならということで百科事典からマイコンに変更することになり、念願のマイ(私の)コンピュータが手に入ることになりました。

ようやく、パソコンを手に入れるところまで来ましたが、今日はここまでで一旦終わります。

こうやって書き出していくと、今と違うことが多く、いちいち説明が必要なことに気付きます。今のパソコンやスマートフォンとは大きく異なることはもちろん、それ以外にも大きく時代が変わっていることを感じますね。

この記事を書いていると当時の感覚がよみがえってきます。
次回はいよいよBASICでのプログラミングの世界に入っていきます!


【若林健一 / kwaka1208】
https://crssrds.jp/aboutus/


「エレクトロニクスラボ - ものの仕組みがわかる18の電子工作」
https://www.amazon.co.jp/dp/4873119243/



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編集後記(10/20)

●偏屈BOOK案内:筑摩書房編集部編「コロナ後の世界 いま、この地点から考える」筑摩書房 2020
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480864741/dgcrcom-22/


コロナの時代に求められる適切なマナーとはなにか。「あなた自身がすでに感染している前提でふるまいなさい」「疫病は倫理観を書き換える」と提示するのは斎藤環(精神医学)。現在、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが進行中だ。いまだ特効薬もワクチンも開発されてない。医療現場は疲弊し崩壊しつつあるという。

感染症である以上、いずれは終息する。ただその時期がまったく予測できない。8割以上の感染者は回復する。最大の問題は不顕性感染の多さだ。感染しても無症状のものが多く、潜伏期間も長いため、感染に気づかずウイルスをばらまく人が大量に存在する。感染の広がりも正確には把握できていない。

このアドバイスが最初に現れたのは、2020年3月12日に配信されたBBC Newsnightにおけるロンドン大学衛生熱帯医学大学院教授の発言だ。行動変容を促すアドバイスとしてはまったく正しい。筆者も教授の動画をリツイートした。「その一方で、こうも考えた。この教えはまるで『原罪』意識の示唆に似てはいないか?」

「原罪」とはアダムが神に背いた結果、全人類がそれを継承することになった罪である。「自身が罪を犯した(感染した)という事実の有無にかかわらず、自分には罪があるという前提で考え、ふるまうことが社会的に要求される疾患は、これが最初のものではないだろうか? あるいは20世紀初頭のスペイン風邪も、人々の同様の意識を喚起したのだろうか?」

精神医学者はさらに言う。「ウイルスの猛毒化のような変異をもたらすのもまた人間である。抗ウイルス薬が開発されるたびに、それに耐性を持つウイルスが出現する」「ウイルスなくして人間はなく、人間なくしてウイルスはない。この関係性は、人間と『原罪』の関係と相似形をなしてはいないだろうか。そうだとすれば、原罪がそうであるように、ウイルス感染もまた、われわれの倫理的な基礎となる可能性を考えるべきではないだろうか」

筆者はそれを「コロナ・ピューリタニズム(CP)」と呼ぶ。個人の命を守り、社会をウイルスから守りたければ、国の緊急事態宣言に従い、不要不急の外出は控え、経済活動も控えめにしておとなしく自宅にひきこもって、疫病が終息するのを待ちなさいという上からの要請は、医学的なものであるはずなのに、極めて倫理的要請に似て見える。医学や科学の名において、かつてない規模と程度で倫理的にふるまうことを、人々は強く求められているのではないか。

筆者の専門としてきた「ひきこもり」こそが、CPのもとでは最強のライフスタイルになった。「冗談ではなく、私は日本でCOVID-19の感染の広がりが比較的遅かったのは、推計200万人に及ぶ人々がひきこもり状態にあることが、主因のひとつと考えている。彼らに対する偏見はいまこそ修正されなければならない。ひきこもって生き延びるだけで、価値が生み出されることがはっきりしたのだから」つづく(柴田)


●「リングフィットアドベンチャー」。めっちゃやりたくなりました。ミニゲームや音ゲーまであるとは。危惧しているのは、電源をつけなくなることです(笑)。しかし、売ってない! Switchでさえまだ抽選!

/ベルマーク続き。コンビニとかスーパーとかだと、消費税の区分はあるし、商品情報も入っているんだから、そこに点数情報があってさ、集計期間ごとに、財団に連絡が行くの。寄付先は何々学校、何々企業から1,000円分、とかさ。

PTA会員だって、ベルマーク集計してくれるところで買い物したくなったりしないかな。キャッシュレスだって進むよ。え、個人商店どうするのって? うーんうーん。

で、学校側に財団から、この期間中に1,000円分の寄付が集まりましたって連絡が行くから、それをPTAにも報告するの。会員は、買い物が役に立ったわね〜って喜ぶ、と。

全国ランキングもできるよね。割合に応じて、一部を施設に振り分けるとかさ。卒業生らやその家族も参加できるし、どうせ買うならベルマークのついてる商品にしようかなって思ったり? 続く。(hammer.mule)