羽化の作法[61]現在編・退院後のちょっと不思議な話/武 盾一郎

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早いもので、退院してから2か月が経ちました。

羽化の作法[58]入院と13月世大使館工事
http://bn.dgcr.com/archives/20180320110200.html

●『ネズミに恋したネコのタムちゃん』、「詩とファンタジー」で2017イラストレーション部門優秀賞

入院した日に知らせが届いた「詩とファンタジー賞2017」イラストレーション部門優秀賞ですが、そのお話を少しまとめておきます。

“今日、入院中に電話がありまして、線譜『仔猫タムの誕生』が「詩とファンタジー2017」賞イラストレーション部門・優秀賞に選ばれました。どうも有り難うございます!”(2018年3月7日)


実は、以前に「ガブリエルガブリエラ」でも投稿していたのですが、掲載には至りませんでした。なので、ダメ元で今度は武盾一郎のソロ作品で投稿してみたのです。

今まで知らなかった人が見てくれるかも知れないと思いまして。そしたら入選して掲載となったのです。





“「詩とファンタジー」No.36(10月1日発売)に入選しました! 『ネズミに恋したネコのタムちゃん』絵本に向けた、線譜『仔猫タムの誕生』です

代官山アートラッシュ @artsrush
『絵物語り』展に原画展示します(10/18〜10/30)

是非お立ち寄りください!”(2017年10月9日)



『ネズミに恋したネコのタムちゃん』は、2013年にふと思い付いて描き始めたシリーズでした。気が付いたらお話が出来上がっていたのです。

それは以下のような物語でした。


ネコのタムちゃんは恋に落ちました。相手はシッポの先がくるんと丸まったネズミさん。とっても一途な恋心。

春にタムちゃんはネズミさんに「好き」と告白しに行きました。ネズミさんはびっくりして逃げてしまいました。

夏にタムちゃんはネズミさんにかき氷をプレゼントしました。ネズミさんはかき氷を知らなかったので見向きもせず、氷は溶けてアリさんが食べてしまいました。

秋にタムちゃんはネズミさんにチーズをプレゼントしました。ネズミさんはチーズが嫌いでした。

冬にタムちゃんはネズミさんにチョコレートをプレゼントしました。ネズミさんはチョコレートは食べたけれど、タムちゃんからは逃げてしまいました。

どんなに想いを伝えようとしても、ネズミさんはネコのタムちゃんを怖がるのでした。

そんなある日のこと、タムちゃんのママがネズミをくわえてやってきました。

ママはタムちゃんのためにネズミを捕まえて、一緒に食べようとしてくれたのです。

「今日はごちそうよ」

タムちゃんのママは美味しそうにネズミをひとくち食べると、タムちゃんにも食べるようネズミを差し出しました。

息の絶えたネズミのシッポの先は、くるんと丸まっていました。ママが食べているネズミはタムちゃんの恋したネズミさんだったのです。

タムちゃんはショックのあまり気を失ってしまいました。

どれくらい時がたったのか、タムちゃんは目覚めていました。

タムちゃんは少しだけ微笑んでいるのでした。(つづく)


なぜこんなストーリーが思い付くのか、自分でも分からなかったけど、それからずっと「タムちゃん」をなんとなく描き続けてきたのです。

そして2017年、タムちゃんの物語を組曲とした『聴く展覧会・観る音楽会・組曲 仔猫のタムちゃん』という展示・演奏会を開催する機会に恵まれました。
http://gabrielgabriela-jp.blogspot.jp/2017/02/blog-post.html

線譜『内部被曝してるタムちゃんは、それでも失恋の方がとっても悲しい』をフェイスブックでたまたま見かけた、上遠野博子さんに曲が思い浮かんだのがきっかけでイベントにまで発展していったのです。
https://www.facebook.com/junichiro.take/posts/1471392282905654:0


イベント終了後、組曲の脚本をベースにして、絵本仕立てにしたタムちゃんを制作し始めます。その作品から「詩とファンタジー」に応募したのでした。

掲載されるとも思ってなかったので、ちょっと驚きました。さらに年間賞があるなんてことも知らなかったので、「詩とファンタジー」についてはすっかり忘れていました(入院してたからそれどころじゃなかったのですが)。

なので、ビックリしたと言うよりも狐につままれたような気分でした。

受賞の知らせらの後に掲載誌が届きました。

“『詩とファンタジー No.37』「詩とファンタジー賞2017」イラストレーション部門優秀賞を受賞しました。有り難うございます!”(2018年4月5日)


そしてその後にトロフィーが届いたのです。

“「詩とファンタジー賞」2017イラストレーション部門 優秀賞
「仔猫タムの誕生」
武 盾一郎様

トロフィーが届きました。
どうも有り難うごさいます!”(2018年4月20日)


トロフィーが届くとはまったく思ってなかったので、これはかなり驚きました。そして更に驚きなのは、「詩とファンタジー」はこれで終わってしまうようなのです。

そういった訳で「詩とファンタジー」は思いがけない事づくしでした。これもいろいろな人との繋がりがあってのこと。有り難いでございます。受賞は応援してくれている人たちに捧げるものなんだなあと思った次第です。

●退院後のちょっと不思議な話

退院二日後の3月16日(金)の診断で「鼻うがい」をするようにと言われて鼻うがい器を購入。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B01198R9XC/ref=oh_aui_detailpage_o01_s00?ie=UTF8&psc=1

「鼻うがい」は子供の頃にやらされた。頭上のタンクに塩入り温水が入っていて、チューブが伸びている。それを鼻の穴に突っ込むと、塩入り温水が鼻を逆流して入ってくる。子供の頃は苦痛で仕方なかった。

なので、なんとなく「嫌だなぁ」という気持ちがしたのですが、この「鼻うがい」が実に気持ち良い。退院から一か月くらいは一日二、三回やっていました。

2016年に「瞑想」を新たな習慣として取り入れ、2018年には「鼻うがい」が新たな習慣として我が人生に加わることになったのです。嗅覚は今のところ、順調です。

そこでちょっと不思議なことがありましたので、ここでお話しさせて下さい。

退院二日後の診察では、手術後の状態は良好とのことでした。肝心の病名ですが、「好酸球性副鼻腔炎」と診断されました。なんと、「指定難病」として認定されている病気なんだそうです。

保健所に申請をして「指定難病」として認められると、補助が受けられるようです。しかし、僕の年齢で「好酸球性副鼻腔炎」の場合だと、とりたてて大した補助はないとのことでした。

難病だと言われて多少なりともショックを受けた僕は、ちょっと調べてみることにしたのです。

「好酸球性副鼻腔炎(指定難病306)」
http://www.nanbyou.or.jp/entry/4537
http://www.nanbyou.or.jp/entry/4538

“1.「好酸球性副鼻腔炎」とはどのような病気ですか

好酸球性副鼻腔炎は、両側の鼻の中に多発性の鼻茸ができ、手術をしてもすぐに再発する難治性の慢性副鼻腔炎です。”

手術をしても再発するようなのです。厄介だなあ。。難病ですからね。

“3. この病気はどのような人に多いのですか

気管支喘息の人や、アスピリンなどの解熱剤などで喘息を起こしたりショックを起こしたりする、アスピリン不耐症の人に多く起こります。”

確かに喘息だったので当てはまる。

“原因は不明”だそうです。難病ですからね。

かなり凹んだけど、そもそも「好酸球」ってなんだろう?

「好酸球の病気」
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/13-%E8%A1%80%E6%B6%B2%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E7%99%BD%E8%A1%80%E7%90%83%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E5%A5%BD%E9%85%B8%E7%90%83%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97#v26232498_ja

“好酸球は白血球の一種で、アレルギー反応、喘息(ぜんそく)、寄生虫感染に対する身体応答で重要な役割を果たしています。”

好酸球とは白血球なんですね。

“白血球の主な働きは、病原菌や異物から身体を守る防御作用である”
(白血球の働き|白血球の種類と機能より)
https://www.kango-roo.com/sn/k/view/2197

好酸球とは、そもそも身体を守ってくれるものだ。言ってみれば防衛軍だ。「好酸球性副鼻腔炎」とは、敵国を恐れるあまり軍備を過剰に拡充して自国が滅びそうになってる国家みたいだ。

外敵をやっつけるはずの軍隊が、大軍となり過ぎて自国を攻撃してしまってる。などと思ってハッとした。

「これは自分の性格なのではないだろうか?」

僕はとても怖がりだ。臆病のあまり、過剰に人を攻撃してしまうことがよくあった。何もかもが敵に見え、この世界が生きづらくて仕方がないと思い込んでいた。

好酸球性副鼻腔炎は、僕の意識がそのまま身体化したように思えたのだ。病気はその人の個性を表すと言うし。

僕の身体は外世界を過剰に恐れ、一所懸命に好酸球を増やしていた。

「ひょっとしてその誤解を解いてみたら良くなるのでは?」

どうせ難病なんだから、ここで試してみよう。「好酸球ちゃん有り難う、よく頑張ったね。もうこの世に敵など存在しないんだよ」と、念仏のように唱えてみるのはどうだろう? で、さっそく唱えてみた。

「この世に敵など存在しない」という世界認識を、自分に心に刻むのは悪い気分ではなかった。別に難病が治らなくても、ちょっとだけ毎日を楽しく過ごせる感じがする。

それに、事実として敵など存在していない。敵は「概念」なのだから。なんて思いながら、繰り返し自分に「この世に敵など存在しない」と言い聞かせた。

こうして「この世に敵など存在しない」と唱え続けて、二週間経った4月4日(水)の耳鼻科の診察で、難病申請をするための好酸球の検査を行った。

結果を聞きに行ったのは、次の診察の5月2日(水)。

好酸球の検査結果を見て、先生が「あれ?」と言った。好酸球が正常値になっていたのだ。そして「好酸球の状態は変動があるから再検査しましょう」と、再度検査をすることになった。

「この世に敵など存在しないと唱え続けてたのですが、その影響ってありますか?」と訊ねようとしたけど、鼻で笑われそうなので聞けなかった。

以上が、ちょっと不思議な話しでした。

たまたま好酸球が少なくなってる時に検査をしたのだろうけど、自分としては「この世に敵など存在しない」と思えてきた心の変化と、好酸球の正常化が関係していて欲しい。

再検査の結果は6月6日(水)の診察で分かる。再々度好酸球が正常値であることを祈るのみ。(つづく)


【武盾一郎(たけじゅんいちろう)/嗅覚はほんのり】

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