子育てSOHOオヤジ量産プロジェクト[119]もう「いつかは○○したい」は禁止だっ!
── 茂田カツノリ ──

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「いつかはクラウン」っていうキャッチコピーは、日本社会のいろんな面や、あるいはトヨタ自身のクルマ感をよく表現してたんだと思う。

クルマっていうのは人によって小さいのや背の高いの、速いのや大勢乗れるのと好みがわかれて当然だと思うんだが、そんなん関係なく値段=ランク、っていう一義的な価値観を押しつけるのがこの言葉の裏にある概念なのだろう。

で、今日はクルマの話じゃなくて、「いつかは」のこと。事前に謝っておくけど、かなり観念的です、今回は。

●「いつかは」とかいってる場合じゃない

僕はもちろん夢をいっぱい持っている。会社を強くしたい、僕自身も成長したいというのが夢の中核だけど、もうちょっと細かい夢もある。


たとえば「外国で暮らしてみたい」というのもある。僕は旅行好きだけど、外国に根を下ろして生活したことはなくて、でも人生の中で一度はやってみたいなあ、と漠然と思ってはいる。

で、こないだふと気づいたのだが、僕ももう41歳、「いつかは○○したい」なんていってる場合ではない。夢があるなら、いま具体的に行動を起こし、計画を練って進めない限りは、その夢はもう一生実現されないのだ。

そんな当たり前のことにいま気づいたのも遅すぎではあるが、まあ気づいただけ良かったと考えておこう。

この年齢になると、ある日重たい病気にかかったりするかもしれない。そのときに「ああ、あのときコレをやっとけばよかった」なんて考えるのはイヤだ。

だからこそ、やるべきこと、やりたいことを整理せねばって考え始めた。これは裏を返せば、「何をやらないか」を決めることでもある。

そしてその「何をやらないか」というのは、実はやりたいこと候補の中での取捨選択の問題ではない。いま「やってしまっていること」の中で、人生において本当に必要でないものを、脱ぎ去ってしまおうということなのだ。

僕の仕事で考えると、Web制作がこれにあたるものだった。これ自体は楽しいし、ある程度食ってはいける。でも僕はどうしてもこれだけじゃ満足できなかった。

そして旧態依然たる制作仕事は全部断ることにして、企業Blog構築とそのコンサルティング、そしてオンラインショップの売り上げ増進を歩合制で引き受ける方向に切り替えたのだ(ということでそんな商売やってますのでよろしくです)。

Webには大きな魅力があるが、それが旧態依然たる下請け孫請け制作作業に組み入れられてしまうなら、それに巻き込まれてはダメだ。あくまでWebにより実現する新しい表現や、世の中の変革という部分のほうが大事なんだ。

はっ、ということは、デジクリで好き勝手書かせてもらえている現状というのは、実はかなりゴールに近い質の行動なのかもしれない。いやあそうだなぁ。

●知らず知らずに卑屈になっていないか

ちょっとした幸運から、いまシリコンバレーの会社から仕事をいただいている。彼らはエンジニアを実に大切にしてくれて、電話で1時間話したらそのぶんはしっかり請求してください、といってくれるのだ。そのほかにも、金額面も含め、とても高く評価してくれている。

逆にいうと、日本では我々のようなIT労働者は大事にされてないのか、とも思える。日本では、プログラマー、デザイナー、イラストレーター、アーティスト、あるいはお医者さんといった、スペシャルな技能で勝負する人への評価が相対的に低いんじゃ? と思える。実際、そういう場面に出くわすことが多い。

その代わりに、なにかしらの「権利」を持ってしまった人の力は、日本社会では強い。そして特定郵便局の局長のように、そういう権利は世襲されてしまったりする。生まれながらに権利を持った人が優遇されて、努力で技能を身につけた人が冷遇されるなら、それは封建社会というものじゃないか。

ここで大事なのが、こうして社会の中で低く見られることに、自分で慣れてしまってはいけないということ。

たとえば僕の同年代で、会社に勤めてしっかり稼いでいる人をみると、中には年収が数千万円という単位の人がいる。自分の仕事や、その結果生み出す価値に自信があるなら、たとえ泡沫零細自営業であっても、彼らと同程度の収入が得られるはずなんだ、と考えるべきなんだろう。

もちろんお金はすべてじゃないけど、お金に縛られる人生はいやだ。だからこそ、自分の持つ価値をしっかり自己評価し、自分をしっかり高めて、その結果収入も高めねばなるまい。「どうせこんなもんか」と卑屈になっちゃイカンのだ。とにかく、いま実現できないことは一生実現できないんだから、ね。

●書籍紹介
『FileMaker Pro 大全〜FileMaker Pro 8: THE MISSING MANUAL』
ラトルズより好評発売中 定価3,990円(税込)
あのオライリー社初のFileMaker本「FileMaker Pro 8:The Missing Manual」の翻訳権を、ラトルズ&sevensdoorが獲得し、「FileMaker大全」としてついに発行! FileMaker 8.5の新機能についても、本邦初の詳細な解説を追補にてご紹介。下記ページにて発売中!
< http://www.rutles.net/books/156.html
>

●イベント
『FileMaker Fun Night! AppleStore銀座』
9月16日(土)17:00〜19:00 ←5時スタートっすよ間違えないでね〜
< http://www.sevensdoor.com/event.html
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< http://www.apple.com/jp/retail/ginza/week/20060910.html
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FileMaker ユーザのためのマンスリーイベント「FileMaker Fun Night!」。このイベントが始まって早くも1周年を迎えます。今回は最新バージョンの可能性を探るとともに、1周年ならではの様々な企画をご用意しています。2時間たっぷりお楽しみください。

【しげた・かつのり】shigeta@amonita.com
Webコンサルタント/プランナー & FileMakerデータベースデザイナー。
インターネット関連の仕事を10年もやってるせいか、すごい量のspamがくる。特にドメイン名登録に使ったメールアドレスはひどい。Entourageのフィルタを必死に鍛えてるのだが、なかなか追いつけない。そこで先日、まずGoogleのGMailに転送して、それを直接POPする方法に切り替えてみたら、かなり正確にspamはじいてくれて感動。多くの人が使ってる方法だと思うけど、やっぱりいいねコレ。

[有限会社アモニータ(Web制作/プランニング/出版プロデュース)]
< http://www.amonita.com/
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[有限会社レクレアル(FileMakerソリューション開発)]
< http://www.recrear.jp/
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[Max_blog —“インターネット拾いモノ”でも執筆中]
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[mixi —“永吉克之Fan☆Club”コミュニティ]
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[mixi —“IT戦隊ネラレンジャー”コミュニティ]
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