子だくさんIT社長のFileMaker日記[29]FileMakerで人々を幸せに!(1)
── 茂田カツノリ ──

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こんにちはっ、茂田です。

ソフトバンクの孫正義社長が掲げる「新30年ビジョン」においてのキャッチフレーズは、「情報革命で人々を幸せに」だ。ありきたりな言葉と感じるかもしれないが、僕はIT業界の端くれにいるものとしてこの言葉を重く捉えている。

「情報革命」という言葉に古くささを感じる人もいるかもしれないが、僕はとても素晴らしいバラ色の世界だと本気で信じている。

コンピュータはかつては弾道計算が主目的だったりで、技術の進化が人を殺す精度を上げるために使われるんじゃ不幸。しかし、いまのように誰でも買える値段になり、さらにそれらがひとつのネットワークでつながってるって、ちょっと素晴らしくないすか? と思うのだ。



●パソコンが清書機になってませんか?

しかし、この便利さ・素晴らしさが人々を幸福にできているかというと、まだまだだ。だから僕のようにITのプロ側にいる人は、もっと頑張って人々を幸せにしなきゃいけない。

その中でも僕の関わる部分は、業務処理の効率化だ。

請求書発行や売上集計や営業日報や経費精算を効率化し、こういう処理のために残業するようなことはやめてさっさと帰る。そして友達や家族と過ごす時間を増やしてほしいし、みんながそうなれるようにするのが僕が天から与えられた役割というものだ。

ここで僕が大事と考えるのが「進化の過程」だ。

業務処理のIT化の流れって、

Step1.手書き
 ↓
Step2.パソコンやワープロでの清書
 ↓
Step3.入力データの一元管理・集計等の自動化

という3段階での進化があるのではないだろうか。

現状、世間の企業では営業報告書をワープロで打ったり、Excelに入力してファイル共有サーバに入れたりという使い方をしているところは多い。だけど、それじゃ過去の傾向を調べるのも大変だし、入力側もなにかと手間がかかり、決して理想的な形ではない。

なぜ理想的な形に届いてないかというと、上記の進化におけるStep2.までしか到達できてないからだ。そして日本の、特にITリテラシーが低い経営層においては、Step2.から先をちゃんとイメージできてないことも多いんじゃないだろうか。

それが生産性を低下させ、長時間労働につながり、少子化につながり、国家としての競争力を落とし、不景気の悪循環を生んでいると言ったら過言だろうか。過言かもしれないが、当たらずとも遠からずじゃないだろうか。

でも、Step2.まで来てるなら、あと一歩なのだ。そしてこの一歩を埋めるのがデータベースであり、またカスタムメイドの業務アプリケーションだ。

そしてFileMakerは、データベースとしての基礎がかなりしっかりしていて、また業務アプリ開発ツールという観点でも、いわゆるRAD(Rapid Application Development:手っ取り早くアプリを開発する)としてよくできている。

世の中、パソコンを使っているからIT化できているという大きな勘違いが蔓延している。しかし、やってる業務をよくみて、清書機としてしか使ってないならぜひ改善してほしいし、改善によりコストダウン等いろいろなプラス効果が出るのだから。

●コピペさせといて何が情報革命だ...と

情報が一旦デジタル化されてしまえば、あとは何から何まで自動で進み、人間が判断すべきところだけチェックすればいい、というのが本来の業務システムのあるべき姿。

しかし、実際にはなかなかそうはいかない。具体例を挙げると、たとえばECビジネスの場合、受注情報はCSV(カンマ区切りテキスト)で受け取るのが普通だが、そこから在庫確認や場合によりメーカー発注、そして出荷指示やその後のフォロー連絡などを、かなりの部分手動でやっている例は多い。

たとえば、メーカー発注についてはWebアプリ化されているのに、そこにCSV取り込みができないからデータをコピペし目視確認してる、なんていう例は山のようにある。さらに、上がった売上げを経理システムに投げ込むのも、ヘタすると再度手入力、よくてCSV取り込みだ。

コピペ(コピー&ペースト)は、パソコンの中に人間的感覚を取り込んだ素晴らしいアイデアではあるが、定形作業を人間の手によるコピペに依存するというのは、本筋からいうとちょっとおかしい話だ。これじゃパソコンを使っているのに手作業そのもので、もちろん人だから間違いもする。

実際、僕の会社にご相談いただける案件というのは、現状では多くの場合において作業担当者がコピペの嵐で対応している。日本人は優秀だからそれでも間違えず割と高速にできてしまうけれど、業務システムとして考えると人手によるコピペに頼るのはおかしい。

コピペの嵐を強要しておいて、何が情報革命だ、という話になるから、こういうのは絶対に改善してかなきゃならない。

ということで、もうちょっと具体的かつ現場レベルでどういう問題があるのか、なんでシステム開発ってこうも高いんだろうとかっていう話は、次号に続くのであった。

あ、それとこうした問題を具体的にどうやって解決しようという話もあるんだけど、それはある種宣伝めいちゃう部分もあるので、ここには書かない。ご興味持っていただけた方は、僕の会社サイトでメルマガ登録をお願い致します。

【しげた・かつのり】
FileMaker公認トレーナー/FileMaker11認定デベロッパー。株式会社レクレアル代表取締役。物事はなかなか思ったとおりには進まないなあと苦悩し続ける45歳4児の父。いつかわからないけどそのうち地球も環境が変わって人類は住めなくなるんだから、いまから他の星に移住する技術を世代を超えて積み上げてゆかねばならない、なんてことを考えたりしている。

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