●自分から契約書出そう
Web制作・イラスト制作・データベース開発などの仕事をしてる人、契約書は交わしてるだろうか? 本来は交わすべきだが、実際日本は契約社会ではないから、してないほうが多いかもしれない。
僕は最近、FileMakerのソリューション開発やWebのコンサルティングに業務の主体を移したのだが、そうなってみて契約書の重要さについてあらためて気づいた。
個人レベルでWeb制作等のやってる人は、契約書って必須だと思う。自分自身の価値を高めるためにも役立つ。
それも自分のほうで作って提示すべきだ。取引先のほうから提示してくる契約書って、「オイオイ」と言いたくなるような、一方的なものであることが多いからね。
Web制作・イラスト制作・データベース開発などの仕事をしてる人、契約書は交わしてるだろうか? 本来は交わすべきだが、実際日本は契約社会ではないから、してないほうが多いかもしれない。
僕は最近、FileMakerのソリューション開発やWebのコンサルティングに業務の主体を移したのだが、そうなってみて契約書の重要さについてあらためて気づいた。
個人レベルでWeb制作等のやってる人は、契約書って必須だと思う。自分自身の価値を高めるためにも役立つ。
それも自分のほうで作って提示すべきだ。取引先のほうから提示してくる契約書って、「オイオイ」と言いたくなるような、一方的なものであることが多いからね。
●発注側と受託側との力関係
お仕事をいただいている立場で、あんまり自分の権利を主張するのもどうかとは思う。でもね、だからといって発注者側の都合だけで話を進められてしまっては、生活が成り立たない。
先日あった事例では、提供したソフトの二次利用を「一度二次利用料を払ったから、この次以降はずっと無償利用させてほしい」と言われた。この件は開発当初から雀の涙のさらに1/10くらいの額だったので、それをさらに値切られるなんてと、とても悔しく思った。
別の事例で、すでに成果物も納品済みで、金額も決まっている段階で、契約書の条項でこちらの希望を言ったら、「契約が決まってないので請求は受け付けない」などと言われたというのもあった。これって脅迫だよね。
こういうのは世の常として、いわゆるクリエイター系ではない人がやってる会社相手で起きる。ものづくりに対する意識が違うんだろう。
どちらの件も、僕らとしては別に自分の権利だけ主張しようという思いはさらさらなくて、ただデジタル系著作物が生み出す収益っていうのは、僕らの商売における根幹部分なので、そこをごく当然なレベルで守りたいと思ってるだけだ。
●圧力には公取の指針で対抗しよう
そうはいっても現実には、相手から「著作権も譲渡してね」とか「イラストの二次利用はタダでいいでしょ」といわれたら断りづらい。
かといって、そういう要請を許容してしまうことは、自分自身のためにならないばかりか、あとに続く人々にも不利な慣行を定着させてしまって業界全体に迷惑を掛けることになる。
というような考えもあって、先日「社団法人情報サービス産業協会」というところが開催する「ITプロフェッショナル研修」というものを受講してきた。そこで講師を務めた吉田正夫弁護士に教えていただいたのが下記の文章。
・公取の指針「役務の委託取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の指針」
< http://www.jftc.go.jp/pressrelease/04.march/04033102.pdf
>
まさにドンピシャで、デジタル系著作物の受託開発をターゲットにした指針なのだ。
違法とされる例としては、優越的地位にいる側が、「成果物が委託取引の過程で得られた、または委託者の費用負担により制作されたから」という理由で、1)著作権、特許権等の権利譲渡を要求する2)受託者側の二次使用権利を制限してくるといった点をあげている。
こういうの、よくあるよね。ここまで明確に書いてくれてるんだから、ありがたく利用させてもらおう。
しかし、こんなに素晴らしい指針を出してくれているなんて、公取さんって大好き。もう公取のある霞ヶ関中央合同庁舎6号館には足を向けて寝られません。
・下請法トップページ(勧告事例・相談窓口など)
< http://www.jftc.go.jp/sitauke/
>
●取引先とはあくまで対等な関係を
もちろん、僕だっていまのような商売を10年以上やってるから、権利の主張が難しいということは、よ〜くわかる。でもね、いい仕事をして、自分が成長するためにも、取引先とは対等だという意識を持たねばならないんだと思うし、いつも自分には言い聞かせている。
でもその上で、僕にお仕事回していただける方への感謝は、いつだって忘れないけど。
【しげた・かつのり】shigeta@amonita.com
Webコンサルタント/プランナー & FileMakerデータベースデザイナー。X01HTはあいかわらず毎日使っているが、請求書払いにしたらWeb明細で料金確認ができず不便。店頭で買う際にパケットし放題が締日の関係で実質1カ月しか使えないことも教えてくれなかったし、コールセンターでパケットし放題料金を聞いたらウソ教えられるしと、おそらくは忍耐力のテストを課してくれている模様。どこまで我慢できるかなあ。
・【イベント】「FileMaker Fun Night! AppleStore銀座」
12月16日(土)18:00〜19:30
< http://www.sevensdoor.com/event.html
>
Web公開機能とサーバー製品にフォーカスをあて、バージョン8.5のインスタントWeb公開機能やFileMaker Server 8.0v4 Advanced、およびFileMaker API for PHP Public Betaに関する最新情報を紹介します。書籍「FileMaker Server カスタムWebテクニック」の著者、松尾篤氏の登場です。
・【書籍ご案内】「FileMaker Pro大全」絶好調発売中!
< http://www.rutles.net/books/156.html
>
[有限会社アモニータ(Web制作/プランニング/出版プロデュース)]
< http://www.amonita.com/
>
[有限会社レクレアル(FileMakerソリューション開発)]
< http://www.recrear.jp/
>
[Max_blog —“インターネット拾いモノ”でも執筆中]
< http://www.maxwald.co.jp/
>
[mixi —“永吉克之Fan☆Club”コミュニティ]
< http://mixi.jp/view_community.pl?id=94983
>
お仕事をいただいている立場で、あんまり自分の権利を主張するのもどうかとは思う。でもね、だからといって発注者側の都合だけで話を進められてしまっては、生活が成り立たない。
先日あった事例では、提供したソフトの二次利用を「一度二次利用料を払ったから、この次以降はずっと無償利用させてほしい」と言われた。この件は開発当初から雀の涙のさらに1/10くらいの額だったので、それをさらに値切られるなんてと、とても悔しく思った。
別の事例で、すでに成果物も納品済みで、金額も決まっている段階で、契約書の条項でこちらの希望を言ったら、「契約が決まってないので請求は受け付けない」などと言われたというのもあった。これって脅迫だよね。
こういうのは世の常として、いわゆるクリエイター系ではない人がやってる会社相手で起きる。ものづくりに対する意識が違うんだろう。
どちらの件も、僕らとしては別に自分の権利だけ主張しようという思いはさらさらなくて、ただデジタル系著作物が生み出す収益っていうのは、僕らの商売における根幹部分なので、そこをごく当然なレベルで守りたいと思ってるだけだ。
●圧力には公取の指針で対抗しよう
そうはいっても現実には、相手から「著作権も譲渡してね」とか「イラストの二次利用はタダでいいでしょ」といわれたら断りづらい。
かといって、そういう要請を許容してしまうことは、自分自身のためにならないばかりか、あとに続く人々にも不利な慣行を定着させてしまって業界全体に迷惑を掛けることになる。
というような考えもあって、先日「社団法人情報サービス産業協会」というところが開催する「ITプロフェッショナル研修」というものを受講してきた。そこで講師を務めた吉田正夫弁護士に教えていただいたのが下記の文章。
・公取の指針「役務の委託取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の指針」
< http://www.jftc.go.jp/pressrelease/04.march/04033102.pdf
>
まさにドンピシャで、デジタル系著作物の受託開発をターゲットにした指針なのだ。
違法とされる例としては、優越的地位にいる側が、「成果物が委託取引の過程で得られた、または委託者の費用負担により制作されたから」という理由で、1)著作権、特許権等の権利譲渡を要求する2)受託者側の二次使用権利を制限してくるといった点をあげている。
こういうの、よくあるよね。ここまで明確に書いてくれてるんだから、ありがたく利用させてもらおう。
しかし、こんなに素晴らしい指針を出してくれているなんて、公取さんって大好き。もう公取のある霞ヶ関中央合同庁舎6号館には足を向けて寝られません。
・下請法トップページ(勧告事例・相談窓口など)
< http://www.jftc.go.jp/sitauke/
>
●取引先とはあくまで対等な関係を
もちろん、僕だっていまのような商売を10年以上やってるから、権利の主張が難しいということは、よ〜くわかる。でもね、いい仕事をして、自分が成長するためにも、取引先とは対等だという意識を持たねばならないんだと思うし、いつも自分には言い聞かせている。
でもその上で、僕にお仕事回していただける方への感謝は、いつだって忘れないけど。
【しげた・かつのり】shigeta@amonita.com
Webコンサルタント/プランナー & FileMakerデータベースデザイナー。X01HTはあいかわらず毎日使っているが、請求書払いにしたらWeb明細で料金確認ができず不便。店頭で買う際にパケットし放題が締日の関係で実質1カ月しか使えないことも教えてくれなかったし、コールセンターでパケットし放題料金を聞いたらウソ教えられるしと、おそらくは忍耐力のテストを課してくれている模様。どこまで我慢できるかなあ。
・【イベント】「FileMaker Fun Night! AppleStore銀座」
12月16日(土)18:00〜19:30
< http://www.sevensdoor.com/event.html
>
Web公開機能とサーバー製品にフォーカスをあて、バージョン8.5のインスタントWeb公開機能やFileMaker Server 8.0v4 Advanced、およびFileMaker API for PHP Public Betaに関する最新情報を紹介します。書籍「FileMaker Server カスタムWebテクニック」の著者、松尾篤氏の登場です。
・【書籍ご案内】「FileMaker Pro大全」絶好調発売中!
< http://www.rutles.net/books/156.html
>
[有限会社アモニータ(Web制作/プランニング/出版プロデュース)]
< http://www.amonita.com/
>
[有限会社レクレアル(FileMakerソリューション開発)]
< http://www.recrear.jp/
>
[Max_blog —“インターネット拾いモノ”でも執筆中]
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[mixi —“永吉克之Fan☆Club”コミュニティ]
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- 中尾 貴則
- すばる舎 2006-06