「自炊」と、自己人体実験を繰り返している。自炊とは、書籍を裁断してスキャンして取り込む作業の総称。人体実験とは、どの程度のことが許されて、何にイラつくのかを試す作業。
自炊で言えば、裁断からスキャン、そして検証(ページ落ちやズレなど)までの時間的な測定。多くのデータが、ちょっとググれば出てくるけれど、やはり自分で試さないと分からないことは多い。
特にコンテンツに関する嗜好性によって、設定方法は異なるだろう。私の場合、5割が漫画、2割が小説、残りが技術系。傾向的には漫画は微増(昔の捨てられないものが圧倒的)で、技術系が増加中。共通項は、写真は少ないが図が多い。更に、部分的にカラーが入るものが混じる。総じて漫画は昔の方が手の込んだ製本が多く、自炊にはそれなりに気を使う。
自炊処理としては、単一の処理を集中した方が私には効率が良さそうな感じなので、白黒だけ、カラーだけと処理をして、PDF結合でまとめる。作業的には、3:2ぐらいの割合で裁断とスキャンをして、最大でも3時間程度にするのが、苦に感じないコツ。それ以上だと肉体労働色が苦痛に感じだす。また、OCRをかけるとKindle2ではページ送りが極端に遅くなるなど、まだまだデバイス依存があることも分かっているし、その意味で自炊済み具材を捨てにくい状況が続く(かといって、再度スキャンし直すかどうかは微妙)。
自炊で言えば、裁断からスキャン、そして検証(ページ落ちやズレなど)までの時間的な測定。多くのデータが、ちょっとググれば出てくるけれど、やはり自分で試さないと分からないことは多い。
特にコンテンツに関する嗜好性によって、設定方法は異なるだろう。私の場合、5割が漫画、2割が小説、残りが技術系。傾向的には漫画は微増(昔の捨てられないものが圧倒的)で、技術系が増加中。共通項は、写真は少ないが図が多い。更に、部分的にカラーが入るものが混じる。総じて漫画は昔の方が手の込んだ製本が多く、自炊にはそれなりに気を使う。
自炊処理としては、単一の処理を集中した方が私には効率が良さそうな感じなので、白黒だけ、カラーだけと処理をして、PDF結合でまとめる。作業的には、3:2ぐらいの割合で裁断とスキャンをして、最大でも3時間程度にするのが、苦に感じないコツ。それ以上だと肉体労働色が苦痛に感じだす。また、OCRをかけるとKindle2ではページ送りが極端に遅くなるなど、まだまだデバイス依存があることも分かっているし、その意味で自炊済み具材を捨てにくい状況が続く(かといって、再度スキャンし直すかどうかは微妙)。
■
人体実験としては、読む場所や集中度、その他活用に関しての主観的な事柄。克服したいのは、基本的には通勤時間帯。mailニュースやTwitterでの情報収集も有効ではあるけれど、自分がお金を出しても学ぼうとしたことを読む時間がなくて辛い。
・電子書籍、読む速さ低下 満足度は同じ 紙と比較調査(asahi.com)
< http://www.asahi.com/culture/update/0707/TKY201007060729.html
>
そうした観点では、上記の調査は私にとっては殆ど意味がない。ゆっくり座って本を読むときの、デバイス別快適度調査に興味がない。ゆっくり読めないけど、読みたいから工夫している。理想的な読書スタイルが現実的なら、電子書籍は正に本の再現だし、そのUIに勝負が付けば、書架節約率だけの競争になる(それはそれで魅惑的だが)。
ただ、この調査で面白いのは、パソコン(PC)との比較だろうと思う。明らかに、読書に関して低い満足度しか得られていない。
比較のため、パソコン(PC)でも同じ小説を読んでもらった。その後、使
い勝手に関する満足度を7段階で採点するアンケートをしたところ、iPad、
キンドル2、紙の本は、それぞれ5.8点、5.7点、5.6点とほぼ同じだった。
パソコンは、3.6点と低かった。(asahi.com)
ここでいうPCが何を指すのかは、よく分からない。Adobe Readerなのか、他の専用ソフトか、あるいはそれらが搭載されている統合環境としてのPCなのか。私的には、PCは他のことができ過ぎて読書に集中できないことが一番ネックで、次はPDFリーダが貧弱すぎるのが障壁。漫画のトーンの表示に関して比べれば差は明確で、PCではモアレ(網目のつぶれ)が酷い。更に適正な大きさに調整することが微妙に面倒。検索したり、文献をコピーしたりする作業には、最適に近いのかもしれないが、やはり読書へのノイズが大きい。更に考えれば、姿勢なのかもしれない。PCモニターと顔との位置関係は、読書には余り向いていない気がする。
■
実験の中で感じているのは、PC系(情報操作/詳細検索)+ケータイ系(オーガナイザー)+Kindle系(閲覧)の三種コラボ辺りに収束する予感。それ以上には減らない、そして今PCとケータイで済ましている現状に問題があるのではないかという予想。この三種をの必要性は実は今でも変わりなくて、大抵の会議には、ノートPCと紙資料とケータイはぐちゃぐちゃとACアダプター込みで持ち込んでいる。
会議が集中している日は、溢れんばかりの資料と機材を束ねて、引越ししているような感じさえする。時々はトートバックに詰めて会議室を移動する。無様ではあるけれど、移動が問題なのではない。全てがデータとして管理されていれば良い訳でもない。短い時間内に手際よく諸々決めるためには、PCだけでは余り効率的ではなく、だから工夫している。
映画などに出てくるような、すべてのデータがクリック(或いはタッチ)ひとつで検索できて、見やすく一覧され、更にドリルダウンできる環境は、SIerがそこに価値を認めていない現状ではまだまだ先だろう。しかし、それが達成できたとしても、会議が円滑に進むかというと少し微妙だと思っている。
いつも、頭をよぎるのは、「AKIRA」の1コマ。極秘情報が微妙に漏れるきっかけのシーン。膨大な予算案の表の横に、「アキラ」と落書き(メモ)された紙切れ。それが確信や疑念を膨らませて、ドラマの緊迫感を高めた。
思えば、教科書も書かれてあるコンテンツのみが大切なのではなかった。文字が読めないほど描いた落書き、ページの端っこを埋めたパラパラ漫画。授業と関係ないことばかりだった気がするけれど、私にとっては大切な情報だった。
この辺りまで考え出すと、もはや単なるデジタル化だけの話ではなくなる。今まで自分達がしてきた情報処理の根本から再考する必要がある。電子書籍は、そのための大切な一歩だと思う。
■
デバイスとしては、(主にPDFの)表示速度とメモリ容量が問題となるのだろう。様々な実機を試せる場所は少ないけれど、幾つかの展示会で触ってみている。もっとこうした場が常設されることを期待したい。
モニタ部分が、液晶になるのか、Eink系になるのか微妙だけれど、後者だとしたら、画面のリフレッシュは重要な要素だ。あのチラつきを気にする人は多いだろう。白黒がカラーになるのにも、それ程時間はかからないようだ。けれど、現時点の実験結果からすれば、私には白黒で充分なものが7割以上だと思われる。どれが自分の感覚にマッチするかは、実際に見てみないと分からないだろう。iPod時代のイヤホン選び以上に大変な作業になるだろう。今のうちに目を肥やしておかないと。
あと、iTunes的な母艦も必要だろう。メモリ量がどんなに増加しても、持ち歩くものである以上、紛失のリスクは避けられない。そして、いまKindle2で試している感覚では、最低でも500冊のレベルで持ち歩きたい。馬鹿げた話かもしれないが、iPodで500曲を持ち歩いている人は普通だろう。今に本もそうなる。そして、500冊を持ち歩く=500冊を一度になくす可能性がある、ということだ。だから、母艦が必要になる。バックアップは避けられない。更に、総合的母艦に育てるなら、同じコンテンツの別バージョンに関する割引システムも必要だ。もう、同じコンテンツをベータ/VHS/DVD...と買い換えるのは勘弁して欲しい。
いま書籍系では、この辺りを利権絡めてゴニョゴニョやっているのだろう。今の書店を守るとかなんとか言いつつ、すっごく使いにくいUIとややこしい手続きが襲いかかってくるようで怖い。だから、自炊に踏み切った。あと10年ぐらいは、PDFというファイルフォーマットは生き残るだろうし、デバイスはドンドンと安くなるだろうし、自分だけの快適さを求めてもバチはあたらないと決めた。
さっさと新しい仕組みに行って欲しい。コンテンツは後から付いてくると思う。それで、教科書のデジタル化と国産Kindleの大量生産まで突き進む。山ほどの場数を短期間でこなせば、あっという間にデジタルリテラシの上昇に寄与するだろう。その子達が、世界に出て行く。そういう投資を選ぶべき時に来た。この話は、また別の機会に。
◎環境設定メモ:
・裁断機:楽天オークション系で購入
・スキャナ:ScanSnap1500をヤフオクで入手
・書籍:BookOff系の主に100円もの(未だ自分の財産には手をつけられない)
【みつい・ひでき】感想などはmit_dgcr(a)yahoo.co.jpまで
・金浦空港にて。NWAに慣れていたので、大韓航空のFAが眩し過ぎ。
・RIAC:RIAコンソーシアム:ビジネスセミナー XVI
ユーザ視点での開発プロセス:成功事例の裏側
< http://www.riac.jp/2010/07/b-xvi.html
>
日時:7月28日(水)14:00〜17:30(13:30より受付開始)
会場:秋葉原UDXカンファレンス
※司会やります、お時間あればお越し下さいm(_"_)m
・mitmix : < * http://www.mitmix.net/
>
・Twitter : < * http://twitter.com/mit
>