?×?×CrossOver Talk[15]MacBook Airって仕事に使えるの?──デザイナーの現場から見る、MacBook Airの魅力
── 杏珠 ──

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デジクリ読者の皆さん、こんにちは。studio H.M代表のディレクター/デザイナーの杏珠(あんじゅ)です。

あっというまに12月ですね。気がつけば年末進行の時期...皆様、いかがお過ごしですか? 私は先月のコラムにある通り、MacBook Airを購入して、新しい環境を整えました。エディトリアルデザインを中心として仕事をしている私が、現場のデザイナー目線でMacBook Airどうやって使っているのかを紹介します。購入を考えている方にとって、ひとつの参考データになればうれしい限りです。

■MacBook Air11インチを購入した理由

今回、私が購入したMacBook Airはカスタムオーダーメイドモデルで、11インチ+SSD128GB+メモリー4GB+CPU1.6GHzという内容です。ちなみに合計金額は128,645円でした。なぜこのモデルにしたのかは、3つ理由がありました。

理由1──仕事用の環境とデータのバックアップのため
仕事で扱う直近のデータ量、使用するアプリなどを含めるとデータが50GB近くになるので、作業スペースの空き容量を考えると、64GBモデルの選択はない。

理由2──できるだけ長く利用したい
購入後にアップグレードできない仕様のマシンであるため、メモリー、CPUのアップグレードにさほど価格が変わらないのであれば、CPUもメモリーも積めるだけ積んでおきたかった。

理由3──メインマシンの買い換えの予定がある
仕事でメインで使っているMacBook Pro(2008年モデル)の買い換えを予定しているので、メインの仕事用マシンというよりも、サブマシンの使用として考えていた(詳細はこのあとご紹介します)。

ちなみにMacBook Air11インチのバッテリーは、モニターの輝度を下げて、Webのブラウジング時にFlashを止めていれば、4〜5時間保たせられました。

  MacBook Airをカスタマイズ─Apple Store(Japan)
  < http://store.apple.com/jp/configure/MC506J/A?mco=MTk0MjI2MTQ
>



■MacBook Airは「スーパーサブマシン」

MacBook Airはメインではなく「スーパーサブマシン」という位置づけで使用します。「スーパー」と名付けるその理由を3つあげたいと思います。

理由1──メインマシンのMacBook Proはまだ現役で使える
一番の理由は、繰り返しになりますがまだメインマシンのMacBook Proが現役で使えるということでした。ただ、なにかあったときのために、MacBook Airには仕事で使うアプリ(Adobe関連)はすべてインストールしてあり、あとはフォントをインストールすればメインマシンとして使えるようにしてあります。スペックの数値以上に、MacBook Pro(メインマシン)より性能が上なマシンということで「スーパー」サブマシンと命名しました。

理由2──MacBook Airを単独で使う場合、作業画面がせまい
今使っているメインのMacBook Proは15インチです。この大きさはMacBook単独で使う場合、ぎりぎり作業ができる大きさです。なのでMacBook Air11インチ単独だと作業はとても厳しい環境だと思います。ちなみにiPadをサブモニターとして使って、どこでもデュアルモニター環境にする方法もあります。

  Design × Lifehack × CrossOver Lab
  【執筆】日刊デジクリにてコラムを執筆しました。テーマは「ノマドワー
  クに便利なアイテム」です。
  < http://happy-montblanc.com/blog/?p=1803
>

理由3──MacBook Airを「カートリッジ化」する
基本的にMacBook AirはMacBook Proよりも起動や処理が早いので、仕事以外の処理はMacBook Airメインで使うことにしました。そこで考えたのが「カートリッジ化」するという発想です。メインマシンと連携して使うのもOK。単独で使うのもOK。どちらでも使えるような立ち位置でつかうことで、MacBook Airの存在がより輝きを増しました。

▽デザイン業務にかかわることは、MacBook Proでなくてもできることがある

MacBook Airの処理の速さと、仕事以外のマシンに特化することで、どこでも仕事の下準備ができます。たとえば......

・仕事で使う画像をMacBook Airでダウンロードします。Photoshop→解像度の変更→RGBからCMYKに変換→psdデータで別名で保存などの設定をしたドロップレットなどを作り、仕事で使えるように画像を変換しておく

・Jeditなどのテキストエディタで、テキストデータの下処理をする

・外出先から「どこでもMyMac」や「画面共有」の機能を使って、メインマシンの遠隔操作での作業をする

......といったこともできます。

▽仕事以外ではこんな使い方も

・仮想OSアプリ「VMware Fusion3」にWindows XPをインストールしてWindowsアプリを使用することもできます。

実際にWinsdows環境で使うアプリは青色申告で使う会計ソフトだけですが、長年使っていた会計ソフトが外出先にそのまま持ち出せれば、外で経理状況を見たり、税理士さんなどにデータの修正をその場でお願いすることも可能です。

  VMware Fusion 3─Mac ソフト、Windows ソフトのことなら act2.com
  < http://www.act2.com/products/fusion3.html
>

それ以外では...
・コラムや原稿書きなどの執筆
・タスク管理アプリや家計簿アプリなども即座に入力&チェックが可能
・Ustream放送もばっちりできます(Webカメラ+オーディオインターフェイスを別途接続しての放送も可能です)

そのほかには「カートリッジ化」でのキモとも言える「連絡ツール」として使う方法をご紹介します。

■MacBook Airは第2のケータイ電話

MacBook Airを連絡ツールとして使ったときに、まさに「第二のケータイ電話」と感じていました。MacBook Airを、連絡ツールとしてどうやって使っているのかをピックアップしてみたいと思います。

・メール&スケジューラー
Thunderbird+Lightning(スケジューラー)を使ってスケジュールとメールを一括管理

  Design × Lifehack × CrossOver Lab【ほぼ日あんじゅ─003】
  Thunderbirdをスケジューラーとして使ってみよう
  < http://happy-montblanc.com/blog/?p=1884
>

・Skype USBヘッドセットか、Bluetoothヘッドセットで音声チャット。電話代わりに使えます。

  無料のインターネット通話と電話への格安通話─Skype
  < http://www.skype.com/intl/ja/home-windows-new-user/
>

・Twitter
Twitterクライアントをつかって情報収集、発信(夜フクロウ、Hootsuiteなど)

・SNS(サイボウズLive、フェイスブック、mixiなど)
メール以外の連絡ツールとして利用

といったことに使っています。事務所内の無線LANを利用をすることで、電源コード以外、なにもコード類を接続しなくても作業ができる「モバイル端末」として使うことができます。

事務所内では無線LAN環境を使って、外出先では光ポータブル(イーモバイル回線)を使います。光ポータブルはフレッツスポット契約もしているので、地下鉄など、電波が届きにくいところもカバーします。そして出先(ホテルや事務所)でもし有線でのネット環境があれば、光ポータブルにケーブルをつなぐことで無線LANルータとして使えます。ここまでくれば「第二のケータイ電話」と言ってもいいのではないでしょうか?

MacBook Airから電源を抜いて、事務所内でも外出先でもどこでも作業の続きがシームレスにできる。まさに自分が望んでいた環境です。

  光ポータブル持ってドコイク?|フレッツ光公式|NTT東日本|手のひら
  サイズのモバイルWi-Fiルーター 光ポータブル登場!
  < http://flets.com/hikariportable/
>

  フレッツ・スポット|フレッツ光公式|NTT東日本|公衆無線LANサービ
  スなら「フレッツ・スポット」
  < http://flets.com/spot/
>

■クラウドサービスや物理的にストレージ機器を増設してMacBook Airの能力を120%活用する

MacBook Airの魅力をお伝えしましたが、唯一難点といえばSSDの容量でしょうか? MAXで128GBでは、過去の仕事用データなどをそう多くは持つことはできないので、クラウドサービスや外付けHDDを利用して対処しています。その中でいくつか紹介してみます。

▽クラウド系サービス
・MobileMe(有料)アップル純正クラウドサービス
入稿用データのやりとりに使用(予備)

  アップル - MobileMe - iPhone、iPad、Mac、Windowsパソコンをいつでも
  完璧にシンク。
  < http://www.apple.com/jp/mobileme/
>

・Dropbox(50GB・有料)無料版も有り
仕事などで使う軽いデータ(テキストデータ、キャプチャ画像)のやりとり、校正用pdfデータの保存場所、ブログやWebサービス、SNSなどで使うリファレンスデータなどで使用。自動同期なので、わざわざコピーしなくても勝手に同期されて、ダウンロード先のリンクも自動育成できるので便利。仕事の進行中データをこれで管理すれば、コピーの手間もいりません。

  Dropbox - Files - Online backup, file sync and sharing made easy.
  < http://www.dropbox.com/
>

・Flickr(容量無制限・有料)
Eye-fiを使って、デジカメデータをすべて転送。iPhoneで撮影したデータも転送して、ブログなどでつかうキャプチャ画像も「skitch」というキャプチャアプリを使って転送。画像関係はFlickrで一元管理しています。

  Welcome to Flickr!
  < http://www.flickr.com/
>

それ以外では...
・レンタルサーバ(10GB・有料)
転送速度が一番早いので、入稿データのやりとりはここでやります。

▽メモ関係
・Notational Velocity(OSX用アプリ/無料)
「simplenote」というWebサービスを使った、メモ帳サービス対応のメモアプリです。「simplenote」はWeb、iPhone、iPad、Macの各デバイスで利用可能。どのデバイス環境でテキストを書いても、即座に自動同期してくれます。

  Notational Velocity
  < http://notational.net/
>

  Simplenote. An easy way to keep notes, lists, ideas, and more.
  < http://simplenoteapp.com/
>

・Evernote(無料・有料)
Webクリップから、画像、pdf、音声となんでもデータをストックできます。MacBook AirはメインマシンのMacBook Proよりも高速で検索、作成ができます。

  すべてを記憶する|Evernote Corporation
  < http://www.evernote.com/about/intl/jp/
>

▽2.5インチ外付けHDD
iPhoto用のデジカメデータ(バックアップ用として)。ネットにつながらないときのための仕事用バックアップデータ用として使用。

▽OSXの共有機能を使ってデータのやりとり(外出先からでもアクセス可能)
MacBook Pro(メインの仕事マシン)とPower Mac G5(ファイルサーバ)
iPhone/iPadの同期・バックアップマシン
過去の仕事データ、進行中データのバックアップ、iTunesの音楽データ。

■購入した周辺機器

・外付け光学ドライブ
今回、たまたま外付けのDVDドライブが手元にあったので購入はしていません。ネットワーク越しでインストールするのも可能ですが、容量が大きいモノだと時間がかかりますし、CDなどのメディアからアプリをインストールことが多い、もしくは初めてMacを購入するのであれば、光学ドライブを一緒に購入されることをオススメします。

  MacBook Air SuperDrive - Apple Store(Japan)
  < http://store.apple.com/jp/product/MC684ZM/A
>

・本体保護カバン
MacBook Air用に肩掛けカバンも買ったのですが、遠征に行くときのためにキャリーケースなどに入れておいても、本体保護のために衝撃吸収できるバックを買いました。

  衝撃吸収インナーケース(10.2型ワイド対応・ブラック) IN-H10BK
  【サンワダイレクト】
  < http://direct.sanwa.co.jp/ItemPage/IN-H10BK
>

・USB Ethernet アダプタ
無線環境がないときや、無線より安定したデータ転送をしたいときに使用。

  Apple USB Ethernet アダプタ - Apple Store(Japan)
  < http://store.apple.com/jp/product/MC704ZM/A
>

・外部ディスプレイアダプタ
事務所でモニターにつなげての作業の時や、出先での作業や、プレゼンなどでプロジェクターにつなぐときに必要となります。

  Apple Mini DisplayPort − VGA アダプタ - Apple Store(Japan)
  < http://store.apple.com/jp/product/MB572Z/A
>

■アプリケーションのインストールの注意点

最後になりますが、複数台Macを所有する際に気をつけておくことがあります。それは「アプリケーションのライセンス問題」です。モノによっては追加でライセンス使用権を購入しなくてはいけないものもあるので、シェアウェア、購入したアプリに関しては、別マシンにインストールするときには必ず確認をしてください。分類すると以下の4つに分けられます。

1)ライセンスを所有している人数、所有するPCの台数にかかわらずインストールが可能なもの(フリーウェアなど)

2)ライセンス使用権を持っている人が使用するPCのみ、複数台インストール可(ユーティリティ系、ネットワークで同期できるアプリ系など)

3)複数台にインストールは可能だけど、同時使用はできないもの(Adobe製品など)

4)使用するPC1台のみ有効(Microsoft Office、フォント関連など)

4番目に関して、必要な本数を再度購入するか、インストールしているマシンのアプリをアンインストールしてからMacBook Airにインストールようにしてください。不明な点がある場合は、メーカーさんやアプリの作者さんに問い合わせをして、確認してからインストールすることをオススメします。

▽MacBook AirとMacBook Proの連携に便利なユーティリティ「Synagy」

おまけ。「Synagy」というユーティリティをご存じですか? マウスとキーボードの操作が、ネットワークをつかって共有(操作)できるユーティリティです。Macだけでなく、Windows、Unixのどのプラットフォームでも使用できます。実はこれ、jeditやExcel、ブラウザ上などのテキストデータもコピーして、別マシンにペーストすることが可能なんです。となると、テキストを扱うアプリケーションであれば、それらのアプリをMacBook Airに移行して、MacBook Air上でアプリを使用することで、ライセンスを2台分買わなくてもいいことになります。

  Synagy
  < http://synergy2.sourceforge.net/
>

いかがでしたか? ざっとMacBook Airの自分なりの使い方を紹介してみました。仕事以外でもMacBook Airを使うことがあるなら、十二分に投資効果はあると思います。MacBook Airに興味のあるかたはぜひ、お近くのアップルストアに行って触ってみてください。そして初めて触るときに、ひとつやってみて欲しいことがあります。それは...MacBook Airを再起動してみてください。再起動に20秒かからない世界は、あなたをきっと異次元の世界に連れて行ってくれると思いますよ(笑)

●イベントの告知

私もスタッフで参加している「東京ライフハック研究会」というコミュニティにて、今年最後のイベントを行います。テーマは「手帳」です。手帳に関する熱い思いをぶつけるのもよし。いろんな方の手帳術を勉強するのもよし。イベントに参加して、もっと手帳を有効活用してみませんか?

イベントの内容は講演、ワーク、LTの三部構成で行います。講演は人気ブログ「No Second Life」の立花岳志さんが出演されます。デジタル、アナログ、ハイブリット...各ユーザーが集まってのディスカッションもおもしろいと思いますので、ふるってご応募いただければと思います。

→参加応募はこちらから! 12月19日 東京ライフハック研究会Vol.4
< http://kokucheese.com/event/index/6163/
>

同日に忘年会も開催します。こちらは「東京ライフハック研究会」とは関係なく募集をしています。iPhone好き、ライフハック好きの方はふるってご応募くださいませ。

iPhone好きな人やライフハック好きな人達の忘年会!:ATND
< http://atnd.org/events/10434
>

【あんじゅ】ask@happy-montblanc.com
東京都八王子市出身。デザイン事務所「studio H.M」代表。エディトリアルを中心にデザイン業を営んでます。

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