どうしたらできるかな?[step:09]ぬいぐるみの神様ありがとう!
── 平山遵子 ──

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あ〜困った。本当に困った。これじゃあ制作が進まない。どうしよう。このままではキャラクターデザインもできないし、ぬいぐるみを作ることもできない。オーダーメイドのぬいぐるみ企画が破綻してしまう......。

姉や保育園に断られ、知り合いに事情を話し、協力者を探すもなかなか見つからず。あっという間に一週間が経とうとしていました。私は卒業制作担当教員でもある海津先生に現状の報告と相談のため、メールを送りました。すると先生から直ぐに返信がありました。

「そんなに落ち込まなくて大丈夫! 前向きに探し続けましょう! 私の子供が昔描いた絵とか探してみますね」以下省略......。

先生は前向きに探し続けましょうと言っているけど、本当に大丈夫かな......。少々マイナス思考になっていた私。このままでは卒業制作に入れません。不安で一杯になりました。




しかし、いつまでもくよくよしていては前に進めない。気分はお通夜みたいになのですが、フェイスブックにスレッド立てながら、協力してくれる人を探し続けました。

あ〜もう本当に見つからなかったらどうしよう。一人でもいいから誰か協力してくれないかな〜、そう思いながら、いつものように裁縫の特訓をしては日が暮れて、時間は過ぎるばかりです。

そんなある日のことです。なんと2通のメールが届きました。内容はオーダーメイドのぬいぐるみ企画がとても面白そうなので、ぜひ協力させて下さい、うちの子供の絵でよければ画像をお送りします、という内容でした。一人はSMSでよくやり取りをする主婦の方、もう一人はお子さんのいる男性の方でした。

「えっ、これって!? おぉ、やった〜!!」

思わず、机のPCの前で大はしゃぎしてしまいました。直ぐにお二方にお礼とお子さんの趣味に関するアンケートにお答えて下さい、という内容のメールを送りました。ちなみにアンケート内容は、名前、年齢、趣味/どんな遊びが好きか、好きなキャラクターやアニメ、漫画。

とても簡単なアンケートです。その回答とお子さんの絵や工作などの画像を見て、私がその子がどんな子か? どんな形や色が好きか? こんなことが好きなんだろう、こんなぬいぐるみを作ってあげたら喜ぶだろうな、と沢山の妄想を膨らませてぬいぐるみを制作するというわけです。

どんな回答と絵や工作の画像が送られてくるか、とてもワクワクしました。そうだ、海津先生にご心配をかけたので「協力者が二人見つかりました」と連絡をしました。すると先生から早速返事が。

「まずはそのお二人のために一生懸命ぬいぐるみを作って下さい。あと、近々、平山さんにSさんという方から連絡があると思います。卒業生で今、子供を対象に絵画教室の先生をしています。とても良い子なので、是非色々お話をしてお友達になっちゃいましょう。それでは頑張って!」

えっ、卒業生!? 子供を対象の絵画教室の先生!? これはチャンス! うまくいけばお子さんをお持ちの多くの方に協力してもらえるかも知れない。希望が見えてきました。

後に聞いた話ですが、海津先生は卒業生とも交流があり、たまたま卒業生の方と食事会をした時に卒業制作の話になり、私のオーダーメイドのぬいぐるみ企画の話をしたところ、その場の席にいたSさんが協力してくれると言ってくれたそうです。

ひとまず、Sさんからの連絡を待つ間、協力してくれるお二方からアンケートの回答とお子さんの絵や工作の画像が届きました。「ひなたちゃんか。かわいいお名前だな。こっちはいねくんとみちちゃん、二人はきょうだいか」

アンケートの回答や送られてきた画像を見て今までのマイナス思考、どんより暗い気分はあっという間に吹き飛びました。この3人のために楽しいぬいぐるみを作ろうと元気がわいてきたのです。

早速、新しいノートを取りだし「オーダーメイドノート」を作成しました。ページには子供の名前を書き、アンケート回答をまとめたり、送ってもらった絵や工作の画像を貼りました。

お医者さんではありませんが、子供一人一人の趣味や思考などをまとめたカルテのようなノートを作りました。このノートに色々思いついたことを書き込み、それを何度も見直し、その子に合ったイメージを固めキャラクターをデザインしようと考えたのです。

こうして私のはじめてのオーダーメイドぬいぐるみ、誰かのためにぬいぐるみを作るという活動が始まりました。やっとぬいぐるみが作れる!! 神様、いや、ぬいぐるみの神様ありがとう!!

【平山遵子・ひらやまじゅんこ】
J★(Junko allstars)〜思い出を形に未来につなぐハンドメイド〜
< http://www.j-allstars.com/
>
夢は「世界一楽しいぬいぐるみ」を作る!