どうしたらできるかな?[step:16]ぬいぐるみを手渡ししてみた
── 平山遵子 ──

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ホームページも完成し、卒業制作も残りわずかとなりました。あとは自分の作品の総合まとめです。その前に私はひとつやりたいことがありました。それは「自分の作ったぬいぐるみを直接渡して、子供達の反応を見たい」ということでした。

もちろん、反応を見ることが第一の目的であるのですが、卒業制作の進捗を確認する定例会において、ある先生から「イメージ広告みたいなものがあると説得力が増すのでは?」とのアドバイスもあり、私自身も「思い出を形に」の広告を作りたかったのです。この計画に協力してくれたのが、子供の絵の貸し出し等に協力してくれた先輩のSさんでした。


Sさんは子供のための絵画教室の先生をしています。今回作ったぬいぐるみの大半は、その教室に通うお子さん向けです。ぬいぐるみを渡す時の写真撮影がOKで、私のホームページ、卒業制作展でその写真を掲載してもいいという方がいないか、協力してくれる親御さんはいないだろうか。Sさんに相談すると、すぐに見つけてくれました。

今回協力してくれるのはある姉妹でした。この姉妹は工作とパズル遊びが大好きということなので、ふたりのために「パズルくん&パズルちゃん」というペアのぬいぐるみを作りました。それをきれいにラッピングし、おまけのキャラクターの絵と一緒に、お子さんの名前の入ったトートバッグに入れました。

次の日、Sさんの絵画教室を訪問しました。Sさんと親御さんのKさんと挨拶を済ませ、レッスンが終わるまでしばらく教室で待つことに。子供たちが楽しそうに工作したり、絵を描いたりしています。そして、いよいよぬいぐるみを渡す時がきました。Sさんが自然な感じで一部始終を撮影してくれます。

「これ、二人のために作りました。これでたくさん遊んで下さい」
私はドキドキしながらも二人にぬいぐるみを渡しました。すると……
「うわ〜これ凄い!」姉妹はキャッキャッいいながら遊びだしました。妹さんはトートバックがとても気に入ってくれたようで、片時も離しません。

「これ、パズルみたいに手と頭が繋がるよ!」
「うわっ!見せて〜!」

うれしい! 姉妹はぬいぐるみに施した遊びに気が付いてくれたようです。ふたが笑顔で遊ぶ姿を見て、私は本当に嬉しくてなんとも言えない気持ちで一杯になりました。

撮影も終え、姉妹と親御さんにお礼を言うと
「どうしてうちの子が青とピンクが好きだってわかったのですか」
「二人から借りた絵や工作の写真から想像してみたんです。たぶん青とピンクが好きかなと。それと工作が得意そうなので、何か組み合わせて遊ぶのではないかなと」
「へぇ〜不思議ね。写真を見ただけで子供たちの好きなことがわかるなんて」

教室に私とSさんだけになりました。
「あのふたり本当に喜んでいるよ。良かったね。いい写真も沢山撮れたし」
「えっ、そうなの?」
「本当だってば。あの姉妹、普段はあんなにはしゃいだり、キャッキャッ言わないもの」

自分でも上手く言えませんが、本当にうれししかった。自分の作ったものであれだけ喜んでもらえるなんて、生まれて初めてだったので。

この様子は以下「思い出を形に」を参照
< http://www.j-allstars.com/ordermade.html
>

さぁ、卒業制作審査会、卒業制作展の展示準備と展示、頑張るぞ! と活力がわいてきました。作り手の勝手な思い込みかもしれませんが、この貴重な体験から、相手に喜んでもらえるかもらえないか、作品が評価されるかされないかは別にして、丁寧に心を込めて作ることが大切だということだけは忘れてはいけないと思ったのです。

【平山遵子・ひらやまじゅんこ】
J★(Junko allstars)〜思い出を形に未来につなぐハンドメイド〜
< http://www.j-allstars.com/
>
夢は「世界一楽しいぬいぐるみ」を作る!