挑んで死にたい、ダンボールアーティストとして[16]2016年の抱負とデジクリのテーマ
── いわい ともひさ ──

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●2016年は勝負の年!

皆様、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

ということで、2016年が始まってしまいましたね。2015年も終わってみれば、あっという間の一年でした。

2015年は準備の年と位置付けて、自身がやろうとしている事業について考え、様々な仕事を経験し、多くの人と会いました。

ダンボールアーティストという肩書きで活動をしており、これからも様々な作品を作っていきたいと考えていますが、それだけではなかなか満足な収益が得られません。

もともとダンボールアートだけで食べていけるとは思っておらず、自身で製品を開発して販売していくことを計画していて、2015年は様々な仕事をする傍らでダンボールアート作品を作り、製品の案を考えていました。

今年はそれを形にして世に送り出します。売れてくれなければ生活できなくなるので、必死ですよ(笑)




●ものづくりへのこだわり

当初は紙やダンボールという素材にこだわったものづくりを考えていましたが、現在はもう少し幅を広げて、木も選択肢に含めています。

ディズニーから子ども向け映画の宣伝用に、ダンボールアート制作の依頼をもらったことが、紙やダンボールという素材でものづくりをすることを考え始めたきっかけでした。

最近の子どもは生まれたときにはすでに3DCG映画が当たり前で、そのような映像に見慣れてしまっており、映像そのものに対する驚きはそれほど大きくないそうです。

高度な技術を使ったCG映像よりも、ダンボールという身近な素材で作ったキャラクターの方が子ども達に響くのではないか、というのがディズニー側の考えでした。

狙いはズバリ的中し、子ども達はダンボールで作ったキャラクターに強い関心を示してくれました。結果的に触られまくって破壊されたんですが(苦笑)

しかし、子どもたちにとっては目の前のダンボールアートに触ってみたいという気持ちがあり、ゲームにばかり関心を持っているわけではないことがわかりました。

もしかしたら、ここに商機があるかもしれないと考えるようになり、市場に出ているダンボールを素材にした製品を調べてみました。

そして、もっとおもしろいもの、売れるものが作れるんじゃないかと思うようになりました。

今の子ども向けおもちゃに樹脂や電子部品を使ったものが多いのは、皆さんご存知のとおりですが、ブームが過ぎ去った後、それらは粗大ゴミです。

子ども向けのおもちゃの末路が、その子ども達の行く末を塞ぎかねないゴミであるとは皮肉なものです。

おもちゃに限らず、車や家電製品など、完全なリサイクルが難しい製品は多くあります。

私自身、スマートフォンやパソコンは仕事に欠かせませんし、家電も必要です。そのような製品を作ることも使うことも否定しません。ただ、もう少し環境負荷の低い製品が増えても良いのではないかと考えています。

環境のことを考えろと押し付けがましく訴えるのではなく、皆が夢中になれるような製品を生み出し、それが結果的に環境に配慮した素材であるというのが理想的・現実的なのではないかなと。

紙とダンボールから、木という素材にまで範囲を広げた理由は、昨年、鯖江うるしアワードで受賞したことがきっかけでした。

受賞した作品は商品化される予定ですが、考えた製品は漆器で、漆を塗る対象は木です。紙やダンボールは使われません。

事業で行うものづくりと個人制作を分けて考え、事業では紙とダンボールにこだわり、個人制作には制限を設けないという方法もありました。

しかし、木という素材を加えることは、私が持っているものづくりの基本精神に反するものではなかったので、幅を広げて考え、選択肢を増やすことにしました。

●2016年の「デジクリ」のテーマ

昨年は、ブログを始めてから会社を退職して独立するまでの「過去」を中心に書きました。

また、昨年連載をしているときに起きたことは番外編としてそのまま伝えてきたので、ネタの貯金がほぼなくなりました(笑)

引き続き、近況は伝えていきますが連載を続けるためのテーマが必要です。できる限り、読んでくれる人にとって、そして自分にとっても何か意味のあるものとしたいので、仕事に関することを書いていきます。

具体的には、マーケティング、ブランディング、営業手法、ITの活用法、などといったところです。新しいことを吸収しながら、書いていきます。

●今年やること

今年は、前年に準備したことを形にして行きます。具体的には製品の販売を始めます。

これまでは準備期間だったため、出費も最低限に抑えてきましたが、これからはある程度の金額を投入する必要があります。

当然、リスクを伴いますが、勝負するというのはそういうことです。すでに昨年から製品のアイデアを考え、複数の会社に試作をお願いしています。

重要なことは原価を見誤らないことです。製造費用以外にも、流通や営業経費など、見込んでおくべき様々な費用があります。

費用がかかるからといって利益を乗せすぎて、製品が高くなってしまっては誰も買ってくれません。原価を正確に見極めた上で、価格設定をする必要があります。

そもそも原価を試算した時点で売値が高くなりすぎるようであれば、どこに無駄があるのかを見直す必要がありますし、どう考えても採算が合わないようであれば、中止という決断も必要です。

宣伝だけを考えても様々な手法や媒体があり、何をどのように使うのが効果的であるかの考えなくてはいけません。

まあ、予算が限られているので、何でもかんでも自由にできるわけではありませんが。

いまは多くの人が情報収集にインターネットを利用します。ウェブサイトが製品を知るきっかけにもなりますし、どこかで製品のことを知った人がウェブサイトを訪れることもあります。

ここに手を抜いて、素人くさいデザインのウェブサイトに、イマイチな商品写真が並んでいては製品の魅力が半減します。

昨年、ダンボールアート作品をプロのフォトグラファーにスタジオで撮影してもらったときに、その重要性を再認識しました。ダンボールアート作品がとても魅力的に写っているのです。

プロと同じカメラを持っていたとしても、構図の感覚や適切なカメラ操作、照明設備などは素人ではなかなか真似ができません。

写真に数万円かけるかどうかで、その後の製品の売上に大きく影響するのであれば、そこには投資すべきですよね。

今年はさらに法人設立も予定しています。会社法が変わったことにより、資本金はなくとも株式会社が設立できるようになりました。

とはいえ、資本金0円では信用されないので、やはりある程度の金額は入れておくべきですし、公的手続きのための費用も何十万円かは必要です。

などと考えていると、時間もお金もすぐになくなっていきますし、計画に時間をかけすぎても物事が前に進みません。これまでと同様に走りながら考えていきます。


【いわい ともひさ/ダンボールアーティスト】
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Behance https://www.behance.net/iwai


今週の一言:今年は勝負! 結果出す!