ローマでMANGA[44]どうなる? 対談「MANGAと日本の文化」&ワークショップ/midori

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●ニャ

息子の学校が始まったので生活のリズムは普段に戻ったけど、ウチのような専門学校はまだ。まだ授業の準備を毎週する必要がなくて、ちょっとだけ息が抜ける。

そんな時に、サルデーニャから声がかかった。「ニャ」と言っても猫語ではない。長靴の形をしたイタリア半島のスネあたりに位置する島。行政的にサルデーニャ州と呼ばれ、イタリア半島とはちょっと違った文化、方言(方言とくくるには違いすぎ、イタリア語ではない言語としたほうが適切)を持っている。そのせいで「特別自治州」になってる。
< http://p.tl/krNu >

島の北側のマッダレーナの海は透明度が高くて、浮かんだヨットの影が海底に写ってる絵葉書を、皆こぞって買い求める。ドイツ人やアラブ人の金持ちが避暑に来る場所で、やたら物価が高い。そのイメージがあって、「バカンスはサルデーニャ」って言うと、なんかセレブな感じになる。

西南側はムッソリーニ時代に炭鉱の町が作られ、マグロ漁で有名な街もある。そこで捕れるマグロのほとんどは日本が買っていくそうだ。中央部は山が連なって、「奥」っていう感じ。ヌラゲという、まだ起源がわかっていない先住民族の石の筒状の建物が残ってる。

半島(サルデーニャの人は「大陸」と呼ぶ。沖縄の人が「内地」と呼ぶみたいに)に住むものは、頭ではイタリアだとわかっていても、ちょっと別の国に行くような感覚を持つ。

私を呼んでくれたのは、ノルベッロ(Norbello)という、サルデーニャ中央部やや西よりの小さな市。
< http://p.tl/eh9E >

"Festival dell'immagine e del design interattivo" (インターアクティブなイメージとデザイン・フェスティバル)という金土日3日の催し物だ。チラシを見ると、アメコミと写真と戦争とマンガと青少年がテーマのようだ。毎日必ず青少年に向けたワークショップがあり、この地での戦争写真や本の紹介がプログラムに入っている。
チラシ< http://p.tl/A6ms >



最終の日曜日の午前中に「MANGAと日本の文化」というタイトルで主催者と対談、午後に2時間のワークショップ。

「予算があまりないので...」という主催者側の意向と都合で、ライアネア航空で往復する。ノルベッロ市の近くに空港はないので、南端のカリアリ市に行き、そこから131キロ陸路で北上する。飛行機が着く午後9時20分に電車はもうないそうなので、主催側の誰かが迎えに来てくれるとのこと。
グーグルマップ・カリアリ→ノルベッロのルート
< http://p.tl/qOzE >

●のか?

問題はノルベッロ市にどうやって行き着くか、ということではなく、何をしゃべるのか? ワークショップで何をやるのか? ということだ。

一応、マンガ学校の講師なので、電話でワークショップの打診をされたときは、さも、当たり前のように「もちろんできます。時間は最低2時間必要です。年齢はあまり子供だと困りますねぇ」と落ち着いて答えた。頭の中では、さ、じっくりとあとで何が出来るか考えなくちゃ! とちょっとだけパニクっていた。

対談は「軽い気持ちで、日本とMANGAのことを私とおしゃべりするという感じでいいんです」という主催者の言葉で気持ちが軽くなった。「画像があったほうがわかりやすいですよね」との私の言葉にプロジェクターを用意してくれることになった。

見せるのは、漫画の歴史で必ず出てくる「鳥獣戯画」の他に「源氏物語」や「伴大納言」絵巻物。江戸時代の滑稽本、鳥羽絵など。日本には古くからこうした画像を使った物語があったことを強調するつもり。

そして飛んで昭和。のらくろから一気に手塚氏の初期に飛び、マンガ初期の規格化されたアングルとコマ割りから、映画的な手法を取り入れていく過程を見せる。おしゃべりの方向によっては、日本の一般生活の移り変わりを内容に入れてもいいと思っている。MANGAの他に「日本」を少しでも知ってもらいたい。

さらに、サルデーニャ出身の漫画家二人の話と彼らの作品画像も見せようと思う。若い漫画家志望者の鼓舞になるといいな。そのうちの一人、マッシモ君は、サルデーニャに住んでいて、FACEBOOKを通じて「見に行くよ!」と連絡があった。嬉しい出来事だ。
< http://www.nuvolequartesi.net/gallerie/dalloglio.htm >

マッシモ君は、絵柄にMANGAの影響を濃厚にしつつ、ヨーロッパマンガの伝統も残した、まさに混血児。どうにかこうにか、自分の本を出し続けている。

もう一件、日本のMANGA編集部と仕事をしていたその体験談も面白いかな、と思う。"What's Michel!"と"GON"誕生を導き、鶴田謙二氏をプロにした天才編集者と私が思っている方と仕事をする機会を得たので、どうやってあの二作が生まれたのか、その話も織り込める。

ふむふむ、おしゃべりはどうにかなりそうだ。今のところ、最大の心配は「果たしてプロジェクターがほんとに動くのか?」ということ。イタリアのイベントはこういう施設的なことがこわい。前もってきちんとテストして準備、ではなく、持ち回りの機材を当日に用意していざやってみたら、コードが短いとか、電球が切れてるとか、あほなことで使えない...というのがありそうで怖い。

かと言って、画像全部アナログで所持しているわけではなく、たとえ所持していたとしてもエンコラ持って行く気にはなれない。ので、ペンドライブを握りしめて、用意してくれるというコンピュータとプロジェクターが動くように祈るのみだ。

●さて

さて、ワークショップ。2時間で、どうにかMANGA構築法の基礎、のようなものを体験してもらわねならない。デジクリの「ローマでMANGA」9回目で使った解説をここでも使う。
< http://bn.dgcr.com/archives/20080513140100.html >

違いがあるということ、その違いは何かをしっかり認識してもらう。そして、実際に1ページのネームを作ってもらう。実践が一番。ワークショップは14歳以上で10人まで、ということにしたそうだ。ほとんど絵を描いたことがない、という人が来るおそれがある。

絵の描き方には触れないつもりだったのだが、もたもたウジウジと描いていると時間がかかって、2時間で1ページのネームはできないだろうから、基礎の基礎を言わなくちゃいけない。

だから、
1)コミックスとMANGAの違い
2)ネームとは何かの説明
3)円を基礎にした人の顔の描き方。円と中央線で顔を表現してそれをネームに使ってもらう
4)一ページをコマ割りする。
という順序でワークショップを進めよう。

このワークショップでパソコンとプロジェクターが使えるかどうか分からないので、コミックスとMANGAの違いに使う画像はプリントアウトで持っていく。

もうひとつ、せっかく日本と直接コンタクトがあまりないであろう遠方へ行くのだから、着物で対談をしてみようかと考えている。MANGAワークショップに来る人達は、MANGAと日本に興味があるだろうから、生の着物姿は喜ぶんじゃないかなぁ。

だが、気温が問題だ。南の島だから暑いかもしれない。だったら浴衣だ。でなかったら毛の黄八丈。絹の訪問着は残念ながらシミを作ってしまって、ちょっと着られない。

長期予報とか「サルデーニャの気候」などを見ると、最高気温28度最低21度とまだ暑そうだ。では浴衣か。しょっちゅう着るわけではなく、もたもたして時間がかかる。当日、朝早く起きて、さっさと食事を済ませて、汗かきながら着付けをするイメージを頭に浮かべつつ、悩んでるところ。

【みどり】midorigo@mac.com

増税? 増税したら、消費がますます渋るんじゃないの? 法人税軽減業種を決めるのに、天下り先を用意して...そのため...なんていう話も聞いた。ここは、公共事業を起こし、雇用を増やす。被災地でも。被災地は仕事たっぷりあるじゃないですか。
雇用が増える=給料がもらえ生活が安定して消費できる。公共事業=インフラが整備され、例えば集中豪雨などで決壊などの事故が抑えられ、余計な支出を作らずに済む。被災地復興の予算が足らないなら復興債を発行する。

経済無知の私ですが、だからこそ、ホントはこういう単純なことではないかと、あちこちネットで探ってみて思いました。

イタリアは「え?」と言ってる間に。発表された次の日から20%が21%になりました。なんか、国民は、物価は上がるが給与そのままなのに慣れちゃってるのか、特に騒ぎなし。前日に公共交通機関、翌日に鉄道のストライキがあったくらい。あ、地方知事たちのデモがあった。地方税増税に反対して。

公務員削減はどんどんやってる。ここ数年新しい雇用なし。ただでさえつっけんどんの公僕は仕事量が増えて、ますますつっけんどんになり、一般人は待たされる時間が増えました。同じことを日本はするつもりかなぁ?

明るいニュース(?)もあります。ダンナがやってるオジサンバンド。メンバーの一人が友人経営のピッツェリアと話をつけて、先日演奏。そこは海辺で春と夏しか営業せず、もう閉めるのだけど、来季、週一で演奏しないか? と言われたそうです。ダンナ、56歳にしてデビュー! 思春期依頼の夢の実現なるか?!

イタリア語の単語を覚えられます! というメルマガ出してます。
< http://archive.mag2.com/0000075559/index.html >